線音源により広い
リスニングエリアを
実現する新技術
「Line-Shape Diffuser」搭載『SRS-XE300』&『SRS-XE200』
スマートフォンの音楽をより迫力のある音で、より高音質に楽しませてくれるソニーのワイヤレスポータブルスピーカーに新たなラインアップが加わります。新モデル『SRS-XE300』&『SRS-XE200』は、画期的な新技術「Line-Shape Diffuser」で、小型ながら広大なリスニングエリアを実現しスピーカーの正面にいなくてもクリアな音質を楽しめるようにした新モデルです。そこにどのような技術と工夫が盛り込まれているかを、開発を牽引した中核メンバーが紹介します。
線音源により広い
リスニングエリアを
実現する新技術
「Line-Shape Diffuser」搭載 『SRS-XE300』&『SRS-XE200』
スマートフォンの音楽をより迫力のある音で、より高音質に楽しませてくれるソニーのワイヤレスポータブルスピーカーに新たなラインアップが加わります。新モデル『SRS-XE300』&『SRS-XE200』は、画期的な新技術「Line-Shape Diffuser」で、小型ながら広大なリスニングエリアを実現しスピーカーの正面にいなくてもクリアな音質を楽しめるようにした新モデルです。そこにどのような技術と工夫が盛り込まれているかを、開発を牽引した中核メンバーがご紹介します。
村尾:ワイヤレスポータブルスピーカーは、ふだん自宅でBGMを楽しむことに加え、休日に家族や友人とアウトドアに持ち出すといった使い方ができる製品です。今回、その新製品を開発するにあたり改めて市場を調査したところ、特にアウトドアでの利用時に聴取位置によって音体験に大きな差ができてしまうという課題があることがわかりました。スピーカーの目前にいる人はしっかり音楽を楽しめるのに、スピーカーからやや離れた位置にいる人は音質・音圧を物足りなく感じてしまうといった具合ですね。
村尾:また、家ナカでもリビングとキッチンを行ったり来たりしながら作業する際などに同じ問題が起こることがあります。そこで、「SRS-XE」では、聴取位置を問わず、どこにいても皆が同じ音体験を共有できる、広いリスニングエリアを実現することを目指しました。同じ音質・音圧で聴ける範囲が、一般的なワイヤレスポータブルスピーカーと比べてかなり広くなっているのが特長です。
リスニングエリアの比較
村尾:どちらも一般的なワイヤレスポータブルスピーカーと比べて広いリスニングエリアを実現するという点は共通ですが、『SRS-XE300』は、より大きなスピーカーユニットを搭載することで迫力あるサウンドを楽しめることが特長です。対して『SRS-XE200』はストラップも付属したポータビリティ重視の選択肢となります。
長濱:「Line-Shape Diffuser(ライン シェイプ ディフューザー)」という新たな音響構造を開発し、搭載しています。
長濱:Line-Shape Diffuserは「線音源」をコンパクトなワイヤレスポータブルスピーカーで実現するための構造です。一般的なスピーカーは「点音源」と呼ばれる球面状に音が広がる性質を持っており、スピーカーの正面から外れると音質が変化してしまったり、距離が離れると音量や音圧が下がりやすくなる特性を持っています。
一方、ライブ会場やフェス会場などに設置されている、縦に長く大きな「ラインアレイスピーカー」は円柱状に音が広がる「線音源」という性質を持ち、水平方向に音が広がりやすく、距離による減衰が少ないという特性を備えています。ライブ会場のような広い場所で観客が同じような体験で音楽を楽しめるのは、こうした線音源のスピーカーを利用しているからなのです。
長濱:「SRS-XE」は、たくさんのスピーカーユニットを重ねるのではなく、本体形状を五角柱とし、その一部にライン状の開口部を設けることで、線音源を実現しています。これによって持ち運び可能なコンパクトサイズにもかかわらず遠くまで音が届くようになったほか、スピーカーの正面からやや外れた場所にいても真正面から聴いたのと同じサウンドを楽しめるようになりました。
長濱:「SRS-XE」には本体内部に2つのスピーカーユニットが組み込まれており、そこから発せられた音がライン状の開口部を通して外に放射されます。この際、特徴的な五角柱ボディによって音の放射方向を制御、音が開口部の外側に拡散されるようになることで、より広いリスニングエリアを実現するのです。
