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ドライブに、信号処理に、新開発の高画質技術を随所に投入。
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BSデジタルチューナー搭載
BDZ-S77には、BSデジタルチューナーを内蔵しました。 最短距離で信号をデジタル伝送できますので、伝送ロスの少ない記録が可能です。アンテナからの信号を出力するBS-IF OUT端子(写真3)も装備していますので、ハイビジョンテレビと組み合わせれば、テレビを見ながら裏番組の録画も可能です。




写真3.BS IF IN/OUT端子


信頼性の高い2群レンズを採用
ブルーレイディスクは、高密度記録がその特徴のひとつ。 高密度に書き込み、そして読み出すには高精度に加工された光学部品が必要です。BDZ-S77では、なによりも信頼性の高さを重視して設計した、新開発の対物レンズを搭載しています。(写真4)

写真4.信頼性の高い対物レンズを採用
安定したディスクドライブを実現する4点懸架機構
高精度にピックアップを制御するには、外部からの振動を遮断した、静粛な環境を作り出すことが大切です。

写真6.4点懸架機構を採用

こうした状態を実現するため開発したのが4点懸架機構(写真6)。インナーシャーシの四隅に設けられたスプリングでドライブ全体を吊り下げる構造です。その上で、ドライブとインナーシャーシは、オイルダンパーを介して緩やかに結合。こうすることでドライブは、ほぼ中空に浮いた状態となり、ドライブ全体が衝撃から守られ、安定した録画・再生を実現できるのです。
ディスクをほこりやチリから守る準密閉構造のドライブ
高密度記録のブルーレイディスクを、ほこりやチリから守るためにディスクはカートリッジに封入されています。

写真7.準密閉構造のドライブを搭載

そのディスクもドライブ内ではシャッターが開かれた状態ですので、ドライブの中にも極力ほこりやチリが入らない構造としておく必要があります。そこでBDZ-S77のドライブでは実際に、粉じん試験機を使って密閉性の確認を行いました。トレイ開口面以外の5面は、部材のつなぎ目も内部から隙間を封印。トレイ開口面も、閉じてロックされた状態ではゴム系素材で隙間を圧着。つまり、トレイを引き出してディスクを交換するとき以外では完全密閉とも呼べるほどの構造を採っています。(写真7)


ハイビジョン対応、デジタルノイズリダクションを搭載
ハイビジョンのBSデジタル放送は、もともと美しい映像が特長のひとつですが、中にはNTSCで撮影されたものや、古い映画作品を放送する場合などでノイズが気になる場合もあります。そこで、BDZ-S77には、ハイビジョンに対応したノイズリダクションシステムFBX(Frame & Block Noise Excellent Reduction)を開発し、搭載しました(写真8)。

写真8.新開発、ハイビジョン対応NR LSI「FBX」

このFBXは、背後にザワザワと発生するフレーム間のノイズと、MPEG特有のブロックノイズともに効果を発揮させることができます。一般的にNRには長所も短所もあり、NRがかかりすぎるとせっかくのハイビジョンの質感が損なわれてしまいます。場合に応じた最適なNRの検討を重ねた結果、FBXではハイビジョンの質感を損なわないように、刻々と変動するノイズの増減に追従して、ノイズが多いときは強めに、少ない時は弱めにと、効かせ方を変動させるダイナミック型としています(図23)。フレームノイズリダクションの原理は、前後フレームの差異(差分)を調べてノイズ成分を検出し、除去するというものですが、FBXでは輝度(Y)信号に加え、色(C)についても、2次元のアダマール変換を行って、フレーム差分信号を本来の映像信号とノイズ成分を分離しやすい周波数分布に置き換えて演算。変換された信号に対してリミッターを用いてノイズ抽出処理を行います。リミッター処理を終えた信号は逆アダマール変換を行って、もとのレベル信号に戻し、入力された映像から、引き算することで最終的にノイズ除去を完成させます。NRの程度は色々なモニターとつなげたり、様々な素材の映像信号で検討し、最適チューニングを行った推奨の「標準」を中心として「強」と「弱」の3段階から選択することができます。また、再生時だけでなく、内蔵のBSデジタルチューナーでハイビジョン映像をご覧になる場合も効果を発揮します。

図23.ダイナミックに動作しノイズを低減


IP変換に新開発DMAIPCを搭載
最近ではプログレッシブ信号をそのまま入力できるディスプレイ機器が増えてきました。せっかくプログレッシブで観賞できるなら幅広い映像をプログレッシブで楽しみたいもの。BDZ-S77は、高精細なプログレッシブ映像で楽しめるよう、IP変換(インターレース→プログレッシブ変換)回路に新開発のDMAIPC(Dual Motion Adaptive IP Convertor)を搭載しました。このコンバーターは、映画などのフィルム素材をベースとしたソフトにはもちろん、従来は難しかったビデオ素材のソフトに対しても効果的に動作することが大きなポイントです。IP変換を簡単に説明すると、奇数番目の走査線と、偶数番目の走査線、それぞれを使って作られた、2枚のフィールド画像を重ね合わせて1枚のフレーム画像を合成し、送り出すことです。なぜビデオ素材の合成が難しいかというと、あるフィールドと次のフィールドの間には時間の経過があるからです。フィルム素材のものは、合成して再現するものが、フィルムのコマという静止画なので、同じコマから作られた奇数と偶数のフィールド同士を重ねれば、必ずきれいなフレーム画像が得られます。対して、ビデオ素材のものはフィールド間に60分の1秒という時間差があるため、単純に合成してしまうと、異なる絵柄のクシの歯を重ねて見たようにズレが生じるのです。ではこれまでビデオ素材の映像のIP変換はどのように行っていたのでしょうか。高度なものでは、映像内の動いていない部分(静止画エリア)はフィルム素材と同様、奇数フィールドと偶数フィールドを合成、動いている部分(動画エリア)は、同じフィールド内の上下の走査線から中間値を計算して間を埋める方法などが採られていました。DMAIPCでは、複数のフィールド情報を利用した時間方向と、同フレームの周辺画素を利用した空間方向の双方から動きを検出。その後、過去の動き検出をメモリーに保管しておくことで、さらに長い時間の情報を利用した動き検出処理を実行し、最も適した補間画素を選び出します。この作業を高速で行い、複数のフィールド情報を元にした1枚の奇数フィールド画像を生成し、偶数フィールドと合成。つまり、フィルム素材での、同じコマから作られた2つめのフィールド映像に相当する映像を創り出して重ね合わせているのです。こうすることで、ビデオ素材の映像でもフィルム素材に近いプログレッシブ映像を実現することができました。また、画面全体が静止画であるかの判断をすることで動き検出処理の精度を高めています。また、斜め線の部分のギザギザを目立たなくする処理も行っています。このIP変換は、DVDソフト再生時だけでなくD3/D4出力選択時は地上波放送や、BSデジタルのSD放送など480iの映像をいったん480pに変換し、最終的に1080iに変換して出力する時にも機能しています(図25、26)。

図25.DMAIPCの動作原理-1

図26.DMAIPCの動作原理-2

   


 
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