商品情報・ストアデジタル一眼カメラ α α Universe

先進技術を詰め込んだハイブリッド機。
抜群の機動力で撮る楽しみを増幅させるα6700

映像クリエイター 大久保楽 氏

α Universe editorial team

大学に在籍しながら若手クリエイターとして頭角を現している映像クリエイターの大久保楽さん。現在、APS-Cサイズ(Super 35mm)のCinema Line FX30で映像制作を続けている大久保さんが、新たに手にしたのはAPS-Cサイズのセンサーを搭載した最新機種α6700。実際に撮影した作品を見ながら、カメラの印象や魅力、FX30との違いなどについて語ってもらった。

大久保 楽/映像クリエイター 2000年生まれ、三重県出身。プロダクトデザインを専攻する大学3年生。映像を制作している大学のOBに誘われて、映像制作をプロから学べる「AOI Film Craft Lab.」に入会。映画監督である上田慎一郎氏に自作の映像を評価してもらったのをきっかけに、本格的に映像制作をスタート。現在はFX30を所有し、日々撮影に励んでいる。

軽量コンパクトな機動力を生かして
動画も静止画も撮りたい時に撮れるのが魅力

――普段はFX30を使って動画制作を行っている大久保さんですが、ほぼ同等サイズのセンサーを搭載したα6700を使ってみた率直な感想を聞かせてください。 FX30は映像向けのカメラですが、α6700はファインダーやメカシャッターが搭載され、写真も撮れるという意味で「カメラを持っている」という所有感がありました。それでいてFX30より小型軽量で機動力があるので、撮りたいときに撮れて、外に持って出たくなるようなカメラだと思いました。また、小型軽量な上に、動画と写真共にこれだけキレイな画が撮れて、高性能なことにもとても驚きました。

――動画制作がメインだと思いますが、静止画を撮ることもあるのでしょうか? 出かけた先での思い出を撮ったり、映像を撮っている合間にオフショットを撮ったりしています。そのため動画に比べ、静止画の場合は「作品を撮る」という意識は少ないです。普段はFX30を使っているのでファインダーを覗くこともありませんし、写真を撮っている意識は普通のカメラを持っている人より薄いと思っています。しかし今回、α6700で写真を撮ってみたら本当に楽しかったんですよね。FX30は電子シャッターなので、「メカシャッターがあるだけでこんなに楽しいんだ」と思いました。5、6年前に初めて一眼レフカメラを買ってワクワクした時の感覚を思い出しました。しばらく忘れていたメカシャッターの感覚が手に伝わってきた瞬間、とても感動して「写真を撮るのってこんなに楽しかったんだ」と改めて感じているところです。

動画作品は全編S-Cinetoneで撮影。
撮って出しでも遜色ない表現力と色再現性

――今回は動画と静止画、両方を撮影してもらいましたが、まずは動画作品について話を聞かせてください。 作品では、仕事でも思い出の中にも「いつもそばにいるカメラ」だということを伝える、α6700のプロモーション映像に仕立てました。僕は普段FX30を使用している時もS-Cinetoneをよく使うので、グレーディングをすることが少ないです。今回もグレーディングをほとんどせずにほぼ撮って出しで、全編をS-Cinetoneで撮影しています。S-Cinetoneは露出を低めにするとコントラストがきれいに出て、高めにするとふんわりとしたイメージに仕上がると個人的には思っていて、色味もとてもきれいです。 例えば砂浜でキャッチボールをしているシーンは空のグラデーションや、海とのコントラストもとてもきれいに出ています。ふんわりとした映りになっていて、儚げな印象になったんじゃないかと思います。

さらに、夕暮れにはしっかりと赤やオレンジを表現してくれるなど、画力を感じる自然な色味も気に入っているポイントです。

プロの世界ではLogで撮影する人も多いですが、僕の場合はまだ、Logで撮ってしまうと自分できちんと仕上げられるか不安な部分もあります。それにカメラが高性能なことは十分にわかっているので、カメラに搭載されたピクチャープロファイルを上回るグレーディングができる自信がない、というのが正直なところです。S-Cinetoneを使えば撮って出しでも十分にきれいですし、そのまま使えるのが僕の中ではベスト。もちろん自分の技術が追いついてくればまた違ってくるかもしれませんが、今の段階では自分の表現したい色や質感はS-Cinetoneで十分に表現できていると感じています。

