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「ROOTS 日本の原景」 撮影記 Vol.5
カムイミンタラ・北海道の旅

今回から北海道を旅して行く。
苫小牧にフェリーで着いて、最初に平取(びらとり)町の二風谷(にぶだに)を訪れた。ここはアイヌの集落が多くあった所で、小さな博物館には民具や工芸などが展示してあり、アイヌの世界観を伝える叙事詩「ユーカラ」を実際にアイヌの年寄りが訥々と語る音声レコードやビデオが鑑賞できる。アイヌの人達のことを考えずに、北海道を旅することはできない。日本は単一民族の国ではない。日本語ではない言葉を喋り、弥生以降の倭人とは全く違う世界観を持った人たちが北海道にはつい最近までその何千年に渡る生活を守ったままいた。本来は北海道を一番よく知っているのはその人たちであろう。
その「ユーカラ」を聴いていると、この北の大地に住み継いできた人たちは、なんと自然いや野生と人間を全く同列に考え、身の回りにあるものを全て恵みと考え、神と考えて暮らしてきたことかと驚きを覚える。彼らにはあの恐ろしい熊も、狐もテンも、スズメでさえ神、カムイであった。昔話を聞いているとその公平さに心打たれる。「ユーカラ」の中には人がキツネに怒られたりしている話もあって、微笑ましい気持ちになる。 カムイミンタラというのは、アイヌの人々の言葉で「神の遊ぶ庭」という意味だが、カムイは特に熊を意味してもいる。北海道では大げさに言えばどこでもヒグマが出る。アイヌの人達の野生に関する感覚。倭人の「神」という言葉に翻訳できない「カムイ」という概念。それを最初に少しでも味わって、それを元に北海道を写真する旅を始めることにする。

洞爺湖の夜明け

洞爺湖にもアイヌの伝説があって、それは若者たちと剣が出てくる冒険談そして開拓談だが、そこに出てくる羽の生えた毒蛇というのが気になった。北海道に毒蛇は居るのかと聞くとマムシは結構居るという。そうか、寒い所だからと行って油断しちゃあいけないな。 洞爺湖は地形の関係か、無風の日が多く湖面の写り込みを生かした写真が撮りやすい。西岸で夜明かしすれば中之島の向こうから朝日が上がるのが見られる。星の綺麗な晩なら湖面に映る星空が撮れるかも知れない。

α7R III,Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS,F8,1/800秒,ISO200

二風谷

二風谷の博物館には、いろんな動物の霊を慰めるためのイナウと呼ばれる木を削って装飾したような棒が展示してある。「アホウドリの頭の神」「テンの頭の神」「狐の頭の神」。。。それぞれの動物たちを獲物としたら、その魂が神の国に帰れるように祭礼をする。なるほどイオマンテは熊だけではない。全てに公平なのがアイヌなのだった。その一番端に「山で捕った熊の話し相手になる神」というイナウがあった。これには感動した。アイヌはこぐまを捕まえると育ててからほふる。その間、寂しかろう、辛かろうと、話し相手の神を捧げるのだろうか。あんまり感動したので涙ぐみそうになったが、この感動を写真に乗せて行きたいものだと思った。たとえそれが風景写真でもその写真に厚みを与えるのは、その土地に行きた人達の、こういった物語なのだから。

α7R II,FE 24-105mm F4 G OSS,F4,1/100秒,ISO800

樽前山頂溶岩ドームと遠く羊蹄山を望む

支笏湖畔からは南に、白老町あたりからは北に樽前山頂の溶岩ドームが見える。標高1000mの山頂に登ってみると遠くに蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山が見えた。樽前山は9000年前、羊蹄山は10000年前に大噴火したという。ちょうど縄文が始まった頃か。。石器時代から縄文時代に移る頃、この山々の大噴火を人々はどんな気持ちで見上げただろう。山頂近くには樽前山神社奥宮があり、倭人は明治の開拓の頃、大山津見神を祀って居る。

α7R II,FE 24-105mm F4 G OSS,F8,1/2000秒,ISO200

足寄 オンネトーの夕暮れ

オンネトーはアイヌの言葉で老いた沼、あるいは大きな沼。オコタンペ湖、東雲湖とともに北海道三大秘湖と言われるが、行くのに困難なわけではなく、小さな湖なので行く人もあまりいなかったという意味。近年は無風の時、静かな湖面に映り込む紅葉などが綺麗だということで、また時間帯やみる角度で湖の色がまるで変わって見えるということで、写真愛好家が多く訪れるようになった。午前中の方が無風の時が多いようだが、この日は夕暮れまで写り込みが綺麗だった。

α7R III,Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS,F8,1/500秒,ISO200

二風谷 穴の空いた山

再び二風谷。ここにはオキクルミの伝承がある。オキクルミはアイヌの祖ともいわれ、人々にいろんなことを教えてくれたとされる神。二風谷にはオキクルミのいろんな伝承と、ゆかりの地とされる場所がいくつもあるが、写真はその一つ。オキクルミが投げた槍が山を貫いたとされるオプシヌプリ(穴あき山)。毎年夏至の日にはその穴に夕日が落ちる。今日はその夏至の日。晴れて眩しい太陽は山を割って行くように山の穴に入っていった。

α7R III,FE 24-105mm F4 G OSS,F14,1/160秒,ISO200

一人旅をする時、α7シリーズの小ぶりで軽量なボディは大変好ましい。カメラが軽いと、三脚も小さく軽くできる。そこが大きい。特に山に登ったりフィールドをたくさん歩くときなど、Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS と、FE 24-105mm F4 G OSS を二台のα7につけて旅をしている。他に数本の単焦点レンズを持って行きますが、大抵この二本で事足ります。ボディが二台なのは、万一一台壊れても撮影が続けられるため。何も撮れなくなるのは避けたいですからね。今回はα7R IIとα7R III二台体制の旅です。

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