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「ROOTS 日本の原景」 撮影記 Vol.7
富士山・素顔の霊峰

日本の象徴とも言える霊峰富士。その姿はこの国の人なら誰でも、頭の中に美しい円錐形の姿としてすぐにイメージできる。富士山は比較的見晴らしの良いところに、一人立ち上がる単独峰なので、また基本的には左右対称でなだらかな広がりを見せるので、絵にも描きやすく子供の頃から馴染みが深い。そしてそのイメージは優しく美しい山ということになる。しかし、実際に山に接近し、ものづくりの目でじっくり見てみると、その姿は意外にも荒々しく、むしろ無骨で逞しい姿を見せる。今回は望遠ズームFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS を持って、このレンズの驚異の細密描写で、富士の気取らぬ素顔に迫った。 考えてみれば、富士山は高さ3千メートル、裾野の周囲は150km以上にもなる巨大な活火山だ。その一部に残る噴火の跡や、また大沢崩れに代表される侵食や崖崩れによって露出した地下の岩肌などを、こうして細密描写のレンズで写真に撮っていると、「ああ、地球に会いにきたんだな。」と実感する。街に近い山なので、普段見ていると気づかないが、そういうことに気づくのもまた写真の面白さである。

富士市岩渕・富士川あたりから

晴れた日、これくらいの高さにいろんな形の雲ができることがある。絞りを絞って、雲のボリュームと、富士の威容を強く対比させる。今回、心に浮かんでいるのは、富士の逞しい強さ。言ってみれば、日本書紀に出てくる美しい木花咲耶姫的な富士ではなくて、その姉の逞しい磐長姫のイメージの富士。それを表現するために、雲の重量感や空の色の濃さ、山肌に陰影を作る斜光線や風の作る雲の動きを細密な描写で生かしていく。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 370mm,F10,1/2500秒,ISO 200

富士宮市人穴あたりから

富士の西側に回ると、大沢崩れがはっきり見える。崩れたところは谷となって裾野近くまで深くえぐれているが、その左側の山頂近くは、むしろ大きな岩壁がモクモク盛り上がっているようにも見える。とにかく荒々しい。もし富士が神だというのなら、荒ぶる神の姿を見せている。これも小石一つを撮り逃さない、細密な描写をしたい。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 194mm,F 5.6,1/3200秒,ISO100

忍野あたりから

風の日。千切れた雲は吹き飛んでしまうこともなく、富士の山肌にまとわりつくように舞い、思わぬ造形を見せ続けた。標高の高いところの強い日差しで、雲の白さがぶっ飛んでしまわないように、かなりアンダーの露出で撮影し、後の現像で暗部のディテールを出すようにした。これは東側なので、登山用の道が良く見える。まあ、登りたい気持ちもわかるので、それはあってもしょうがないが、写真を撮る立場からいうと、もうちょっと目立たないようにできないかなあ、とも思う。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 318mm,F10,1/3200秒,ISO 100

裾野市水ヶ塚から

富士の中腹には、東の方から見ると左に、西からみると右に、南からみると手前に、大きくえぐれた噴火口とその下にこだかく盛り上がった禿山が見える。それは宝永4年の大噴火があった跡で、その時は元禄文化華やかな江戸の町に大量の灰が降って大騒ぎしたという。この時は溶岩の流出はなく、大爆発だけがあったというが、その時の勢いで、写真右に見える宝永山のピークに、それまで埋もれていた、古富士と言われる1 0万年ぐらい前の富士山の前身と言える山体の一部が、突出し露出した。今それを見ると、その部分は色は赤く、やっぱり何か、そこだけ異質な時空が現れているように見える。

α7R III,FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+NDフィルター 121mm,F5.6,1/1250秒,ISO 100

芦ノ湖畔・杓子峠からの夜明け

富士の夜明けは、どこから見ても美しい。とりわけ雲たちの芸が見事な朝は、写真する価値がある。 今回は、富士に近づき、細密描写のレンズで、しかもアップでその山容を見て、その雄々しさに感動しているので、こうやって少し離れてこの美しい瞬間に出会っても、そして大きな雲塊にその姿の大半を隠されていても、その秘めた力強さ、文字通り地の底から沸き立つようなエネルギーは、写真にきっと写せると信じてシャッターを切っている。

α7R III FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 125mm,F 8,1/400秒,ISO 100

以前、Aマウントの、70-400mm F4-5.6 G SSM IIが発売された時、なんとすごいレンズが出たんだろうと驚いたことを覚えているが、それから数年間の技術の進歩は目覚ましく、その後継として、GMの称号をつけて登場したEマウントの100-400mm は、もっとすごいレンズだった。どの焦点距離でも描写の細密さはもう感動もので、これを持ったら撮りたいものだらけになること請け合いだ。特にテレ端の描写の凄さは初めて使う人を心底驚かせるだろう。
これだけの性能を持った超望遠ズームが、この大きさで、この軽さで実現したのだから、F値の明るさを求めなければ、フィールドに持ち出すレンズとしては、言う所の大三元とか小三元(16-35mm & 24-70mm & 70-200mm)に変わって、12-24mm & 24-105mm & 100-400mmという、なんと12-400までカバーする、言わば新三元セットでのロケもEマウントで可能になる。しかも強力な手ぶれ補正や、軽量なシステムであれば、三脚なしや、軽いトラベラー三脚程度でロケは全く問題ない。これは行動と写真の幅が広がることにもつながる。 GMレンズは高価だが、性能は素晴らしい。その中でもどれか一本、というのなら、ポートレーターにも風景写真家にも、ちょっとオススメしたい一本だ。写真の幅がぐっと広がる。スナップ用ではないですけどね。

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