動きのあるシーンはAFをフル活用。
自分でコントロールするより安心の高精度

――動画撮影時に活躍した機能・性能があれば教えてください。 上位機種と同等のAIプロセッシングユニットが搭載されているだけあって、AFの精度は素晴らしかったです。基本的に定点の時はMFで撮影しますが、動いているシーン、今回の作品でいうとキャッチボールのシーンはすべてAFで撮影しました。練習を兼ねてMFでも撮影したのですが、AFの性能の高さを感じました。人物の瞳にしっかりピントを合わせてくるので、ある意味、自分でコントロールするMFよりも安心できます。とくに動いている人物を撮る時は優秀なAFを使わない手はありません。キャッチボールのシーンではオートフレーミング機能も使ってみましたが、とても面白い機能ですよね。使っていても、実際に撮れた画を見ても、本当に便利だなと思いました。「カメラの中でここまでできるようになったんだ」とカメラの進化を感じましたし、僕含め演者も「この機能、すごく欲しい!」と撮影中もずっと言っていました。

三脚にカメラを据えて自撮りしながら動くような時は自分で被写体を追うことが難しいので、オートフレーミング機能がとても役立ちます。手持ちでブレが不安な時も、思い切って三脚に据えてオートフレーミング機能を使うと自然に追ってくれるので、神経を使わずにカメラに任せることができて便利です。

――作品の前半では手持ちで撮影したシーンもあったようですが、手ブレ補正機能は使いましたか? 冒頭にある製図のシーンは望遠で寄りながら、手持ちで撮影しているため手ブレ補正の「アクティブモード」を使いました。ほどよい手ブレ感が残っているので動きというか臨場感が表現できて、とても良いカットに仕上がりました。

現場の質感や空気感まで映し出し
画力のある印象的なシーンを生み出す

――とくにこだわったシーンはありますか? 正直、どのシーンもこだわっていますが、その場で「これはいい」と思ったのは夕景をバックにしたラストシーンです。実は素材が足りないと思い、別日にもう一度撮りに行って出会った風景なんですが、たまたま遠くに積乱雲が出ていて、陽の光がきれいに反射していたんですよね。何かおもしろいシーンが撮れないかと思い、逆光で人物がシルエットになるように撮ってみました。

雲の輪郭がとてもきれいで、色も繊細に出ていたので、このシーンが撮れた時は感動したし、とても嬉しかったです。想定して撮りに行ったシーンではありませんが、最終的にこのカットが一番効果的な役割を果たしてくれて、自然にラストへと流れる感じに仕上げることができました。雲の形や、色、明るさなど絶好のタイミングで撮ることができたと思います。

――映像作品を撮る上で、意識していること、大事にしていることはありますか? 現場の空気感や質感を映し出したい、と常に思っています。その点でもα6700は優秀でした。とくに冒頭の引きのカットは作業場の機械がたくさん並んでいる中の静けさや、それぞれの質感がとてもよく出ていて、印象的に映し出すことができたと思います。

――図面を引くシーンや調理、食事のシーンなど、音が印象に残るシーンが多かったように思いますが、作品を撮る上では音も意識していますか?

音の情報はとても大事にしています。今回の作品では、映像と同時に録音したものと、近づいて別で録音したものと半々くらい使いました。音もしっかり録りたいと思い、今回は「XLR-K3M」を使いましたが、気になるノイズもなく、音質もとても良かったです。

静止画ではクリエイティブルックを活用。
手軽に好みのルックに仕上げられるのが便利

――ここからは静止画についてお聞きしたいと思います。今回はすべてクリエイティブルックで撮影したそうですが、ソニーのクリエイティブルックにはどのような印象を持っていますか? 僕は、撮影したその場で「いいな」と思えることがとても大事だと思っています。編集して良くなる写真よりも、その場で「いいな」と思える写真が好きですし、そういう写真を撮りたいと思っています。そういう意味でも、好みのルックを選んで撮れるのは大きな魅力です。手軽なのにクオリティ高くきれいに描き出してくれるので、本当にありがたいです。今回の静止画も露出を少しあげる程度で、レタッチはほとんどしていません。 なかでもお気に入りのルックは「ST」。どういう場面でも使いやすいので多用してしまいますね。下のアジサイの作品も「ST」で撮ったものです。

α6700,FE24-70mm F2.8 GM II 76mm相当,F8,1/320秒,ISO800

これを撮った時、「α6700ってこんなにきれいに写真が撮れるのか」ととても驚きました。撮影時もピントが合った瞬間に葉脈や花びらの質感がリアルに飛び込んできて、鳥肌が立つような、ゾワッとなるような感じがあって。大画面で確認した時にはそれ以上の感動がありました。雨の日に撮影したので、雨粒のプリッとした質感まで見た景色そのまま、それ以上の感動がある画に仕上がりますから本当にすごいですよね。

