株式会社学研教育ホールディングスは、1947年の創業以来、教育・出版・医療福祉を軸に幅広いサービスを展開する「学研グループ」の中核企業です。「すべての人に学びと成長の機会を」という理念のもと、教育・出版・保育・福祉など幅広い分野で事業を展開しています。私たちは、子どもから高齢者まで、学習教材・教室・保育・高齢者住宅など、生涯を通じて“まなび”を支える存在でありたいと考えています。時代やテクノロジーの変化に合わせ、紙の教材だけでなく、デジタルコンテンツやオンライン教育など新しい学びの形を追求し、日々挑戦を続けています。
株式会社学研教育ホールディングス
経営戦略本部
第2事業部長
山下 彰洋 様
これまで授業を撮影する際、講師は常に「自分が今カメラに映っているか」、「板書が見切れていないか」といったことを意識しなければなりませんでした。このため、授業に集中しづらいという課題がありました。兵庫県神戸市の大学受験予備校「創学ゼミ」の『Smartクラスルーム』では、ソニーのPTZオートフレーミングカメラ『SRG-A12』を導入しています。このカメラの自動追尾機能は便利ですが、被写体を常に追い続けるためにカメラが頻繁に動き、生徒からは「少し見づらい」との声もありました。また固定画角で撮影すると動きが伝わらないという別の課題もありました。
今回、SRG-A12がVer. 3.0にアップデートされたことで、状況が大きく改善されました。新たに「固定画角ポジション」と「追尾範囲」が可能になり、「この範囲では固定で撮り、外れたら追尾する」といった柔軟な設定ができるようになりました。これにより、講師はカメラ位置を意識せず、より自然に授業を進められるようになりました。
実際の現場では、授業後に「カメラがあることを忘れていた」という声も聞かれます。生徒からも「映像が安定していて見やすくなった」、「オンラインでも臨場感が増した」といった評価が寄せられており、今回のアップデートは講師と生徒の双方に大きなメリットをもたらしています。
創学ゼミでは、毎月の定例ミーティングや授業見学を通じて、講師からの意見や改善提案を集めていますが、例えば「この範囲だけ自動で追ってほしい」など現場ならではのリアルな課題が出てきます。こういったフィードバックをもとに、ソニーの担当者とも意見交換を行った結果として、SRG-A12のバージョンアップに現場の声が生かされていることを非常に嬉しく思います。
今回のバージョンアップによって、現場が求めていた“ちょうど良い自動化”が実現しました。講師は操作に気を取られず、授業そのものに集中できるようになり、オンラインで受講している生徒の満足度も向上しました。授業後のアンケートでも「授業が途切れずに見やすい」、「先生の動きが自然」といった声が増えています。PTZオートフレーミングカメラ「SRG-A12」は“授業を撮るためのカメラ”から“授業の質を高めるツール”へと進化したと感じています。
今後、私たちがめざしたいのは、映像だけでなく“音”のリアリティまで含めたオンライン学習体験の実現です。映像の美しさも重要ですが、それ以上に「どこから声が聞こえるか」、「距離感や空気感がどう伝わるか」がオンライン学習の臨場感を左右します。例えば、生徒の発言が小さく聞こえたり、教室の奥のざわめきが途切れたりすると、現場感が失われてしまいます。そこで、今後はAIによる音声認識を活用し、より自然な音を再現する施策の検討を進めたいと考えています。
また、講師がよりカメラの操作を意識せずに授業を進められる環境づくりも重要です。将来的には、授業の流れや講師の動きに応じて、システムが自動でカメラを切り替えたり、音声を最適化したりするような、まるで意思を持っているかのようなシステムを実現したいと考えています。若手からベテランまで、誰もがストレスなく質の高い授業を配信できる、そんな学びのインフラをつくることが、私たちの次の挑戦です。その実現のため、これからもソニーには製品の改良やさらなるバージョンアップを通じて、引き続き私たちと共に歩んでほしいと思います。
※ 本記事は2025年10月に行った取材を基に作成しています
リモートカメラシステムは、カメラ操作をリモートコントローラーで行うカメラシステムです。少人数でのオペレーションを可能にし、カメラ設置が困難な場所でも効果的に利用できます。特に、ホールや会議室などの広範囲を撮影する際に適しています。オンライン講義やオンラインセミナーの重要性が増している中、リモートカメラシステムは従来の放送設備や映像制作用途にとどまらず、教育設備や各種ホール、会議室、Web会議システム、さらにはライブ動画配信や動画コンテンツ制作など、さまざまな用途での活用が期待されています。