株式会社ワンダークリエイトは、企業案件(キックオフミーティング、株主総会、セミナー、コンベンションなど)や展示会、コンサートやオンライン配信イベントまで、幅広いジャンルに対応する映像・音響機材のコーディネートおよびオペレーション業務を手がけています。主に企業や主催者からの依頼を受け、撮影・配信に必要なカメラや機材の選定、現場での設営・運用までを一貫して担当。現場のニーズに即した確かな技術力と柔軟な対応力を強みとしています。
株式会社ワンダークリエイト
代表取締役
江森 裕二 様
私たちは、2021年に立ち上がった『CHLL CLASSIC CONCERT(チルクラシックコンサート)』において、映像収録や動画配信を行っています。CHLL CLASSIC CONCERTは、クラシック音楽をもっと気軽に楽しめるように、という理念のもと立ち上がった新感覚のコンサートです。来場者はビーズクッションやハンモック、リクライニングチェアなどに寝そべり、飲み物を楽しみながらリラックスした雰囲気の中でトップクラスのオーケストラによる生演奏を堪能できます。くつろげる空間演出や照明にもこだわり、音楽を「聴く」だけでなく「感じる」体験を提供しています。クラシックファンだけでなく、初めてのクラシックコンサートという20~30代の方も非常に多く、幅広い層が心地よく音楽に浸れるイベントとなっています。
本イベントは回を追うごとに人気が高まり、年間を通しての定期イベントとなってきました。そのため、これまでレンタルだった撮影機材を自社保有に踏み切る決断をしました。カメラマンが入れないステージ上で撮影するリモートカメラとして、これまでは他社製のカメラを使用していましたが、すでに導入していたソニーのXDCAMメモリーカムコーダー『PXW-Z200』やCinema Line カメラ『FX30』との色合わせのしやすさなどを考慮し、ソニー製のリモートカメラの中で選定を開始しました。
検討の結果、4K対応の高画質やPTZオートフレーミング機能の精度の高さから、長期の使用を見据えて『BRC-AM7』を3台導入することを決定しました。この選定により、より高品質な映像を提供し、来場者に新たな体験を届けることができると考えています。
CHLL CLASSIC CONCERTのステージ上では、3台のBRC-AM7を活用し、舞台の上手側と下手側に1台ずつ設置して各パートの演奏を撮影しています。もう1台は舞台の奥から指揮者の動きや表情を捉えるため使用しています。このカメラを使用して最も印象的だったのは、その「画質の良さ」です。特に照明を落とした環境での撮影では、従来のカメラではノイズが気になる場面がありましたが、BRC-AM7は暗部でもノイズが少なく、クリアな映像を提供してくれます。あるとき、撮影した映像を映し出したスクリーンを見た舞台監督から「いつもと違って見えるけど、何か変えたの?」と訊かれました。リモートカメラを変えたことを伝えると、「ものすごく良くなっているよ!」と言われ、その反応に「こんなに如実に違いが出るんだな」と驚いたことを覚えています。
BRC-AM7はコンパクトで、舞台上で演奏の邪魔にならないだけでなく、三脚を装着して高所に設置しても安定感があります。この軽量さは、全国各地の会場に手軽に持ち運べる利点でもあり、限られた時間の中でスムーズに設置できる点も非常に助かっています。
幅広い撮影現場で活用し、映像制作の幅をさらに拡大するために、今回BRC-AM7とともに2台導入したリモートコントローラー『RM-IP500』も非常に好評です。実際に使用したカメラマンからも「パンやズーム操作がしやすくなった」との声が上がっています。具体的には、操作ボタンの配置やレスポンスが改善され、迅速なカメラワークが可能になったことが評価されています。さらに欲を言えば、PCなどの外部機器を使わず、リモートコントローラー上でより多くの操作が今後できるようになれば、さらに省スペースかつ柔軟なシステムが実現するのではと期待しています。
また、PTZオートフレーミング機能については、現時点では活用しきれていない部分がありますが、セミナーや企業イベントなどの撮影から積極的に活用を進める考えです。カメラマンの常駐が難しい現場において、コストと作業負担の両方を削減できる点に大きな可能性を感じています。さらに、展示会などでの天吊り撮影や、4Kでの本格的な収録、SDメモリーカードによる内部記録機能の活用も今後検討していきたいと考えています。
これからもBRC-AM7が持つさまざまな機能を最大限に生かし、映像制作の幅をさらに広げていくための具体的な計画を立て、実行に移していきたいと思います。
※ 本記事は2025年10月に行った取材を基に作成しています
リモートカメラシステムは、カメラ操作をリモートコントローラーで行うカメラシステムです。少人数でのオペレーションを可能にし、カメラ設置が困難な場所でも効果的に利用できます。特に、ホールや会議室などの広範囲を撮影する際に適しています。オンライン講義やオンラインセミナーの重要性が増している中、リモートカメラシステムは従来の放送設備や映像制作用途にとどまらず、教育設備や各種ホール、会議室、Web会議システム、さらにはライブ動画配信や動画コンテンツ制作など、さまざまな用途での活用が期待されています。