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ハイレゾの魅力を、いろいろな角度から、深く掘り下げる企画が続々。

スペシャルインタビュー ポルノグラフィティ × ウォークマン開発者 ハイレゾ座談会 ポルノグラフィティ vs ウォークマン開発者 そこには音楽の感動が必ずある

3年5カ月ぶりとなる10枚目のオリジナルアルバム『RHINOCEROS』を8月19日にリリースしたポルノグラフィティ。ハイレゾでもリリースされた今作を作り終えたばかりの岡野昭仁と新藤晴一が、ウォークマンの新モデル『NW-ZX100』と『NW-A20シリーズ』を試聴。ウォークマンの開発者・佐藤浩朗を交えて、その音質やハイレゾに対する想いについて語ってもらった。

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佐藤:
今回、ウォークマンの新モデルとしてカジュアルなスタイルでリーズナブルなハイレゾ対応の『NW-A20シリーズ』、そして『NW-ZX1』の後継モデルとなる『NW-ZX100』が登場します。お二人は既に『NW-ZX2』を使用されていると聞いていますが、『ZX2』の使い心地はいかがですか?

岡野:
何を聴いても音がふくよかで、解像度も高いから、曲の奥行きをすごく感じますね。中でも感動したのはビリー・ジョエルのハイレゾ音源。彼がピアノをハンマーで叩いてるように弾いて、音が壁に反響しているところまで生々しく再現されているので、そこに確かにビリーがいるという存在感が伝わってきて鳥肌ものでした。録音された当時の時代背景みたいなものまで見えてくるというか。今、若い人たちは色々な機器を使って音楽に接していると思いますが、こういうハードとソフトで音楽にはストーリーがあるという感動を改めて実感してほしいですよね。

新藤:
僕はもともとノラ・ジョーンズが好きで、『ZX2』でも彼女のハイレゾ盤を聴いてみましたが、彼女のように曲もヴォーカルも演奏も良いとなると、再生するハードによってその差が如実に現われてしまいます。自分たちの音楽でもそうですが、音をいっぱい重ねていくと、一つ一つの音の重要性や存在感が聴く環境によっては埋もれていってしまう。逆に音数が少ないとヴォーカル、ギターなど、それぞれの音が際立つので確かな演奏でないと物足りなく聞こえてしまいます。ハイレゾで聴くと特にそう感じることが多いですね。でも、音というのは直接音だけで聴いてるわけじゃないから、部屋の作りやスピーカーの質、設置環境ですごく変わってきます。だから僕らが耳にしている原音の状態で聴いてもらうことは非常に難しいわけですが、『ZX2』のようなハイレゾ再生機はそうした環境の影響を極力減らし、作り手が送り出す音に極めて近い状態で再生できるのが良いですよね。しかも、手のひらサイズのこの1台で、すぐにハイレゾを楽しむことができるのは素晴らしいことだと思います。

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佐藤:
ありがとうございます。まさに仰る通りで、これまで良い音のオーディオと言うとアンプやスピーカーを揃えなくてはいけないようなイメージを持たれる方も多かったと思うのですが、ウォークマンなら1台でハイレゾを楽しむことができます。しかも、今回の『ZX100』はポケットに入るくらいのコンパクトさを実現しながら、『ZXシリーズ』として、このクラスに相応しい音質をしっかり継承するモデルになりました。

写真 ソニー株式会社 ビデオ&サウンド事業本部 V&S事業部 サウンド1部 商品設計1課 佐藤浩朗

岡野:
実際に手にしてみても、ほんとに小さいですね。これで音質も進化しているというんだからすごい。

佐藤:
まずサイズですが、前モデルの『ZX1』と比較して体積比で約83%のコンパクト化を実現しています。その上で『ZX1』を使っていただいているユーザーの方々から、もう少し低音にパンチがほしいという声がありましたので、『ZX100』ではシャーシやバスプレートなど電源を安定化させるパーツを加えて、低音をより力強く表現できるようにしました。

岡野:
パーツを加えているのに、サイズダウンって大変だったんでじゃないですか? しかも、ただ加えるだけじゃなくてさらに上の音質を目指しているってことですよね。

佐藤:
はい。なので試行錯誤を繰り返し、ここに辿り着きました。音質の方向性としては、エネルギッシュで音の立ち上がりが良く、楽曲の躍動感をしっかり伝えられるように音作りをしています。J-POPやEDMといったダンス・ミュージックなどには特に相性が良いのではないかと。音を柔らかく、滑らかで艶やかに表現する『ZX2』とはまた違った音色を感じて頂けると思います。

岡野:
今回、最新作の『RHINOCEROS』をハイレゾでもリリースしたのですが(1stアルバム『ロマンチスト・エゴイスト』、2ndアルバム『foo?』のハイレゾ盤も配信中)、音が集まりやすい中域が整理されて聞こえるようになりました。それを『ZX100』で聴くと、解像度が高いので音が層になっていても聞き分けられますし、マスキングがされてないのですごく耳が心地良い。それに音の立ち上がりが早いですよね。ノリの良い曲とかガンガンくる感じは若い人にも喜ばれるんじゃないかな。あとは声の滑らかさとか、ぬくもりもしっかり感じることができたので、こういう音でファンの皆さんに僕らの音楽を届けられるというのは、歌い手として有り難いですね。