下の作品も「ST」で撮影しました。僕はバイクが好きで、個人的に乗っているバイクのメーター部分を撮影したものです。

α6700,FE24-70mm F2.8 GM II 87mm相当,F2.8,1/6秒,ISO800

今回の撮影では動画・静止画ともにほぼ「FE 24-70mm F2.8 GM II」で撮影しています。このレンズはぼけ感がきれいだと聞いていたので、ぼけを生かしたシーンを撮りたいと思っていました。こちらも雨の中の撮影でしたが、雨粒がとてもシャープに写っているので、背景の玉ぼけとの対比もきれいで、とてもよく撮れたと思います。

「ST」ばかりでは面白くないなと思って、違うルックでも撮影してみました。下の作品は「IN」というコントラストや彩度を抑えたモードに設定。

α6700,FE24-70mm F2.8 GM II 105mm相当,F2.8,1/640秒,ISO400

なんとなくフィルムのようなマットな質感で、雰囲気に合った写真に仕上げることができました。他のモードでも撮影してみましたが、このシーンはINが一番良かったですね。僕は「エモい」という言葉があまり好きではありませんが、言ってしまえば「エモく撮れた」という感じですね。情緒があって、人物の心情まで写し出すような1枚に仕上げられたと思います。

α6700,FE24-70mm F2.8 GM II 105mm相当,F2.8,1/800秒,ISO500

上の作品は「BW」で撮ったものです。普段はあまりモノクロで撮りませんが、モノクロは静かで凜としたイメージが僕の中にあるのですが、撮っているうちに波打ち際ではしゃいでいる感じとモノクロのギャップもいいな、と思いました。モノクロはあまり使ってこなかっただけに、「こんなにきれいに撮れるんだ」という新鮮さもありました。全部白黒で撮りたくなるくらい、撮っていて気持ちが良かったです。

撮影機材に求めるのは機動力と高性能。
先進機能を詰め込んだα6700はその代表格

――ソニーのレンズラインアップについてはいかがですか? 揃っていない焦点距離はないくらいなので、不足はまったく感じません。これは当たり前のようで当たり前ではないと思いますし、こんなに充実しているのはとてもありがたいです。使う、使わないは別として、足りないものがないのでソニーのカメラは安心して買うことができます。 実は僕、単焦点レンズはあまり使っていないんです。まだ学生なので高価なレンズを何本も所有できませんし、ズームレンズで、ズームした時の少し圧縮がかかる感じも好きです。さらに引きも撮りたいと思った時もレンズ交換なしでそのまま1本で撮ることができるので、とても手軽で撮影できます。これからもしばらくはズームレンズを使うことになりそうです。でも正直なところ、今回F2.8のレンズを使ってとても良かったので、明るいレンズが欲しくなりました。夜や室内などの暗いシーンではかなり活躍しそうなので、次に買うなら奮発して明るいレンズですね。

――α6700はどんな人におすすめのカメラだと思いますか? いろいろな思い出を残したい、きれいな映像を撮りたい、という人にベストなカメラだと思います。本体が大きく重たくてきれいに撮れるカメラもたくさんありますが、このカメラは小さくて軽いうえに、綺麗に撮れます。FX30ユーザーの僕でさえ「大きいから出すのが面倒」と思うことがたまにあるので。でもα6700はパッと取り出せるし、「撮りたい」という気持ちにもなるカメラですから、そういった点では小さくて軽く、動画も静止画も撮れるというのは大きな強みだと思います。 具体的には「2台目として、もう少しいいカメラを買いたい」と思っている人にもおすすめです。正直、最初からα6700を買うのは僕ら世代では価格的にも難しいですし、最初は手頃なモデルを使って、「撮影するのって楽しいな」と思えたら、次にα6700を使うのがいいのではないかと思います。そうすれば同じ感覚で撮っても「こんなに画が違うんだ」ということをより実感できると思います。

――大久保さんは学生という立場でクリエイター活動や映像制作されていますが、撮影機材に求めるものは? 個人的には「残したい」、「撮りたい」と思ったときにすぐに撮れることを重要視しています。高性能なカメラは上を見ればキリがありませんが、小さくて軽くて撮りたいと思った時にフットワーク軽く撮れることが、カメラに求めているものの一つです。 学生である僕らの年代で機材に求めるものとなると、手の届く価格帯で、小型軽量で高性能というところが基準になると思います。贅沢な要望ではありますが、それを叶えられるカメラが実際に出てきていますからね。カメラの性能はどんどん進化していますし、α6700は最新・最先端の技術が盛り込まれているので、僕らのニーズに応えられる代表格と言えるのではないかと思います。

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