法人のお客様ラージセンサーカメラ 事例紹介

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連続ドラマW 坂の途中の家

株式会社WOWOW様

「フルフレーム」「ISO2500」「エクステンション」で VENICEだけでしか表現できない世界を描く

株式会社WOWOW様は、柴咲コウ主演・角田光代原作のヒューマンサスペンス『連続ドラマW 坂の途中の家』の制作にあたり、CineAltaカメラVENICEの6K フルフレーム撮影を使用。一部のシーンでは、新登場のオプション VENICEエクステンションシステムCBK-3610XSや、マルチフォーマットポータブルカメラHDC-4800、CineAlta 4KカメラPMW-F55も活用されました。

株式会社WOWOW

技術局 技術企画部
チーフエンジニア
(映像技術統括)
篠田 成彦様

株式会社東宝映画

技術課
撮影監督
山田 康介様(J.S.C)

株式会社IMAGICA Lab.

エンターテイメント事業部
映像制作部
データイメージンググループ
シニアテクニカルディレクター/
カラリスト
山下 哲司様

2度目のVENICEを新しいアプローチで

WOWOWでは、2020年12月に予定する、4K 衛星放送の開始に向けて、ノウハウの蓄積とコンテンツの準備を兼ねて、積極的に4KやHDR制作に取り組んでいます。
VENICEの使用は、昨年の『連続ドラマW 闇の伴走者〜編集長の条件』に続き2作目となります。しかし今回の使い方は、同じVENICEでありながら「全く新しい別のカメラ」での撮影と言っても良いくらい、異なるアプローチです。
前作はSuper35アナモフィックレンズによるシネマスコープサイズでの撮影でした。RAW撮影を行い、予め用意しておいた、ルックを一括適用する3D LUTを使用し、カラーグレーディングなしで仕上げました。完パケはHDのSDRでした。本作は、6K 3:2フルフレームでの撮影です。X-OCN ST記録を行い、ポストプロダクションで全話全篇カラーグレーディングを行っています。仕上げは16:9の23.98P、4K HDRとHD SDRを仕上げています。

バージョンアップで実現したフルフレーム撮影

今回の撮影における最も大きなポイントは「フルフレーム撮影」です。心理サスペンスドラマとして、登場人物における表情の微妙な変化や、心の動きを見せる上で、被写界深度を浅くできるフルフレームでの表現が理想的だと思われたからです。
フルフレーム撮影に伴い、フルフレーム対応のレンズも必要となりました。新たにZEISSのSupreme Primeシリーズの単焦点レンズを導入し、本作ではメインのレンズとして使用しています。予め用意しておいた、標準的なカラーグレーディング結果を想定した3D LUTをVENICEに入れておき、現場でのモニタリングに使いました。

HDR・SDRとDolby Cinema™の3バージョンを制作

カラーグレーディング作業は、まずSDR版から行いました。次いで、予め用意してある変換を一括して適用して、ある程度のベースとなる状態を用意してから、HDR版のグレーディングを行っています。今までの試行錯誤の結果、この方式が最もスムースにHDRとSDR、2種類のバージョンを仕上げられます。SDRではできないことがHDRにはあるので、先にHDRで世界観を作ってしまうと、そこからのSDR化には印象としての見劣り感がつきまとってきます。そのため、SDRのイメージを保ったままHDRに発展させていくこのワークフローに落ち着いています。
本作では、HDRでの仕上げを終えてから、さらに第1話のみDolby Cinema™(HDR)での劇場用のカラーグレーディングも行いました。こちらは放送開始に先立って行った、T・ジョイ博多(日本初のDolby Cinema™対応上映館)での特別試写会に使用しました。

HFRオプションでハイスピード撮影が可能に

HDC-4800やPMW-F55はハイスピード撮影を行いたいシーンで活用しました。HDC-4800はスーパー35mm単板CMOSセンサーを搭載したシステムカメラで480fps(毎秒480コマ)という超高速撮影が可能です。WOWOWでは、スポーツ中継の制作を通じてHDC-4800を知っていました。今回は480fpsという表現をドラマにどう活かせるかという試みで使ってみました。また、120fpsまででカバーできるロケシーンにはPMW-F55を合わせて使いました。
一方でVENICEも、6月発売予定の「HFRオプション」により4K 120fpsのハイスピード撮影が可能になりました。120fpsまでカバーされていれば、通常作品でのニーズほとんどカバーできます。次作以降は、ほぼすべてのシーンをVENICEのみで撮影できるようになると思います。

