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「カメラグランプリ2019」贈呈式リポート

α Universe editorial team

2019年5月17日に「カメラグランプリ2019」の各賞が発表され、ソニーの『FE 24mm F1.4 GM』がレンズ賞を受賞。1年間に国内で新発売されたレンズの中からもっとも優れた商品が選ばれるレンズ賞は、ソニー初の受賞です。6月1日の「写真の日」を前に、5月31日に行われた贈呈式では開発メンバーが開発秘話を披露。選考委員には受賞理由もお聞きしました。

まずは選考委員を代表して、カメラグランプリ 2019実行委員長の猪狩友則氏(アサヒカメラ)、カメラ記者クラブ代表幹事の福田祐一郎氏(CAPA)、特別会員TIPAを代表してRoland Franken氏の3人に、受賞理由について話をお聞きしました。

常識を覆したコンパクトさを評価

左:福田祐一郎氏、中央:Roland Franken氏、右:猪狩友則氏

――『FE 24mm F1.4 GM』はどのような点が評価されてレンズ賞を獲得できたと思いますか? 猪狩氏:美しいぼけ味、周辺まで得られる高解像、という「G Master」の強みを損なわずに小型軽量化したことを評価する声が非常に多かったと思います。「よく写る。でもいい感じの大きさ」というコメントが多かったことを考えると、「『G Master』をよくぞここまで小さくしてくれた」と開発陣の努力に対して一票を投じたかたもいたのではないでしょうか。やはりユーザーは、小さくて高性能な「G Master」を待っていた、ということですね。 福田氏:僕も猪狩さんと同じく、サイズの小ささを評価する声を多く聞きましたし、僕自身も一番評価しているところです。『FE 24mm F1.4 GM』は、画質や性能などを妥協することなく小さく仕上げている。広角なのに背景がきれいにぼけるという演出的な部分も優秀だったと思います。 Franken氏:単焦点の広角レンズというところが良かったと思いますし、個人的にも好きなレンズです。大口径でありながら開放から十分に使うことができることが評価されました。

ぼけ表現が美しい広角レンズが出たと話題に

――『FE 24mm F1.4 GM』を実際に使われているプロカメラマン、ライター様からの評判は? 猪狩氏:先ほどと同様、「『G Master』のクオリティーはそのままなのに、この小ささはすごい」という声が多かったです。「G Master」シリーズで単焦点の広角域はこの24mmが初めてですよね。最広角がリリースされたということは、この流れで35 mmや僕の好きな40mmも出てくるのではと思わずにはいられません。「G Master」の広角単焦点の第一弾として発売された『FE 24mm F1.4 GM』は、拍手を送りたいぐらいの出来でしたから。 あと、「星を撮るのにいいよね」と言っていたかたもいました。大口径レンズの画面周辺で発生しやすいサジタルフレア (点光源の像のにじみ)を抑制するので、星空や夜景の撮影にも適していますから。この後も『FE 24mm F1.4 GM』を筆頭に、いい感じの大きさで高性能の単焦点レンズが後に続くことを期待しています。 福田氏:僕のまわりでは「ぼけ表現が素晴らしい」と言うかたが多いです。ぼけの表現にこだわるなら、50mmから上の中望遠から望遠レンズをつくると思いますが、まず24mmという広角でつくったのがすごいと。広角でありながら「G Master」らしく画質や機構にもこだわっていて、背景をぼかした表現を試すことができる広角レンズが出てきた、とみなさんとても興味を持ったようです。 Franken氏:TIPAのテクニカル委員会で話しましたが反応はとても良かったです。その理由は、レンズのトレンド2点をしっかり押さえているからだと思います。1点目のトレンドは「プレミアムクオリティー」ということ。2点目は「コンパクト」であること。プロのかたでも、今は小型のレンズを好まれるかたが多いです。『FE 24mm F1.4 GM』はどちらも妥協することなく、両方の点において達成された、ということが素晴らしかった。ソニーの「G Master」シリーズに関しては、信頼性とクオリティーの2つを体現したような商品だと思いますし、それはこの24mmに関しても言えることだと感じました。 ――『FE 24mm F1.4 GM』を使用していかがでしたか? 猪狩氏:1日ちょっと持ち出したくらいなので語れるほど使ったわけではありませんが、撮影はしています。個人的には、ラフに撮れるのがいい。「α7R III」に装着しましたが、解像力は高いし、手ブレ補正もボディ側でよく効いているし、構図を考えて撮るだけで「おお、いいね」という感じでした。周辺も流れる感じがないですし。僕は割と絞って撮るのが好きですが、当然絞っても画質がよいわけです。開けても絞ってもきれいに撮れる、つまり自由度が広がるということですから、撮影者にとってはとてもありがたいことですね。

ここから新たなレンズ時代が始まることに期待

――カメラメーカーとして、またレンズメーカーとして今後のソニーに期待することは?

猪狩氏:ソニーはメーカーとして強者になったと思います。とはいえ、挑戦者的なマインドは常に持っているはずなので、そこは失わずにこれからも開発を続けて欲しいです。他に負けない性能、新しい価値観、新しいソリューションと、すべてを上手く書き換えて欲しい。もちろん『FE 24mm F1.4 GM』は小さくて高画質という素晴らしいレンズですが、それだけに留まらない付加価値があると、カメラファンだけではなくてソニーファンも喜ぶのではないでしょうか。

福田氏:小さくて性能がいいというところは、ソニーが昔から得意だったと思います。カメラでいうとNEX-5の頃から、現在のα7シリーズに至るまで小型ですし、サイバーショットのRX1もコンパクトなカメラにフルサイズのセンサーを入れていますし。そんな中、レンズだけは高性能だけれども大きかったという印象が今まではありました。しかし『FE 24mm F1.4 GM』は高性能で小さい。ある意味、とてもソニーらしい商品だと思います。と同時に、ソニーらしいレンズのラインアップがここから始まる、という感じがして期待に胸を膨らませています。

