商品情報・ストア Sony's feature 8Kブラビア「Z9H」 ソニーの表現力が映す、新しい8K映像の世界“8Kリアリティ”体験

8Kブラビア「Z9H」ソニーの表現力が映す、新しい8K映像の世界
“8Kリアリティ”体験

4Kテレビの4倍という驚異的な情報量を誇る8Kテレビ。しかし、ブラビアのエンジニアは「8Kテレビの価値は解像度ではない」と言い切る。2018年末に8K放送がスタートし、いよいよ登場した国内初の8Kブラビア「Z9H」はどのような感動をもたらしてくれるのか?ソニー独自の最新テクノロジーが実現した次世代の“8Kリアリティ”体験とは?

8Kテレビの真の価値は“解像度”ではなく
“リアリティ”にこそある

まずは「8K」の魅力について教えてください。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)TV事業本部 技術戦略室 主幹技師 小倉敏之

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 技術戦略室
主幹技師 小倉敏之

馬場:これは声を大にして言いたいのですが、ブラビア「Z9H」で8K映像を観ると身体が震えるほど感動します! よく「まるで映像が目前にあるかのような感覚」という表現の仕方をしますが、ブラビア「Z9H」の8K体験ははっきりとそれ以上。実際にその場に行くよりも、家のテレビで観た方が感動するのではないかと思わされるくらいの力がありますよ。

小倉:8Kがなぜすごいかというと、凄まじい“リアリティ”を画面上に表現できるから。「まるで映像の中に入ったかのような感覚」を味わえるんです。このことに気がついたのは、2019年1月にラスベガスで行われた電気製品の見本市・CESでソニーが展示した8Kテレビのプロトタイプを見ていたとき。8Kは4Kとは楽しみ方が違うぞ、と。

どう違うのでしょうか?

小倉:8Kって、とにかく解像度がすごいという話になりがちなのですが、解像度だけに注目するのは大きな間違いです。かつて4Kテレビが登場した時は、その解像度を楽しむために視聴距離をこれまでの半分にすることをおすすめしましたよね。であれば8Kテレビでは視聴距離をさらにその半分にして、その超高解像度を満喫するのが筋ということになるのですが、今回は、4Kテレビの時と同じ視聴距離で見てほしいと思っています。そのくらいの距離を取ることで、解像度と映像の持つリアリティがバランスするんです。8Kテレビではそのリアリティこそ楽しんでいただきたいと思っています。

そうした8Kテレビならではのリアリティは、どういったコンテンツで威力を発揮するのでしょうか?

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)TV事業本部 商品企画部 プロダクトプランナー 馬場彩香

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 商品企画部
プロダクトプランナー 馬場彩香

馬場:ジャンルによって違う感動、面白さがあります。スポーツ中継の場合は選手の皮膚の表面にうっすらと浮かぶ汗や、フィールドの細部などまではっきりと感じられ、それが醸し出す凄まじいまでの臨場感が味わえます。ドキュメンタリーやネイチャー映像などは、なにより質感の情報量の高さですね。本当にその場にいるような気持ちになってしまいます。映画やドラマでは役者の細かな表情の移ろい、それこそ瞳孔の動きまではっきり確認できるので、これまで以上に演技に引き込まれます。
実は先日、以前、映画館で観たことのある映画をブラビア「Z9H」で視聴したのですが、劇場の大スクリーン以上の没入感がありました。語彙力がないって言われてしまいそうですが、本当に「震えるほどすごい!」としか言いようがなくって……(笑)。

小倉:この新しいブラビア「Z9H」では、そうした8K映像の面白さ=リアリティを最大限に引き出す方向で、チーム一丸となって開発を進めました。

馬場:2018年末に8K放送が国内でスタートしているにも関わらず、8Kブラビアの投入がここまでなかったのはまさにそのため。単にパーツを組み合わせて8Kテレビを作るだけなら放送開始と同時に発売することもできたと思うのですが、我々は、8Kチューナー搭載はもちろんのこと、実際の映像を元にしっかりと画質を最適化し、各種高画質化技術もしっかり盛りこんだ、“ソニーの8Kテレビ”として自信の持てるものをお届けしたかったんです。

