
FE 28-70mm F2 GM 開発者インタビュー
αレンズ初のズーム全域開放F値2を実現した大口径標準ズームレンズ『FE 28-70mm F2 GM』が登場。その開発に込めた情熱を開発者たちが語ります。
“焦点距離を変えられる単焦点”というコンセプトから生まれた大口径標準ズーム
商品企画/山田 亮次(Ryoji Yamada)
――新しいG Master『FE 28-70mm F2 GM』がどんなレンズを目指して開発されたのか、その企画コンセプトを聞かせてください。山田:『FE 28-70mm F2 GM』では、プロフェッショナルたちが本当は実現したかった撮影スタイルを、時間や機材の制約にとらわれずに叶え、さらに表現の幅を広げられる新次元のズームレンズを目指しました。これまでは「大三元」と呼ばれるF2.8通しのズームレンズ群が、その高い描写力、汎用性で、多くのフォトグラファー、映像クリエイターにとって欠かせない存在でした。しかし、その枠を越える革新的なズームレンズは長らく存在せず、単焦点にしかできない表現を求めながらも、利便性とのトレードオフに悩むクリエイターからの声が数多くありました。しかし、これまでF2通しのような大口径ズームを実現しようとすると、どうしても何かを犠牲にせざるを得ませんでした。たとえばレンズが非常に大型化してしまったり、描写性能、オートフォーカス性能とのトレードオフが発生してしまったり、実用的な製品として成立させるのが非常に困難だったのです。そこで私たちは、“焦点距離を変えられる単焦点”というコンセプトを掲げ、F2通しというこれまでにない明るさで、ズームレンズながら単焦点レンズに匹敵する描写力、圧倒的な小型軽量化、高速かつ高品位なAF性能を高次元で融合させることに挑戦しました。これまでの「ズームレンズ=便利だけど描写では単焦点に劣る」という常識を変えたい。 そして、プロフェッショナルフォトグラファー、クリエイターの創造力をさらに引き出す、新しい表現の道具を届けたい。 そんな強い想いから、『FE 28-70mm F2 GM』の開発はスタートしたのです。
設計プロジェクトリーダー/初治 広海(Hiromi Uiji)
初治:『FE 28-70mm F2 GM』の開発を進めるにあたって、私たちがまず決めたのは、妥協しない、ズームレンズの常識を疑うということでした。私たちが掲げた“焦点距離を変えられる単焦点”というコンセプトを実現するためには、光学設計、メカ設計、アクチュエーター、制御、すべてにおいて従来の常識を打ち破る必要がありました。たとえば描写力では、単焦点レンズ並の解像性能とボケ描写を全域で実現することを前提にしました。また、現場においても長時間使えるよう、従来のF2.8ズームレンズに迫る軽さであること。さらに、ポートレート、スポーツに加えドキュメンタリー、シネマなど幅広い分野でのプロユースに応えるため、AFもスピード・静粛性・追従性すべてにおいてトップレベルであることを求めました。正直、自分でもとんでもない目標を立てたと思いました。しかし、それは私たちが“世界最高のズームレンズ”を本気で目指していたからです。これまでプロのクリエイターたちが「本当はこういう撮影がしたい」と思いながらも、機材の制約で諦めていたような映像表現を、このレンズで可能にしたい。そして、まだ誰も見たことのないような作品が生まれる瞬間に、このレンズが寄り添えるような存在でありたい――。そんなプロダクトに挑戦できることは、開発者として何よりの誇りですし、ソニーだからこそできる挑戦だと思っています。このレンズが、世界中のプロフェッショナルの夢を叶えるレンズになることを願って、チーム全員が一丸となって開発に挑みました。
解像感とぼけの美しさにこだわり抜いた光学設計
――開放F値2のズームレンズでありながら単焦点レンズに迫る画質を実現する光学設計について、どのようなところに力を入れて設計しているのかを聞かせてください。
光学設計/山崎 貴(Takashi Yamasaki)
