商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

バイクレースをリアルに再現する
中級機一眼の決定版
〜α6500〜

フォトグラファー 池之平 昌信
〜一瞬を速く、美しく表現〜
圧倒的なスピード感と選手たちのドラマ

α Universe editorial team

長年、モータースポーツや一般車を撮り続け「流し撮り職人」としても知られる池之平 昌信氏は、自身でα6300を購入し、現在も愛用しているという。そんなSonyのEマウントカメラを知り尽くしている池之平氏に、α6500で撮影してもらい、そのインプレッションを伺った。実際に撮影して、どのようなシーンでその実力が活かされたのか、どの部分の性能アップを実感できたのか、プロカメラマン池之平氏の生の声をお届けします。

学生時代に魅せられて撮り始めたモータースポーツ

――レースやラリー撮影のエキスパートとして知られる池之平さんですが、レースを撮影するようになったきっかけと、現在の主な仕事内容から教えていただけますか?
僕は東京工芸大学短期大学の写真技術科卒なのですが、そこにレースを撮っている先生がいて、サーキットに連れて行ってもらえるようになったんです。先生と一緒だったので、学生時代からコースサイドで撮れたこともラッキーでした。だから、卒業制作もレース写真。卒業を迎える頃は世の中バブルでF1ブームだったので、写真のエージェンシーに入社後、いきなりF1の撮影に行かせてもらえたんですよ。時代のせいもあったと思いますが、それからもレース撮影はいろいろ行きましたね。
1991年にフリーになってからも、モータースポーツがメイン。96年まではF1を全戦回って、97年からはF1は年に1、2回、その他には国内やアメリカのレースも撮影していました。その頃から市販車も撮影をするようになりました。現在は、簡単にいってしまうと平日は新型自動車のロケと撮影、週末はモータースポーツやイベントを撮る、という感じです。

――お仕事ではどんなカメラで撮影しているのですか?
デジタル一眼レフはフルサイズとAPS-Cと、センサーの大きさが違うカメラを使い分けています。もちろんボディサイズも違うので、シーンによって使い分けているという感じですね。α6300はとても気に入ったので自腹で購入しました。上位機種にあたるα6500でもレースを撮影してみたので、この後はその印象などをお話したいと思います。

きらめく一瞬を逃さない圧巻の連写性能

――レースの撮影で実力を発揮したα6500の機能があれば教えてください。
約2400万画素でAF・AE追従しながら11コマ/秒撮れるのはものすごいメリットです。例えば4コマ/秒と8コマ/秒でも全然違っていて、風景用とスポーツ用くらいの差があります。24時間耐久レースをα6500で撮影したのですが、連写が生きたのはバイクの急加速シーン。AF・AEで追尾しての撮影でしたが、被写体の動きが速くてもしっかり付いていけていました。8コマ/秒では連写中もほぼタイムラグがなくライブビュー表示ができるので、被写体を追いかけやすいのも利点です。

FE 70-200mm F4 G OSS 184mm 1/1000 F6.3 ISO32

実際には4コマ/秒でも撮れるシーンはあると思いますが、決定的瞬間は本当に一瞬のこと。モータースポーツの場合はそれが顕著なので、8コマ/秒以上の性能が絶対に必要なんです。例えば、ヘルメットのシールドがクリアだと選手の目が見えますよね。撮影シーン的にはいいところでも、選手が瞬きをしていることが結構あって。そういう場合は4コマ/秒よりも8コマ/秒の方が、圧倒的に優位性があります。なぜなら、2コマ連続で瞬きしていることはほぼありませんから。それはラリーで水が跳ねている状況でも同じこと。α6500は最高11コマ/秒で撮れるわけですから、一瞬を逃さず撮影できるわけです。それから、連写を繰り返しても息切れすることがなかったので、α6300よりもバッファが増えていることはすぐに実感できました。あと、α6300では記録中に再生できなかったのに、α6500は書き込みの途中でも再生ができるようになったのは大きな進化です。実はこの部分、かなりストレスだったんです。しっかり改善されていたので、僕の希望を叶えていただいた感じですね。

暗い場所でも安定性が高い卓越した露出制御

――24時間耐久レースでは夜間の撮影などもあったと思いますが、暗い場所でもAE(自動露出)でキレイに撮れるものですか?
例えば、まわりが暗い状態でバイクが正面から向かってくるとヘッドライトがダイレクトに当たってしまって、AEで撮ると真っ黒になってしまうケースがありますよね。夜間の撮影ではマニュアル露出(ME)とオート露出(AE)、両方を試しましたが、意外とオートでも安定しているという印象です。少し露出補正を入れるだけで、満足のいく写真が撮れますよ。

500mm F4 G SSM 500mm 1/500 F4 ISO500
500mm F4 G SSM 500mm 1/160 F4 ISO100

左の作品は、夜に撮影したのでヘッドライトの光とのコントラストが強い状況。でもAEで撮影しても露出は安定していましたね。右の作品は明け方に撮影したものです。現場はもう少し明るかったのですが、バイクのボディを照らしている朝日を強調したかったので、演出としてあえて暗めに仕上げました。暗い場所ではEVFも活躍してくれます。夜のサーキットは明かりが少なくて、撮りたい選手がどれなのかまったく見えないんですよ。バイクのカラーリングが地味だとなおさら見えない。でも、EVFを使えばヘッドライトしか見えない中でもゼッケンが見えます。肉眼で判別できないような暗い所でも、撮りたい選手を捕捉できたのは助けになりました。

撮影領域を格段に広げる5軸手ブレ補正

――α6500で新たに5軸手ブレ補正機能が追加されましたが、どんなシーンで役立ちましたか?
選手の顔のアップを撮る時ですね。バイクレースの場合、選手はヘルメットをかぶっている時間の方が長いので、シールドの奥の表情を撮るには望遠でグッと寄らなければならないんです。選手との距離が遠ければ遠いほど長いレンズを使わなければなりませんが、5軸手ブレ補正があることで安心してズームアップできました。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS 200mm 1/320 F3.8 ISO1000

この作品は、選手から2〜3m離れた位置から70-200mmのテレ端で撮影したものです。至近距離からの望遠撮影はさらに手ブレがシビアになるので、ここでも5軸手ブレ補正が役に立ちました。深度が非常に浅い状況なので、確実に目を狙うためにAFのフォーカスエリアもゾーンではなくポイントに。フレキシブルスポットSならAFでも細かくピント位置を変えられるので、このような印象的な表情を撮ることができました。

選手たちが輝く一瞬を、マシンが躍動する一瞬を、逃さずに捉えるα6500。今回紹介した作品も、リアルに現場の空気を感じさせるような臨場感があふれていた。池之平氏が新たな進化を求めて、α6300からこのモデルに乗り換える日も近いかもしれない。

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