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天体写真家 沼澤茂美 氏×α7R III
特集:この一台で、挑む。すべてに応える。

〜星をスナップ撮影する。星空撮影の常識は変わった〜

α Universe editorial team

夜空に輝く星を題材に感性豊かな作品を発表し続けている、天体写真家・沼澤茂美氏に、α7R IIIを試していただきました。カメラ技術の最先端を駆使する天体写真の第一人者は、α7R IIIの描写性能をどのように評価したのでしょうか。

沼澤 茂美/天体写真家 新潟県生まれ。天体写真、天文・宇宙関連のイラストレーション作品を多数発表。「月刊 天文ガイド」をはじめ、天文ジャンルの雑誌・書籍で執筆活動、作品発表を精力的に行っている。NHKの科学番組の制作や海外取材、ハリウッド映画のイメージポスターを手がけるなど広範囲に活躍。著書多数。

――はじめに、α7R IIIを使った感想を聞かせてください。

まず驚いたのは、バッテリーの持ちがよくなったこと。夜間の屋外が僕の仕事場なので、バッテリーは死活問題。今までだったら、一晩撮影するのにポケット一杯の5個とか10個のバッテリーが必要で、撮影後の充電も時間がかかって大変だったんですけど、だいぶ楽になった。<NP-FZ100>になって容量が2.2倍になったらしいけど、実際はもっと長持ちするようになった気がします。 高感度撮影に関しては、半絞りかひと絞り分くらいはよくなった感覚です。これまではISO 800〜1600までという印象だったけど、ISO 1600、3200でもきれいな画が撮れる。あと、手ブレ補正の性能もだいぶ向上していて、1/4秒〜1/2秒でも十分撮れる。ふと見た星空がきれいだったら、わざわざ三脚を出す必要がないので気軽に撮影できる。これって楽しいことだし、一般の人にとっては、星を撮影する敷居がさらに低くなったのではないでしょうか。少し前までは想像もできなかったけど、星をスナップ感覚で手持ちで撮れるようになったんですからね。 重宝するのは、セルフタイマーの連写モードです。星空撮影は、バックアップのためにも3コマ以上は同じアングルで撮るんです。従来は、連写モードでレリーズを押して撮ったり、タイマーコントローラーを使ってインターバルを計りながら撮っていたのですが、α7R IIIだったら、2秒後に3コマ〜5コマ連続で撮ると設定すれば、リモコン操作なしに撮影できる。その間、僕はほかのカメラのセッティングができるからとても便利なんです。 EVFも助かります。一眼レフはEVFが効かないので、モニターで拡大表示していちいちルーペでのぞきながらピントを確認する手間がかかります。老眼が進んだ人は一眼レフのピント合わせってだいぶきついでしょうね。その点、α7R IIIはファインダーで見たままの画が撮れるから楽です。 よく使うメニュー項目をカスタマイズ登録する機能もフルに活用しています。これ、ものすごく便利で、カスタマイズ機能のためだけにα7R IIIを買ってもいいくらいです(笑)。僕の場合、C1はホワイトバランス、C2は手ブレ補正、C3はファインダーの切り替え。AFボタンはサイレントで、C4はブライトモニタリング。 よく使うモードやカメラの設定を登録できる「登録呼び出し」も使っています。通常のスナップ撮影をする時はモードダイヤルの<1>で、プログラムオート、手ぶれ補正ON。<2>は天体撮影時で色温度3900度、手ぶれ補正OFF、マニュアルモード。<3>はS-logをアクティブにしたビデオ撮影用に設定。もう全部割り当ては決まっています。 だから、これは『自分だけのカメラ』なんです。ほかの人が使っているα7R IIIは使えないでしょうね。これだけ自分用にカスタマイズすると、失くしたら大変です(笑)。だいたい、僕の撮影現場はいつも暗いし、寒いし、なるべく余計なことを考えたくないんです。そんな状況だからα7R IIIは、ほんと頼りになります。おかげさまで、撮影時のストレスはだいぶ減りました。