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大画面×8K×超解像だからこそ伝わる
「Creator's Intent」

ブラビア「Z9H」の高画質化技術についてお話しいただく前に、ブラビア全体の画質へのこだわり、方針について聞かせてください。

小倉:ソニーが「Creator's Intent」と呼んでいる、クリエイターが映像に込めた想いを正しく、正確に再現することがテレビにとって何より大切だと考えています。とりわけ近年は、技術の進歩によって映像のクオリティがものすごく高くなっていますから、テレビ側にもそれをきちんと表現できる力が求められます。

ではそのために何が必要かと言うと、まず解像度、そしてビット深度(画素1つあたりに割り振られるデータ量)、フレームレート(1秒あたりの書き換え回数)、色域(表示可能な色の範囲)、輝度のダイナミックレンジ(表示可能な明るさの範囲)、この5つです。この5つの要素をきちんとバランスさせながら、それぞれ引き上げていくということをやらないと表現力を得ることができません。ブラビア「Z9H」では、これをとりわけ高いレベルに持っていくことに挑戦しています。

そのためにどういった技術が使われているのですか?

小倉:ブラビア「Z9H」の高画質は大きく2つの技術に支えられています。1つは高画質プロセッサー「X1 Ultimate」。解像度が4倍になり、HDR対応でダイナミックレンジが広がり、色域も拡張されている8K映像のものすごい情報量をリアルタイムに処理できることはもちろん、何よりそこに詰め込まれたクリエイターの想いを正しく、忠実に再現できるプロセッサーです。「X1 Ultimate」は4Kブラビアのハイエンドモデルにも採用されていますが、その開発当初から8Kテレビへの搭載を想定しており、いよいよそれが実現できました。

そしてもう1つが、映像を実際に表示する液晶パネル。液晶パネルの美点は高輝度が出せること。これにバックライトを制御するソニー独自技術「バックライト マスタードライブ」を組み合わせることで部分コントラストを大きく高め、有機ELパネルにもひけをとらないコントラスト感を実現しています。

ブラビア「Z9H」では、これらを組みあわせて、トータルで理想のパフォーマンスを実現しました。

高画質プロセッサー「X1 Ultimate」で行われている、さまざまな高画質化処理について、具体的にどういったことをやっているのかを教えていただけますか?

馬場:「X1 Ultimate」最大の特長はオブジェクト型超解像に対応していること(8K X-Reality Pro)。超解像とは、解像度の低い映像(ここではフルHDや4Kなど)を高解像度(ここでは8K)に、精細感や質感を保つ処理を適用しながらアップコンバートする技術のことなのですが、従来の超解像技術では、画面全体に単一の一括した処理しか行えませんでした。対して、「X1 Ultimate」では、映像を解析し、動物や樹木など、オブジェクト単位で適切な超解像処理を行なえるようにしています。これによって、動物のふわふわの毛並み、ゴツゴツとした樹皮、滑らかな空のグラデーションなどをそれぞれ損なうことなく、映像を8K解像度にアップコンバートすることができるようになりました。

被写体ごとに最適な精細感に「オブジェクト型超解像」イメージ

それぞれのオブジェクトに適用する超解像処理について、ソニーならではの技術やアイデアがありましたら教えてください。

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)TV事業本部 商品設計部門 画質エンジニア 池山哲夫

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 商品設計部門
画質エンジニア 池山哲夫

池山:解像度というのは撮影する際にどのくらい細かくデータをサンプリングするかの基準です。フルHDや4Kのコンテンツは、8Kコンテンツよりもサンプリング数が少ない(解像度が低い)ため、8K テレビに表示するにあたってアップコンバートを行います。この際、同じ映像を8Kでサンプリングした状態に復元できるのが理想です。そこで今回は、8K、4K、フルHDでサンプリングされた同一映像を膨大に準備し、機械にその違いを学習させることでデータベースを作っています。こうしたデータベースを用いた超解像技術はこれまでの4Kモデルにも搭載されており、好評をいただいているのですが、ブラビア「Z9H」では、新たに8Kに最適なデータベースを構築し直しているので、ネイティブ8Kではないコンテンツに対しても、8Kに近しい映像を楽しむことができると考えています。

