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商品情報・ストアデジタル一眼カメラ αもっとαを楽しむ [スポーツを撮る]フォトグラファー 石島道康の撮影テクニック
[WEB版]αセミナー フォトグラファー 石島道康の撮影テクニック スポーツを撮る

#04 躍動

子どもたちの競技では、日頃見せる事のない真剣な表情を、そしてがんばりをみせてくれます。またプロフェッショナル競技では鍛え上げられた技を余すところなく見せてくれます。撮影者としてはそれらアスリートの表現を撮り逃す手はありません。真剣な表現に真剣な写真表現でお返しをする。これぞ撮影者冥利(みょうり)につきるというものではないでしょうか。お互いに失敗しても次に活かす。感動を分かち合う。表現者同士の真剣勝負がここにあります。自分ではあんなに早く走れない、あんなに高く飛べない。しかし競技者は競技する自分を奇麗に、そしてカッコ良く撮る事はできないのです。

 

スポーツ写真においての良い写真というのは、その1枚ですべてを表現している写真、人々の感動を呼び起こす写真、試合内容は全く覚えていないのに「その写真」だけは良く覚えている写真だったりします。アスリートによって記録がつくられるように、撮影者によって記憶はつくられるのです。記憶に残る写真を目指してみましょう。
ただそれだけが良い写真かといえばそうでなく、その撮影者にしか撮れない1枚も大切な良い写真だったりします。ピントがずれていたり、ブレていたり、露出が間違っていたとしても「良い写真」なのです。何かにとらわれる事なく、臆する事なく、すてきな1枚を残してください。

写真
全身の筋肉が、ボールを蹴るという一瞬のために、躍動している。
撮影のポイント
<シャッター速度>
αではスポーツモードや各優先モード等があります。しかし被写体を止めたい場合にはできるだけ早いシャッタースピードが要求されるために、競技によってまちまちですが1500/以上が望ましいです。絞りがF5.6などのレンズでは、絞り優先(A)モードでF5.6、感度を上げて撮影します(私の場合はマニュアルで当てずっぽ撮影、モニターで確認しながら露出や色調整をおこなっています)。
しかし必ずしも「シャッタースピードを早くしなければならない」という訳ではなく、1/125や1/60で被写体の動きに合わせてカメラを動かせば、撮りたいものだけ止まって背景は流れるなどといった表現もでき、逆の事もできます。αならボディ内蔵手ブレ補正機能をオン/オフにしてもいろいろ表現ができるので、いろいろチャレンジしてみてはモニターで確認して再チャレンジ。自分の絵を作り出してください。
写真
+ シャッター速度1/2500秒。激しく動いている選手の表情の細部までもわかる。
写真
+ 1/125秒。ラケットの先と足がブレて、動感が出ている。
写真
+ 1/30秒で選手の進行方向に沿って追いながらカメラを動かして撮影。
<連写>
一眼レフカメラがデジタル化してから、連写機能は普通になりました。なかには秒間コマ数がアスリートの100メートルを競うかの如く重要視されていますが、連写して撮れたとしても、自分の絵ではなくカメラ機能の絵。撮っている訳ではないのでつまらないと思います。あくまで次の1枚のための連写機能、しかし「ここ」という次が1番面白かったり、良かったりする場合は連写もおおいに結構なのではないでしょうか。備えるための連写機能として使用してください。 写真
写真
連写を使う場合であっても、「自分が撮りたいのはここ!」と決めてシャッターを切る。
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