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ブルーレイディスクのディスク構造と高密度記録。
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BSデジタルの録画には21.6GB以上の大容量が必要
BSデジタル放送の転送レートは最大24Mbpsです。このレートで送られてくるデジタルデータを、長時間番組のひとつの目安となる2時間連続で記録する場合に必要な記録容量は?答えは21.6GB。24Mbps × 7,200秒(2時間)=172,800Mbit。172,800Mbit÷8=21,600MB。1,000MBは1GBですから21.6GBというわけです。ブルーレイディスクの開発にあたっては、BSデジタル放送のハイビジョン番組を2時間以上録画できる21.6GB以上の記録容量を目指しました。

ディスクの記録容量を決める要素とは
CDよりもDVDが、DVDよりもブルーレイディスクが大容量です。では、ディスクメディアにおける記録容量はどのような要素で決まるのでしょうか。CDもDVDもブルーレイディスクも、同じ12cmサイズのディスクですから面積は同じです。同じ面積で記録する量を増やすには、面密度を高くし、ぎっしりと記録する必要があります。たとえば、マス目の細かな原稿用紙に、先のとがった筆記具で高密度に書き込めるほど記録容量は上がります。光ディスクで筆記具にあたるのがレーザービームのスポット、原稿用紙のマス目はディスク上のトラックピッチです。

CDやDVDの約1/5のビームスポットを実現
小さなビームスポットを実現するには、短波長のレーザーを光源として使い、能力を高めたレンズで光を絞り込む必要があります。例えば、雨上がりの空にかかる虹は、自然光をプリズムに通すと、赤から紫のスペクトラム分光されます。この、光の波長は、赤から紫へと向かうほど短くなります。これまでのCDやDVDでは赤い光のレーザー光が用いられていました。DVDにおける赤い光のレーザー波長は650nm(ナノメートル)、対してブルーレイディスクの青紫色レーザー光は405nmと短波長です。ディスクには、発光させたレーザー光をちょうど記録層に焦点が合うようにレンズで絞って照射するのですが、この光を絞り込むレンズにも、NA(開口数)0.85のレンズを採用。DVDではNA0.6のレンズが用いられています。ブルーレイディスクでは、短波長のレーザーを高開口数のレンズでギュッと絞り込むことで、光スポット(焦点)面積を、DVDの場合の約1/5にまで小さくしています。スポットが小さいと、ディスク上に設けるトラックも高密度化が可能。トラックピッチはDVDの場合の半分以下とすることができました。(図3)

図3.記録密度を高めることで、DVDの約5倍の容量を実現

用語解説
◎開口数
焦点距離一定の時の開口瞳の大きさを示す値です。開口数が大きいほどビームが絞れ、高密度記録が可能になります。
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チルトマージンを考慮し0.1mmの薄型保護層を採用
ディスクの厚さは、CDやDVDと同じ1.2mmですが、記録層の位置はそれぞれ異なります。まずCDの記録層は、レーベル面から見て0.1mmの位置にあります。CD-Rなどで、レーベル面に書き込むとき、とがったペンを使わないで、との注意書きがあるのはレーベル面に近いところに記録層があるためです。DVDでは、ちょうど真ん中の0.6mmの位置にあります。対してブルーレイディスクでは、レーザー光が当たる盤面側の直下0.1mmの位置に記録層が設けられています(図4)。これは、ディスクの傾きに対して安定した書き込み、読み出しを実現するため。記録層がレンズから見て近い方が、ディスクが傾いた場合でも焦点位置でのスポット劣化が少なく、書き込み、読み出しエラーが少なくなるのです。つまり、ブルーレイディスクでは、記録層を盤面に近くすることで傾きに対するマージン(余裕度)を十分に確保しているのです(図5)。

図4.CD、DVD、ブルーレイディスクの各記録層の位置

図5.薄型保護層の採用により十分なチルトマージンを確保

 
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