小倉:この超解像という技術は、ネイティブ8Kコンテンツが8K放送以外ほとんど存在しない現状では非常に重要なもの。ちなみに映像の制作現場では、30型前後の4Kマスターモニターと呼ばれる機材で撮った映像を確認しているのですが、そのサイズで4K解像度があると映像がギュッと凝縮され、テクスチャーがしっかりと表現されて見えるんですね。ところが、そうして撮影された映像をそのまま80型クラスの大画面に表示するとどうしても画が間延びしてしまい、テクスチャーの精細感が不足するということになってしまいます。

同じ映像なのに、画面のサイズが異なるだけで感じ方が変わってしまう、つまり「Creator's Intent」が正しく再現されないということになりますね。

小倉:そうなんです。その点、ブラビア「Z9H」では解像度を8Kに高め、さらにそこにオブジェクト型超解像を適用することで、制作者が意図したテクスチャー感、質感を再現できるようにしています。つまり、8Kテレビは4Kコンテンツを最高の画質で楽しむという意味でも非常に有効なんです。

大画面×8K×超解像だからこそ伝わる「Creator's Intent」 にいいね

ソニーの先進技術で
液晶テレビの苦手を解消し、強みを強化

続いて、「バックライト マスタードライブ」についても詳細を聞かせてください。この機能は2016年に発売されたブラビア「Z9Dシリーズ」などで好評だった機能を復活させたものですが、どういった機能なのでしょうか?

小倉:「バックライト マスタードライブ」とは、ソニー独自のバックライト技術。液晶パネル背面に高密度に敷き詰めたLEDモジュールを、映像の明るさと連動するかたちでそれぞれ個別に駆動させて圧倒的なコントラストを実現するというものです。こうしたバックライトの部分駆動(エリア駆動)は他社製品でも行っているのですが、ブラビア「Z9H」の分割数はケタ違い。具体的な数字をお出しすることはできないのですが、通常ではあり得ないほどの分割数となっています。

そして分割数以上に重要なのが、バックライトを制御するアルゴリズムの優秀さ。ソニーは他社に先駆けてバックライトの部分駆動を導入していたこともあり、そのノウハウで他社を大きくリード、同じ分割数でもブラビアの方が遙かに高いコントラストを得られるようになっています。そしてこれに加えて映像の暗い部分の電流を明るい部分に集中させて一段と輝度を高める「8K X-tended Dynamic Range PRO」も搭載し、つややかな輝きを表現できるようにしました。

馬場:ブラビア「Z9H」の高輝度は、太陽光の照り返しなどでまばゆさを感じるほど。特にHDR映像でその違いを感じていただけると思います。

池山:さきほど小倉や馬場がお話しさせていただいた通り、8Kの魅力は“リアリティ”です。ただ、単純に8Kの解像度であれば、“リアリティ”がでるというわけではありません。私は2018年のCESで展示したプロトタイプから設計に携わっていますが、試行錯誤の結果、優れた“リアリティ”を再現するには、解像度だけでは不十分で明るさやコントラストが重要であることを体感しています。ブラビア「Z9H」は「バックライト マスタードライブ」や「8K X-tended Dynamic Range PRO」によって、高輝度・コントラストを実現すること、リアリティを高めることができていると考えています。もちろん、バックライトの設計そのものも8Kテレビ用に新規で開発しており、従来4Kモデルよりも輝度効率に優れたLEDモジュールを搭載しています。