山崎:『FE 28-70mm F2 GM』では、“焦点距離を変えられる単焦点”というコンセプトのもと、ズーム全域で高解像と美しいぼけを実現することが求められました。しかもF2通しという大口径ですから、被写界深度が浅くなり、わずかな収差でも目立ってしまう。だからこそ、設計段階から収差の徹底的な抑制に取り組みました。そこで今回は、G Masterシリーズでも過去最多となる6枚の非球面レンズを採用し、そのうち3枚は0.01ミクロン単位で面精度を管理したソニー独自の超高精度非球面XA(extreme aspherical)レンズを採用しています。このXAレンズは、像面湾曲等の改善に大きく貢献しており、解像とボケの両立に欠かせない要素です。また、構成枚数の削減や小型軽量にも大きく貢献し、MTF曲線からもわかるように高い光学性能と小型化を両立できています。また、最適な位置にスーパーEDガラスを使用することで、軸上色収差についても徹底的に抑制することができました。ソニー独自のシミュレーション技術も活用し、解像力やぼけ味だけでなく、色収差や色にじみに関しても、硝材の組み合わせまで最適化を図り、ゴーストやフレアに対しても最新のナノARコーティングIIを使用することで最小化しています。こうした技術の積み重ねによって、F2という大口径でありながら、G Masterシリーズの中でも最高レベルの高解像・高コントラストを実現できたと考えています。開放からお使いいただける光学性能にするために、ありとあらゆる収差を徹底的に抑え込みました。MTF曲線にも表れていますが、ズーム全域・画面全体で高い描写力を維持しながら、それでいてこのサイズ感にまとめられたのは、これまでの光学設計ではできなかったことで、ソニー独自のXAレンズやコーティング技術はもちろん、XDリニアモーター、メカ設計との連携があってこそ今回の光学系を選択できた、と感じています。
<レンズ構成図>
<MTF曲線>
山崎:理想的な“設計”ができても、実際に “製造”できなければ意味がありません。だからこそ、今回の『FE 28-70mm F2 GM』では、メカ設計の坂本や製造チームと初期段階から密に連携し、実現可能な設計を詰めていく必要がありました。
メカ設計/坂本 怜(Rei Sakamoto)
坂本:そこで『FE 28-70mm F2 GM』では、設計段階から製造現場と何度も話し合い、どのようにして理想の光学性能を具現化するかを徹底的に議論しました。その結果として、1本1本のレンズごとに個体調整し最適化も実施しています。たとえば、レンズを繰り出すカム環という部品のガタつきを個体ごとに細かく調整し、理想の動作精度に仕上げています。もちろん、こうした調整は他のG Masterでもやっているのですが、F2ズームレンズは求められる精度が段違いに高いため簡単ではありませんでした。山崎:今回のレンズは、設計の要求精度がこれまで以上にシビアで、従来の設備や手法だけでは対応しきれない部分も多くありました。そこで、単に計測、調整工程を増やすだけでなく、この製品のための製造設備を新しく立ち上げて、従来では難しかった精緻な調整が可能な環境づくりから取り組んでいます。これは本当にチャレンジングな試みでしたが、実現できる可能性を一つ一つ検証しながら進めていきました。それだけに完成したときの達成感は大きく、振り返ると、あの努力の積み重ねがあったからこそ、今の成果につながっていると感じます。坂本:しかし、そこまでしなければ、理想の光学設計を現実の製品で実現することはできませんでした。大変ではありましたが、関係者が完全に一体となって開発を進めたからこそ実現できた成果だと思っています。こうして実現した製造プロセスと品質管理のノウハウは、今後のレンズ開発にも活かされていきます。このような挑戦が、ソニーの次のレンズ、そしてその先の進化にもつながっていく──そう思える取り組みでした。
G Masterならではのなめらかで美しいぼけ表現
――ぼけ表現についてはいかがでしょう。どのような改善が施されたのかを教えてください。山崎: :単焦点なみの描写性能を実現するために、G Masterに相応しい、高解像と “理想的なぼけ描写”を目指し、設計の初期段階からシミュレーションを何度も繰り返しました。特にポートレート撮影では、被写体を際立たせるための、なめらかで自然なぼけが重要です。球面収差を最適化することで、ぼけと解像の理想的なバランスを追求し、非常に高い次元で両立させています。こうした理想を実現するために、設計だけでなく製造の現場でもさまざまな工夫をしています。たとえば、球面収差は製造時のレンズ配置や間隔のわずかな違いで解像や収差が変わるため、1本1本、エレメント間の間隔を個体ごとに微調整しています。その精度の積み重ねが、自然で美しいぼけ描写につながりました。 また、ぼけの質だけでなく、ぼけ内部の美しさもこだわったところです。今回採用したXAレンズは、サブミクロン単位での面精度で精緻に加工されており、玉ぼけの中に年輪のような縞模様が現れる“輪線ぼけ”を抑制することができます。大口径の非球面レンズを高精度に加工するのはかなり難しいのですが、長年レンズ製造を内製でやってきた技術の蓄積もあって実現することができました。
