商品情報・ストア Vlog(Video Blog)とは何か?〜これからVlogを始めたい人に向けて〜

Vlog(Video Blog)とは何か?〜これからVlogを始めたい人に向けて〜

Vlogが今、アツい!

「Vlog」新時代 Vol.1 Yusuke Okawa 自分が楽しいことを、思い出に残す。まずは“撮ること”が大切

Vlog」とはVideo blogの略で、平たく言うと、自分の好きなことを文章で表現する一般的なブログの動画版です。

実は言葉としては決して新しいものではなく、以前から海外にはVlogger(Vlogを作り発信する人)がいて、再生回数が数万回、数十万回に上る人気Vloggerも少なくありません。こうしたVlogが、最近日本でも急速に注目を集めています。

株式会社ジャストシステムが、マーケティングリサーチに関する情報サイト「Marketing Research Camp(マーケティング・リサーチ・キャンプ)」で公開している、ネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『動画&動画広告 月次定点調査(2019年6月度)』の結果によると、Vlogの認知率は20代で40%を超えています。

また、Vlog視聴経験者に視聴頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日視聴」が30.8%で最も多く、自らもVlogで日常的に情報発信を行う人は、48.7%にのぼっています。

Vlogの認知率 Vlog視聴経験者の視聴頻度 Vlog視聴経験者の情報発信頻度のグラフ

データは、株式会社ジャストシステムがネットリサーチサービス「Fastask」を利用して実施した『動画&動画広告 月次定点調査(2019年6月度)』より引用。

このたび、2年前からVlogを始め、去年Vookで開催したイベントVlog Nightでメイン登壇者を務めた大川優介さんをゲストにお招きし、Vook代表の岡本俊太郎さんと対談を行いました。この記事ではその様子をレポートします。

ゲスト紹介

大川優介さん

"Self expression" is my origin.
原点は自己表現。
趣味であるサーフィンを撮影し、SNSで発信していたことをきっかけに映像の世界に心を奪われる。
海外のクリエイターを参考に独学で編集を学び、ハイクオリティなコンテンツをSNSで発信することで支持を獲得。
SNSで育った人間ならではのSNSに最適化された映像のみならず、ハイセンスな映像編集チュートリアル動画も公開している。
2018年4月には株式会社TranSeを設立し、取締役に就任。
映像ディレクターとして、ファッションブランドや出版社のイベントムービーやデジタルコンテンツ等の制作を手がけている。
また、個人としてのタレント性も評価され、吉田正樹事務所とのタレント契約やアパレルブランドとのスポンサー契約など多岐に渡って活躍中。

Vlogを始めたきっかけ

岡本:2年前くらいからVlogを始められていますが、そもそも始めたきっかけは?

大川:最初は海外クリエイターの影響で始めました。
海外には人生をこんなに楽しく表現している方が多くいる事に衝撃を受け、 そこから僕も海外旅行や日常をかっこよく撮影するようになりました。
会社設立の前に創業メンバーとベトナムに行き、自分たちを撮って、風景入れてっていう繰り返しという手法で、初めて撮影しました。
今思い返してみるとそのVlog、結構「思い出を残そう」みたいな軸で撮っていて。
それを1、2年後に見返すと、本当にVlogって、僕だけじゃなくて実際に行ったメンバーであったりだとか、会社のメンバーではない人でも、「大川優介って1、2年前はああいう動画作ってたんだ」っていう思い出の共有が動画をとおしてできる
そこから動画の魅力に惹かれ、 自己表現だけでなく思い出を形に残す一番のツールとして動画制作をしています。
そういった意味で、やっぱりVlogっていうのは思い出の可視化としてすごくいいと思いますね
撮ることを優先するのではなく、体験ありきの動画がVlogだと思うので、僕の中では仕事ではなく趣味に近く、「Vlog=遊び」だと考えています。

岡本:もともとは海外の文化ですもんね。

大川:そうですね。
やっぱり海外の人って自分を自己表現として表に出すっていうのがカルチャーとして根強いのかなって思っています。
でも最近、日本でもSNSなどの盛り上がりもそうですが、自分のことを出すっていう空気感が徐々にできてきているような気がします。

岡本:始めるときに抵抗感とかはなかったですか?