小倉:なお、これは余談なのですが、海外のマニア向けサイトに、各社テレビのバックライト分割数を映像解析ソフトで推測するというものがあるのですが、私の知る限り、ブラビアについては当てられたことがありません。あまりにバックライト制御が自然すぎて間違ってしまうんですよ(笑)。

  • *1 従来のX-tended Dynamic Range PRO非対応モデルの画面全体白色時の電流と、輝度を増加させた部分の電流を比較した場合
  • ※  XDRコントラストはX-tended Dynamic Range PRO技術によって体感できるコントラスト水準です。この数値は、「暗部の電流を明部に集中させ明るさを高める機能」の効果の高さと、その精度を表すソニー独自算出による数値、LED部分駆動が搭載されていない当社従来液晶テレビ比です

これは素朴な疑問なのですが、バックライトの制御は単純に映像の明るい部分の輝度を高くすればいいのではないのですか?

小倉:バックライトの部分駆動は、単に明るい場所の輝度を上げればよいという単純なものではありません。画面全体の中で最適化をしないと最良の結果にはならないのです。たとえば真っ暗闇の中に月が浮かんでいるような映像の場合、月の部分だけ輝度を上げるとその周りにぼんやりと光が漏れてコントラストが下がってしまいます。そこでブラビアでは、画面の1か所が光っているだけの映像でも画面全体のバランスを見て適切なバックライト制御を行うようにしています。結果として、処理の負荷が大きくなってしまうのですが、ここで手を抜くわけにはいきません。

馬場:そこまでやらないと、ソニーの目指す8Kのリアリティは表現できないんです。そもそも画素密度の高い8K液晶パネルはその構造上、バックライトの透過率が低く、どうしても映像が暗くなってしまいます。しかしだからといって輝度をドンと上げると、今度はその強い光が周囲に影響を及ぼし、コントラストが損なわれてしまうのです。したがって、8Kテレビでは高度なバックライト制御が必須。「バックライト マスタードライブ」では輝度を大きく高めつつ、コントラスト感が損なわれないようにするという、非常に難しいことをやっているんですよ。

池山:なお、ブラビア「Z9H」には、この高度なバックライト制御技術を残像感の低減にも利用する「X-Motion Clarity」も搭載。従来液晶テレビではフレームとフレームの間でバックライトを消灯して(黒挿入)、残像感を低減していたのですが、これには映像がやや暗くなるという副作用がありました。そこで「X-Motion Clarity」では、バックライトの制御を工夫し、画面の明るさを保ったまま、動きの速いシーンでもくっきりとした、ぼけ感のない映像表現を可能にしています。「X-Motion Clarity」は動く映像でも精細感を維持することできるため、解像度が高いテレビほど、重要な機能になっています。

そのほか、画質面でソニーならではの技術やこだわりを盛り込んでいるところがありましたら教えてください。

馬場:ソニー独自の光学設計によって液晶パネルの視野角を大きく拡げる、従来モデルでもご好評いただいている「X-Wide Angle」が映像体験向上にとても大きな役割を果たしています。これほど大きなテレビになると、大きなリビングに置いて大人数で観るという利用スタイルが想定されるのですが、視野角が狭いと視聴位置によって見ている映像がそれぞれ微妙に異なるということが起きてしまうんですね。その点、「X-Wide Angle」を搭載したブラビア「Z9H」なら、部屋のどこから画面を見ても正面視と同じ映像が楽しめます。つまり、皆で同じ感動を共有できるのです。

小倉:液晶パネルは、有機ELパネルと比べたときに、コントラストと視野角、そして応答速度の点で不利が否めないのですが、ブラビア「Z9H」では、コントラストを「バックライト マスタードライブ」で、視野角を「X-Wide Angle」で、応答速度を「X-Motion Clarity」で有機ELパネルに迫るレベルにまで高めています。そしてその上で、液晶テレビとしてもトップレベルの高輝度も実現しました。これはもう、既存の液晶テレビとは別次元のもの。個人的には、今のテレビ市場には「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」に加え、「ソニーの液晶テレビ」という3方式があると言いたいくらい。そういう気持ちで作っていますし、実際にそれだけの違いがあると思っています。

そうして生み出された、ブラビア「Z9H」の高画質。実際にこの製品で8K放送をご覧になってどのように感じられましたか?