Line-Shape Diffuser
「SRS-XE」音の広がり方のイメージ
長濱:はい。実は開発の初期段階では四角いボディだったのですが、音の広がりを求めていった結果、この形状になっていきました。
ただ、開口部をライン状にするということは、口をすぼめて喋るようなものですからそのままでは籠もったような音になってしまいます。そこで、この製品では、音圧周波数特性を平滑化することを目的とした独自の構造物をスピーカーユニットの前面に仕込むことで本体内部における音の共振や反射の影響を緩和し、自然な音の広がりとクリアな高音質を両立させました。
「SRS-XE」内部構造
長濱:その通りです。ただ、こうした取り組みはソニーとしても初めてのことでしたから、かなりのトライ アンド エラーを行いました。実機を用いた検証はもちろんのこと、コンピューターシミュレーションを幾度となく繰り返し、最適化を図っています。それでもなおリスニングエリアの拡大と音質を両立させるのにはとても苦労しましたね。
真壁:最初のころはボーカルの声がモジュレーション(ビブラートをかけたような音の震え)を起こしてしまったりしていたんですよ。こうした問題を解決するため、開口部の幅やスピーカーユニットとの距離、構造物の形状をシミュレーションで細かく詰め、その上で最後はロジックだけでなく、自分たちの耳でもヒアリングして、決め込んでいきました。
アウトドアにも最適
村尾:「SRS-XE」もこれまでの製品同様、タテ置きでもヨコ置きでも使っていただけます。タテ置き時は広いリスニングエリアを実現するLine-Shape Diffuserの効果を最大限発揮できるため、家でのながら聴きや、何人かで一緒に音を聴くようなときにおすすめです。また、ヨコ置きは比較的近距離で小音量再生の場合に、ステレオモードにしてお楽しみいただくのに適しています。
長濱:タテ置き時は構造上、モノラルでの再生が前提になりますが、独自のアルゴリズムを駆使することで、ステレオ再生に劣らない広がりを感じていただけるようにしています。
村尾:また、同じ2台の製品を組み合わせることでタテ置き時にもステレオ再生を楽しめる「Stereo Pair」機能は引き続き対応。さらに最大100台までのスピーカーを接続し、より広い会場で大音量を楽しめるようにする「パーティーコネクト」機能もご利用いただけます。
佐野:Line-Shape Diffuserによる広いリスニングエリアを実現するタテ置き、これまで通りのステレオ再生が可能なヨコ置きの2つのモードに加え、Stereo Pair機能とパーティーコネクト機能を用意することで、さまざまな利用シーンを提案していることも「SRS-XE」の大きな特長の1つと言えますね。
縦でも横でも
「パーティーコネクト」機能に対応
真壁:従来モデルに搭載され好評な「X-Balanced Speaker Unit」を本モデルにも採用しています。これはスピーカーユニットを楕円や四角などの形状にすることで振動板面積を拡大し、大音圧と豊かで厚みのある低音を実現できるようにしたもの。今回、「SRS-XE」に搭載するにあたり、ユニットの形状をよりコンセプトに合うよう変更しており、若干細くて縦長になっています。より縦長なラインアレイスピーカーに寄せた形状にすることで、音の遠達性を高めました。さらに、振幅を稼ぐためにボイスコイルを楕円にしています。これは「X-Balanced Speaker Unit」としては初の試みで、デバイス設計チーム、開発チームががんばってくれたことで実現できました。一見、小さな違いに見えますが真円のキャップと比べて少しのズレも許されないなど、製造面でもとても手間のかかったものなんですよ。
楕円形にした中央のキャップ
「X-Balanced Speaker Unit」を採用
長濱:その上でスピーカーユニットを単なる楕円形ではなく、上に行くに従ってすぼまっていく卵形の形状にすることで、共振を分散させ、周波数特性を平滑化できるようにするといった工夫も盛り込みました。また、五角柱の両端に低域をさらに増強するデュアルパッシブラジエーターを配置することで、クリアかつ豊かな低音の再生も実現しています。