アクチュエーター設計/佐藤 淳也(Junya Sato)
佐藤:さらに、円形絞りの羽根形状もゼロから見直しました。開放近辺はもちろん、絞り込んでも玉ぼけがきれいな円形になるよう羽根の形状を見直し、羽根1枚1枚の形状や配置、それを支える駆動部品に至るまで徹底的に最適化しています。加えて、カメラの高速連写にしっかり追従できるよう、駆動の高速化と軽量化を実現しており、美しいぼけ表現と撮影性能の両立を高い次元で達成することができました。
――こうした美しいぼけ表現は、どのようなシーンで活躍すると考えますか?山田:ポートレートや人物を中心とした撮影で威力を発揮すると思います。従来はこのような描写を求めるシーンでは単焦点レンズが選ばれることが多かったのですが、『FE 28-70mm F2 GM』であれば、ズーム全域で開放F2の浅い被写界深度と美しいぼけを活かした表現が可能です。単焦点レンズでは得られない構図の柔軟性と、ズームレンズならではの機動力で、最高の一瞬を逃さずに狙えるという意味でも、プロフェッショナルの方々の大きな武器になると確信しています。
軽量化と機動性のよさを徹底的に追及
――『FE 28-70mm F2 GM』はその軽さも大きな武器の一つです。なぜ、そこまで軽量にこだわったのでしょうか?初治:このレンズは、プロフェッショナルが過酷な現場で長時間撮影することを想定して設計しています。たとえば1日中カメラを構え続けるようなウェディングやスポーツの現場、また複数の機材を持って移動するような取材やロケなどでは、わずかな重量の差が、集中力や撮影結果に直結するからです。だからこそ、「1kgは絶対に超えない」という明確な目標を設け、それを満たすことが、このレンズの性能を最大限に引き出すために欠かせない条件だと考えていました。――その目標を大きく越える約918gという軽量化はどのように実現したのかを教えてください。山崎:これまでの小型軽量化技術に加えて、今回は徹底した設計の最適化とパーツ一つ一つの重さをモニタリングしたりしながら、本当に少しずつ、少しずつ軽くしていきました。光学構成の検討段階では、非球面レンズの構成を見直し、超高度非球面XAレンズを最適に配置することで、性能と軽量化の両立を図っています。結果として、ズーム機構を含む全体構成を最適化し、高い光学性能でありながら軽量な光学系が実現できました。さらに今回は、「小型軽量化」に加えて「繰り出し量の低減」にもこだわっています。ズーム操作時にレンズ前方が大きく伸びると、見た目の大きさだけでなく、バランスの崩れにもつながります。そこで、1群-2群の光学ユニットの動きに特徴を持たせ、内部のレンズ群の屈折力や役割を最適に割り振ることで、ズーム時の繰り出しを最小限に抑えました。結果として、テレ端でもフロントヘビーにならないバランスを実現しました。これにより、手持ち撮影時の安定感はもちろん、三脚やジンバルに装着した場合でも、ズーム全域で安定した重量バランスを保つことができます。このような光学設計を可能にしたのは、ソニー独自の超高度非球面XAレンズやXDリニアモーター、高精度な制御技術、そしてシャーシ構造の組み合わせに他なりません。これらが連携することで、従来不可能だった光学設計を選択できたのです。坂本:メカ設計としても、レンズ単体としての重量バランスも可能な限りカメラ側に寄せるようにしています。レンズの重心をカメラ側に寄せるためにはレンズ根元の細い部分に、フォーカスレンズ群を駆動させる機構を詰め込まねばなりません。そのため光学設計、メカ設計、アクチュエーター設計の3者が密接に話し合い、ほぼ隙間なく部品を詰め込むことでこれを実現することができました。また、ただ軽くするのではなく、信頼性と性能を両立させるため、求められる強度に応じて金属材料やカーボンフィラーを含有した特殊なエンジニアリングプラスチックなどを細かく最適化を行うことで強度を確保し軽量化も追求しています。――小型化についてはいかがでしょうか?