新藤:
うん、『RHINOCEROS』だと1曲目の『ANGRY BIRD』とかはキックがガンガンくる曲なんで、立ち上がりの良さをハッキリと実感できました。今はほとんどの音楽がPro Toolsで作られていて、解像度の高い音を提供できます。自分たちもそういう環境で音楽を作っているので、ハイレゾとの相性が良いということも改めて実感できました。

佐藤:
相性の良さはライヴ音源でも感じていただけると思いますので、用意した音源を『ZX100』でちょっと聴いてもらえますでしょうか。

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岡野:
ライヴの音もすごく良いですね! ただスネアの音が鳴っているんじゃなくて、その皮自体が音を出している感じ。鳴っている物の素材感だとか、胴鳴りみたいなところもしっかり聞こえてきますね。ヴォーカルもリップノイズがノイズという感じじゃなくて表現として見えるというか、そのライヴの風景が見えてくるのがすごい! これはちょっと興奮するな。

新藤:
耳に響いてくる臨場感が圧縮音源とは全く違いますね。ライヴって、その時のプレイの生々しさを感じられることが醍醐味じゃないですか。例えばちょっと音を歪ませたギターでアルペジオ(和音を構成する音を一音ずつ順に弾いていくこと)を弾くと、どの弦で弾かれているのかがわかるし、ここのフレーズは興奮してちょっと転んでるな(笑)とかまで聞き取れるんですよね。

岡野:
うん、それすごいわかるな(笑)。

新藤:
スタジオできちんと録ってミックスダウンした音源とは違う生々しさがよく出てますね。ライヴならではの息づかいがちゃんと聞こえてくる。これは気持ち良いですよ。テレビも4Kになって俳優さんたちが困るみたいに、どんどん解像度が高くなっていくと、僕らミュージシャンも気を抜いていられない(笑)。

佐藤:
『ZX100』のような小さいポータブルプレイヤーでも、ここまで表現できるんだということを実際に聴いてもらって、楽しさを味わってもらいたいと思っています。

新藤:
あれこれ言ってますけど、聴いてもらえば一瞬にしてわかってもらえると思う。

岡野:
うん、これはぜひ聴いてほしい。必ず、そこには音楽の感動がありますから。

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佐藤:
それと、今回はハイレゾ対応のエントリークラスとして、『A10シリーズ』のハンダや基板を見直し、さらなる高音質を追求した『A20シリーズ』も登場します。こちらは6色のカラーバリエーションを揃え、女性や若い世代の方にも手に取っていただきやすいモデルになっています。また、『A20シリーズ』には『ZX100』にも搭載しているデジタルノイズキャンセリング機能を搭載し、本体カラーと合わせたハイレゾ対応デジタルノイズキャンセリングヘッドホンがセットになっています。お二人は移動も多いかと思いますが、普段でもノイズキャンセリング機能を使って音楽を聴かれますか?

新藤:
実は使ってないんです。ノイズキャンセルする時のシーンっていうホワイトノイズが気になってしまって。ですが、『A20シリーズ』も『ZX100』もその音がほぼ聞こえないですね。これはすごい。新幹線や飛行機の移動が多いんですが、これなら使いたい。

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岡野:
ノイズキャンセリングをONにすると少しだけ高域が立ったような感じがしますが、これがノイズキャンセルの効果なんでしょうね。(スタッフに)ちょっと横でしゃべってみて。うん! しっかりキャンセルされてますね(笑)。それでいて、非ノイズキャンセルでハイレゾを聴いた時と確かに遜色がない。

佐藤:
そう言っていただけて良かったです。今まではハイレゾ音源を再生しながらノイズキャンセリングをすることができませんでしたが、今回は新技術でノイズキャンセリング機能も搭載することができました。さて、今回のアルバムについても伺わせてください。通算10作目の作品ということですが、ハイレゾ版ではスピード感やヴォーカルの質感、ギターの弦の響きもCDや圧縮音源とは格段に違って、すごくフレッシュな印象でした。表現方法の一つとしてハイレゾが加わったことで、すごく大きな武器になったと思いますが、いかがでしょうか?

岡野:
佐藤さんがウォークマンの開発をなさっている時、そのこだわりがどこまで届くかはわからないけど、ユーザーの人により良い音で音楽を楽しんでほしいという想いを込めて製品作りをされると思うんです。僕らも同じで、想いを込めて曲を作り、待ってくれている人たちに音楽を届けたいと思っています。そしてそこには、自分の声の良いところを録音してパッケージに収めてくれるエンジニアさんの想いや、より多くの人にそれを届けようと頑張ってくれる周りのスタッフの想いも込められています。その全てに応えるために、自分は誇りやこだわりを持って最高のパフォーマンスをしようと。今までもそれができていなかったわけじゃないですけど、10作目という区切りのアルバムなので、その想いが届くと信じて、こだわり抜いてレコーディングしました。その意味で、今の僕たちを全部出し切ったアルバムになっていると感じますし、ハイレゾならそれを余すところなく伝えてくれるんじゃないかと期待してます。

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新藤:
3年以上かけた渾身のアルバムですし、至らない点があったとしても、それはそれでバンドっぽくて好きですし、自分らでやりたいことがちゃんと形になっているというところも、自分としては満足しています。そういう意味で『RHINOCEROS』は“作られたアルバム”じゃなくて“作ったアルバム”。ポルノグラフィティの意志とか、そこにある息づかいみたいなものを感じてもらえたらうれしいですね。