パッシブラジエーターを両端に配置
真壁:「SRS-XE」では、製品のコンセプトに合わせ、聴き疲れしないような音作りを心がけました。冒頭にもお話があったようにリビングとキッチンを行ったり来たりしながら、アウトドアでいろいろな遊びをしながら、どこででも違和感なくリラックスして音楽を楽しんでいただける音を目指しています。
また、最新の音楽トレンドに合わせてストリーミング音楽配信サービスでも、従来の音源と比べて違和感なく聴けるよう音を整えています。たとえば配信だとどうしてもなまってしまいがちな高音部分を持ち上げたりといったことをやっています。
スマートフォンの音楽を高音質化する様々な機能を搭載
真壁:どんな曲でもしっかり再生できるようにしていますが、特にアメリカで流行っている曲は意識しましたね。アメリカのスタッフにヒアリングをして、人気の曲を課題曲としてリストアップするなど、今の時代に合わせた音質のチューニングを行っています。また、J-POPについても、海外の流行曲とは異なるニュアンスがあるため、別途聴きこんで細かく調整しました。
真壁:最近は音楽トレンドの移り変わりが激しく、作っている最中にもどんどん人気の楽曲が変わっていってしまっていたのですが、最新の曲を少しでも良い音で楽しんでいただけるよう、ギリギリまで音質をチューニングし続けました。ぜひいろいろな曲を楽しんでいただきたいですね。
村尾:昨今、オンラインコミュニケーションの重要性が大きく高まっています。その中で、ワイヤレスポータブルスピーカーに求められる機能も変わってきており、今回の製品ではその点を底上げする必要があると考えました。
茶木:一般的なワイヤレスポータブルスピーカーでは、音声通話時に声が籠もって聞こえたり、過度に加工された結果、ロボットボイス的に聞こえてしまうことがありました。そこで「SRS-XE」では内蔵マイクの品質を高め、クリアで聞き取りやすい音声を相手に届けられるようにしています。
茶木:もちろんそれだけではありません。信号処理のパラメーターも時間をかけて調整しています。従来モデルでは音声通話機能の重要度がそこまで高くなかったこともあり、こうした調整を担当者レベルで行うことが多かったのですが、「SRS-XE」では企画チームも含めた多くのメンバーで評価し、そこで得られたさまざまな指摘を元に、より良い聞こえになるよう細かいチューニングを時間をかけて施しています。
村尾:私も実際に「SRS-XE」の試作機を借りてリモート会議などで使い、細かく問題点を指摘させてもらいました。結果、音質が良くなって、とても使いやすくなったと思っています。
茶木:スピーカーならではの使い方として、毎日何時間もリモート会議を行う場合でも置き場所の影響を受けにくいメリットなどがありますし、同時に複数人が会話に参加できるので、たとえば子どもと一緒に実家の両親とビデオチャットをするような使い方もしていただけます。
村尾:その上で個人的には今回新たに追加されたミュートボタンが気に入っています。押すだけでマイクを無効化できるので、いちいちリモート会議ソフトのミュートボタンを押す必要がなく便利なんですよ。
村尾:オンラインコミュニケーションへの対応を強化したことで、お気に入りの音楽を楽しみながら作業しつつ、リモート会議などのコミュニケーションもクリアな音質で快適に楽しめるようになりました。そして休日は家族や友人たちとアウトドアのレジャーへ。これ一台で仕事から遊びまで幅広くカバーできる製品です。ぜひ、さまざまなシチュエーションで活用してください。
遠藤:まず、触っていただければわかると思いますが、本体側面にシリコン素材を採用しています。これにより片手で握るように持ち歩く際にもしっかりグリップできるようになりました。
また、シリコン素材を本体底面にも適用することで、タテ置き時にも安定して置けるようにし、しっかりと音が響くようにもしています。もちろん、ヨコ置き時には側面のシリコン素材が安定性を向上させており、タテ置き同様に音質アップに貢献しています。
小宮山:普通であれば、横置き時に本体をしっかり固定するためのゴム脚を付けるのですが、「SRS-XE」は本体全体がシリコン素材でくるまれているため、そうしたデザイン的に余計なものを付けなくて済んだのは良かったと思っています。
