法人のお客様ラージセンサーカメラ 事例紹介 連続ドラマW 闇の伴走者〜編集長の条件

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連続ドラマW 闇の伴走者〜編集長の条件

株式会社WOWOW様

CineAltaカメラ“VENICE”で“映画でもない、ドラマでもない”世界を創新

株式会社WOWOW様は、好評を博した長崎尚志氏原作の「連続ドラマW 闇の伴走者」の続編「 連続ドラマW闇の伴走者〜編集長の条件」を制作するに当たり、撮影にCineAlta カメラ“VENICE”を採用し、国内初となるVENICE によるテレビドラマを制作されました。

  • 篠田 成彦様
    株式会社WOWOW
    技術局 技術企画部
    チーフエンジニア
    篠田 成彦様
  • 山田 康介様(J.S.C)
    株式会社 東宝映画
    技術課
    撮影監督
    山田 康介様(J.S.C)
  • 金子 明通様
    株式会社 東通
    第一テクニカルセンター
    ドラマ技術部 ビデオエンジニア
    金子 明通様

WOWOWはコンテンツ制作の“テストベッド”

篠田様 WOWOWでは、新たな表現を目指す取り組みをしています。いわば映像コンテンツの「テストベッド」(実験場)です。その分野はストーリーテリングにはじまり、演出、映像表現、そして技術にもわたります。「エンタメだけれども大人の鑑賞に堪えるもの」という開局以来の精神で、スタッフの皆さんにチャレンジしていただいています。今回は、撮影監督の山田さんから「VENICEとアナモフィックレンズを使って撮りたい」と提案があり、「ぜひ」とお願いしました。

VENICEのデモリールを撮って「この作品もVENICEで」

山田様 昨年、Inter BEEのソニーブースで流すVENICEのデモリールを撮影する機会がありました。そのときに「非常にいいカメラができたな」と思い、続編は「VENICEで撮りたい」と提案しました。テレビドラマでは予算的に難しいアナモフィックレンズですが、この作品の世界感とマッチする表現ができると思ったからです。WOWOWさんには、かなりご尽力いただきました。

オリジナルのLUTを作りスピードと表現の両立を

金子様 フィルムをシミュレーションしたトーンを再現するLUTをオリジナルで作り、現場でのモニタリング用LUTと、ポストプロダクションでのRAW現像用LUTとして使用しました。時間的な制約などから全編RAWからのグレーディングは実現できず、LUTを介したRAW現像出力をベースに仕上げていくワークフローでお願いしました。映画とテレビドラマの中間的なワークフローといったところでしょうか。
VENICEによる撮影は、4:3アナモフィックでデ・アナモ後に左右を切ってHD16:9で仕上げ、フレームレートは23.98pです。

研ぎ澄まし、使い勝手がシンプルになった“VENICE”

山田様 カメラマンサイドと助手サイド、両方にあるコントロールパネルのおかげで、すべての操作を都度、助手にリクエストしなくて済むようになりました。また、8ポジションのNDフィルターもとても便利でした。僕はレンズを開放付近で使うことが多いのですが、いままではマットボックスのNDフィルターを出し入れするのに時間がかかりました。それがボタン一つ数秒で済みます。この手軽さは、ほかのカメラを使うたびに「何でこの機能がないのか」と思うほどです。重厚でどっしりとした質感や頑丈さも、フィルムカメラに慣れてきた僕たちには信頼感があります。ほかにもバッテリー交換からの再起動のスピードなど、ありとあらゆる面で磨きがかかったことを実感しました。現場でのトラブルもなく、撮影データにも一度も問題がなく、信用できるカメラです。

金子様 VENICE を運用してからF55を振り返ると、F55はビデオとシネマの中間的な作りのカメラだと感じます。一般的なドラマ制作など、カメラマンとVEの体制で撮影するには、それが便利な部分でもありましたが、それゆえに操作が複雑になっている印象もありました。VENICEでは、シネマカメラによりフォーカスしたことで操作がシンプルになり、直感的に使えるようになりました。端子配置など各所の設計も、ケーブルが出っ張りにくかったり、アクセサリー類が付けやすかったり、優れた剛性があったりと、とても良くなったと感じました。

ハイライトがぐっと伸びたと実感 暗部もさらに綺麗に

山田様 画質はF55などのいままでのカメラより、ぐっとフィルム的になったと感じます。VENICEはハイライトの伸びが特に良いと感じました。前作をF55で撮ったときは、ロケセットにコントロールの効かない強い自然光が入ったときなど限界を感じる場面がありました。しかし今回のVENICEの撮影では、そういった場面にまったく遭遇しませんでした。
ハイライトだけでなく、暗部も大きく変わりました。 暗いところで黒いものを撮ったときも質感が気になることなく、15ストップオーバーのダイナミックレンジはもはや十分と感じます。
第4話に、主人公を演じる松下奈緒さんと古田新太さんが、河原を歩きながら語り合うシーンがあります。強い西日が入る中、破綻のない柔らかなトーンや、アナモフィックレンズによる独特のボケ味やフレアは、「VENICEだから撮れた」と言えるカットでした。

金子様 HDにダウンコンバートされた映像を見ても驚きの連続でした。テレビドラマでは映画よりも明るく撮りますが、F55では明るく撮ったときにハイライトを気にしないといけない場面が、たびたびありました。しかしVENICEは気にせずいけます。ハイライトの粘りの強さだけでなく、レンズとは別に、カメラ自体での光の散り方の感動的な美しさ、走査線っぽくない粒子感などもいままでのカメラとまったく違うと感じました。

篠田様 とにかく「画からのパワー」を強く感じます。画面からあふれ出るような映像、HDなのに凝縮されている4Kに迫る精細感。作品の世界感とも非常にマッチしました。一視聴者として見ても違いが分かる素晴らしい映像、素晴らしい作品になったと思います。試写を見たとき「映画ではないけどドラマでもない」という新しい世界の“ 鳥羽口”に立ったことを強く実感しました。

ユーザー3D LUT機能など実装予定の機能にも期待

山田様 今回、現場ではファインダーのほかに、カメラ上にLUTを内蔵した別のモニターを用意してモニタリングしていました。バージョン2.0ではいくつかの機能が実現すると聞いています。「ユーザー3D LUT」機能がリリースされたら、このようなワークフローでも、ファインダーだけですべて確認できるようになります。また、「デュアルベースISO」でのISO2500のベース感度が実現すると、ヘリからの夜景撮影などでも十分な感度です。いままで抱えていたノイズ感とのジレンマから解放されると思います。ハイスピード撮影の実現にも引き続き期待しています。

篠田様 VENICEは、ドラマ以外の映像制作にも活用の幅を広げていきます。私は元々中継畑で長い間ソニーさんのシステムカメラにお世話になりましたが、ハイエンドのシネマ用カメラの分野でも、御社が世界のトッププレーヤーとして活躍していることを心強く感じています。たとえば、システムカメラの分野では長く使われてきた内蔵NDフィルターという技術が、シネマカメラに応用されましたが、この「8ポジション光学式NDフィルター」はシネマもテレビも知っている御社だからこそできる機能です。FSシリーズで採用されている電子式可変NDフィルターも含め、そういったソニーならではの「両輪での進化」に、今後期待せずにはいられません。

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