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FE 28-70mm F2 GMで捉えるドラマティックな冬景色

写真家 高橋良典 氏

α Universe editorial team

高橋良典 / 写真家 1970年、奈良県生まれ。「自分が生まれ育った奈良を写真に残し、その魅力を数多くの人に知ってほしい」との想いから、大阪のフォトライブラリーで勤務する傍ら撮影に励む。2000年よりフリーの写真家として独立、写真事務所「フォト春日」を設立。風景写真を中心とした作品をパンフレット・カレンダー・観光ポスター等へ提供。また、写真雑誌や出版物への写真提供及び原稿執筆を行う。奈良県の撮影と併行して国内各地にて自然の織りなす旋律をテーマに撮影を続けている。 (公社)日本写真家協会会員・日本風景写真家協会会員・奈良県美術人協会会員オフィシャルサイトhttp://y-takah.wixsite.com/photokasugaFacebookhttps://www.facebook.com/profile.php?id=100005898333288

FE 28-70mm F2 GM登場の際「一昔前なら到底作れなかった夢のようなレンズ」との第一印象を受けました。それだけにレンズを手に取る前は「使う側も気合を入れて使わなければならない」との変な先入観が芽生えました。ところが実際に使い始めると開放F値の限界性能が高い点では一線を画すものの他のG MasterやGレンズと使い勝手は同様。「夢のようなレンズ」でありながら肩肘張らず、良い意味で普通に使えると感じました。

目の前の情景をそのままにとらえる描写性能

「F2通しの標準ズーム」だと考えれば非常にコンパクトです。この開放値は、もはやズームではなく単焦点の領域。普段使いでストレスにならないサイズ感に仕上がっていることには素直に感心しました。比較的最近にリリースされたレンズは相当な小型軽量化がなされているだけに本レンズを手に取るとやや大きくずっしりと感じるかもしれませんが、G Master黎明期に登場したFE 24-70mm F2.8 GMと比較して重量、サイズともに微増で済んでいるのだから驚きでしかありません。フィルター径が86mmに抑えられているのも好感が持てます。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 28mm,F11,1/1500秒,ISO400

12月に訪れた志賀高原での1枚。山麓より山頂のライブカメラを確認するとダイナミックな樹氷原が確認できます。しかし道路は冬期通行止め。上がるには山頂付近に宿泊して雪上車で送迎してもらうか、スキーを履いてリフトに乗るしかありません。どうしてもこの樹氷たちをカメラに収めたい!と思い、急遽スキーをレンタル。カメラに本レンズ1本だけを付けて山頂へと向かいました。1日スキーを履きながらでも機材を負担に感じることはなく快適な撮影でした。風景撮影において重要なのは、まず解像感。細かな柄の被写体が多いだけにシャープな描写が求められます。また、朝日や夕日にカメラを向けることが多いだけに耐逆光性能の高さも必要です。そして自然の美しさを如何にクリアに表現出来るか?という意味で色乗りや抜けの良さも求められます。これらが高いレベルで融合し、その相乗効果でその場の雰囲気や空気感が伝わる写真になる訳です。G Masterの中でもフラッグシップとなる本レンズですが描写性能については最高レベルだと感じました。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 48mm,F11,1/8秒,ISO400

ハス枯れに霜がおりるシーン。解像感がキリっとした冷たさを伝えます。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 70mm,F8,1/1000秒,ISO400

繊細な霧氷をしっかりと描く解像感が、霧の柔らかさを引き立てます。剛柔合わせ持つ印象はG Masterならでは。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 39mm,F11,1秒,ISO160

波の引き際に美しいラインが描かれます。浜に空が反射して砂ではないような金属的なテクスチャーが現れました。解像感はもちろん質感の描写も申し分ありません。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 37mm,F16,1/15秒,ISO100

朝日とその反射で強烈な逆光でしたが安心してカメラを向けることが出来ます。

単焦点レンズのような魅力を楽しめるズームレンズ

上記でも触れた志賀高原でのもう1コマ。樹氷を眺めているとまるでスノーモンスターたちに囲まれているよう。よく見るとモンスターの一体が口を開けています。そこに太陽を入れ込み、太陽をのみ込むイメージで撮影しました。きれいに光条を描くには微妙な位置調整が鍵。スキーを履きながらも取り回し良く撮影しています。組み合わせという意味ではα1やα9、α7シリーズのようなボディの方がよりバランスが良いでしょう。逆にα7Cシリーズのようにボディがコンパクトになるとトップヘビーだと感じるかもしれません。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 32mm,F13,1/1000秒,ISO400

単焦点に匹敵する本レンズならズームでは難しかった画が撮影出来ます。F2だとやはり大きくぼかすことができ、従来、単焦点レンズに交換して撮っていた表現までをカバーします。望遠レンズの場合はF値がそう明るくなくても被写界深度が浅く、工夫次第でぼけが作れるのですが、被写界深度が深くなる広角〜中望遠域ではそうはいきません。それだけに本レンズの明るさのメリットを感じました。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 38mm,F2,1/3000秒,ISO400

春を待つミツマタ。無数の柔らかなぼけが寒さの中にも日差しの暖かさを感じさせます。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 66mm,F2,1/90秒,ISO400

サザンカを小さく扱いつつ、しっかりと主役の花へと視線を誘導。従来なら単焦点レンズで撮っていたような画ですが、本ズームレンズなら撮影可能です。

単焦点レンズ(広角〜中望遠)は持っているけれどもつい面倒でズームに頼ってしまう方。もしくは単焦点が欲しいけれども持ち出す本数が多くなるので躊躇していた方。本レンズなら1本で単焦点レンズ数本分の役割を担わせることが出来ます。一般的な標準ズームに比べるとサイズ、重量ともにアップしますが、単焦点を一緒に持ち運んでいると考えればむしろ軽いとも言えます。最高レベルの画質はもちろんですが、やはり本レンズの最大の魅力はF2の開放値にあります。私自身としてもその部分を生かした撮影を意識することになりそうです。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 70mm,F2,1/30秒,ISO1600

地元奈良の若草山にて撮影。日没後の暗いシーンですがレンズが明るいおかげで無駄にISOを上げずに済みました。夜景の程よいぼけも好印象です。

α7R V,FE 28-70mm F2 GM 61mm,F2,1/250秒,ISO400

フラッシュの到達距離はレンズが明るいほど伸びます。カメラから霧氷の木までは約50メートル弱あるのですがF2で撮影することでしっかり光が到達。背景から主役が浮かび上がりました。

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