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感性に応えるフットワークの軽さとハイトーンの表現。
FX3でなければ納得のいく映像は撮れなかった

映画『アイスクリームフィーバー』撮影監督、フォトグラファー 今城純 氏

α Universe editorial team

アートディレクターの千原徹也氏による初監督映画『アイスクリームフィーバー』で撮影監督に抜擢されたフォトグラファーの今城純氏。普段は一眼カメラを手に写真を撮っている今城氏が、なぜ映画を撮ることになったのか。撮影のメインカメラとして、なぜCinema Line FX3を選んだのか。映画の撮影現場で実際に使ってみた印象やフォトグラファーが映画を撮るために必要なこと、今後の展望などを紐解く。

今城純/フォトグラファー 1977年、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒。横浪修氏に師事後、2006年にフリーランス・フォトグラファーとして活動を開始。数多くのファッション誌やアパレル広告・カタログ、CDジャケットなどを手掛ける。写真集に『TOWN IN CALM』(2006年)、『ATMOSPHERE』(2007年)、『over the silence』(2010年)、『earl grey』『milk tea』(2012 年)、『in the blanket』(2014年)、『Pastel wind』(2015年)、『encase』(2016年)、『forward』(2019年)、『あまおと』(2022年)、『ashi-ato』(2022年)があり、これまでに東京、大阪にて写真展を開催、百貨店とのコラボレーションなど活動の幅を広げている。 https://www.junimajo-website.com/ https://www.instagram.com/junimajo/ https://twitter.com/Jun_Imajo

ワンオペを可能にするためにFX3を購入。
自分の体型にも感覚的にもベストなカメラだった

――フォトグラファーである今城さんが、動画を撮り始めたきっかけを教えてください。 最初に動画を撮影したのは10年以上前のことで、仕事の依頼からでした。音楽チャンネルのプロデューサーが僕の写真をとても気に入ってくれていたようで、「番組内のCMを撮ってみませんか?」と言ってくださって。動画撮影に関してはまったく分からなかったけれど、「それでもいい」と言うので、いろいろ調べてソニーのNEX-FS100を買ったんです。当時は何も知識がないから手持ちでガンガン撮って手ブレも気にしなかったし、編集も別の人がやってくれたので、その時は「モニターでいい色を出せればいい」くらいにと思っていたんですよね。クライアントも「僕がOKならOK」みたいな感じで好きなようにやらせてくれたので、とても楽しく撮影させてもらいました。

その後も間隔を置きながらコンスタントに映像の仕事が入ってきましたが、編集やカラコレはおまかせで、絵コンテも描かずに自分の頭の中で編集していく感じだったから「画づくりはスチールの感覚に近いな」と思っていました。当時はカラコレという概念もあまりなかったし、撮って出しで完結させなければいけないと思っていましたからね。だから、言い方は悪くなりますが、当時の感覚としては、スチールの延長上にあるもので、「時々やらせてもらえて楽しいな」みたいな感じでした。

――FX3はどのようなタイミングで購入を決めたのですか? それからずいぶん経って、雑誌の撮影の延長でWeb用の動画を撮ることが多くなったタイミングだったと思います。この類の仕事は予算も時間もないので、「自分で全部できるようになるにはどうしたらいいんだろう」といろいろチャレンジして辿り着いたのがCinema Line FX3でした。他メーカーのカメラも試してみましたが、なかなかしっくりくるカメラがなかったんですよね。サポートなしで、一人で撮影から編集まで成り立たせるのは結構大変で。でも店頭で実際に触って、レンタルして撮影・編集を一通りやってみて、自分に合っていると感じたのですぐに購入しました。

――「自分に合っている」と感じたのは、どういったところですか? 自分で買える価格帯で、自分の体型や感覚にも合っていて、作品のクオリティを落とさないもの、というのがムービーカメラに求める条件だったので、それを考えるとFX3がベストだったんです。具体的にはボディがコンパクトで、割と明るめな映像が撮れるところが自分に合っていました。僕は写真でも柔らかい明るめの表現が好きなので、ハイライトとシャドーのバランスも気になりました。他のメーカーと比べるとソニーのFX3はハイライトが飛び過ぎずにしっかりデータが残りますし、コントロールしやすいと思ったんです。あとはAF性能ですね。僕は基本的にMFを使いますが、ワンテイクで動きながら撮らなければいけない時や暗くて見えづらい時にはAFも使うので、信頼度が高いAF性能も購入の決め手になりました。ワンオペでは気を配らなければいけないことが多くて結構大変なので、精度の高いAFは頼りになります。