Franken氏:ソニーはこれまでカメラ業界にさまざまな改革や発展をもたらしてきたメーカーですので、今後もさらなる発展を期待しています。市場においても、ゼロから始めて今ではリーダー的な存在になっていると私個人も思っていますし、市場もそう思っているでしょう。 さらなる発展のために重要な要因があるとすれば、クオリティーとイノベーションです。例えば、新技術の開発などは成功の決め手になると思います。なかでもポイントになるのはグローバルシャッターテクノロジーで、そこは私も楽しみにしているところ。メカニカルシャッターをなくしたカメラになっていくのでは、と考えています。またソニーはスマートフォンもつくっているので、スマートフォンの機能、例えばアプリケーションなどをカメラに組み込むような形でのイノベーションにも期待しています。スマートフォンと一緒に使うことでカスタマイズできるような機能が出てくる可能性もあると思いますし。今後の展開を想像するだけで、なんだか楽しい気分になりますね。

贈呈式で語られた受賞の喜びと開発秘話

贈呈式では、カメラグランプリ2019実行委員長の猪狩友則氏から「レンズ賞」の賞状と盾が手渡されました。受賞の喜びを語ったのは、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューション株式会社 デジタルイメージング本部 第2ビジネスユニット シニアゼネラルマネジャーの長田康行です。

プロからの叱咤激励を受け止め、
真摯に取り組んだ結果がここにある

『FE 24mm F1.4 GM』は、非球面レンズ、アクチュエーターから制御技術まで、すべての開発を自社で取り組んだレンズです。今までにEマウントレンズは50本ほどリリースしていますが、世界中の多くのプロフェッショナルのかたからたくさんの叱咤激励をいただいてきました。どんなに厳しい言葉もありがたく受け止め、技術者も含めて真摯に取り組んできた結果がここにあると思っています。

その一方で、技術、製造、営業まで、関わるすべてのスタッフが「最高のレンズをつくりたい」という思いでいてくれたことも、レンズ開発の大きな力になりました。絶対に妥協を許さない、という強い意志が、この賞をいただけるほどの商品をつくり上げたのだと思います。 スマートフォンで撮ってそれで済ませることがますます一般化していますので、カメラメーカーは悠長に構えてはいられない状況になりました。今後はそのようなかたにも「カメラで撮りたい」と思ってもらえるようなレンズやカメラをつくっていかなければなりません。スマホユーザーの1%でもカメラを買ってもらえたら、僕らのマーケットは倍になるかもしれない、という気持ちで、今後もユーザーに感動を与えられるような商品をつくっていきたいと思います。

贈呈式後に『FE 24mm F1.4 GM』の開発秘話を披露したのは、ソニーイメージングプロダクツ&ソリューション株式会社 デジタルイメージング本部 第2ビジネスユニット ゼネラルマネジャーの岸政典。もっとも苦労したのはアクチュエーターの開発だったと語ります。 『FE 24mm F1.4 GM』は、高い解像力と美しいぼけを高次元で融合させたフルサイズのレンズ「G Master」シリーズの中でも、最高峰の性能を目指した商品です。開発の一番の課題は、光学性能を一切妥協することなくどれだけ小さく軽量につくれるか、ということでした。それをクリアするために用いたのが超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズです。最前面と最後面に2枚配置するという、非常に贅沢で開発難易度の高い光学レイアウトを採用することで、画面の中心から周辺に至るまで徹底的に光学収差を取り除く。その課題に向けて、開発陣が地道に取り組んで実現させたのがこのレンズです。広角の大口径レンズではよく問題になる、画面周辺のサジタルフレアがこれまでにないレベルで除去できていますので、今までにない開放からの解像感を体験いただけるのではないかと思っています。

このレンズの開発でもっとも大変だったのは、AFのアクチュエーターでした。目標の光学性能を出そうとすると、どうしても大きく重いフォーカスレンズを駆動させなければなりません。それに適したアクチュエーターが今まではなかったため、自社開発のアクチュエーター技術をフルに投入して、この問題に向き合いました。その結果、フォーカスレンズを高速に、静かに動かすことを実現した最高のレンズが完成したのです。 24mmという多くのお客さまに使っていただけるレンズを小型軽量につくれたことは、本当に大きな意義があると思いますし、フルサイズだけでなく、APS-Cを使うお客さまや動画を撮るお客さまにも楽しんでいただけるレンズになったのではないかと思います。いよいよフルサイズミラーレスの時代がやってきましたが、その新しい時代にふさわしい大口径単焦点広角レンズの可能性をみなさまにお見せできたことが本当にうれしいです。今後も、お客さまの期待を上回るような商品を世の中に出し続け、イメージングのマーケットをさらに活性化していきたいと思っています。

<カメラグランプリとは>
写真・カメラ雑誌の担当記者の集まりであるカメラ記者クラブが主催し、カメラグランプリ実行委員会の運営のもと、1984年から開催されており、組織された選考委員が1年間(毎年4月1日から翌3月31日まで)に日本国内で新発売されたスチルカメラ、レンズ、写真製品・機材の中から各賞に値するカメラや写真製品・機材を選出します。各賞は、最も優れたカメラ1機種を選ぶ「大賞」、交換レンズの中からも最も優れた1本を選ぶ「レンズ賞」、一般ユーザーがWebサイトから投票する「あなたが選ぶベストカメラ賞」、大賞を受賞したカメラを除くすべてのカメラと写真製品・機材を対象に大衆性・話題性・先進性に特に優れた製品を選ぶ「カメラ記者クラブ賞」の4部門があります。

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