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ディレクター兼カメラマン 越野創太 氏A project with WOWOW
光と闇が交差する世界最大の洞窟へ。
過酷な環境で生きたα7S IIの
高感度とAF性能

α Universe editorial team

未知の映像を多くの人に届けたい――。そんな思いを胸に番組の企画をWOWOWに提案するディレクター兼カメラマンの越野創太氏。今回、撮影に向かったのは、発見されて間もないベトナム北部にある世界最大の“ソンドン洞窟”。その過酷な環境を見越して、撮影機材のひとつにα7S IIが選ばれた。α7S IIはどのようなシーンでその実力を発揮したのか。そして、どのような映像を記録できたのか。αのポテンシャルとともに撮影時の裏話も語ってもらった。まずは、α7S IIで全編撮り下ろしたメイキング映像をご覧いただきたい。

越野 創太/ディレクター兼カメラマン ソニーPCL株式会社 プロダクションディレクター。WOWOWなどの世界の秘境の謎に迫る映像コンテンツをはじめとする、様々な番組や高画質映像などのディレクションや撮影を手がける。今回のソンドン洞窟の番組制作では、総合ディレクターとカメラマンを兼任。視聴した人が疑似体験できるよう、8K HDRをはじめドローンやα7S IIなど、最新鋭の機材で撮影している。

未知なる風景を高精細な映像で届けたい。
そんな思いから企画がスタート

――WOWOWの番組を担当するようになったきっかけを教えてください。 3Dや4Kが出始めた頃、WOWOWさんから最先端の技術を駆使しつつも、企画性の富んだ映像コンテンツ制作の依頼がありました。そこで、なかなか足を踏み入れることができないような未知の場所に行って、冒険のような映像をリアルに、またドラマティックにみなさんに届けたい、という思いで企画を提案し、第一弾の『Blue Horizon』では気象観測用の戦闘機のコックピットから成層圏の世界を記録しました。今回訪れたのは、それとは真逆の地下世界。ベトナム北部に位置する世界最大の洞窟“ソンドン洞窟”の撮影に臨みました。自然が創り出した造形美を記録するだけでなく、ある女優さんにも同行していただき、彼女が過酷な環境に挑戦し、精神的に成長する姿もドキュメンタリーとして描いています。

――今回、撮影のために訪れたソンドン洞窟とはどのような場所ですか? 1990年に発見された洞窟で、実際に調査隊が入って測量を行なったのが2009年のこと。そこから「世界最大の洞窟が発見されました」とメディアが発表したので、かなり最近になって見つかった洞窟ですね。到着するまでに40kmくらいジャングルの中を歩いて行かないと辿り着けないような場所にあるので、まさに秘境。撮影は本当に過酷でした。

もちろん洞窟内の環境も過酷の極致。全長約8km 高さ約240mと巨大で、洞窟内部には地下河川も流れています。洞窟の入口からまずは約70mほど下りていかなければならないんですけど、機材を持ちながらロープを伝って下りるのがとても大変で。人の手がほとんど入っていないので尖った岩はあるし、岩肌も滑りやすいし、真っ暗だし、滑落してしまうような崖もあって、危険と隣り合わせの場所がたくさんありました。だから、事前にボルダリングやロッククライミングの訓練をして行ったんですよ。道中ではヒルにもかなりやられました。当然注意はしているんですけど、気がつくと体にヒルが付いていて血だらけ、なんてこともあったりして。撮影部隊のほかにテントや食料を運ぶメンバーも含め、クルーは総勢60人くらい。4日間かけて撮影しましたが、苦労した甲斐あって、ここでしか見られない感動的な映像を撮ることができました。

