MANUFACTURE 開発者インタビュー

こだわりやトレンド、アーティストの想いを1BOXに凝縮したワイヤレススピーカーこだわりやトレンド、アーティストの想いを1BOXに凝縮したワイヤレススピーカー

Wi-Fiで家中つながる。
スマホアプリであらゆる音源がひとつにまとまる

──「SongPal」アプリを使えば、ホームネットワーク対応のX9とX7をさらに活用できますね。

岡 祐介[商品企画]

ご覧のようにすっきり見せるデザインにこだわったワイヤレススピーカーなので、表示管もなく、操作ボタンも最小限に抑えています。「SongPal」はそうした部分を補完するスマートフォンアプリで、DLNA経由でPC上の音源を再生したり、ミュージックサービスを楽しんだりするときのオペレーションをスムーズに行うことができます。
「アプリ登録」という機能も持たせていますので、スマートフォンやiPhone内のYouTubeアプリやWalkmanアプリのショートカットを加えれば、さらに便利に活用できます。

──単なるリモコンとは違いますね。

岡 祐介[商品企画]

そうですね。自分のお気に入りの音源を集めて一元管理できる司令塔のような存在だと我々は捉えています。やはりスマートフォンの大きな画面で表示できるというメリットがあるので、イコライザー調整などのサウンド設定ひとつとってもリモコンより断然快適です。X9やX7をより楽しむには必須のアプリなので、ぜひ「SongPal」をダウンロードして使っていただければと思います。

──X9とX7には「UPDATEボタン」が付いていますが、ファームウェア・アップデートの予定があるのですか?

岡 祐介[商品企画]

アップデート第1弾(2014年4月1日)として「DSDファイルのリニアPCM変換再生」に対応します。ネットワークにつないでいる状態で点灯中の「UPDATEボタン」を押していただくとアップデートが始まりますので、ぜひご利用ください。

──最後に、ユーザーの皆さまへメッセージをお願いします。

岡 祐介[商品企画]

ソニーとしてはより多くのニーズに応えられるように、1BOX最高峰のX9からコンパクトなX3まで幅広くラインアップしました。ご自分の使用シーンに合ったモデルをひとつでもふたつでも(笑)お選びいただいて、お気に入りの音楽を楽しむためにフル活用していただければと思います。

宮本 謙一[X9電気設計]

お客さまの中でハイレゾオーディオを体験したことのない方もたくさんいらっしゃると思うのですが、X9ならCDリッピングなどの音源でも十分な音質で楽しんでいただけると自負しています。
今回、サイズ上の制約を受けるなかで、コンパクトな筐体を実現しながら如何にして音源の持っている生々しさをそのまま再現させるかに心血を注ぎました。いろいろな苦労と工夫のうえに仕上がった本機の滑らかかつ自然、そして広帯域なサウンドを存分に堪能していただけると嬉しいですね。

大浦 義和[X7音響設計]

今回は単に「いい音をつくろう」というアプローチではなく、調査結果などを踏まえてモデルごとに明確な目的を持って音作りをしました。当然、音の個性がそれぞれ違うので、お客さまにぴったりなサウンドがきっと見つかると思います。ぜひご自分の1台を選んでいただき、さまざまなシーンで楽しんでいただけたら幸いです。

栗原 大輔[デザイン]

今回のDefinitive Outlineは非常にシンプルなので社内では賛否両論ありましたが、説得に多くのステップを踏みました。
ただそれだけエッジのたったデザインだと我々開発担当者は考えてますし、紆余曲折はありましたが妥協せずこうして原案に近いデザインで世に送り出させることに喜びを感じています。

関 英木[音響設計リーダー]

前回のBTX500やBTX300と同様に、今回もX9の着脱式グリルやリブ形状など本体設計者には無理なことをたくさんお願いしましたし、コストを顧みずにエンジニアとしてやりたいことをやりきりました。すべてのモデルに共通することですが、やっぱり自分が好きなように手がけて、皆で協力しながら苦労して作り上げたものというのは何よりも自分が欲しいものに仕上がりますから、お客さまにも自信をもっておすすめできますし、きっとご満足いただけると思います。
ですから、X9からX3までのラインアップの中にお客さまの琴線に触れるサウンドがありましたらぜひご購入いただき、好きな音楽を楽しんでいただければ音響設計冥利に尽きます。

斉藤 健彦[メカ設計リーダー]

思い返すと、このプロジェクトはほんとうに苦労の連続でしたね(笑)。メカ構造的にはリアキャビネットにバッフル板を付けて、そこにスピーカーグリルを被せるというシンプルな形状で、音響的にも有利なデザインなんです。
ただし空間に溶けこむシンプルさを出すのは一筋縄ではいかず、面とフレームで直球勝負しなければいけないのでごまかしがききません。しかもX9からX3までモデルごとに大きさも違えば使っている素材も異なるので、全体のテイストに違和感が無いか、整合性がきちんととれているか、細かいところまでチェックしながら仕上げていく必要があります。繰り返しますが、材質の違うものを組み合わせるのはとても難しいんです。それぞれ特性がまったく違うので、何度も何度も各モデルのメカ設計が集まって金型の構造まで協議しながら、合わせ込む際の隙間の微妙な調整などに苦心しました。
それだけに、完成したモデルをこうやって並べて眺めるとひじょうに感慨深いです。出荷される1台1台がお客さまの部屋に置かれて、「Definitive Outline」というデザインコンセプトが狙い通り発揮されれば、メカ設計担当みんなの苦労も報われます(笑)

関 英木[音響設計リーダー]

最後にもうひとつ思い出したのですが、宮本(X9電気設計)と私で最後までもつれたのが「X9のゴム足を4箇所にするか5箇所にするのか」という点。これだけで一週間悩みました。当たり前のことですが、オーディオにとって他との接触面である足はとても重要なので、重心となる真ん中にも足を付けて押さえるのがいいのか、浮かせた方がいいのか・・・・・・

宮本 謙一[X9電気設計]

ひとつコンディションを変えることで、他の部分のバランスもころっと変化してしまうので見極めが難しんですよね。

関 英木[音響設計リーダー]

「5点で支える」というのが最終的に出た結論で、今回に関しては真ん中は押さえて別なところを響かせた方がいいという判断です。これは他のモデルにも言えることですが、本当に全ての点においてこだわったワイヤレススピーカーなので、細かいところのクオリティーまでお客さまに感じていただけると嬉しいですね。