

鉄道絶景+α
第19回ひたちなか海浜鉄道(茨城県)
鉄道写真家 中井精也 氏
撮影日:3月11日 7時26分ひたちなか海浜鉄道(金上〜中根)
大漁桜をバックに走るひたちなか海浜鉄道。煙を上げて出発するシーンは、まさにローカル線の原風景だ。FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSで背景の桜を圧縮し、迫力ある光景に仕上げた
春を告げる大漁桜。進化したα7 Vで撮る旅
今回一緒に旅するカメラは、α7 V。約4年ぶりに刷新されたα7は、「別物」レベルに進化していた。ふだんα1 IIを使う僕が、撮影時のストレスを一切感じなかった。このカメラを一言で表すなら、「オールマイティーに活躍する、ニュースタンダード」になるだろうか。新たな相棒との出合いに、心踊る。
旅したのは茨城県を走るひたちなか海浜鉄道。選んだ理由は、撮影で一緒になることが多い「おらが湊鐵道応援団」の方から、途中駅の桜がすでに満開だという便りが届いたからだ。ソメイヨシノはまだまだ開花前の3月上旬。沿線の風景もまだ春浅く、枯れ色の風景だが、中根駅は桜に包まれていた。これは大漁桜という品種で、開花時期が2月下旬とかなり早い。見慣れた桜よりもかなり濃いピンク色の美しさに、春の到来を実感した。現地で応援団の方と合流。この方は沿線企業で働いているが、応援団として出勤前にほぼ毎日この鉄道を撮影し、SNSなどで情報を発信している。「次の列車の車両は、いい煙吐きますよ」というので不思議に思ったが、列車が駅を出発すると、艶やかな桜をバックに気動車がもくもくと煙を上げた。ローカル私鉄旅情満点の光景を見ながら、被写体の魅力を知り尽くす地元の方の愛にはかなわないと、あらためて実感。この中根駅は応援団の方々が中心となり、ライトアップも行われる。僕はα7 Vの感度をISO 12800まで上げて撮影したが、高感度とは思えない、ノイズレスで高精細な画質に思わず息をのんだ。やるなα7 V! 漆黒の闇のなか、列車を優しく包み込む大漁桜の明かりに、応援団の方々をはじめとした地元の人たちの思いが宿っているように思えて、胸が熱くなった。
撮影日:3月11日 8時49分ひたちなか海浜鉄道(中根駅)
新開発の部分積層型CMOSセンサーとBIONZ XR2プロセッサーが生み出す豊かな階調が、青空と大漁桜の鮮やかな色彩を見事に表現してくれた
撮影日:2月9日 6時46分ひたちなか海浜鉄道(金上〜中根)
中根駅付近は、線路の奥から朝日が昇る好条件。FE 28-70mm F2 GMの開放絞りで撮影した作品は、まるでこの踏切に立っているかのような臨場感がある
撮影日:3月11日 18時37分ひたちなか海浜鉄道(金上〜中根)
列車を光の線にしたくないため、ISO 12800で撮影。α7 VのRAWは、現像時に「エクステンデッドNR」処理をすることで、高感度とは思えない高画質を実現できる
撮影日:3月11日 10時48分ひたちなか海浜鉄道(平磯〜美乃浜学園)
サツマイモ畑には新芽が植えられ、春らしい装いに。デジタル一眼カメラが苦手とする青空のグラデーションも、α7 Vは滑らかで繊細な描写を見せてくれた
<Pickup LENS>α7 V
α7 Vは新開発の有効約3,300万画素・部分積層型CMOSセンサーと、AIプロセッシングユニットを内蔵したBIONZ XR2を搭載。画質、高感度性能などあらゆる面において高性能を実現している。AFもリアルタイム認識AFを搭載し、α7 IVに比べて認識性能が30%※も向上した。被写体の捕捉はよく、つかんだら離さない鉄道撮影向きの1台だ。
※α7 IV比において。ソニー内部測定
<Photo Technique>
α7 Vを使いこなす せいや流ファンクションメニュー
α7 Vを手に入れたら、よく使う機能をFnメニューに登録することから始めよう。下図は僕のおすすめの設定例。α7 Vはドライブダイヤルがないので、まずは「ドライブモード」と「フォーカスモード」をFnメニューの一番目立つ場所に配置したい。あとはISO感度やホワイトバランス、クリエイティブルックなど、優先順位に合わせて割り当てていこう。
<絶景EPISODE>
普通なら見逃してしまう足元に広がる小さな春撮影日:3月11日 7時55分ひたちなか海浜鉄道(金上〜中根)
「今の季節、何かいい場所ありますか?」とおらが湊線応援団の方に訪ねたときに、教えてくれたのがこのシーン。森の中にあるツバキの花が散り、農道をひっそりと飾っていた。毎日撮影しているからこそ見つけられる、小さな季節感。その熱意に感動しながら、シャッターを押した
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