商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

先進オートフォーカスと光学式
5軸ボディ内手ブレ補正の融合
による新しい写真表現

写真家 森本 真哉
高速オートフォーカスを自在に操る魅力

α Universe editorial team

ソニーのEマウントレンズ“Gマスター”のカタログで使用される作例写真を多数手がけている写真家、森本真哉氏にAPS-Cフォーマットの新モデルα6500を使って撮影をお願いした。

森本 真哉
1971年生まれ。関西大学卒業後、数年にわたって旅を重ね、アフリカ横断旅行から帰国後写真の世界に入る。アシスタントを経て2007年よりフリーで活動。広告や雑誌などの媒体を中心にして、ポートレートや風景、料理まで幅広く撮影を行う。直近では、ソニーのフルサイズ・Eマウントレンズ、最新モデル”G Master”のカタログ/WEBで使用されている作例写真の撮影なども手掛ける。

α6000シリーズを手にしたときの驚きは
今も印象深い

APS-Cセンサー搭載のデジタル一眼カメラは、前々から興味があって何台か持っていましたが、仕事で使えると思ったのは「α6000」(2014年2月発売)からです。位相差センサー(179点/コントラストは25点)が隅々まであって、高速連写が11コマ/秒もできる。「α6000」のカタログ用に、駆ける犬やオートバイを撮影しましたが、とにかくAF精度に驚き感動しました。普段は、人物や旅のページなどで撮影することが多く、ポートレートや料理雑誌などの撮影もしています。それほどスポーツなど「動きもの」を撮影することは多くないんです。でも6000系が出たのと同時期に、フルサイズはα7シリーズに移行しよう、機材を変えていこうとしていたところで、その時からスポーツや動く被写体、「動きもの」を撮影するときに6000系はいいなと思っていましたね。そんな森本氏に今回はα6500で動きのあるシーンにチャレンジしていただきました。α6300から位相差センサーは425点に倍増(コントラストは169点)。AFスピードがさらに速くなり(0.06秒から0.05秒へ短縮)、5軸ボディ内手ブレ補正を搭載したα6500。α6000系の進化を、実際に体感していただきました。Gマスターを装着して撮っていただいた作例とともに、じっくり語っていただきます。

AF/AE追従、11コマ/秒の高速連写に驚愕

FE 70-200mmF4 G OSS 75mm F4.0 1/3200 ISO640
FE 70-300mmF4.5-5.6 G OSS 116mm F5.6 1/2000 ISO400

ロデオ競技を2本のズームレンズ(FE70-200mmF4 G OSS、FE70-300mmF4.5-5.6 G OSS)で追いました。絞りは、前者のレンズで「F4」、後者は「F5.6」。ギャラリーや柵がくっきり写るとうるさい感じになるので、競技者と牛を強調したい。そして、シャッタースピードを稼ぎたかったので、できるだけ開放で撮りたかったんです。被写体は上下に激しく動きましたが、連続撮影モード「Hi=8コマ/秒」を使っての撮影ではタイムラグがほとんど発生しないのでラクに追えました。フォーカスエリアは「ワイド」に設定。当初、競技者がゲートの内側に待機しているときから、競技者にピントを合わせてました。でもゲートが開いて競技者が飛び出すと、一瞬、奥のギャラリーや柵にピントが合ってしまい被写体への合焦がやや遅れてしまう。そこで競技者がゲートを出てからピントを合わせるように変更しました。するとばっちり。一度、捉えたらどこまでも追従してくれましたし、追えているって実感もありました。ゲートを出てからは、シャッターは押しっぱなしです。約36秒間のフルまで押しつづけたこともありました。次から次へと競技者が出てくるので、撮影中の画像の確認は全部できません。書き込み途中でも再生ができるので、書き込みが終わった初めの何枚かで、構図やピントなど必要な情報を素早くチェックしていました。自分が撮ったものがどういう状態なのか、数枚だけでも確認できるのはやはり助かりますね。すべて撮り終わったあとにあらためて確認すると、競技者と牛が構図から外れているとき以外は、ピントはほぼ10割、といった印象です。前後左右に飛び散る砂埃、牛のヨダレや毛までリアルに描写できていたので、感心しました。正直なところ僕らでも、ロデオみたいに動きに予測がつかないものでベストな1枚を仕留めるために、これは助かります(笑)。でも考えて撮らないと恐ろしい枚数になりますね。

