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Only Railway鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.10

美しき鉄道風景を、中井氏がαで撮る!デジタルカメラマガジンとの連動企画を毎月コラム形式でお届けします

α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 いつもは1本のレンズをセレクトしてお届けしていますが、今回は特別編として、僕が思うベストな3本について、これまで撮りためていた写真からピックアップしてご紹介します!さて、その3本のレンズとは・・・。「FE 16-35mm F2.8 GM」「FE 24-70mm F2.8 GM」「FE 70-200mm F2.8 GM」の3本です。
そうです!いわゆる大三元と呼ばれる3本です。もちろんこの他にもFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSだったり大口径単焦点だったり、お気に入りのレンズは他にもあるのですが、今回は“大三元”をご紹介します!もしもまたこうした機会があれば、単焦点のベスト3とかもやってみたいですね!
それでは今回、最初の1枚はFE 16-35mm F2.8 GMで撮った写真になります。

α7R IV,FE 16-35mm F2.8 GM 16mm,F9,1/640秒,ISO640

この写真はスペインのマヨルカ島にあるリゾートビーチを走る路面電車ソーリェル鉄道です。スペイン最古の木造列車とも言われる線路のすぐ傍には美しい海岸が拡がります。突き抜けるような青空とエメラルドブルーの海、そしてオレンジ色の車両、全てが本当に美しい光景でした。
このレンズのワイ端となる16mmで撮影をしましたが、超広角レンズですと周辺の描写力が落ちてしまうこともあるかと思いますが、このレンズであれば心配ご無用!見事に精細に描写してくれます。
それからこの写真ではそれほどではありませんが、僕は画面の端に電車を配置した構図で撮影をすることが結構多いので、こうした周辺の描写力がしっかりしているレンズは、本当に重宝します。
では2枚目をご覧いただきます。同じくFE 16-35mm F2.8 GMで撮影したものです。

α7R IV,FE 16-35mm F2.8 GM 20mm,F8,1/3200秒,ISO200

先ほどのスペインとはうって変わり、茨城県南東部の北浦に架かる鹿島線の北浦橋りょうで撮影した写真です。全長1,236mを誇る鉄橋ですが、僕が狙ったのは夕日のシーン。列車が、ドラマチックな夕焼け空を背景に、まるでこのまま飛んでいくかのようなイメージを表現したくて撮影しました。
この写真は焦点距離20mmで撮影していますが、僕が意図したとおりに気持ちのよいパースペクティブを生かした、ダイナミックな作品に仕上げることができたと思います。
因みに広角レンズでの焦点距離1mmの差は、意外に大きいので、被写体の位置や大きさ、全体の構図のバランスなども考えながら焦点距離を選ぶと良いかと思います。それから煌めく夕日を背景にしていますが、逆光時でもフレアがなく、高い解像力で描写してくれているのも、このレンズの素晴らしさじゃないかと思います。
3枚目はレンズが変って「FE 24-70mm F2.8 GM」で撮影した写真です。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 29mm,F5.6,1/3200秒,ISO640

トップの写真にもしたスペインの新幹線、AVEです。湧き出るような雲が印象的な青空の下を、美しい流線形のボディーが時速およそ300kmという高速で疾走していく光景を捉えました。
24-70mmというズーム焦点域は、標準ズームとも呼ばれたりします。標準というと、凡庸な画角と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません!この写真をご覧いただけたらお分かりのとおり、ドラマチックで印象的な構図で撮ることができます!
実はこの美しい流線形のボディを望遠レンズで捉えてみたい衝動にもかられたのですが、それ以上に、この雲に魅かれてしまい、空を主役と決めAVEを右隅に小さく配置する構図で撮りました。眼前に広がる雄大な景色の中を疾走するAVEの姿を、このレンズは、とても精緻な描写力で捉えてくれました。
4枚目もFE 24-70mm F2.8 GMで撮影したものになります。

α7R IV,FE 24-70mm F2.8 GM 70mm,F7.1,1/800秒,ISO400

ポルトガルの都市リスボンを走る路面電車です。この写真はテレ端の70mmで撮影しています。路面電車が、今まさに迫ってくるような臨場感を見る人に感じて欲しいと思って撮った1枚ですが如何でしょうか?
意図的に、画面せましと建物がある構図にすることで、路地の狭さや密集感を強調しつつ、ポイントになる奥の尖塔がベストな位置になるように構図を追い込んでいます。2枚ご覧いただいてお気づきのとおり、このレンズはワイ端でもテレ端でも、とても高い描写力を持っています。そして標準ズームだからといって、決して凡庸にならないこともお分かりいただけたのかなと思います。
大三元の2本までご覧いただきました。いよいよ次が最後の1本「FE 70-200mm F2.8 GM」で撮影した写真になります。

α9,FE 70-200mm F2.8 GM 176mm,F6.3,1/1250秒,ISO320

相模湾をバックに伊豆急線を走る185系の特急「踊り子」号を、撮影したものです。国鉄時代の1981年に特急「踊り子」号としてデビューして以来、40年近く活躍してきた185系も、残念ながら来春には引退が決まってしまいました。
伊豆の青い海と青い空に映えるグリーンのストライプを心に焼き付けるようにシャッターを切った1枚です。この写真のポイントは1,緑の森2,その中を走り抜ける踊り子号、3,その背景に青く輝く相模湾、そして4,青空という、幾重にも層になって重なる要素を、いかにバランス良く構図に収めるかということです。
このレンズのキレのあるシャープな描写力が、さらにこの写真を素晴らしい1枚にしていると思います。
それでは今回、最後の写真になります。

α7R IV,FE 70-200mm F2.8 GM 197mm,F5,1/500秒,ISO200

山梨県と長野県を結ぶ小海線です。この路線をご存知の方は、アルプスの山々をバックに走る高原列車のイメージが強いかもしれませんね。鉄道ファンには秘境駅として有名な佐久広瀬駅付近では、こんな山深いエリアを走ります。
このレンズの高い描写力のおかげで、山々の木々1本1本まで繊細に描写されることで、奥行きのある写真が撮れたと思います。
さて特別号としてご紹介した3本のレンズ。如何でしたか?
どのレンズもきっと満足させてくれる描写力ですので、3本一気にとは申しませんが、機会があればぜひ手にとって試されてみてください。 それでは来月もこの場所で!中井精也でした。

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