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α7R IIIで撮るドラマチック ウエディングフォト 〜差をつける撮影テクニックをお教えします〜

写真家 茂手木秀行 氏

α Universe editorial team

2018年6月5日、6日に「PHOTO NEXT(フォトネクスト)2018」で行われた、写真家・茂手木秀行氏によるセミナーの内容をご紹介します。

茂手木秀行氏に関してはこちらをご覧ください。
https://www.sony.jp/ichigan/a-universe/professional/17/

“ドラマチック”を演出

写真家の茂手木です。今日はα7R IIIで撮る「ドラマチック ウエディングフォト」ということで、お話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。 さて早速ですが“ドラマチックに撮る”とはどういうことか。私は「光の使い方」や「撮影状況を見据えた設定の工夫」などで、特別な雰囲気やドラマ性を演出して撮ることだと思っています。特に「光の使い方」ですが、これにはカメラの性能が大きく関わってきます。なかでも大切なことは『ダイナミックレンジ』、そして『高感度時のノイズの出方』、そして『レンズの描写力』。こういった部分がポイントになってきます。 今回の撮影で使用したα7R IIIは、そのあたりがとても優秀なカメラなので、満足できる作品をたくさん撮ることができました。ちなみに、これから見ていただく作品はほとんどを千葉県の九十九里浜で撮影してきました。九十九里は雑誌の撮影などでもよく使われていてメジャーな場所ですよね。 そしてここが大事です。これからお見せする作品はすべて「JPEGの撮って出し!」となっております。JPEG一発で良い結果を出そうとすると撮影現場での追い込みは必須ですが、α7R IIIの性能や機能が威力を発揮する場面が数多くありましたので、詳しくお話していきたいと思います。

これが今回の撮影で持ち出した撮影機材です。α7R IIIにレンズが5本そして三脚。とてもコンパクトに収まりました。これも“α”の魅力ですね。

「ありがち」ではない印象的な写真に仕上げる

“ドラマチックに撮る”ということで、屋内のスタジオを屋外に持ち出すくらいの気持ちでライティングも丁寧にするよう心掛けました。この写真はモデルの後方からライトを当てることにより、ベールをふんわりと浮かび上がらせる表現をした作品です。

α7R III,FE 24-70mm F2.8 GM 37mm,F2.8,1/60秒,ISO800

メインライトのほかにトップライトも当てているので、スポット的に光が浮き上がるような写真が撮れたと思います。屋外での撮影時にスタジオで使うようなライティングで撮影すると、定型的な写真になりがちです。そうすると写真全体を並べたときにフラットな印象になってしまって、あまりドラマチックにはなりません。そのために少しアンダーだったり、背景の方に強く目を奪われるようにしてみたりと、バリエーションを工夫してあげることもポイントになります。

上の2枚の写真は、撮影をした時の状況を撮ったものです。ご覧のとおりかなり暗い状況でした。僕はダイレクトな光を使うのが好きなので、上から当てているフラッシュにはディフューザーを付けていません。正面からモデルを照らしているメインライトにはディッシュを付けています。あと、少し見づらいですが、後ろにはベールやリボンの輪郭を出すためのライトを置いています。全部で3灯ということになりますね。

α7R III,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F3.2,1/60秒,ISO200

このセッティングで撮影した作品です。定型から外れたドラマチックな写真が撮れたかと思います。しかも、ベールをフワッと風になびかせた感じになっているのでよりドラマチックに見えるかと思います。 余談ですが、良い感じにベールがなびいていますが、実はアシスタントに釣り竿で引っ張ってもらっています。当然ですが、撮影時に都合よく風が吹くわけではありません(笑)。こうした仕掛けを事前に用意しておくことも必要、ということです。“ドラマチックに撮る”には、撮影前に自分の頭の中で撮りたいシーンを思い描き、準備も含めて、いかに現場で事前に描いたイメージを実現するかが重要になります。

釣竿を持つアシスタント

太陽光をアクセントにしたり、ファッションフォトの要素も取り入れる

通常、屋外撮影では太陽光がメインライトになります。この太陽の光をアクセントライトとして利用するのもテクニックのひとつです。例えば強い日差しの逆光も使いようです。次の作品はベールの網目まできちんと分解して、白とびしていません。α7R IIIがいかに広いダイナミックレンジなのかが分かりますね。それから太陽光にプラスして小さい光量でフラッシュをたいて撮影しています。

α7R III,FE 70-200mm F2.8 GM OSS 97mm,F2.8,1/2500秒,ISO200

せっかくですから、ファッションのエッセンスを加えてみるのもおすすめです。例えば次の作品のように、モデルにクルッと回ってもらうだけでも雰囲気が変わります。このときに大事なことは、モデルよりも背景をきちんと作り込むことです。モデルの動きに合わせてカメラを振るよりは、フォーカスは顔認証で追尾できるα7R IIIにまかせて、構図全体のバランスに注力する方が、良い結果が得られることが多いと思います。

α7R III,FE 70-200mm F2.8 GM 80mm,F2.8,1/3200秒,ISO200

思い通りの色作りができる「クリエイティブスタイル」と「ホワイトバランス」

次に「色作り」についてお話します。今回は「JPEGの撮って出し!」で臨んでいますから色も現場で可能な限り追い込んでみました。ただ、現場で追い込むといっても難しいことをするわけではありません。画作りの基礎となる画像スタイルを選べる「クリエイティブスタイル」を使います。スタンダード・ディープ・ライト・ポートレートなど、数種類からシーンや好みに合わせて選択できる機能ですね。さらに「ホワイトバランス」も変更することで、瞬く間に色々な雰囲気に仕上げることが可能です。実際に撮った比較写真をご覧いただきます。