光がほとんど入らない洞窟だからこそ
暗部のノイズが少ない高感度が頼りになった

――今回の撮影ではα以外にもいろいろなカメラで撮影したとお伺いしましたが、αはどのような役割を果たしたのですか? 洞窟内の環境に応じて撮影できるように、今回は、8Kカメラ、シネマカメラ、α7S II、ドローンなど多彩なカメラを持っていきました。ポイントごとに撮影に臨むんですけど、洞窟内ですから、どの空間もやはり光がない。だから感度がとても重要だったんです。 僕らは「自分たちが見たものを、どれだけ伝えられるか」ということを目的のひとつとしていたので、αの高感度はとても頼りになりました。シーンによって向いているカメラと向いていないカメラがあるんですよ。でもα7S IIは、軽くてコンパクトだから足場が悪くても理想のカメラ位置まで持っていくことができましたし、三脚が立てられないところでも活躍してくれました。あらゆる制限がある中でもすべてのシーンで使えたので、持って行ったカメラの中でもαの稼動率はナンバーワン。本編のかなりの部分でαの映像が使われることになると思います。特に洞窟内では大活躍しました。はっきり言ってしまえば、つくろうと思えばαだけで全編がつくれるほど、たくさんの素材を撮ることができました。

――感度が重要だったということですが、実際にはどのくらいの感度で撮影していたのでしょうか。 洞窟内は、だいたいISO2000〜4000まで感度を上げないと、洞窟全体の構造を表現できないんですよね。プロ用の映像機材も使いましたが、それと比べるとαのノイズの出方はすごくキレイで。高感度で撮影した映像は編集時にカラコレすると、潰れてしまう部分があったりするんです。映像としてはキレイに撮れていても、グレーディングで破綻してしまうこともある。でも、αで撮影した映像の暗部のノイズ感は、今回持って行ったカメラの中でも非常に優秀だったと思います。

例えば、このテントのシーンは、洞窟の全体の雰囲気を見せたいという意図がありました。光が照らされている部分だけを見せたいわけじゃない。洞窟の奥の方まで写し出して、洞窟の内部の造形まできちんと見せることができなければ意味がありませんでした。ここでは壁に当てた反射光を使って空間全体に光を回す感じにしたんですけど、光が少ない洞窟の奥の方も、全体の雰囲気から岩肌の質感までしっかり表現してくれたのがαでした。「ここは見えていてほしいんだよね」というところまでしっかり見せてくれるところが重要なポイントだったと思います。

霧が出やすい環境でも被写体を見極める
高性能AFがあらゆるシーンで活躍

――洞窟内での撮影で、高感度の他に役に立った機能はありますか? ドキュメンタリーでは、アングルや立ち位置を決め込んでの撮影ではなく、実際に動いているところをカメラマンが追って撮っていくというスタイルになります。そのためカメラマンは早く判断して、早く撮る必要がある。「いいな」と思ったところで、「みんな待って」とは言わずに、すぐに撮らなければいけません。そんな時に重要なのがAFの性能です。α7S IIは肉眼での確認が難しい洞窟のような暗い場所でも、被写体にしっかりピントを合わせてくれました。 なかでも僕が素晴らしいなと思ったのは、霧が出た状態でのAFの精度です。象徴的なシーンでもある洞窟の入口は、けっこう霧が出ていました。こういうシーンでAFを使うと、光と霧の影響で意図しないところにフォーカスしてしまったり、フォーカスの位置に迷ってしまったりすることが多々あります。だから、基本的にはAFは役に立たない。でもα7S IIはしっかり被写体にフォーカスしてくれました。

基本的にプロの現場ではマニュアルフォーカスを多く使います。でも、こういう場所では本当に一瞬が勝負なんですよね。だから途中から、αで撮影しているカメラマンは全員AFにしていました。そのくらいαのAFへの信頼度は高かったんです。ドキュメンタリーでは「もう1回やって」と言えませんからね。そこにある表情が、そこにいる人たちがリアルなわけですから。僕がαを使う場合は、まず写真を撮ります。そこでフォーカスを合わせて、そのまますぐにムービーに移行するんです。ムービーでAFを使うのもいいんですけど、表情を写真で撮る方が素早くフォーカスが合うので。このやり方はいろんなシーンで活用しました。