――それでは、作品を見ながらより具体的にお話をお聞きします。最初は、水面に写った星空が印象的な作品です。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 19mm,F2.8,30秒,ISO 3200
α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 16mm,F2.8,30秒,ISO 8000

知っている人が見ると、恒星シリウスの近くにあるM41という散開星団が写っているのがわかります。この作品は、RAW現像のときにデータを調整したのですが、ディティールまでしっかり表現できました。通常、星の輝きを出そうとコントラストを上げると、暗部が真っ黒になってしまうんです。それでハイライトとシャドーのバランスをどこに設定するかに悩むわけですが、α7R IIIは豊富なデータ量を持っているので、RAW現像でかなり極端なことをしても画が荒れない。はじめにRAWデータを展開したときは、えらく感動しました。 ふたつ目の写真は、水に写った樹木のシルエットがおもしろいですね。この写真も暗部を持ち上げていますが、グラデーションはきれいだし、木々のディティールまで表現されている。α7R IIIの階調特性と感度特性が生きています。普通ならディティールは潰れちゃいますよ。

――次は、下から樹木越しに星空を見上げる作品です。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 17mm,F2.8,30秒,ISO 4000

木の雰囲気を生かしたいと思って、アングルを微妙に変えながら撮りました。ほんとにちょっとずつ場所を移動しながらちょうどいいアングルを探すわけですが、α7R IIIにはブライトモニタリング機能があるので、撮影はすごく楽でした。通常だったら、一回撮ったらモニターで確認して微妙にカメラを動かすという作業を繰り返しますが、ブライトモニタリング機能だったらどんな暗い状況でもEVFとモニターで構図を撮影前に正確に確認できます。

α7R III,FE 35mm F1.4 ZA 35mm,F2,20秒,ISO 800

これは月明かりを効果的に入れました。ブライトモニタリング機能がいいのは、こうした感覚的な構図をその場で試行錯誤しながら詰めていけること。角度を1〜2度ずらしたり、5〜10cmスライドしたりって、そんな細かい調整が簡単にできるわけですから、現場での自由度がとても増えました。

α7R III,FE 16-35mm F2.8 GM 19mm,F2.8,30秒,ISO 8000

この作品は現場で遭遇したイメージ通りで、通常はここまで描写できません。明るいとこが白く飛んだりしてね。従来だったら、きれいな瞬間に立ち会ってもイメージ通りに撮影できないってことがままありましたが、α7R IIIはきっちり再現してくれる。撮る喜びが増えますよね。

α7R III,1/320秒,ISO 200
α7R III,1/320秒,ISO 200

月面の写真も、月の隠れた色を表現するという興味から、極端な処理を加えてみました。月は普通に写すとグレーですが、コントラストや暗部を上げて明度を落とすとか、ガンマカーブを思い切りいじってみました。普通は、極端な処理にデータが耐えられなくてノイズで画が荒れて、階調がギザギザになってしまいますが、豊富なデータ量を持ったα7R IIIは大丈夫でした。満月だとクレーターは平坦になりますが、この思い切った処理によってクレーターの輪郭が尖鋭化されてくっきりと浮き出して見えます。このようなものが表現できるというのは学術的観点から見ても大変興味深いです。

――最後に、天体写真を撮るハイアマチュアの方にアドバイスをお願いします。

先ほど、月明かりを利用した作品を取り上げましたが、天体写真に月明かりは要らないという人もいるんです。でも、僕はあっていいと思っています。月明かりだけでなく、街の明かりや電線、雲といった余計なものがあるのが、一般の人々が見ている星空でしょう。電線の向こうにぽつんと星が光っていたり、雲間に出てきたオリオン座とか、それはそれですごく心を揺さぶる瞬間だと思います。郊外の澄んだ夜空で撮る写真だけが天体作品ではないでしょう。こうした、天体を風景写真として捉えることを覚えると表現の幅は広がると思います。まずはさまざまなシチュエーションで星空に対峙してみると良いでしょう。おそらく、同じ場所でも違う時間違う季節で常に新しい発見と感動があると思います。その時、何を撮りたいかといった自分の主題がはっきりします。そして心のおもむくままに撮ってみてください。まずは感動することが最も重要なことではないでしょうか?

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