広がるαプロフェッショナルフォトグラファー

α Photographer’s Voice

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Phtographer 野村 哲也
Photographer

野村 哲也

「いつの間にかα7R IIは
すっかり私のメインカメラになっていました」

野村 哲也(のむら てつや)

1974年、岐阜県生まれ。“地球の息吹”をテーマに、北極、南米、南極などに被写体を追い求める。2007年末から南米チリのパタゴニア、2010年から富士山&熱海、2012年から南アフリカ&イースター島と2年ごとに住処を変える移住生活を開始。今までの渡航先は100ヶ国以上に及び、秘境ガイドやTV出演、マスコミのアテンドに携わる。国内では写真を織り交ぜた講演活動を続け、著者多数。13作目となる最新刊は「ナミブ砂海(福音館書店・2016年4月1日発売)」。

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このカメラなら
今まで撮れなかったものが撮れると確信した

α7S + FE 16-35mm F4 ZA OSS 1/500 F8 ISO100

私は高校時代から山岳風景や野生動物を撮りはじめ、現在までに106ヶ国で写真を撮ってきました。これまでさまざまなカメラを使ってきましたが、αを使った経験はありませんでした。そんな私がα7と出会ったのは販売店店頭でした。α7Sの展示台横の暗箱にレンズの先を突っ込んでISO感度を102400まで上げるとホワイトタイガーが浮かび上がり、シャッターを半押しするとオートフォーカスでピントが合いました。それを体感した瞬間、自分の頭の中でこのカメラで撮ってみたいと思うシーンが浮かびました。自分のこだわりとして星空撮影の時は星が流れないように、長秒露光は30秒までとしています。可能であれば20秒くらいで撮りたいのですが、20秒の露光で明るくインパクトのある星空を撮るためには、星の発光が強くないと不可能でした。そのような経験から、もう少し感度を上げてもノイズを抑えたカメラが欲しいと思っていた時にα7Sと出会ったのです。また、三脚を使わずに撮れる機会が増えるということは撮影のアングルに縛られないということにつながります。当時の私はローアングルで積もった雪を入れながらオーロラを見上げるなど、もう少し自由な画角で撮影したいと思っていたので、これだけの高感度撮影ができれば撮影の幅が大きく広がると思い、α7Sを購入しました。このカメラなら今まで撮れなかったものが撮れると確信しました。

α7R IIの写真を見てしまったら
もう他のカメラには戻れない

α7S + Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS 1/250 F16 ISO100

α7S購入後は暗所での風景撮影はすべてα7Sで撮影するようになりました。想像していた通り、これまでは諦めていたような環境でも撮影ができるようになり、暗所の撮影の幅が飛躍的に広がりました。さらに、これは購入前には想像していなかったのですが、ミラーレスカメラなら画角の中に太陽を入れて自由に撮影ができます。一眼レフ機を使っていた頃は、真っ黒なサングラスをかけながらなんとか撮っていたのですが、α7Sは電子ビューファインダー(EVF)なので、さまざまなレンズを試しながらじっくり太陽を入れて撮れました。EVFは太陽を入れて撮れるだけでなく、光芒だけを入れた撮影なども自由自在にできるので、太陽がキレイに出ている日はα7Sを必ず持ち出すようになりました。太陽を入れた撮影においては、レンズにも感動しました。個人的にはSonnar T* FE 35mm F2.8 ZAとVario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSの描写がとても気に入っています。35mmのレンズはフレアーもゴーストもなく、目で見る太陽に一番近いきれいな写りをします。16-35mmのレンズもフレアー、ゴーストが少ない上に20mm〜22mmの焦点域での描写が抜群にきれいですね。このカメラとレンズに出会うまではフィルムカメラ時代には撮れていた太陽がデジタルカメラではなかなか撮れず、太陽を撮る頻度が明らかに減っていたので、撮影の楽しみが半減していると感じていました。当時はフィルムカメラに戻そうか迷ったくらいでした。太陽を撮影できないことで、自分の写真のバリエーションが減ることが恐かったのです。

α7S + Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS 1/4 F22 ISO100

そんな中でα7Sとこのレンズに出会えて本当に嬉しかったです。最近は主にα7R IIを使うようになったのですが、実はα7R IIを使うまでは高画素は自分にはそんなに必要ないものと思っていました。α7Sの約1200万画素があれば、ある程度引き伸ばしても全然問題ないと思っていました。しかし、撮れた写真を見比べてたいへん驚きました。ピクセル等倍で見るとディテールが全く違いました。1つ1つのピッチの質感が尖らず丸みがある印象で、肉眼で見ている丸みがしっかりと出て立体的に見えるのです。この立体的な丸みのある質感はα7R IIの高画素でしか出せないだろうと思います。高い位置から俯瞰した風景を撮ったときは、木々が一本一本立ち上がっていて剣山のように見え、つまめるのではないかと思うくらい立体的に写りました。人間の目は優秀で、1度良いものを見てしまうともう戻れないものです。α7R IIの写真を見てしまったらもう他のカメラには戻れないですね。いつの間にかα7R IIはすっかり私のメインカメラになっていました。これからも世界中の写真をこのカメラで写していきたいと思います。