坂本:レンズ全体の長さは光学的にほぼ決まってしまうので、メカ設計としては少しでも小径化することに注力しています。『FE 24-70mm F2.8 GM II』でも採用した、フローティングフォーカス機構の2つのレンズ群をオーバラップするように動作させる仕組みを取り入れるなど、パズルのような地道な小型化の積み重ねと最適化で、全体を細くしていきました。内部構造を見ていただければ分かると思いますが、ほとんど隙間なく部品が押し込まれています。このような小径化の工夫は今までのG Masterの設計ノウハウを生かしたものです、これにより体積が減り軽量化にもつながっています。今回は『FE 24-70mm F2.8 GM II』よりも1段明るいレンズですから、より重いフォーカスレンズ群を動かすためにより大きなフォーカスアクチュエーターが必要になります。しかし、それだとレンズが大きくなってしまいます。そこでこの製品では小型高効率のXDリニアモーターを搭載してエンジンのサイズを小さく抑え、フローティングフォーカス機構とズーム機構を同じ空間の中に入れ込む手法を採用しました。これにより内部空間の無駄をさらにそぎ落とすことができ、レンズ全体を小径化することができました。小径化は体積が減るのでもちろん重量減にも寄与しています。実際にこのレンズを手に取っていただければ、実用的な軽量設計という印象にとどまらず、「構えていて自然に感じる」「振ってもバランスが崩れない」といったフィーリングの違いを、きっと感じていただけるはず。F2の大口径ズームレンズでありながら、単焦点に迫るクオリティと機動力を両立する――そんな新しい価値を、プロフェッショナルにもしっかり届けられるレンズに仕上がったのではないでしょうか。
レンズの描写性能を、余すことなくセンサーに届けるAF性能
――『FE 28-70mm F2 GM』のAF性能についても聞かせてください。佐藤:“一瞬を逃さないAF性能”と“創作に集中できる快適さ”の融合を目標としました。ウェディングやスポーツなど、一瞬のチャンスが勝負を決めるシーンで、撮影者の意図に素早く正確に応え、確実な一枚を撮影するための高速・高精度・高追随なAF動作、クリエイターが撮影に集中できるよう低振動、高い静粛性 にこだわっています。そのためにこれまでのG Masterシリーズで培ってきたすべてのAF技術とノウハウを投入しました。2つの独立したフォーカスレンズ群を持つフローティングフォーカス構造を採用し、それぞれに2基ずつ、合計4基のソニー独自の高出力XDリニアモーターを搭載しました。これにより、重いフォーカスレンズ群を高速かつ正確に同期駆動させることが可能となっています。また、F2という浅い被写界深度での高精度なピント合わせを可能にするために、フォーカス位置をミクロン単位で検出する高精度センサーを搭載しています。さらに、光学群の重心バランスの最適化により、モーターの推力を無駄なく伝達する構造を採用しました。これにより、AF駆動の静粛性・精度・応答性を飛躍的に高めています。ただし、フォーカスレンズ群を高速に動かすとノイズ・振動といった撮影への集中を阻害する要素がでてきてしまいます。高速性と静音・低振動という相反する要素を両立するために、XDリニアモーターの駆動パターンやフォーカスレンズ群の動きは実機検証を何度も繰り返し行い、駆動時の音や振動を抑えることで静粛性を達成しました。今後のカメラボディの進化も見据えた、妥協のないAF体験を提供できたのではないかと思っています。これら技術の結集によって、クリエイターが機材の存在を意識することなく、被写体に集中し、創造性を最大限に発揮できる快適なAF性能を実現しています。瞬間を確実に捉え、イメージを狙い通りに具現化する――そのために設計されたAFシステムを、ぜひ体感していただきたいです。
<XDリニアモーター図版>
プロの現場で真価を発揮する映像表現と操作性