スタンダード AWB
スタンダード 日陰
ディープ 日陰
ポートレート 日陰+カスタマイズ
ライト 日陰+カスタマイズ
白黒 日陰+カスタマイズ

それでは具体的な画作りの過程をご覧いただきます。ベースは「クリエイティブスタイル」のスタンダードを選び、ホワイトバランスはオートにしています。まずは「ホワイトバランス」を日陰に変更します。すると黄色みがかった温かみのある色合いになりました。さらに詳細を呼び出して「ホワイトバランス」を微調整します。

画面の右下に微調整の表示が出ますので、グリーン方向とアンバー方向にちょっと色味をずらします。グリーン方向に色味をずらすと、背景右に入っているグリーンの描写が良くなります。肌は赤系ですからグリーンを入れると濁りが入るためアンバー系に寄せ、肌の色合いもそのままのトーンで残せるようにしてみます。ここでクリエイティブスタイルを スタンダードからポートレートに変えます。

柔らかいトーンに変わりましたね。とくにシャドウ部分が柔らかくなります。見比べてほしいのは肌のキメの描写です。スタンダードではキメがきつく表現されていますが、 ポートレートにすると柔らかさが出てきます。 さらにもうワンステップ。液晶モニターの下に3つマークが出ていますよね。左はコントラスト、真ん中は彩度、左がシャープネスを意味していて、それぞれプラスマイナスにコントロールできます。コントラストとャープネスをマイナス3にすると表現がとても柔らかくなりました。あくまで私の好みですが、肌のキメが出ないように柔らかく表現しながら、それでいてまつ毛や髪の毛はシャープにしたく、この設定にしました。完成したものと最初の状態を比べてみましょう。

<後>
<前>

ずいぶん違いますよね。人それぞれの好みがありますが、僕は左の作り込んだ写真の方が柔らかいトーンでありながら格調が高い感じがして好きです。

STFレンズを使えばファンタジックな作品が撮れる

ドラマチックな作品を撮るためには、レンズの描写力も大切です。次の作品は<FE 70-200mm F2.8 GM OSS>と<FE 100mm F2.8 STF GM OSS>の2本のレンズで撮り比べてみたものです。焦点距離は100mmで合わせています。

α7R III,FE 70-200mm F2.8 GM OSS 100mm,F2.8,1/1600秒,ISO100
α7R III,FE 100mm F2.8 STF GM OSS 100mm,F5.6,1/500秒,ISO100

どちらも“ぼけ”がとてもきれいですよね。ただ、拡大してみると<FE 100mm F2.8 STF GM OSS>の方がぼけ感が少ないのがわかります。<FE 70-200mm F2.8 GM OSS>の方がぼけ量は多く、ぼけに輪郭があります。<FE 70-200mm F2.8 GM OSS>の方は、ぼけに輪郭がなく本当にぼけている、という感じです。 顔にはシャープさを出しつつ、ぼけに輪郭がない、という一つの理想形です。レンズは解像力を優先すると、ぼけがリング状になります。それに対して、解像力を落としてぼけのバランスを重視すると円盤状になります。<FE 70-200mm F2.8 GM OSS>は、さらにもう一歩進んだ描写でぼけに高度な変化を生んでいます。真ん中が明るくて、端にいくにつれて暗くなる。つまり、ぼけに輪郭をもたせないのです。

左から「解像力を優先したレンズのぼけ」「理想のぼけ」「さらに美しさを求めたぼけ」

より分かるように動画を作ってみたのでご覧ください。点光源だけを見ると、面は点の集合体だとわかります。こんな風にたくさん連なります。比べてみるとわかりますが、輪郭がない方がなめらかなぼけになりますよね。このように解像力とぼけ、両方を満足させたのがSTF光学系です。私は「STFレンズを使いたいからαを使っている」といってもいいくらい、このレンズが気に入っています。そのようなSTFレンズの特長をいかして撮影したのが次の作品です。

α7R III,FE 100mm F2.8 STF GM OSS 100mm,F5.6,1/30秒,ISO640

この前ぼけ。雨に見立てた水滴をぼかしているのですが、綿毛がフワフワ飛んでいるように見えますよね。真ん中が明るくて輪郭がないぼけです。このような写真が撮れるのはSTFレンズだけだと僕は思います。 このファンタジックな写真の撮影の裏側ですが、実はこんな状況でした。夜暗くなってからLEDライトとフラッシュを使って撮影しました。場所は草原ではなく我が家の庭です。(笑)フラッシュはモデルに当てずに、モデルとカメラの間に置いています。そしてフラッシュに向けて、思い切りホースで水をかけてみました。ピントをモデルに合わせておけば、フラッシュに照らされた水滴が前ぼけになり、このような写真を撮ることができます。

そして本日、最後にご覧いただく作品がこちらになります。モデルは居らず、星空にチェアという組み合わせです。この写真、実はシャッタースピードを1077秒で撮っています。それなのにこんなにきれい撮ることができました。これには驚きましたね。こんなファンタジックな写真の美しさを感じていただきながら、今回のお話は終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

α7R III,FE 24-70mm F2.8 GM 24mm,F8,1077秒,ISO100

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