AFエリアの広さは構図の自由度をアップさせた

チアリーディングの練習風景を24-70mmのGマスター(FE 24-70mm F2.8 GM)で撮りました。焦点距離は40mm(35mm判換算で60mm相当)。絞りは「F5.6」、フォーカスエリアは「ワイド」、連続撮影モード「Hi=8コマ/秒」に設定しました。飛んでいる被写体の瞳からつま先までバリバリにピントはきていますし、下で支えるチアガールの指先や髪の毛までクリアに描写されています。なにより、撮影中にピントがしっかりきていると確信できることが大きいですね。通常、一眼レフだと中央から被写体が離れるとちょっと不安になるんですが、このカメラなら安心です。構図の隅に被写体が動いても確実に捉えることができるので、本当に頼もしい。撮影中に安心できるか否かって、失敗が許されないプロカメラマンにとっては非常に大きなファクターだと思います。

撮影領域を広げる、5軸手ブレ補正

FE 70-200mmF2.8 GM OSS 142mm F5.6 1/20 ISO200

花火師が、打ち上げ後に火の粉の中を動いて出ようとしている作品です。Gマスター(FE 70-200mmF2.8 GM OSS)で撮影しました。

FE 70-200mmF2.8 GM OSS 89mm F5.6 1/30 ISO200

意図的に暗く落として人物をシャドー気味に、シルエットとして描いています。本来は三脚を使いたい撮影状況ですが、人だかりのなかで三脚を立てたり移動するのはまわりの見物客に迷惑だし、不自由なので手持ちでいきました。花火の軌跡までブレずに写って印象的な作品になっていますが、これが撮影できたのは、5軸ボディ内手ブレ補正のおかげ。まさに、5段分くらい助けてくれます。逆に、ここだと思ったらすぐに移動できて、フレーミングもしやすいと思いましたね。実は花火撮影の前に、暗い美術館内で5〜6分でタレントさんの写真を撮らなければならないという広告物の撮影があったんですが、そのときは、α7R IIを使って、三脚を立てずに1/15秒でいけました。だから、5軸手ブレ補正に対する信頼がありましたし、花火も撮れる自信はありました。

高解像レンズとの組み合わせが生む、納得の描写力

APS-CとGマスター(FE 70-200mmF2.8 GM OSS)との組み合わせで、街並みを撮影しました。焦点距離は94mm(35mm判換算140mm相当)、絞りは「F8」。画面中央の建物はもちろんですが、隅の建物でも壁のタイルのざらざらした感じまで伝わってくるほど、パリッと写っています。個人的にはフルサイズのカメラよりも、四隅の描写力は優れているような気までします。考えてみれば当然で、35mmフルサイズのカメラで撮ったときの真ん中部分だけを抽出しているわけですから、ニュアンスとしては“おいしいところだけ”を取っているわけです。フルサイズのレンズをAPS-Cで使うというのは、画質を追求する際の有効な手段になります。おいしいところ取りのメリットに気付くと、どうしても画角の広いレンズでパースの効いた写真が撮りたくなってくる。APS-Cだと24mmのレンズでも画角はフルサイズの35mm相当ですからね。そこで、16-70mmレンズの出番です。

これは16-70mmのカールツァイス標準ズームレンズ(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)で撮影しました。焦点距離は16mm(35mm判換算24mm相当)。画面手前3分の1くらいにピントを合わせましたが、手前の岩場から奥の灯台まで気持ちいいほどくっきり写っています。絞りは「F11」。通常、遠近感のある風景写真を撮る場合は、絞り込むとピントがゆるくなるので、絞り値は「F5.6〜F8」に設定しますが、「F11」にしてもこれだけ締まった写真が撮れる。素直に、すごいです。

予想よりも滑らかな操作性、
変わらないボディサイズ

タッチパネルを触ってみると、指の動きに沿って曲線的に、滑らかに動くのでちょっと驚きましたね。使う前は、L字型にカクカク動くものと思っていましたから。今回、ファインダーを覗きながら、タッチパネルでピントを合わせるという操作は、残念ながら試しませんでした。僕は左目でファインダーを覗くので、鼻が邪魔になって(笑)タッチパネル操作はできないと思い込んでいたんです。でも、モニターの右側4分の1部分、鼻が気にならない部分だけで画面全域の操作ができるそうですね。今度、試してみます。

グリップはちょっと深くなったそうですが、言われて初めて気付きました。写りの性能だけでなく持ち歩きやすさやフィット感も進化しているわけですね。ボディ本体の重さ(約410g)にGマスターの望遠ズームレンズ(70-200mm F2.8 GM OSS/約1480g)をつけると、当然、フロントヘビーになりますよね。でも僕の場合は、撮影時にはレンズを左手で支えて構えるというフォームがいつの間にか身に付いて、むしろ手ブレ、レンズブレのリスクは減りました。重さやサイズが変わらないのに、機能がしっかり進化しているのは、単純にすごいって思いますよ。

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