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世界的スポーツ報道写真家Bob Martin氏
インタビュー。

α Universe editorial team

ボブ・マーティン Bob Martin 英国のフォトエージェンシー「Allsport」、米国の有名スポーツ誌「Sports Illustrated」誌のフォトグラファーとして世界中で活躍した後に独立。その40年以上にわたるキャリアを通じ、16の夏季・冬季五輪や多岐にわたるスポーツイベントを撮影。2012年に母国で開催されたロンドン五輪では「フォト・チーフ」としてプレスセンターの設計から全カメラ席のポジション決め、ロボット・カメラの導入支援まで尽力し高い評価を得た。2016年リオデジャネイロ五輪でも同様にフォトグラファーへのよりよい撮影環境づくりをサポート。作品は世界中で評価され、国内外のアワードの受賞回数は60回以上。ロンドン在住。

スポーツ報道写真家として長年活躍され、世界的に著名なBob Martin氏が来日し、インタビューをさせて頂いたので、その模様をお伝えします。

Q1. まずは、フォトグラファーになられたきっかけを教えてください。 元々スポーツファンではありましたが、特にスポーツフォトグラファーにこだわっていたわけではありませんでした。高校時代に暗室での現像作業にのめり込み、大学時代はいつも写真を撮っていました。最初は漠然と“普通の写真家”を目指していましたが、次第に世界を飛び回るような報道写真家を意識し始めたのです。そんな時、たまたまスポーツ系のフォトエージェンシーからある仕事のオファーを受けたのがこの世界に入った直接のきっかけです。

Q2. 一年を通してどのようなスポーツイベントを撮影されるのですか? 私はウィンブルドンテニス選手権のチーフフォトグラファーとして毎年ウィンブルドンで撮影していますが、それだけでなく、フォトグラファーやエディター合わせて20名以上のチームを統括するフォトマネジャーとしてウインブルドンテニス全般の撮影を任されています。また、毎年英国で行われる、ロンドンマラソンやライドロンドンサイクリングレースの両競技で公式フォトグラファーのチーフとして撮影を任されています。その他にもホースレースで名高いグランドナショナルや、エプソムダービー、全仏オープンテニスなども撮影しています。更に今年はブエノスアイレスで行われるユース五輪にOISチーフフォトグラファーとして参加する予定です。

Q3. 撮影の際に特に意識していることや撮影ポリシー(撮影における考え方や被写体との対峙の仕方などの「マインド」の部分)はありますか? スポーツフォトグラファーになった当初は、アスリートのアクションの瞬間を捕らえることが最重要だと考えていました。AFや高速連写機能が高度化する前のことです。しかし今やカメラの性能がこれほどまでに向上し、それがかなり容易になりました。ですから今は自分の作品の背景に開催地の特徴的な風景、を入れ込みながら、アスリートの最高の一瞬をとらえるということを意識しています。素晴らしいアクションの瞬間とともに、ロケーションやサイネージが映り込んだ写真は、「ウィンブルドンで開催されたテニス」、「韓国の平昌」、ということを自ら語ってくれる、そんな写真を撮ることを目指しています。

Q4. ご自身の作品のオリジナリティとしてどういうところを魅せたいと思って撮影していらっしゃいますか? 世界選手権など大きな大会には多くのフォトグラファーが来ます。例えば世界陸上なら250人。その場における自分の狙いは、エージェンシー所属のフォトグラファーが撮らないような写真を撮ることですね。大手エージェンシーにはとても優秀なフォトグラファーが所属しています。彼らはポイントを押さえた代表的な写真を求められています。そこで私が同じことをやっても必ずしも彼らよりも目を引く写真が撮れるとはかぎらない。そもそも私のクライアントは私に違う写真を期待しています。私はエージェンシーが撮る様な写真とは違う、ある意味突出した写真、エッジの効いた面白い写真を撮ろうと常に考えています。

Q5. 撮影機材に一番求められることは何でしょうか? 一言でいえば、思い通りに、簡単に、快適に操作できること、です。 それには、優れた光学性能があり、優れたセンサーが必要です。スポーツ撮影でいえば、低照度での撮影性も重要です。ソニーのカメラでいえば、高精細の電子ビューファインダー(EVF)が大変気に入っています。EVFで見える絵は、撮影後パソコンで確認する絵と同じ絵が見えるからです。EVFを長時間見ていたら、頭が痛くなるだろう、なんていう人もいますが、私は今一眼レフ機を使いたいとは思っていません。一眼レフ機では、撮影後パソコンで見る絵が確認できないからです。撮影後一寸暗い絵が撮れていた、なんてことは絶対嫌なので、あらかじめ結果として出来上がってくる絵を確認しながら、適正な露出に調整し、撮影ができるEVFは私にはもう必要不可欠です。スポーツフォトグラファ―はしばしば、複数の異なるライトが交差する難しい状況で撮影しますが、ある部分は太陽光、ある部分は人工の光、という難しい状況で、カラーバランスをEVFで瞬時に確認し調整しながら撮影できるからです。