遠藤:そうなんです。なお、「SRS-XE」は防水・防塵・防錆(ぼうせい)に対応しているため、プールはもちろん海水浴などにも安心して持ち込んでいただけます。
防水・防塵・防錆(ぼうせい)に対応
茶木:バッテリーを長持ちさせるSTAMINAオン時では『SRS-XE200』が約16時間、『SRS-XE300』は約24時間の連続再生が可能です。
村尾:「SRS-XE」はアウトドアに持ち出すことを意識した製品ですので、電源を気にせず大きなボリュームで音楽再生を楽しんでいただけるよう長時間再生にはよりこだわっています。
茶木:『SRS-XE200』のほうがより低消費電力なデバイスを厳選して利用している*1ほか、電源回路の効率化などによってさらなる長時間再生が可能になりました。
なお、バッテリー駆動時間をさらに延ばすための工夫として、「SRS-XE」では新たに「外音ノイズセンシング」という機能を搭載*2しています。これは主にアウトドアでの利用時に周囲のノイズを検知して、低域成分など、どうやってもノイズに埋もれてしまう音のレベルを下げることで、音の体験を損なうことなく無駄な電力消費を避けるというものです。*3
*1 SRS-XB23と比較して
*2 STAMINAオン時、この機能は無効
*3 工場出荷時は外音ノイズセンシング オン
茶木:最大ボリューム再生時で約1時間*バッテリー駆動時間が延びます。
* 音量や再生楽曲、周囲の温度など使用状況により、バッテリー駆動時間は異なります
村尾:「SRS-XE」では、長時間使えるSTAMINAオン時の連続再生時間を延ばしただけでなく、外音ノイズセンシング機能によって連続再生時間も延ばした*のがポイントです。加えて、わずか10分の充電で約70分再生できるようにする急速充電にも対応しており、バッテリー性能の面でも、さまざまな利用スタイルに対応できるようにしています。
* STAMINAオフ時
小宮山:「SRS-XE」にはLine-Shape Diffuserによるライン状の開口部など、技術的なオリジナリティがビジュアルに表れる非常に希有な製品。あとはそれを生かしていくだけで自然とこの形になることが当初から容易に想像できました。
小宮山:やはりまずは五角柱の形状ですね。スピーカーって四角い箱の一番大きな面に開口部があって、そこから音が出るのが当たり前なのですが、「SRS-XE」では開口部がタテに長く、スピーカーユニットよりも細いという、これまでの常識からはちょっと考えられない形状をしています。
小宮山:何を考えているんだって思いましたよ(笑)。ただ、理論を聞いてすぐに納得でき、矩形の角部分に配置されたライン状の開口部から絞り込んで音の密度感を高めていくような造形イメージが思い浮かびました。
小宮山:正面となる開口部の位置や隣接する面の角度などは機能的な必然性から形状を吟味して決定していくのですが 、さらに側面、背面側までこだわりたいと思いました。今回、最終的に五角柱の形状になったのは、部屋の真ん中に置いても、壁側に寄せて置いてもいいということを機能的にアピールするためです。どこに置かれても、どの角度から見られても、その人にとって『正面』になることを狙ってデザインしています。今回のような広がる音響があって初めてできるデザインです。
また、この形状はヨコ置きにした時にも意味があって、テーブルの上に置くと、ちょうど人の耳の位置に向けてスピーカーに角度が付くんですね。もちろんこれも狙ったことではあるのですが、この製品ではこうした1つひとつの造形の工夫がカチッとハマった、無駄な要素が1つもないデザインになっています。
小宮山:継ぎ目のないひと繋がりのシリコン素材とファブリック素材でできているところにも注目してほしいですね。当初からデザイナーとしてはこうしたいという思いがあったのですが、きっとどこかに分割線が入ったり、ネジ穴が開いたりするんだろうなと半ば諦めていたところもありました。ところがデザイン案を見せたところ、これだけのオリジナリティと説得力を備えたデザインなのだからぜひそのまま実現しようと、遠藤らメカ設計のチームががんばってくれたんです。