大川:自分のことを出してテレビ番組みたいに「こんにちは、大川優介です」って言うのは、何だか恥ずかしくてすごく抵抗がありましたよ(笑)
もしかしたらVlog始めたいっていう人たちは、撮って発信するっていうのが一番壁かもしれないですね。
でもそんなの最初だけなんで(笑)

インフルエンサーも始めるVlog

岡本:去年の5月にVlog Nightというイベントを開催し、そのレポートを掲載したのですが、その記事の閲覧数が、今年から右肩上がりに伸びているのです。
一番増えたのが5月で、5月に何があったかっていうと、ある芸能人の方がVlogを始めたタイミングでした。

大川:確かに「芸能人の方がVlog始めるんだ」っていうイメージが最初にあった。
1人のインフルエンサーを軸に派生してVlogというキーワードが一気に広がったというのはあると思います。

岡本:みんなが知ってる人が始めたことにより、「自分も始めてみよう」とか「Vlogを見てみよう」みたいな流れが今できてるのかなって思っていて。
あと、SNSアカウントと紐づいて、フォロワー数が多い人はすごくVlog相性が良さそうです。

大川:そうですね。

Vlogはあくまで自分のため

大川:よく聞かれるのが、YouTubeクリエイターとVloggerの違いです。
日本のカルチャーとして、YouTubeクリエイターはバラエティ色が強いっていうのがありますが、僕は日常をクールにみたいなイメージビデオのように撮っていて、どんな日常においても、かっこよく見とれるようなVlog制作をしていきたいとずっと思っていましたね。
あとは、YouTubeは動画共有サービスのプラットフォームであり、その上でYouTubeクリエイターは、“YouTubeを中心に”動画投稿をしてマネタイズしている人。Vlogはコンテンツであり、その上でVloggerは、Vlogで発信活動する人、だと思うので、どのプラットフォームを基盤に活動しているかによる区分とは全く違うものだと思っています。
ただ、Vlogの定義は難しく、変動もしています。

Vlogとは…Video Blog(ビデオブログ)の略称。 Vlogの定義:日常を動画で撮ることで生まれるコンテンツ。一般的なブログの動画版のことです。※Vlogger:Vlogで発信活動をする人すべて

岡本:それは僕もとても感じます。
Vlogの定義は日々変動している、とありましたが大川さんにとってのVlog定義の要素は他にありますか?

大川:僕が思うのは、大前提として「日常を動画で伝える」はもちろんのこと、さらに「自分目線と視聴者との近さ」はVlogの定義として当てはまるのではないかと思っています。

岡本:より近いってことですよね。

大川:そうですね。
「近さ」はカメラと被写体の物理的な距離も含んでいて、固定したカメラに向かって話すとYouTubeっぽく、手持ちだとVlogっぽくなります。

岡本:かみ砕くと、視聴者にサービスを提供しているのがYouTubeクリエイター寄りで、あまり視聴者を意識しないで自分の日常を撮っているのがVlogger寄りですかね。
最近、YouTubeクリエイターでもサブチャンネルでVlogを始めている人も結構多いですよね。
Vlogの方で、あまり力まずに自分を出しているとか。

大川:多分、相手に求められているものを作るのがYouTubeクリエイターで、自分の作りたいものを芸術家のように作るのがVlogger Vloggerも視聴者を多少意識している部分があっても、明確な軸は自分の日常であり、視聴者への意識はあとからくるものだと思います。
僕のVlogも軸としては、例えば海外に行って自分が楽しんでいることをカメラに収めているだけなんです。
そういった意味では、あまり視聴者を意識せずに、自分が楽しいことを、思い出に残ればなという切り口で制作しています

岡本:企画やシナリオベースという感じはたしかにしませんね。

大川:編集の部分、クリエイティブの部分でカッコよくなるように作ってはいますが、根本的に「Vlogは自分のための動画」なんですよね
でもそれも、今実際に話しをしながら自分自身で整理しているのですが(笑)、結局のところ自分が一番いい風に見られたい、自分のパーソナルな部分を出したい、という要素が強いので、やはりアーティスト寄りですね。

岡本:Vlogの定義を深く表現できた気がします。
日常プラス距離感
誰のための動画かというと、あくまで自分のためなんですね。

これからVlogを始める人へ

岡本:これからVlogを始めようなかなと思っている人に、どういったことを伝えていますか?

大川:あまり深く考えずに、まずは撮ることです。
自撮りして話して、話し終わったら外を映して…を繰り返す。これだけでいいので。

岡本:人に見せる楽しさもあるし、ライフログとして自分のために残しておくものとして始めてみると面白いのかなと思いますね。
みんなどんどんVlog始める時代になりそう。
ちなみに、大川さんはどんなカメラを使っていますか?

大川: この間韓国でVlogを撮ったときは、コンパクトデジタルカメラRX100 VIIを使いました。
でも今までいろんなカメラを使ってきました。
普段使用する機材としては一眼レフになじんでいたのですが、気軽にVlogを表現するならRX100 VIIのようなコンパクトデジタルカメラはいいですね
コンパクトながら動画が簡単に撮れて、24〜200mm(画角35mm換算)のふり幅があってレンズの交換も不要で、さらに写真も撮れます。
圧倒的な機動性で、この1台でシーンを選びません。

RX100 VII(DSC-RX100M7)の詳細はこちら

岡本:Vlogにはこのカメラがおすすめというのはありますか?