Q6. ミラーレスのα9を使われるきっかけと、スポーツのプロ機材としての観点からα9の優れていると思われる点を教えてください。 私は常に可能な限りベストな写真を撮りたいと思っています。ですので、カメラにおいても、レンズでも、フラッシュでもベストなもの使いたいと思っています。それが小さな差だったとしてもです。一眼レフ機は長い間ベストな撮影ツールであり、当初は革新的でしたが、その次にデジタルカメラというレボリューションが起こり、今はミラーレスが革新的なポジションにとって代わっています。EVFで見えたものがそのまま撮影結果となることは今までの光学ファインダー(OVF)であったプロセス(OVFで見たものは撮影結果と同じではない)を大きく前進させていると言えます。時代は確実にミラーレスです。ミラーボックスでミラーをパタパタさせて撮る、という時代は終わりを迎えるでしょう。時代の先端のマシンは撮影や写真の可能性の幅を広げるサポートをしてくれますし、私はその意味でその時代のベストなマシンを使うのが正解だと思っています。 機能的には先に述べたEVFの素晴らしさと、もう一つ、α9が持つ最大のベネフィットはサイレント撮影ができることです。私は有名選手を近距離でポートレイト撮影をする機会があります。シャッター音なく近接撮影できるのでその場の雰囲気を壊さないし、煙たがられない大きな効果があります。勿論、高感度なセンサー、正確で速く、追従性に優れたAF、連写などの優れた基本性能があっての話ですが。αの可変液晶の機能がアマチュアのカメラみたいで、プロ機じゃないみたい、と言われることがありますが、そんなことはなく、この可変液晶はローアングルやハイアングルで撮るときにとても便利な機能で気に入っています。それと、α9の軽さ。常に異なるレンズをつけた3台を首からぶら下げていますから、一眼レフ機を使っていたときは一日が終わると本当にへとへとでしたので今は大変助かっています。

Q7. 好きなレンズ、よく使うレンズはなんですか? スポーツ撮影では、被写体に近づけないので、私の標準レンズは400mmです。大口径で明るい400mm F2.8がベストですので、近いうちに良い製品が出ることを期待しています。また、FE 12-24mm F4 Gは、僕の最も好きなレンズの1つですが、軽いので何処へでも持っていけるし、ユニークな絵を切り撮るのに適しています。超広角だけど、ゆがみがない。前の質問で私が如何に他のフォトグラファーと違う絵を撮ることを考えているかを話しましたが、この1224Gはまさにそういう絵を撮るのに適しています。私にとってはこの超望遠と超広角の2本が一番よく使うレンズです。また、FE 70-200mm F2.8 GM OSSは、他メーカーの70200を含めても最高のクオリティーだと思います。フォーカシングが速く、とてもシャープです。ズームリングのポジションがBodyに近い絶妙なポジションにあるのも良いです。もう一つ言えば、被写界深度の浅いFE 85mm F1.4 GMなども背景がきれいに映るので好きなレンズです。

α9,FE 24-70mm F2.8 GM 27mm,F2.8,1/2500秒,ISO2000

Q8. これからプロのスポーツフォトグラファーを目指す若い人たちへのメッセージがあれば、お願いします。 今はとても難しい時代になっています。なぜなら、新聞の発行部数が減り、いわゆる新聞業界自体が世界的に縮小しているからです。そのため、そこで働くフォトグラファーの数もどんどん減っています。もし写真が好きでスポーツフォトグラファーになりたいなら、それにはとても強い「情熱」が必要です。もし、フォトグラファーというだけでよい仕事だ、と思う程度なら、やめておいた方がいいですね。今はカメラ機材も進歩していて、誰でも良い写真が撮れます。そういう中で頭角を現すには、非常に優秀であることが必要です。もし写真に感銘を受けて、特別な何かを成し遂げたい、いい意味で目立ちたい、という強い気持ちを持っているならチャレンジしてみてください。ただスポーツが好き、競技を撮るのが好き、という程度なら、スポーツフォトグラファーはとてもタフな仕事なので難しいかもしれません。不規則に長時間拘束されるのが常です。普通多くの人が休める土日は休みが取れません。写真が本当に大好きで、それに人生をかけて情熱を傾けられるか、そういう覚悟はやはり必要だと思いますね。

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