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写真も動画もこれ1本で!
フォトグラファーもろんのんさんに聞く「FE 20-70mm F4 G」

標準ズームレンズの新スタンダード…広角20mmスタートの可能性とは?
フォトグラファー もろんのん 氏

デジカメ Watch掲載記事の転載
フォトグラファーもろんのんさん。YouTubeチャンネル「もろんのんTV」でもお馴染み。「FE 20-70mm F4 G」の使い勝手などお話しいただいた

ソニーが2月10日に発売した「FE 20-70mm F4 G」が話題だ。標準ズームレンズなのに焦点距離が超広角の20mmからスタートするユニークな設計、軽量コンパクトな筐体なのにズーム全域でF4を実現しているなど、ユーザーからの熱い視線を集めている。 その「FE 20-70mm F4 G」をいち早く試用したフォトグラファーもろんのんさんに、気になる使い勝手や画質について聞いてみた。

もろんのん フォトグラファー。 人物、旅、商品の撮影をしている。YouTubeで人気の「もろんのんTV」チャンネルで撮影機材やノウハウを発信するほか、同チャンネルで写真教室なども行っている。 Instagram: https://www.instagram.com/moron_non/ YouTube:もろんのんTV https://www.youtube.com/channel/UCAREgs9I7YDdDSOJG7RR-5A

「α」との出会い、現在の「α」

――普段はどのような撮影をしていますか?

もともと写真友達と出かけたときに思い出を撮る、という趣味の撮影から始めました。ここ数年はフリーランスになったこともあり、クライアントワークの撮影が増えています。作品よりも仕事の撮影が多いですね。

――ソニー αとの出会いを教えてください。

大学生の時にソニー αを使い始めました。もともとは違うカメラを使っていたのですが、そのとき流行っていたオールドレンズが使えて、コンパクトなカメラが欲しいとの理由で選びました。フルサイズでオールドレンズとの相性が良いと、周りの友達が使っていたので「α7 III」を買ったんです。カメラ自体は、中高生の頃からコンパクトデジカメを使っていました。

――現在使用しているカメラは何ですか?

いずれも35mmフルサイズミラーレスで、メインに「α7 IV」、サブに「α7C」です。

――よく使うEマウントレンズは?

大三元(「FE 16-35mm F2.8 GM」「FE 24-70mm F2.8 GM II」
「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」)と「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」が多いですね。 旅先などではレンズ交換が手間なので、サブ機の「α7C」に
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」を付けっぱなしにしています。スチルで一番使うのは、
「FE 24-70mm F2.8 GM II」です。ポートレートでもブツ撮りでもよく使っています。次に
「Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA」が多いですね。

軽量コンパクト、しかも広角ズームレンズを兼ねた焦点距離

――では「FE 20-70mm F4 G」に話を移しましょう。このレンズを手にしての第一印象はいかがでした?

「コンパクトで軽い!」ですね。「FE 24-70mm F2.8 GM II」と比べるとずいぶん小さいですし、同じズーム全域F4の「FE 24-105mm F4 G OSS」と比べても小型ですね。重さが500gを切るのも良いです。

もろんのんさん愛用の「α7 IV」と組み合わせた状態

旅に行くときに大三元レンズと単焦点レンズの4本を持っていきますが、私の場合、一番出番が少ないのは広角ズームレンズなんですね。でも、無いとなるとホテルやカフェの中や、広く風景を撮りたいときに困ったりします。 今回の「FE 20-70mm F4 G」で広角も望遠にもその1本だけで対応できるとしたら、重さもサイズの問題も解決できる。旅の時はぜひ使いたいと思いました。 この作品は旅先で撮ったものです。焦点距離は望遠端の70mmですね。撮りたいものを発見したときにレンズ交換をすることなくその場でズームして、さっと撮れるのが魅力のひとつと感じました。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 70mm,F4,1/100秒,ISO1250

そういった旅の撮影はリュックで行きたいので、機材が少ないのは助かります。旅先では機材は常に背負っていないとならないので、軽量化は重要ですね。

広角端「20mmスタート」の価値

――広角端が20mmから始まるのは珍しいですよね。使ってみてどうでしたか?