馬場:実際に他社製品も含め、さまざまな環境で8K放送の映りを比較しているのですが、同じ映像を見ても見え方が全然違います。特に「バックライト マスタードライブ」の生み出すキラキラ感はブラビア「Z9H」ならではのもの。たとえば先日、相撲中継やボクシング中継の様子を比較してみたのですが、ブラビア「Z9H」は、スポットライトに照らされた土俵やリングが、輝きながら浮かび上がって見えるんです。ほかのテレビの映像がのっぺりと見えてしまうほどの違いを感じました。もちろん、従来の地デジ放送の映像も驚くほどリアリティが高まります。「8Kテレビなんていらないよ」とおっしゃっている方にこそご覧いただきたいですね。

ソニーの先進技術で液晶テレビの苦手を解消し、強みを強化 にいいね

8Kコンテンツのリアリティを
さらに高める
「画音一体」の新発想サウンドシステム

ここまでは画質のお話を聞かせていただきましたが、テレビにとっては音質も極めて重要です。ブラビア「Z9H」では、この点をどのように強化したのでしょうか?

増田:8Kテレビに合った音質とはどのようなものかを考え抜いた末、85V型の大画面を誇るこの製品では、画から音が出ている感覚を大切にするべきだという結論に達しました。この「画音一体」というコンセプトは、ソニーの有機ELテレビで「アコースティック サーフェス」としてすでに実現済み。また、液晶テレビ向けにも「アコースティック マルチ オーディオ」が存在します。それが非常に好評でしたので、ブラビア「Z9H」ではこれをさらに発展させたものを搭載しています。

ブラビア「Z9H」は液晶テレビですから、「アコースティック マルチ オーディオ」の進化形を搭載しているということですよね? まずはこの機能がどういうものなのかを簡単に説明していただけますか?

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)TV事業本部 商品設計部門 音質エンジニア 増田浩

ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)
TV事業本部 商品設計部門
音質エンジニア 増田浩

増田:一般的な液晶テレビは画面下部にスピーカーが内蔵されており、画面サイズが大きくなるほど音の出る位置が画面の中心点から遠ざかっていきます。そこで、2019年に発売された「アコースティック マルチ オーディオ」搭載の液晶テレビでは、背面上部にサウンドポジショニングトゥイーターという定位補正のための付加的なデバイスを追加して、まるで画面の中央から音が聞こえるようにしました。

「アコースティック マルチ オーディオ」を採用しているX9500Gシリーズの背面イメージ

これがブラビア「Z9H」ではどのように進化しているのでしょうか?

増田:まず、根本的な構造の改善として、これまで下向きに設置されていた内蔵スピーカーを前向きにしました。もちろんそのまま前向きにすると大きな面積を取ってしまうので、画面の上部と下部にあまり主張しないかたちで左右2基ずつ、合計4系統のフルレンジスピーカーを内蔵。また、それに加えて本体背面に個別駆動する2基のサブウーファーも内蔵しています。

画面上部にも下部のスピーカー群と対になるようにスピーカーを配置し、背面にはサブウーファーを2基搭載

つまり仕様としては2.2chということですか?

増田:そうですね。ただ、それぞれのフルレンジスピーカーは45mm径のミドルレンジスピーカーを2発と、20mm径のトゥイーターを組み合わせたものになっています。ミドルレンジスピーカーはサウンドバーなどで使われるような本格的なものですし、トゥイーターもハイレゾ対応スピーカーで使われている14mm径ユニットよりも一回り大きく、よりしっかりとした高域を奏でてくれます。また、サブウーファーもそれぞれ2つのユニットから成っており、大画面に負けない迫力ある低音を出せるようにしています。

ただ、パッと見、それらのスピーカーがどこにあるのかが分かりません。それほど大きなスピーカー群をどのように隠したのでしょうか?