人物と比較して広さや大きさを表現するために
望遠域を多用し、手ブレ補正も活用

――世界最大の洞窟での撮影ということで、やはりレンズは広角がメインでしたか? もちろん、ワイドに写すべき風景撮影では広角レンズを使いましたが、FE 70-200mm F2.8 GM OSSを用いた200mmの焦点距離での撮影も非常に多かったです。洞窟の中はとても広い空間なので、その大きさを表現したいと思いますよね。その場合、ただ風景を撮るだけではダメなんです。比較対象として人物を画面に入れると、大きさや広さを表現することができます。広角レンズを使って手前に人物を置いてしまうと、人物が大きく写ってしまって洞窟と人物とのサイズを正しく比較できません。逆に人物がカメラから離れてしまうと小さすぎて見えなくなってしまう。そんなシーンでは200mmくらいの望遠域での焦点距離が最適でした。離れた場所からズームして人物を撮ると、人の大きさと奥の壁の大きさの差を表現できる。ズームで狙うことで空間の広さや岩壁の大きさが出てくるんですよ。世界最大の洞窟ですから、そのサイズ感を表現するには70-200mmの焦点域が欠かせませんでした。5軸手ブレ補正機能も活躍してくれました。足場が悪いなかで200mmを使う時は手ブレの心配がありましたが、非常に安定した映像が撮れたと思います。

このときも実は200mmで撮影しているんですよ。こんなシーンをワイドで撮ったら、ただの風景写真でその大きさがわからないじゃないですか。でも人物を入れればサイズ感がわかる。人物が小さくて見えないようでは意味がありませんから、望遠域を使って撮るわけです。

多湿で気温差のある環境でもトラブルなし。
洞窟で証明されたαのタフさ

――過酷な環境下での撮影だったようですが、結露などのトラブルはありませんでしたか? 湿度はほぼ100%。寒いところだと気温は12〜13℃くらいで、暑いところだと32〜33℃と、かなり気温差があったので、一部のカメラはケースに入れて事前に対策をしていきました。でもα7S IIはそんな環境下でもバッグにそのまま入れるだけ、もしくは出しっぱなしと、かなり乱暴な扱いだったと思います。当初は結露の心配もしましたが、意外にも大きなトラブルはありませんでした。

α7S IIは自発する熱があまりなかったのがよかったみたいですね。動画撮影では背面の液晶モニターをフルに使うため、基本的には機体が熱くなってしまうんですけど、そういうシーンでも全然問題はなかったです。長回しで録画しながらけっこう長い間放置したりもしましたが、それでもトラブルがなかったので、とても助かりました。

まだ見ぬ世界を体感でき「この目で見たい」と
思わせるような映像作品をつくっていきたい

――世界最大の洞窟での4日間の撮影で、どんなことを感じましたか? やっぱり人間の小ささと、自然の偉大さをすごく感じましたね。文字通り「世界は広い」と思いましたし。行く前に勝手に想像していたんですよ、「このくらいのものだろう」って。でも実際に訪れて目にすると、想像をはるかに超えていました。この地を訪れて、自分たちが目にした時の感動を映像でどれだけ伝えられるか、というのは僕たちの挑戦でもあります。いろんなところに行って、世界のことを知ったつもりでいても、まだまだ知らない世界がたくさんある。そう考えると、本当に世界って面白いなと思いますね。

――最後に、越野さんが理想とするドキュメンタリー映像はどんなものか教えてください。 目指しているのは、「世界にはこんな場所があるんだ」「世界って面白いな」と思ってもらえるような場所を撮影して、映像として発信していくこと。僕は、その手法のひとつがドキュメンタリーだと思っています。僕らが小さい頃はインターネットもないし情報が限られていたので、世界がとても広く感じていました。でも今はインターネットでいろんな情報にアクセスできるので、「ここってどんなところなんだろう」と思ったらすぐに映像や画像が手に入る。地球儀がGoogleマップになって、世界はずっと小さくなってしまっているんです。

だから「実際に行って、この風景を見てみたい」と思わせる作品を撮りたい。僕ら自身が見た時の感動が伝わるような映像を発信できれば、みんな「自分も行ってみたい」と思ってくれると思うんです。昔もそういう映像コンテンツはありましたが、今は大画面化して、本当にその場所にいるかのような気分が味わえる。まさに体感できるわけです。体感して「自分の目で見てみたい」と思わせることが、僕の目指す映像づくりです。 今後は南極の氷河の上とか、噴火した溶岩とか、みなさんが体験できないような場所やシーンを撮ってみたいですね。そういう場所は極限が多いので「楽しい」と「辛い」の繰り返しになると思います。それでも、自分自身がワクワクするような誰も見たことがないような場所を訪れて、その時の感動や思いを伝えられるような作品をつくっていきたいと思っています。

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