広い画角で撮るときはいつも「FE 16-35mm F2.8 GM」に付け換えていたのですが、
「FE 20-70mm F4 G」だと、わざわざレンズ交換しなくてよくなったのが最大のメリットですね。

――20mmより広角はあまり使わないのでしょうか?

個人的にはスチル(写真)撮影の場合、20mm以下だといろいろ入りすぎると感じます。
「FE 16-35mm F2.8 GM」を使っていても、室内では少しズームして、結局20mmくらいで撮ることが多いですね。

――20mmという画角を使いこなすポイントはありますか?

一般的な標準ズームの広角側である24mmよりさらに広い画角で、写真に収める領域がより広くなります。 例えばここは街中を歩いていたら見つけた場所です。高速道路が格好良かったので、それを背景に20mmでダイナミックさを表現しました。これが24mmだと、ビルやモデルさんの一部が切れてしまうと思います。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 20mm,F5.6,1/100秒,ISO100

この作品は日没前に急いで撮ったものです。慌てていたので指が入り込んでしまい(笑)、少しだけトリミングしています。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 20mm,F4,1/60秒,ISO800

それでも地面から頭上の枝や葉までしっかり収められたのは、焦点距離20mmでの画角のおかげだと思います。急いでいたのにレンズ交換することなく広角で撮れるという、このレンズの良さが感じられた一瞬でもありました。

――ものすごくシャープですし、逆光でのゴーストも見られませんね。

そうなんです。本当に小さなゴーストがありますが、よく探さないとわからないくらいの大きさですね。

――望遠側の焦点距離70mmはいかがでしょう。

個人的に、標準ズームレンズで撮る場合は70mmで撮ることが多いんです。私が撮る被写体は人物や商品が多いので、パースを付けずに歪まないで撮りたいというのが理由です。旅の撮影も70mmまであれば、これ1本で行けるのではないかと思います。

絞り開放からシャープな画質

――ズーム全域で開放F4の利便性はありますか?

はい。ズームレンズだとF値が暗くなるタイプもありますが、標準域がF4通しでカバーされているのは心強いですね。 いつも単焦点レンズを使っている方からすると、「開放F4は暗くてぼけが足りないのでは?」と思われるかも知れません。でもこの作品を見てもらえますか。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 70mm,F4,1/10秒,ISO100

こうして望遠側の70mmである程度被写体に近寄れば、きれいな玉ぼけも作れます。フルサイズセンサーということも、ぼけを大きくできるメリットだと思います。レンズの持つぼけ描写もきれいですね。 私の場合、仕事で使うときは単焦点レンズでも絞り開放付近で撮ることはほとんどありません。例えば製品撮影だとF5.6からF11くらいに絞って使います。ですから、F4始まりでも仕事の上で不便は感じないですね。

――シャッター速度が1/10秒ですが、きれいに止まっていますね。

そうなんです。「α7 IV」のボディ内手ブレ補正がよく効いています。夕焼け前で日が陰ってしまったのにISO100固定のままで撮ってしまっていたら、シャッター速度が遅かったのですが撮影時には気付かないほどで助かりました。 この作品は箱根の古民家で自然光で撮りました。シャープで解像感もありますし色や階調も綺麗。ハイライトも柔らかく描かれています。窓からの光が入っていますが、こうした逆光でゴーストが目立つこともありません。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 20mm,F4,1/640秒,ISO800

――AF速度はどうでしょうか?

ソニー最高峰のレンズG Masterに劣るかと言えばそんなことも無く、ノンストレスです。もちろん瞳AFやトラッキングも問題無く使えます。音もほぼ無音なので、動画のときに役立つでしょう。

もちろん動画でも大活躍

――話を動画に移したいと思います。YouTubeチャンネル「もろんのんTV」の収録機材を教えてもらえますか?