――昨今注目度の高まっている動画性能やその際の操作感についてはどのようなこだわりもって取り組みましたか?山崎:『FE 28-70mm F2 GM』は、映像制作の現場におけるあらゆるニーズに応えるべく、動画性能、操作性にもこだわりぬいています。その一つがフォーカスブリージングの低減です。フローティングフォーカス機構を導入することで、フォーカス位置による画角変化を極限まで抑制しました。これにより、映像に不要な揺らぎを感じさせない、高品位な動画撮影を実現しています。佐藤:動画撮影においては“自然で違和感のないフォーカシング”に徹底的にこだわりました。F2の浅い被写界深度を活かしたピント送りやズーミングにおいても、動画専用に最適化された制御パラメーターを用いて駆動することで、意図したピントの移動が違和感なく自然に表現できるようにしています。フォーカスの速度や加減速の立ち上がり方・とまり方などの繊細な動きをチューニングし、撮影者の意図を反映できるようなフォーカシング性能を実現させました。坂本:操作性の面でも、ズームリングのトルク感を「SMOOTH/TIGHT」モードで切り替えられる機構を搭載しています。これにより、SMOOTHモードでは、素早くスムーズなズーム動作を必要とする撮影に対応しながら、一方でTIGHTモードにすることで、静止画・ジンバル撮影などで不用意にズーム位置が変わってしまうのを防ぎます。さらにTIGHTモードは低速のスローズームを利用する際にも活用できます。また、マニュアルフォーカスでの使用にも配慮し、フォーカスリングの位置やトルク、回し心地の良さを徹底的に検証し、直感的で高精度な操作感を追求しています。操作した角度にダイレクトに応答する「リニアレスポンスMF」に対応し、リングのわずかな動きにも正確に反応できるよう、感性に訴えるチューニングを施しています。さらに、絞りリングのクリック感ON/OFF切り替えや、可変NDフィルター操作をサポートするフィルター操作窓付きのレンズフードなど、撮影を快適にする工夫を随所に施しています。山田:ズームレンズでありながら全域F2というスペックを実現したこのレンズは、印象的な浅い被写界深度表現と優れた操作性を兼ね備え、ドキュメンタリーから映画・ドラマ撮影まで、さまざまな映像制作の現場で使っていただきたいです。
未来を見据える、ソニーのレンズ設計思想
――『FE 28-70mm F2 GM』の開発においても共通するソニーのレンズ設計思想について聞かせてください。初治:ソニーは、イメージセンサーや画像処理エンジンを含む中核部品を自社で開発し、カメラとレンズを“トータルシステム”として同時に設計・開発できる体制を備えています。だからこそ、現在だけでなく未来のカメラ性能をも見据えたレンズ開発が可能です。『FE 28-70mm F2 GM』は、F2通しというスペックに加え、『α9 III』の120コマ/秒連写や8K・4K120p動画撮影など、現行ボディの性能を最大限に引き出しながら、将来のさらなる進化にも対応できる設計を追求しました。また、長時間の過酷な環境下でも信頼して使用すること可能になっており、最高の一瞬を狙い続けることができる高い信頼性を実現しています。撮影者の声と期待に応える、妥協なきつくり込みと細部へのこだわりが未来の表現とαシステムの進化を支える高い信頼性につながっていると考えています。
最高の一瞬を切り取りたいすべての人に使ってほしい
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。初治:『FE 28-70mm F2 GM』は、撮影者に新たな撮影体験を届けるために、設計チームが一丸となって技術的な挑戦を続けた結果生まれたレンズです。特に小型軽量化においては、高い目標を定め、上流のレンズ構成とレイアウトの探索から始めました。材料の選定についても細心の注意を払い、高効率のXDリニアエンジンを搭載し、最後には少し残った贅肉を落とすように個々のパーツの重量を最適化させることで達成しています。過去の成功に甘んじることなく、技術に裏付けされた新しいアイデアや方法論を採用し設計に取り組みました。その結果、小型軽量でありながら、卓越したパフォーマンスを誇るF2通しのズームレンズが完成しました。我々の強みは、つねに“攻めの姿勢”を持ち続け、確かな技術に基づいて挑戦を続けてきた点です。G Masterというブランドを支えてきた挑戦心は、すべての設計において最先端の技術と革新を追求する力となり、アイデアを出し合い、技術的な試行錯誤を繰り返す中で、解像力、ぼけ、そして使いやすさにおいても最高のバランスを実現できたと考えています。今まで見たことのない世界が広がる瞬間を、ぜひこのレンズで体験してください。私たちの挑戦心と技術の結晶が、クリエイターのクリエイティビティを刺激し、新たな表現の可能性を広げることを確信しています。
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