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鉄道写真家 中井精也 氏 Vol.5
中井氏が“α1”と探す唯一無二の鉄道絶景!
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α Universe editorial team

みなさんこんにちは。鉄道写真家の中井精也です。 今回は日本国内のみならず世界中から愛される街、古都「京都」を走る、嵯峨野観光鉄道を訪ねました。 山陰本線の旧線を利用して運行している、この嵯峨野観光鉄道は、トロッコ列車から眺める保津峡の絶景が大きな魅力のひとつです。 嵐山を中心に、トロッコ嵯峨野からトロッコ亀山まで、わずか4駅という全長7.3kmの短い路線ですが、京都の美しい自然の中を走る観光鉄道として、すぐに乗車券が売り切れてしまう人気の鉄道です。 春夏秋冬と様々な美しさを堪能できる路線ですが、今回は初冬の嵯峨野を訪ねてきました。ライトアップされた絶景の中を走る列車をぜひご覧ください! 最初の1枚になります。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 70mm,F2.8,1/125秒,ISO3200

明るく見えますが、すでに日は暮れています。絶景ポイントとしても知られているトロッコ保津峡駅に近い場所で待っていると、線路脇の樹々のライトアップが始まりました。 列車の車体の色とも相まって、スポットライトを浴びているかのようにトロッコ列車が浮かび上がります。 ついライトアップされた部分をアップで狙いたくなるところですが、そこはあえて保津川を手前に大きく入れて、列車は小さくなるように周囲の風景を入れることで、より光の当たった部分だけが見る人に印象的に残るような構図の工夫をしています。 2枚目は、同じ場所でさらに暗くなってから撮った1枚です。

α1,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.4,1/25秒,ISO6400

ライトアップされた駅のホームと紅葉を背にして、列車全体がシルエットになり、まるで絵本に出てきそうな幻想的な世界を表現することができました。想定外だったのは、保津峡の川面にまで照明が反射して美しく輝いたことです。 さらに偶然ながら乗車されていた方々のフラッシュの光も、素敵なアクセントになってくれました。 ちなみに、ほぼ暗闇といってもいいような夜間での撮影でしたが、低照度でも快適にピントを合わせてくれるα1のAF性能の高さはさすがです。 3枚目になります。

α1,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.4,1/15秒,ISO1250

この写真は1枚目、2枚目の翌日、17時くらいにトロッコ保津峡駅に移動して写したものです。 鉄道写真だから列車が写っていないと!ということはないと僕は思っています。ライトアップされたトロッコ保津峡駅のホームは山間部の駅らしく、なんともいえない情緒を感じさせてくれます。 ライトアップの優しい光に照らされた駅のホームが、僕に京都の山奥の鉄道旅情を感じさせてくれました。 ちなみにレンズですが、FE 85mm F1.4 GMで撮っています。 手前に赤く色づいた樹木を、このレンズならではの美しい前ぼけで大きく入れこみ、画面全体を暖色でまとめています。 そうすることで僕が感じた京都の旅情を、より強く印象づけられる写真になったんじゃないかなと思います。 4枚目になります。

α1,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.4,1/100秒,ISO1600

今回の旅ではライトアップをメインに撮影していますが、この写真では停車している車両に思い切り寄ってみました。 その目的は、車体と車窓に反射したライトアップの光を捉えるためです。12月に撮影したので、車窓に映りこんだ光の点が緑や赤のクリスマスカラーになっていることが分かるかと思います。 なんだか胸がときめく色とりどりの光に包まれた列車は、まるで銀河鉄道のようです!暗闇の中で、美しい光にラッピングされて着飾ったかのような車両にうっとりしながら撮影しました。 ここまではライトアップの写真をご覧いただいてきましたが、5枚目は日中の写真になります。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 132mm,F2.8,1/1250秒,ISO200

ここで改めて少々、嵯峨野観光鉄道についてお話ししますと、この鉄道が利用しているのは新線の完成によって使われなくなった山陰本線の旧線です。保津峡に沿って走るこの区間は、国鉄時代から撮影の名所としても知られていました。ディーゼルカーだけでなく、機関車が客車を牽引する客車列車も多かった山陰本線は、客レ(乗客列車の略称)大好きな僕にとっても憧れの路線だったのですが、なかなか京都を訪れる機会に恵まれないまま、気が付けばあまりきちんと撮影に臨むことなく新線に切り換わっていました。 自然の形状に寄り添うように敷設された線形は、トロッコ列車になった今も、昔と変わらず絵になります。 こうしてα1を携えて今という時代を撮影しながら、父のお下がりのフィルムカメラを片手に夢中で撮影していた頃の自分をふと思い出しました。 さて日中に撮ったこの1枚ですが、かなり考えて構図を追い込んでいます。一番手前には樹々を前ぼけさせ、鉄橋と列車を右上奥に配置することで、画面に奥行き感を出すようにしています。 それに加え、鉄橋を通過する列車の先頭部分がしっかり写るように、かつ手前の森の陰に隠れてしまう寸前のタイミングでシャッターを押しています。そうすることで列車の存在感が失われずに済み、見る人の視線を奥へと誘導することができていると思います。 さて今回ご覧いただく最後の写真は、縦位置の1枚になります。

α1,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II + 2X Teleconverter 394mm,F5.6,1/1000秒,ISO200

今回の旅ではライトアップされた艶やかな写真をメインにご覧いただきましたが、最後は渋くノスタルジックな1枚になります。 毎回、まだ訪れたことのない撮影ポイントに赴き、新たな発見の1枚をお届けしていますが、今回は撮影手法での新たな1枚です。 この写真を撮影したのは、お昼過ぎ2時前くらいです。 当日は曇り空でしたが、雲間からは太陽の光が降り注ぐ状況でした。 そこで、その太陽の光を最大限に利用した1枚が撮れないかと思案しました。そんな僕の頭に浮かんだのは、あたかも闇に浮かび上がるかのような保津峡と、その傍らで鈍く輝く線路により郷愁と哀愁を感じられるような1枚でした。 光輝く保津川の川面を画面に大胆に取り入れた構図にし、川面が白飛びしないよう-2.3EVという極端なマイナス露出補正にしました。眼前の現実とは異なる世界を描き出すのも、僕は写真の醍醐味だと思っています。 そしてご覧いただければお分かりのとおり、しっかり川も川辺の岩も、線路も列車もディテールが潰れずに精細に写ってくれました。 僕のこうしたイマジネーションも、実際に表現できなければ机上の空論で終わってしまいますが、α1はそれをしっかりカタチにしてくれます。こうした想像性ある写真に挑む際には特に、α1への信頼感を感じます。 さて今回の京都、嵯峨野観光鉄道はいかがだったでしょうか? それでは来月もこの場所で、皆さんに鉄道絶景を紹介できることを楽しみにしています! 中井精也でした。

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