大川:Vlogにはいろんなジャンルがあり、世の中にはいろんなカメラがあるので、自分自身いろんなカメラを使ってきた身として、ジャンルごとにおすすめのカメラがあるのかな、と思っています。

岡本:それでは、次にVlogのジャンルとおすすめの機材についてお聞かせください。

Vlogにはジャンルがあって適した機材が違う

岡本:Vlogをジャンル分けするとしたらどうなりそうでしょうか?

大川:一番Vlogに多いのは、やはり旅ですね。
分かりやすいイベントで、思い出に残したいものなので。
ただ、日常や料理でも自分目線の撮り方と距離感を意識していれば、どんなジャンルでもVlogになると思います。
機材を選定するのはいろいろあって難しいですが、旅、日常、料理など自分が表現したいジャンルに結び付くような機材を選ぶのが理想です。
例えば、旅だと他にいろんな荷物を持っているので、機材は機動力や気軽さが大事になると思います。
ですから、スマートフォンやコンパクトデジタルカメラ、きれいな景色やより作品性を重視するならデジタル一眼カメラの軽いものがおすすめです。
日常であれば、手持ちに加えすぐに自立させられるなど、簡単にどんなシーンでも自分目線の撮影ができるスペックのカメラが便利ですし、料理であれば、五感で楽しみたいので音も重要になりますよね。

岡本:スマートフォン以上のカメラの必要性はどうでしょうか?

大川:僕は引きや寄り、ぼけなどの表現を追求したいのでスマートフォンではなく専用機が必要ですね。
普段から自分に一番近いところにあるデバイスという意味で、即時性でスマートフォンに勝るものはありませんが、スマートフォンの軸はあくまで通信に特化したものなのでデータ管理やバッテリーのもちなどでやや面倒です。

岡本:僕もふとした瞬間は、やっぱりスマートフォンで撮ってしまいますね。
ただ個人的に、専用機で且つVlogで多くの人と相性が良いのは、手軽さのあるコンパクトデジタルカメラなのかなと思う

大川:そうですね。
データ管理、手軽さ、動画撮影における音質、表現力を総合的に考えると、まず専用機の選択肢としてコンパクトデジタルカメラは本当におすすめです。

岡本:自分目線での撮影、自撮りするときに必要なものはありますか?

大川:まずはマイク、それからシューティンググリップです。
Vlogは自分の声がしっかり届かないといけないので。
万が一、映像はスッと入ってこなかったとしても、音声だけでもラジオみたいにスッと入ってくるのが理想ですね。
またカメラを写真を撮るように構えて動画を撮るのは、いろんなシーンでは撮りづらいので、カメラ+シューティンググリップというのは手軽だと思います。

岡本:それで言うと、Vlogは何となくラジオに近い気がしていて、“見る人が構えない”、ながら見に適したフォーマット、表現かなと思います。

Vlogのジャンルと機材の相関図
  • きれいな景色やより作品性を重視
    =αシリーズ(デジタル一眼カメラ)
  • 手軽さと表現力
    =Cyber-shot RXシリーズ (コンパクトデジタルカメラ)
  • 動画専用機ならではの利便性
    =ハンディカム(デジタルビデオカメラ)

これからのVlogと可能性

岡本:大川さんは、これからどのようなVlogを作りたいとお考えですか?

大川:見る人の選択肢を増やすことができるVlogを作りたいです。
僕がいろんな機材を使って撮るのは、機材によっていろんな表現ができることを伝えたいというのもあります。
コンテンツにしても、例えば、できるだけ多く海外に行って、みんなが国や地域を選ぶときの選択肢となるものを作りたいですね。
もう1つは、見ていて駆り立てられる、明日から生活変えてみようとか、そうしたインスピレーションを与えたいと思って制作しているので、今はスカイダイビングや4000メートル級とか一部の人しか登れないような登山にも挑戦して動画にしたいとも思っています。

岡本:今後、Vlogはどうなっていくと思いますか?

大川:どんどん始める人が増えていくんじゃないかなと思います。
自分の思い出を残すことは自動化できないんですよね。
技術が発達すると、何かの指標があり、考えなくてもできることは自動化されることが多くなると思っていますが、その人、その人の感性はその“人”があってこそのものであり、自動化はできないと思うので、自分なりの感性や表現を残す、というのはとても意味のあることだと思います
それから、好きなことを発信するのは、同じ趣味の人とつながりやすくなるということでもあります。
初対面だと探り探りになるところを、Vlogを作っていれば、ピンポイントでそれに刺さる人と出会えて、もしかしたら一生の付き合いになる出会いが生まれるかもしれません。
思い出を残す意味でも、つながりを増やす意味でも、Vlogは人生の幸福度を高めてくれる可能性があると思っているので、興味がある人はどんどん始めてほしいですね。

岡本: 本日はありがとうございました!

(左)大川優介さん、(右)岡本俊太郎さん