“エクステンション” が今まで撮れなかったアングルを可能に

同じVENICEでの撮影ですが、本作で初めて可能になったことが「エクステンションシステム(CBK-3610XS)」を使った撮影です。エクステンションシステムを使うと、カメラがものすごく小さくなります。引き尻が取れないシーンはもとより、今まで不可能だったアングルからの撮影も可能になりました。今回の作品では、例えば、ゴミ箱の中からの見上げのショットや、冷蔵庫の中からのショットにエクステンションを使いました。冷蔵庫のシーンは、仕上がりを見た方から「わざわざセットを作ったのか?」とまで聞かれました。そう言う言葉が出るくらい、今までのカメラでは撮れなかったショットです。おかげでVENICEでしか撮れない、新しい表現が可能になりました。

小さく軽いカメラヘッドは、狭い場所で効果的

エクステンションシステムにより取り回しの良さが向上。

VENICEでしか撮れない“アベイラブル”での撮影も

今回の経験を元に、実は次回作では照明については全篇ほぼアベイラブル、すなわち、地灯りだけで撮影しています。「デュアルネイティブISO」の2500という高感度を持つVENICEでしか撮れなかった作品になるはずです。撮影結果も、グレーディングありきの仕上がりではなく、そのままでも十分に鑑賞に耐えうる美しい画が撮れ、感動しました。ISO2500はS/Nもよく、とても使いやすいです。ISO500と比べてもほとんど違いを感じません。デイの屋外などでは、ISO500で撮影し、シーンによって感度を使い分けています。
地灯りだけで撮れるか(撮るか)というのは、もちろん作品性にも関係します。しかし「アベイラブルで撮る」という選択肢が可能なカメラはVENICEだけです。この作品では、照明をかなり作り込んで撮りましたので、次回作でまた新しく実感したVENICEのポテンシャルです。

見せたいところだけを見せられる“フルフレーム”

フルフレームならではの、紙1枚にピントがくるような浅い被写界深度も印象的です。見せたいところにフォーカスができ、表現も大きく変わりました。高解像度化で演者さんの肌の質感などが過剰に見えてしまう側面もうまく避けることができます。
また、フルフレーム撮影で新たに気付いた部分もありました。カット変わりで、被写界深度が極端に浅い画から深い画、またはその逆になると、見ていて違和感が生じるということです。カット割りを考える上で、被写界深度の変化にも配慮が必要だということを学びました。

ハイライトへの強さ、柔らかさを改めて実感

本作ではHDC-4800やPMW-F55と合わせて使ったことで、改めてVENICEは白が柔らかく、本当にハイライトに強いと感じました。PMW-F55と比べて、カラーグレーディングでの“いじりしろ”の広さも実感しました。
今回はVENICEに強力なアイテム「エクステンションシステム」が加わったことで、表現の幅も広がりました。さらに、新たな「HFRオプション」も登場します。これまでもVENICEは幾多のバージョンアップで別のカメラのように生まれ変わってきました。今後もさらなるバージョンアップで、VENICEがさらに魅力的なカメラへと生まれ変わり続けてくれることを期待しています。

WOWOWは日本国内を放送対象地域とする、放送衛星(BS)による有料放送を行うテレビ放送局。視聴契約者を対象とした、ネット同時配信もスタートしたほか、見逃し視聴などのオンデマンドサービスも提供している。「大人の鑑賞に耐える良質なコンテンツの提供」をモットーに、コンテンツの自社制作にも積極的に取り組んでいる。フラッグシップチャンネルの「WOWOWプライム」、スポーツやステージなどを中心とした「WOWOWライブ」、映画専門チャンネルの「WOWOWシネマ」のHD3チャンネルでの放送を提供中。2020年12月からは4K 放送を開始予定。

http://www.wowow.co.jp

放送・業務用モニターBVM-HX310を中心に
お話いただいたこちらの事例もご覧ください

【BVM-HX310導入事例】
株式会社WOWOW 様『連続ドラマW 坂の途中の家』

※放送・業務用モニターサイトへリンクします。

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