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MANUFACTURE 開発者インタビュー

EXTRA BASS SRS-XB40/XB30/XB20/XB10

いつでも、どこでも、
場所を選ばずに音楽を楽しめる

島田 泉[商品企画担当]

──今回はSRS-XB40/SRS-XB30/SRS-XB20/SRS-XB10というワイヤレススピーカー4製品が発表されましたが、どのような製品か、簡単に教えてください。

島田 泉[商品企画]

これはEXTRA BASSという大迫力の重低音を実現したワイヤレススピーカーシリーズの新製品です。重低音に特長があるEXTRA BASSシリーズはヘッドホンでは2008年から展開していますが、ワイヤレススピーカーのEXTRA BASSシリーズとしては2016年2月に発売したSRS-XB3やSRS-XB2に続く第2世代となります。
近年の音楽ジャンルの傾向として、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)など低音の存在感を重視した打ち込み系の音楽が注目されており、それだけでなく一般的なJ-POPやロック、R&Bといった他ジャンルにおいても、低音の存在感を重視した手法が取り入れられています。またフェスやライブといったイベントなど、自宅だけでなく外で音楽を楽しむ人々が増えています。そこで今回発表になった4機種は、大迫力の音圧と重低音を実現しただけでなく、アウトドアでも気兼ねせず使える防水機能を搭載しました。さらにXB40/XB30/XB20は、本体が光ることで、音と光でフェスやライブのような臨場感を楽しめるライティング機能を内蔵しています。

※JIS防水保護等級 IPX5相当。IPX5相当とは、あらゆる方向からの噴流水に対して本体機能を保護するものです。

SRS-XB40 SRS-XB30 SRS-XB20 SRS-XB10

──音質に力を入れたワイヤレススピーカーはこれまでにも存在していたと思いますが、音だけでなく光でも音楽を楽しめる製品は初めてでしょうか?

島田 泉[商品企画]

海外市場向けに「ハイパワーオーディオ」と呼ばれる据え置き型の製品はありましたが、国内向けの小型スピーカーとしては、音と光で臨場感を再現するというコンセプトは初めてです。

全モデルにNFCを搭載しているので、NFC対応のスマートフォンならワンタッチで接続が可能

──そもそもワイヤレススピーカーとはどのような製品でしょうか?なぜ、ワイヤレスで繋がるのでしょうか。

高橋 洋介[信号処理開発]

このEXTRA BASSシリーズは、Bluetoothという技術に対応したワイヤレススピーカーです。Bluetoothはスマートフォンやタブレットなどさまざまな機器で標準的に搭載されており、ペアリングをすることで、ワイヤレスで接続し、音楽を楽しめます。

島田 泉[商品企画]

ワイヤレススピーカーのメリットをシンプルに伝えると、いつでも、どこでも、場所を選ばずに音楽を楽しめるスピーカーです。今回の新EXTRA BASSシリーズはコンパクトなスピーカーですが、各製品とも1台でも十分な音量と、迫力ある重低音・音圧を出すことができるので、部屋の中に限らず、バーベキュー場や公園へ出かけるときに持っていけば皆で楽しめます。
屋外で使うために、本体にバッテリーを内蔵しています。バッテリー駆動時間は、音量設定やライティング機能のオン/オフでも多少変わりますが、XB40とXB30は約24時間、XB20は約12時間、XB10は約16時間と、かなりの長時間楽しむことができます。またXB40とXB30は外部機器充電用のUSB端子(5V,最大1.5A)を搭載しているので、屋外でスマートフォンを繋いで充電するなど、モバイルバッテリー的な活用も可能ですよ。

木下 暢[機構設計開発]

木下 暢[機構設計開発]

インドアだけでなくアウトドアでも楽しめるポイントが防水機能です。IPX5相当の防水機能なので、プールサイド、シャワーの近くといった場所でも安心して音楽を楽しめます。また構造的には、触れていただくとわかるのですが本体の外側を柔らかな質感で仕上げているので、バックの中へそのままポンと入れて持ち運んでも、他の荷物を傷つけることはなく、気を遣うことがありません。

XB40とXB30は横置きだけでなく縦置きにも対応しているので、場所を選ばずいろいろなところに置いてよい音を楽しめます。実は機構設計上ではこれもこだわったポイントで、XB40とXB30の本体は、上・底面と側面の素材が変えてあるんですよ。縦置きで安定して立たせるために側面はエラストマー素材を採用しているんですが、上・底面は硬い素材を使わないと音質に影響が出るため、柔らかなエラストマーは使えないんですね。そこで硬い素材にソフトタッチ仕上げを行っています。

※JIS防水保護等級 IPX5相当。IPX5相当とは、あらゆる方向からの噴流水に対して本体機能を保護するものです。

──実際にサウンドを聴かせていただくと、かなりの重低音と迫力に驚かされますが、この小さいスピーカーでなぜこの音が出せるのでしょうか?

島田 泉[商品企画]

もともと、重低音の再現に力を入れたEXTRA BASSシリーズはヘッドホン先行で導入されたコンセプトで、製品カテゴリーによって課題や技術アプローチが異なるのですが、コンパクトなスピーカーにおいては、重低音の再現性が音楽の臨場感や世界観を伝える手段のひとつと考えています。そこでフェス会場やライブで味わうような音圧や低域を、小さいスピーカーでいかに再現するか、と開発が数年前から始まりました。

高橋 洋介[信号処理開発]

高橋 洋介[信号処理開発]

個人的には音楽フェスにもよく足を運んでいてEDMも聴いており、2017年には世界最大規模のEDMフェスである「EDC」が日本でも開催されるので楽しみにしています。あの現場感を味わうにはやはり重低音が必要だと感じ、まずは低音をしっかり出そうということがスタート地点で、スピーカーのドライバーユニットや、本体の音響容積についてシミュレーションを繰り返し、求める低域を出すための最適な設計を探りました。低域のローエンド、つまりいかに低い周波数帯までを再生できるかが、ハードウェアとしてのスピーカー設計です。ただしコンパクトなスピーカーでは、ハードウェア的に実現できる低域には限界があります。そこで、出しきれなかった低域を出すために、独自の信号処理(DSP)で補うことでこのような音を実現しています。

もう少し具体的に話すと、通常低音を強調するような処理が行われたスピーカーの場合、小さな音量では良くても大音量で低音が歪んでしまったり、歪みを抑える為に大きな音が出せない、もしくは大音量だと全体のトーンバランスが大きく変わってしまうという課題があります。その課題を補う為に、現在発売中のワイヤレススピーカーでハイレゾ対応したh.ear go(SRS-HG1)という製品がありますが、今回の新EXTRA BASSシリーズには、このh.ear goで開発した信号処理技術も盛り込んでいます。そのため小音量に絞っていても十分な重低音感が出せ、大音量で鳴らしても音の歪みを抑えることができるだけでなく、近年のトレンド音楽において重要となっているキャッチーな低域や、中域のボーカルの聴かせ方が、どの音量設定でも同じ雰囲気で聴けるよう、身体で捉えられるような音作りができました。