増田:ブラビア「Z9H」では、前向き配置にしたスピーカーが映像鑑賞時の視覚的なノイズにならないよう、デザイン上のアクセントにもなっているスリットの向こう側に配置するようにしています。

なんと、こんなところに隠されていたのですね! ただ、よく見るとスピーカーユニットの半分くらいがベゼルの裏側に隠れてしまっています。これできちんとした音が出せるものなのですか?

増田:さすがにこのままですとスリットによる共鳴や反射などが発生し、周波数特性に悪影響を及ぼします。そこでこの製品ではそうした音の変化をソニーが得意とする信号処理技術と調整ノウハウを駆使して補正し、自然な音質に仕上げています。

そこまでして前向きのスピーカーにこだわった理由はどこにあるのでしょうか?

増田:従来のような下向きスピーカーでは、音が反射して視聴者の耳に届くかたちとなるため、音質がテレビ台や背後の壁の材質などに大きな影響を受けてしまうという問題があります。音のリアリティを高めるためにも、ダイレクトに音を届けられる前向き配置は必須でした。

小倉:音が設置環境の影響を受けにくくなったことで、音質が安定したことも大きなメリットと言えるでしょう。

増田:音質の安定性という点では、今回新機能として、自動音場補正機能を追加しました。これは、リモコン内蔵マイクを使って、テレビの置かれている場所の状態を測定し、ソニーリファレンスとしている視聴室でセットの最終の音を仕上げたときの聞こえ方に近付くよう音質を補正するというもの。視聴位置に座ってリモコンを持って簡単なメニュー操作をするだけで、全自動で音質を最適化してくれます。

構造を改め、基本的な音質を高めることで、「アコースティック マルチ オーディオ」の音質はどのように変わりましたか?

増田:最も大きな変化は、サウンドポジショニングトゥイーターの役目が、画面上部に配置されたスピーカーに託されたこと。従来は小型化のために特殊な構造の薄型スピーカーを使っていたのですが、それと比べて音が自然になりました。特に中高域の高さ方向の表現力が高まったことで、たとえば映画などのコンテンツでセリフが画面内にしっかりと定位するとともに、より大きな臨場感を味わっていただけるようになっています。また、スピーカーをサイドに配置するのではなく、上下からサンドイッチのように挟むことで、どの位置でテレビを見ていても、画面の中央から音が鳴っているように聞こえるという効果も生まれています。

視野角と同じくらい、音のスイートスポットも広いということなんですね。そのほか、音質面におけるブラビア「Z9H」のアピールポイントがありましたら教えてください。

増田:スピーカーを前向きに配置し、設置環境の影響を受けなくなったことで、従来「アコースティック マルチ オーディオ」では実現できなかった(有機ELテレビ向けの「アコースティック サーフェス」でしか利用できなかった)「センタースピーカーモード」を利用できるようになりました。これは、テレビのスピーカーをホームシアターのセンタースピーカーとして利用できるようにする機能。このクラスのテレビを所有する方々は、別途ホームシアターシステムをお持ちだと思うのですが、そうした環境でもブラビアならではの画音一体を味わっていただくことができます。

また、映画館のデファクトスタンダードとなりつつある立体音響技術、Dolby Atmosの再生にも対応。こちらは従来「アコースティック マルチ オーディオ」対応テレビでも実現していたのですが、ブラビア「Z9H」では、スピーカーの前向き配置によって音の高さ感、回り込み感がよりはっきりと感じられるようになっています。

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機能を体現した
「Blade Architecture」が
意図するもの

ブラビア「Z9H」は、これまでのブラビアにはなかった個性的なデザインが目を引きます。ここまでのお話で、音質面との関係が深いことは分かったのですが、もう少し詳しく、このデザインの意図について聞かせてください。