遠藤:今回、この五角柱をくるむように配置されているシリコン素材のカバーを継ぎ目なしに実現するため、シリコン素材と内部の樹脂パネルを1つの金型で同時に成形する特殊な技術を用いています。金型から取り出す際にもちょっと工夫が必要だったり、普通のやり方ではできないものだったのですが、知恵を絞ってなんとか実現することができました。もちろん、ネジ穴のようなものも作りたくなかったので、ツメで内側から固定するような形としています。結果、シームレスで美しい、デザインコンセプトに沿った仕上げになったのではないかと自負しています。
ちなみに開口部やデュアルパッシブラジエーター周りの音が出るところにはファブリック素材を採用しているのですが、これも分割していない1枚の素材で実現しているんですよ。これもまた苦心したところですね。
小宮山:正直言って、私にはとても思いつかない部分が多いです(笑)。
長濱:実はその過程で、遠藤から音響設計チームに向けて、先ほどお話しした内部の構造体を分割できないかという要望をもらっています。ただ、それだと性能面で目標を達成できなくなるということでお断りしたということがありました。それでどうなるんだろうと思っていたのですが、最終的には音響面でもデザイン面でも妥協のない形状に仕上がっており感心させられました。
遠藤:「SRS-XE」は、私がこれまで取り組んできたスピーカー製品の中で最も苦労させられた製品でした。ただ、手前味噌になりますが、それだけに非常に高いクオリティのものに仕上がったのではないかな、と。
小宮山:ここまでやってもらえたということで、『SRS-XE200』のストラップについても、せっかくのシームレスな外観がぶち壊しにならないよう、穴の開け方やピッチなども含め、ミニマムでシンプルなデザインを追求しています。もちろん、その上でストラップの太さやテンションなどはしっかりと選定しており、テーブルに置いた状態でもストラップが邪魔に感じないように作り込みました。
小宮山:今回、「SRS-XE」ではブラックとライトグレー、そしてブルーとオレンジの4色をラインアップしています(オレンジは『SRS-XE200』のみ)。そのうち、ブラックとライトグレーの2色については誰もが安心して手に取れる色ということで機能的な部分にこだわって傷や汚れが目立たない明度に調整しています。その上で、最新のカラートレンドをほんの少しだけ反映。ごくごくわずかに温かみを加えるといったことをやっています。
対してブルーとオレンジの2色については、こう言うとちょっと大げさになってしまうのですが、この年のソニーからのメッセージを込めています。具体的にはあまり彩度を高くせず、少しスモーキーな色合いにしました。
小宮山:新型コロナ禍で社会情勢が大きく変わり、たくさんの友だちを招いてパーティーをするなんてこともやりにくくなっていますよね。そしてそうした中、この機会に自分を見つめ直すという動きが起こっています。そこでこの製品では外で使う時に楽しくなるビビッドさと、家の中に置いてもギリギリ不自然にならない落ち着きのある色味のバランスを取るかたちで色を決めました。
あと、細かいところではファブリック素材の部分についても染めをまだら状にすることで、独特のテクスチャーをより印象的にするといったことをやっているので、そういうところも見ていただけるととてもうれしいですね。
村尾:「SRS-XE」は、広いリスニングエリアをコンパクトなワイヤレスポータブルスピーカーで実現するというコンセプトで開発が始まり、Line-Shape Diffuserなど独自の構造を開発することで、なんとかこれを実現することができました。
これまでにない新しいコンセプトの製品なので、どんな製品なのかイメージしにくいところもあると思うのですが、ぜひ店頭で横方向から聴いてみたりと実機で音を体感いただきたいです。リスニングエリアが広いことや、スピーカーからやや離れたり、左右方向でも音量・音圧の減衰が少なく音楽を楽しめることを是非多くの方にお試しいただきたいと思います。
また、最近の多くのソニー製品がそうであるよう、この製品も環境への配慮を強く意識したものになっています。内部のメカ部品のほとんどを再生プラスチックにしたほか、パッケージもプラスチック使用率を5%以下に抑えるなどしました。
こうした取り組みを強化しているのは、企業としての責任というのはもちろんあるのですが、同時に、今の若い方々が自然とそうした高い環境意識を持っていることをソニーとして強く感じており、その想いを共有したいという気持ちの表れでもあります。ぜひ、そういった面も気にしていただけるととてもうれしく思います。