映画撮影で求められた感性を発揮できたのは
小さくて軽いFX3を使うことができたから

――フォトグラファーの今城さんがなぜ映画を撮ることになったのか、経緯を教えてください。 僕のグラフィックのイメージから千原監督が指名してくれたようです。アートディレクターの千原さんとは昔から何度も仕事をしているので、僕がディレクションから編集、カラコレまでやっている雑誌連動のWeb映像も見てくれていたんだと思います。千原さんとしても今回が初監督ということで、通常の映画の撮り方ではなく、新しいカタチで映画をつくりたいという思いもあり、バリバリにスチールを撮っている僕をカメラマンに抜擢してくれたと聞いています。 勘違いされたらイヤだなと思って千原さんに「映画などは撮ったことないんですけど」と伝えたら、むしろそれがいい、くらいの反応で。「いつもの今城さんの画角やフットワークの軽さを求めている」という感じだったんですよね。映画の撮影というと1シーンごとに時間がかかる、というイメージだったのですが、今回はまったく違いました。 現場でも詳しく指示されるようなことはなく、ある程度は僕の感覚で動いて撮影ができましたから。逆に「こんな感じで大丈夫なの?」と思うこともあるくらいで(笑)。僕自身は演技を追っていくという経験がほとんどなかったし、映像の知識に関しても映画の人たちほど詳しくなかったので、いろいろな人にサポートしてもらって成り立った感じです。実際、撮影は本当に楽しかった。わからないことはカッコつけずに聞けば、みんな優しく教えてくれるし、それをどんどん吸収できるし、しかもその場で女優さん相手に実践できますから。そう考えるとすごく贅沢な時間だったと思います。

――撮影にはFX3がメイン機材として使われたと聞きましたが、なぜFX3で撮ることになったのですか? スタッフに映画撮影についていろいろ教えてもらいましたが、「やっぱり今城さんが使い慣れているもの、感覚で撮れるカメラがいい」ということで、僕が普段から使っているFX3で撮ることになりました。そこから映画撮影でストレスがないように必要なオプションを加えていったので結果的に装備は大きくなりましたが、想像よりはコンパクトに抑えることができてよかったです。 僕は体が小さいし、重いものを持つとフットワークも重くなるので、イージーリグを使ったり、胸のパッドに当てたりと、工夫もしました。最初はレンタルしていましたが、結局購入するものも多くてムービー機材がめちゃくちゃ増えましたね。

フットワークが軽いので撮影もスムーズに進行。
自分のリズムでテンポ良く撮ることができた

――映画という映像の最高峰クラスの撮影現場でも、今城さんのスタイルで、使い慣れているFX3で撮影できたということですね。 そうですね。今まで自分が使っていたカメラをそのまま使うことができたので、違和感なく撮ることができました。ただ、「演技を追っていく」という作業は、最初は大変で。セリフの掛け合いでは役者さんのタイミングに自分も合わせなければいけないし、今回はフォーカスも自分でやっていたので、「やることがたくさんあるな」と思いました。 でもFX3は使い慣れている上にワンオペにも向いていますからね。小さくて軽いのでフットワークもいいし、シーンを変える時もコンパクトなので撮影チームの動きがとてもスムーズ。しかも狭いところにも入っていきやすく、カメラによる負荷がないからナチュラルな動きもできる。なんだかんだいって、重要だったのはロケでのフットワークの軽さだったように思います。

そういう意味でも「自分の体に合うカメラかどうか」ということは、僕の中ではかなり重要でした。ストレスなく思い通りに動けないといい画は撮れないし、リズムも止まってしまいます。この映画ではパッと動いてテンポよく撮る画を求められていたので。三脚を使っての撮影もありましたが、背負ったり、ジンバルに乗せたり、ダンスシーンではハンディでも撮影。もちろんダンスも撮ったことがなかったので、自分のリズムで動けるかどうかがすべてだったんです。 ダンスシーンでは踊っている人との距離を測るのも難しいところでしたが、映画でもスチール撮影で使い慣れているFE 50mm F2.5 Gで8割以上を撮影しているので、スチールの感覚をそのまま生かすことができました。50mmの感覚は体に染みついているので、激しく動かれても「ここまで来たらピントが合う」「これ以上近づいたらぶつかる」、といった感覚がわかるんです。 いろいろなことを考えると、大きなシネマカメラではまず身軽に動けないし、リズムも感覚も失われるので、いい画を気持ちよく撮ることはできなかったと思います。とくにハンディでも撮ることができたのが、僕の中では大きかった気がしますね。

ステップアップが可能で使い分けもできる。
Cinema Lineで揃えれば完成の画も見つけやすい

――映画の現場でFX3を使うことで、カメラの限界を感じることはありましたか? 正直に言えば、ダイナミックレンジがもう少し広ければ、と思うことはありました。特に肌の色や質をコントロールする時にはS-Logだと手間取ってしまったり、諦めなければならなかったり。僕はRAW撮影をすることもあるのですが、RAWだとすんなりいくことがS-Logだと難しいこともあって、その差はどうしても否めない。もっとダイナミッジレンジが広ければ、自分の好きな逆光やハレーションが入るようなシチュエーションでも積極的にいけたかもしれませんね。 こってりした色味が好きな人には十分かもしれませんが、僕の理想は写真のフィルムをそのまま映像として出すことなので、そこに到達するにはS-Logだとちょっと自由度が足らないかな、というところはありました。