ソニー株式会社 ブランドデザインプラットフォーム クリエイティブセンター スタジオ 1 シニアアートディレクター 横田洋明

ソニー株式会社 ブランドデザインプラットフォーム
クリエイティブセンター スタジオ 1
シニアアートディレクター 横田洋明

横田:これまでのブラビアは、余計な要素を消していって、コンテンツだけがそこにあるというデザインを追求してきました。しかし、ブラビア「Z9H」は、上下に配置されたスピーカーや、発熱が大きく薄型化の難しい「バックライト マスタードライブ」など、条件的にはそれと真逆の位置にある製品(笑)。これをどう料理していくかには本当に悩まされました。

そうした末に思い付いたのが、プロフェッショナルが使う機材をイメージしたデザイン。クリエイターが映像制作の現場で使っている機材が自宅にやってきたというストーリーがこの製品にマッチするのではないかと考えました。乗用車ではなくF1カーのように、機能がかたちとしてあらわれているデザインがいいのではないか、と。そうすることで形状を説明しやすくなりますし、逆にそれが凄みになりますよね。

確かにこの無骨さにはプロの道具感がありますね。そのアイデアを実際のデザインに落とし込んでいく中で、どのような苦労がありましたか?

横田:画面の上側にスピーカーがあるテレビはこれまでデザインしたことがなかったので、どうしたものかと悩みました。それなりの大きさがあるスピーカーを上下に配置し、それを自然になじませるにはどうすればいいのか……。

結論を言うと、ブラビア「Z9H」では、2枚の板を重ね合わせ、前面を液晶パネルのベゼル部として、後面をスピーカーとしてずらして配置、これを同じ表現にすることで存在感を消していくという手法を採っています。

なるほど。確かにこうすることでスピーカー分増えたベゼルの厚みが気にならなくなっていますね。ところで、そのベゼル部分の薄い刃を何枚も重ねたような形状はどのようにして発想したのですか?

横田:今回の設計上の課題となっていた独特なスピーカー配置と、高輝度なバックライトが発生させる大きな熱を逃がす構造をデザインで解決できないかと考え、この形状に行き着きました。イメージの原点は、放熱に利用するヒートシンク(放熱板)やオーディオ機器の開発などに使う無響室の消音チャンバーのような、1つの要素を繰り返していくことで生まれる、機能直結した不思議な美しさ。我々はこれを「Blade Architecture」と名付けました。なお、この刃の部分はアルミで作られており、実際に放熱板としても機能しているんですよ。

まさに機能を体現したデザインになっているんですね。

横田:なお、この形状にはもう1つメリットがありまして、天井の照明の光を受けた刃の部分が影を落としていくことで、ベゼルが目立たなくなる効果が生まれるんです。従来のベゼルでは光が当たるとそこが白く浮き上がってしまっていたのですが、「Blade Architecture」では光の当たったところが大きく沈みこんで、映像だけが浮かび上がります。長年、テレビのベゼルをデザインしてきましたが、これはこれまでになかった新しい表現になっているのではないでしょうか。

おっしゃる通り、影の部分が完全な漆黒になって、ベゼルの存在感を大きく低減していますね。たしかにこれまで見たこともないアイデアです。

横田:さらにこの製品では背面のデザインにも、「Blade Architecture」のエッセンスを盛り込んでいます。背面キャビネットのネジ穴や蓋の位置に合わせてマス目を区切り、そこに消音チャンバーのように縦横のラインを入れました。実はこれが、背面キャビネットの剛性アップにも寄与し、不要振動が抑えられることで音の安定にも貢献しています。また、脚についても、オーディオ機器のインシュレーターをイメージした円柱を薄い2枚の板で挟みこむこれまでにない形状のものを作っています。これだけ重量級の本体を支えるには相当にしっかりとした脚が必要だったのですが、この形状を思い付いたことで、剛性とデザイン性を両立させることができました。

馬場:なお、ブラビア「Z9H」を始めとする、ブラビア2020年モデルではUIも大きくアップデート。2019年モデルでメニューの開く位置が画面上端から下端に移し、大画面での操作のしやすさを向上させていますが、今回はさらに画質調整時にその効果を視覚的に確認できるガイドを追加するなど、より一層使いやすくなっています。もちろん、ここ数世代で好評なサクサク操作も健在で、速度面でのストレスも全くありません。

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Experience is believing--
まずは実際に体験してみてください!

