街に輝くイルミネーションは見るたびに写真に収めたくなる被写体ですね。ここではイルミネーションを見たままの華やかさで撮影できるようなテクニックを紹介します。撮影の際はAモードに設定し、絞りを自在に調整できるようにしておきましょう。全景にピントを合わせたい場合は絞りを絞って、イルミネーションや飾りなどをクローズアップして引き立てたい場合は、絞りを開いて撮影するのが基本です。
焦点距離:24mm(35mm判換算)/ F値:3.2 / シャッター速度:1/60秒 / 露出補正:+1 / クロスフィルター使用
イルミネーションの撮影の場合、風景のように全体を写したい場合もあれば、主題をクローズアップして写したい場合もあります。
全体を撮影したいときは基本的に夜景の撮影と同様で、露出補正、ホワイトバランス、クリエイティブスタイルの設定を試してみましょう。夜景撮影の基本は、『夜景をドラマチックに写す』のページで説明をしていますので、そちらも合わせてご覧ください。
しかし、イルミネーションは夜景よりもさらに明るい部分と暗い部分の差が大きいため、コントラストが高くなりやすく、露出補正だけでは見たままの印象で写らない場合もあります。その場合は、Dレンジオプティマイザー(DRO)の調整を試してみましょう。DROは画像を分析し、領域ごとに明るさを最適化してくれる機能です。全体の明るさを一様に上げたり下げたりする露出補正とは異なり、黒く潰れそうな部分や白く飛びそうな部分だけに明るさの補正をかけてくれるので、明暗の差が大きいときに特に効果があります。
イルミネーションの撮影では、レベルをやや強め(Lv3~5)に設定をすると効果が分かりやすくなります。しかし、場合によっては補正がかかり過ぎて不自然な仕上がりになったり、ノイズが目立つ場合があるので、撮影後の画像を確認しながら最適なレベルを選びましょう。
DROをLv5に設定しました。OFFの場合に比べて、暗い部分が明るく浮き上がり、より肉眼に近い写真に仕上がっています。また、一度のシャッターで露出の違う3枚の写真を撮影し、合成して明るい部分と暗い部分の両方を残すことができるオートHDR機能も有効です。
DROとオートHDR機能の詳細は、取扱説明書またはハンドブックをご覧ください。
イルミネーションの撮影の際は、周囲の飾りや小物などのクローズアップ撮影にも試してみましょう。イルミネーションだけをクローズアップしてしまうと、電球や配線が目立ってしまいがちですが、周りにある飾りに注目したり、背景をうまく工夫することで印象的な一枚に仕上げることができます。
クリスマスツリーの飾りをクローズアップしました。【1】の写真では飾りだけに注目し、背景を考えずにそのまま撮影しています。背景にイルミネーションがないため、全体が暗くバランスも悪く見えます。一方で【2】の写真では、背景に別のツリーが写るようにカメラの角度を選びました。【1】の写真に比べて全体のバランスも良く、周囲の華やかな雰囲気をうまく表現できています。また、背景がなるべく大きくぼけるように、絞りを一番開いた状態に設定し、露出もオートでは暗く写ってしまったため、露出補正を+側に調整しました。
このように小物にフォーカスを合わせ、イルミネーション自体を副題にして撮るのもひとつの表現方法です。
イルミネーションのぼけは背景だけでなく、被写体の手前側のぼけとしても活用することができます。画面いっぱいにイルミネーションの丸いぼけが広がるので、写真ならではの幻想的な一枚に仕上がります。丸ぼけの大きさや数は、イルミネーションと撮影者の距離や角度でも大きく変わってきます。撮影者自身が動きながら何枚か撮ってみて、バランスの良い一枚を探しましょう。また、もし奥の被写体にピントが合いにくい場合は、マニュアルフォーカスでピントを合わせましょう。
【1】の写真では、マニュアルフォーカスであえてピントを外し、全体をぼかして撮影してみました。被写体がイルミネーションのライトだけの場合はこのような写真も面白く写ります。
また、応用になりますが、【2】の写真のように、市販のクロスフィルターを使ってみるとより煌びやかなイメージで仕上げることができます。
単焦点レンズを使うと、背景のぼけをより大きく印象的に撮影することができるようになるため、イルミネーションの撮影にも役に立ちます。また、ズームレンズに比べて光をより多く取り込むことができるため、暗い場所でも手ブレしにくく快適に撮影が可能です。
機種はさまざまですが、NEX-7やα6000(ILCE-6000)で使っていたレンズをα7C(ILCE-7C)やα7III(ILCE-7M3)で使えるか、といった内容のお問い合わせをお客様からいただくことがあります。
ボディ、レンズともに、APS-Cフォーマットと35mmフルサイズがあり、同じEマウントであれば組み合わせてお使いいただくことが可能です。使用時の注意点などについては以下のページをご覧ください。
APS-Cフォーマットのボディまたはレンズと35mmフルサイズのボディまたはレンズを組み合わせて使えるか(α:アルファ:Eマウント)ツァイスならではの高いコントラストと圧倒的な解像力を実現。フルサイズならではのぼけ味を生かした望遠風の撮影や、レンズを絞り被写界深度を深くして、遠近被写体を生かした広角風の撮影など、多彩な表現が可能です。また、夕暮時や室内撮影など、手ブレや被写体ブレしやすい環境下でも明るいレンズが威力を発揮します。
ツァイスレンズの描写力を存分に堪能できる開放F値1.8の大口径広角単焦点レンズ。最大撮影倍率は0.25倍で、高い近接撮影能力を備えています。
以下はAマウントレンズです。Eマウントのボディで使うにはマウントアダプターが必要です。
AマウントとEマウントについて
被写体とのコミュニケーションがとりやすく、かつ緊張感が保てる距離で撮影できる85mmレンズは、各社ともラインアップするポートレートレンズの代表格です。なかでも、カールツァイスの「プラナー」は、名レンズとして賞賛されてきました。そこに最新の設計技術を注ぎこんだ、新しい時代のプラナーが誕生しました。F1.4の絞り開放時から理想的な描写性能を示し、全画面にわたり高い解像度と美しいボケ味を高次元で両立。前ボケ、後ろボケともに、自然でなめらかな描写を実現し、ボケ味を生かしたポートレート撮影に適しています。フォーカスホールドボタンやAF時にフォーカスリングが回転しないオートクラッチ機構を搭載し、操作性やホールド性にも配慮。また、α本体搭載のボディ内蔵手ブレ補正機能と大口径レンズの組み合わせにより、暗いシーンの手持ち撮影にも威力を発揮します。