――FX3以外で気になっているソニーのシネマカメラはありますか? いろいろありますよ。次は内蔵NDフィルターが搭載されているFX6が欲しいと思っていますし、サイズも価格もかなり大きくなりますがVENICEもかなり気になっています。ソニーのCinema Lineは、壁にぶつかった時に乗り越えられるラインアップが揃っているのがいいところ。VENICEもぜひ一度試してみたいんですよね。時間があってゆっくり撮れそうな時は大きいカメラも使ってみたいですし、今回のようにフットワーク重視ならFX3といった感じで、作品や予算に応じて使い分けたいという思いがあるので、それが揃っていることはCinema Lineの大きな魅力です。 しかもソニーの公式LUTもすごくいい。カラコレをしなくてもある程度は自分の好きなトーンに近づけることができるし、僕が使っている編集ソフト「Davinci Resolve」との相性もいい。同じカラーサイエンスを持ったCinema Lineのカメラなら、ベクトルは同じなのでステップアップしても完成の画をイメージしながら撮影できそうです。

自分に合ったカメラを購入することが第一歩。
興味を持って使い倒すのが上達への近道

――プロのフォトグラファーが映像の分野で成長するためには何が必要だと思いますか? 僕も大したキャリアがあるわけではないので偉そうなことは言えませんが、やはりスチールメインの人はスチールと同じように「撮って、編集して、カラコレする」という流れを1パックで考えるほうがしっくりくると思います。スチールの場合も撮影中に、レタッチやプリントで「ここまでいける」と完成図をイメージしているし、自分で完成まで持っていくじゃないですか。ムービーもやり方としては同じように考えて、うまく繋げていくのが理想です。僕も初めての映画では、グレーディングで好みの色が出せない、スチールのようにうまくいかない、ということがありましたから。正直、編集作業はスチールとはまったく別物です。わからないことだらけでハードルは高かったけれど、やらざるを得ない状況に追い込むと人は学びますから。だからある程度自分を追い込むことも大事なのかもしれません。 しかも人それぞれに好みのトーンがあるので「自分に合うカメラを選ぶ」ということがとても重要です。撮影者の体型や作風によってチョイスは変わりますから、まずはしっかり調べて、探って、自分にとってベストなカメラを見つけることが一番だと思います。

――今城さんはFX3を使うことで成長できた感じでしょうか? 実際、FX3を買ってからはだいぶ意識が変わりましたね。このクオリティのカメラが個人で買えるレベルになってきたことも大きかった。レンタルだと短期間しか触れないので愛着が沸かないし、興味も持てないんですよね。でも所有できれば、何かあったらすぐにテストできるし、家にあるから気が向いた時に触れるし、興味が出ていろいろ調べるようになるし、自分の技術に反映できる。僕の場合はそれがかなり大きかったです。 FX3はシネマカメラなのにちょっと頑張れば個人で所有できる価格設定なので、ムービーを極めたいと思っているフォトグラファーにはおすすめのカメラです。スチールカメラでももっと高価なものはありますからね。買う前にレンタルして本当に自分に合うかどうか試すのは必須ですが、「これ」と決めたら買ってしまいましょう。そうすれば本番までに自分が納得するまで使い込めるので、自信を持って撮影に臨むことができますよ。 僕の場合は、スチールの現場で試せたことも大きかった。FX3は軽くて小さいので現場に持っていきやすい上、「これ買ったんだけど、ちょっとテストで撮っていい?」と言いやすかったんですよね。テストで編集までやって「こんなのできたけど、Webで出すのはどう?」みたいなプレゼンもできる。実績もないまま「ムービーをやらせてほしい」と言っても「大丈夫?」という反応になりますが、スチールをやりつつ合間に動画を撮らせてもらって、結果いいものをつくって、「Webで使っていいですか?」と言ってもらえたら実績もできます。そうすればどんどん自分がやりやすい環境になっていきますから。 こういうことは自分で買って所有しないとできません。僕にとっては現場に持っていきやすいという意味でも、軽くて小さいFX3が心強い味方になってくれたので、まずは自分に合ったカメラを所有して、使い込みながら学んでいくのがいいと思います。

映画『アイスクリームフィーバー』 あの夏の、たった一瞬の夕立のような いつか忘れてしまう、小さなラブストーリー。 甘く、柔く、儚い、あこがれにも似た“想い”――。 「好き」と気軽に口にできないほど微かで淡く、でも抗えない“衝動” ――。 切なくも爽やかな余韻を残す 至極のアイスクリームのような恋物語。 【あらすじ】 美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。ある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて…。 アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、疎遠になっていた姉の高嶋愛(安達祐実)の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父親を捜すため、突然訪問してきて戸惑っていた。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。 熱(フィーバー)に似た、心を捉えて離さない衝動。 それぞれの色を纏った4人の想いは交錯し、切なくも確かに疾走していく――。 https://icecreamfever-movie.com/ 予告編はこちら(https://www.youtube.com/watch?v=amxyQIfyOm8&t=7s)

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