最後に、この記事を読んでいる読者にメッセージをお願いします。

馬場:今、私が何よりお伝えしたいのは、とにかくまずは実際の映像を見ていただきたいということです。言葉でそのキラキラした映像体験を表現しきれないのが本当にもどかしい(笑)。でも、実際にその目で見ていただければ、私がお伝えしたい感動がわかっていただけるはず。特に、テレビを高画質に楽しむということに興味がないという方にこそご覧いただきたいですね。これまで経験したことがない心の動き方にきっと驚かされますよ!

増田:ブラビア「Z9H」は、映像と音の相乗効果を体感できるテレビ。美しい映像が音の満足感を高め、迫力あるサウンドが映像への没入感を高めるということを、実際に体感してみてください。ソニーストアであれば、持ち込んだDVDやBDなどを再生していただくこともできるので、ぜひお気に入りのコンテンツで、その魅力を確認してみてください。

横田:この製品は決して安い買い物ではありません……が、普通に最新テレビに買い換えるのとは次元の異なる体験をもたらしてくれます。人生において、そうした体験はなかなかありません。普通に生きていたらF1カーに乗ることはありませんし、お城に引っ越すこともありませんよね。でも、ブラビア「Z9H」は、それらと比べればまだ手の届く選択肢。テレビにそんなお金は出せないよという人も、店頭で体験していただく分には無料ですから、まずは観に来てください。それでそこから一歩を踏み出してくれる方がいらっしゃったら、とてもうれしいです。

池山:ブラビア「Z9H」は初めての8Kテレビとして、8Kの良さを体感できるよう、我々が現時点で持ちうる高画質化技術の全てを盛り込んだ妥協を許さない画質になったと思っています。この製品でしか味わえない、大画面、高画音質が生み出す臨場感を店頭で体感していただけるとうれしいです。

小倉:ここ5年ほど、テレビの進化速度がものすごいことになっています。画も音も、表現力がどんどん高くなっているのです。その結果、何がおきたか? コンテンツの側が、その表現力を使い切るべくどんどん進化するということがおきました。「テレビ ファースト」であるNetflixが受けているのは、まさにそういったコンテンツを最新テレビに向けて次々と生み出しているから。そしてそれがテレビの進化を促し、相乗効果でお互いを高め合っています。なぜ馬場が、ブラビア「Z9H」の感動を言葉にできないかというと、それがもう説明不能なレベルにまで行ってしまっているから(笑)。かつて私はブラビアの魅力を伝えるために「Seeing is believing(百聞は一見にしかず)」とよく言っていました。しかし、今は「Experience is believing(百聞は一“体験”にしかず)」と言っています。ここまで全員が同じことを言っていますが、とにかくまずは体験してください。それで私たちがお伝えしたいことが全て分かっていただけますから。

Experience is believing--まずは実際に体験してみてください! にいいね

Z9Hのご購入はこちら

8K液晶テレビ Z9H特別体験会

ソニーストア直営店舗のシアタールームで、8K液晶テレビ ブラビア Z9Hの高画質、高音質体感できる 特別体験会を開催します。

いくつか8Kコンテンツもご用意しております。また、5.1チャンネルコンテンツもセンタースピーカーモードでご体感いただけますのでご予約ください。尚、ご自身でお持ちのBD/DVD/USBメモリーをお持ち頂いて視聴することも可能です。興味のある映像や静止画等ありましたら是非お持ち下さい。
※特別体験会は1回あたり1組限定(定員6名)となります。

開催場所

ソニーストア 銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神
期間:2020年3月7日(土)〜3月29日(日)
※店舗により開催日時が変わります。下記予約ページでご確認ください。

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