自宅では主に三脚に固定した「α7 IV」に「FE 24mm F1.4 GM」を装着して撮っています。私の周りのYouTuberは室内で撮るとき、20mm、24mm、35mmを使っている人が多い印象ですね。その点、「FE 20-70mm F4 G」ならどの画角でもカバーできるので、使いやすいと思います。

――動画収録で「FE 20-70mm F4 G」は使えそうでしょうか。

屋外でのVlog撮影なら、20mmという焦点距離は自撮りに合っていると思います。24mmのレンズで自撮りすると近すぎてドアップになるんです。画面全部が私の顔になるという(笑)。その点でも20mmはありがたいですね。自撮りでなく手持ちで街中を撮ったとしても、かなりダイナミックでインパクトのある絵になるのが良いですね。

動画だとアスペクト比が16:9のため、画面の上下が少しトリミングされます。もともと20mmあれば、その分広い画角が残るわけです。さらに手ブレ補正の「アクティブモード」もクロップの原因になりますが、それも20mmあれば余裕ですね。

――画角以外でこのレンズが動画で有利な点はありますか?

何といっても軽さですね。持っていても疲れないのは動画撮影にも向いていると思います。ジンバルでの使用も心配無いですね。周りでは「FE 24-105mm F4 G OSS」をジンバルで使っているビデオグラファーが多いのですが、このレンズに移行する人もいるのではないかと思います。

――ご自身のYouTubeの収録にも使っていきたいですか?

そうですね。24mmだと顔が大きく写りすぎるし、かといって「FE 16-35mm F2.8 GM」だと重すぎて持つのがきつかったんです。このレンズを使えばVlog撮影がよりライトになりますし、自撮りだけでは無く、街中で写真と動画でレンズ交換せずにそのまま使えそうだと思いました。

https://www.youtube.com/watch?v=0ubSekSx-gg 「もろんのんTV」より

まとめ:写真・動画の両方をカバーする、いまおすすめの1本

――同じ焦点距離20mmの「FE 20mm F1.8 G」はどうなるのでしょう。

今まで動画を撮る最初の1本としておすすめしていたのが「FE 20mm F1.8 G」です。しかし、静止画も動画もやりたいのであれば「FE 20-70mm F4 G」のほうがより良い環境になったのではないでしょうか。レンズ交換を省略でき、コスパ良く色々撮りたいという人に良いと思います。ただし、単焦点レンズは解像感も素晴らしいしぼけも大きくできます。

――APS-Cセンサー機のユーザーにもメリットがあるレンズですか?

1.5倍望遠になるので、広角が20mmあれば30mm相当と十分広角も撮れると思います。これが24mmだと36mm相当なので、室内や絶景は物足りないですね。このレンズは将来、フルサイズ機にステップアップしても役立つ資産になると思います。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 30mm,F6.3,1/200秒,ISO100

――純正レンズならではの魅力とは??

アクティブモードの手ブレ補正が強力だったり、ブリージングもかなり低減されています。加えて解像感も高いし、AFも速い。ボディの性能を最大限に引き出してくれるのが大きな魅力です。実際の撮れ高もそうですが、撮っている時に純正ならではの安心感がある。ストレスフリーなのはやはり心強いですね。

α7 IV,FE 20-70mm F4 G 20mm,F11,1/20秒,ISO100

――他に気に入ったところはありますか?

絞りリングが付いていることですね。私はフィルムカメラからスタートしたので、直感的に絞りを変えられるのがうれしいですね。

――このレンズの魅力をまとめると?

1本で幅広く撮れるところです。これからカメラを買う人でレンズを悩んでいて、写真も動画も撮りたいなら、迷わず最初の1本としてオススメできるレンズます。スナップ、旅、商品、ポートレート、風景などいろんなジャンルをこなせる可能性を持っていて、写真・動画をより「α」で楽しめるようになるレンズだと思います。

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