
α1 IIとα7R Vで旅する七色の風景
写真家 萩原れいこ 氏
「CP+2025」で写真家の萩原れいこ氏にお話しいただいた内容や発表作品を、α Universeでも特別にご紹介。「α7R V」と「α1 II」、それぞれの特性を生かして彩り豊かな日本の風景を撮影している萩原氏。愛用している「G Master」レンズの魅力に触れながら、独自の撮影術や印象的な風景写真を撮るテクニックなどを披露します。
萩原 れいこ / 写真家 沖縄県出身。学生時代にカメラ片手に海外を放浪した後、日本の風景写真に魅了されていく。車内泊用に改造した軽ワゴンで日本縦断を敢行。隔月刊「風景写真」の若手風景写真家育成プロジェクトにより、長野県志賀高原での写真修行を経て独立。“自然の永遠の営み”をテーマに、嬬恋村、志賀高原、沖縄県をメインに活動中。嬬恋村キャベツ大使(観光大使)。個展「Heart of Nature」、「羽衣〜Hagoromo〜」、「地獄」などを開催。写真集「Heart of Nature」(風景写真出版)、「風景写真まるわかり教室」(玄光社)などを執筆。撮影のほか、撮影指導、写真誌への寄稿、セミナー講師などを行う。
高画素カメラと「G Master」レンズで描く旅で目にした色彩豊かな風景
みなさん、お集まりいただきありがとうございます。私のセミナーは「α1 IIとα7R Vで旅する七色の風景」ということで、日本全国、色とりどりの風景を旅するような気持ちで楽しんでいただけたらと思います。本日は「α1 II」と「α7R V」で撮影した作品をお持ちしました。「α7R V」は私がずっと使い続けているα7Rシリーズのカメラで、有効約6100万画素の高解像と15+ストップの広いダイナミックレンジが魅力的な、風景写真にぴったりのカメラです。
「α1 II」は2024年に発売されたフラッグシップ機で、有効約5010万画素の高画素モデル。シャッターを押した1秒前からさかのぼって記録できる「プリ撮影」やAI プロセッシングユニット、8.5段の手ブレ補正機能と、最先端の機能をギュッと詰め込んだ1台となっています。さらに、私がよく使っている「G Master」レンズもご紹介したいと思います。「G Master」レンズの魅力は、ぼけ味の美しさとピント面の解像感を両立しているところです。さらに画面周辺に至るまでの歪みのない描写や、逆光耐性の強さなど、かなりハイクオリティのレンズとなっております。
上の画像、左から「FE 16-35mm F2.8 GM II」「FE 24-70mm F2.8 GM II」「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」とF2.8の大口径レンズ3本をベースに、右から2番目の「FE 14mm F1.8 GM」、新しく発売された一番右側の「FE 28-70mm F2 GM」も使っているので、作品とともにレンズについても解説していきたいと思います。
絞り込んでも開放でも思い通りの画に。高解像でシャープに描き出す「α7R V」
では、さっそく「α7R V」で撮影した作品からご覧いただきたいと思います。下の作品は長野県内にある菜の花畑で撮ったものです。山の中にあるためか、誰もいないという贅沢なシチュエーション。菜の花畑の間に道が通っていて、そこを歩く高揚感を伝えたいと思い撮影しました。
こういうシーンはパンフォーカスで撮影しがちですが、あえてF2.8の開放で撮っています。ピントは道が見えなくなるあたりの角の部分に合わせていますが、F2.8のピント部分はとても解像力があるんですよね。前ぼけも、そして春霞がひどかった背景の山もきちんと描かれていて、「G Master」レンズの魅力を感じながら撮影したシーンになります。
上の作品は、種類豊富な杏の花が色とりどりに咲いている長野県更埴市の「あんずの里」で撮った1枚です。10mほど先にある杏の花にピントを合わせて、こちらも開放のF2.8で撮影しました。「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」はかなり気に入っていて使い過ぎているくらいので、最近はあまり使わないようにしているんですよ。撮っていてモチベーションが上がるほど、素晴らしい透明感です。暗い山肌を背景にして、光が当たった杏がフワッと浮かび上がるような状況をつくり、さらに逆光で前ぼけをキラキラと輝かせています。
6月にはレンゲツツジという山に咲くツツジを撮影しました。上の写真はF22で撮っています。絞り過ぎると画質が落ちる回折現象が起きてしまうので、私はF16くらいに抑えて撮ることが多いです。でも、この場合は手前のレンゲツツジから右奥のシラカバ、背景の山肌まで見せたかったのでF22まで絞り込みました。絞り込んでもシャープ感や解像力が素晴らしいですよね。最近の7Rシリーズは本当に解像感が高いので、F22まで絞り込むシーンがとても増えました。実は「α7R V」には、手前から奥まで順番に撮った写真を合成してパンフォーカスにするフォーカスブラケットという機能も搭載されています。でもこのシーンは、刻々と朝靄が流れていて背景の山肌の光もどんどん変わっていたので「一発で撮ろう」と思って絞り込んで撮影しました。
逆光耐性に強く、太陽を入れてもクリアに表現。可動式モニターと手ブレ補正で手持ち撮影が増えた
こちらは桜と山に沈みゆく夕日を撮ったものです。この逆光耐性の強さが、「G Master」レンズを気に入っているポイントのひとつになります。ゴーストやフレアが出にくく、真正面から太陽を狙っても非常にクリアな描写に仕上げてくれます。
上の作品は私のお気に入りの1枚です。青森県の八甲田山に私の家族が「ブナの大王」と名付けた木がありまして、それを探しに行ったのですが、このブナの木は目的の大王ではなく、新しく私が見つけた大王です。このようにブナの木を迫力たっぷりに描くポイントは2つあります。ひとつは曲線が特徴的な木を探すこと。もうひとつは超広角レンズでグッと近寄って見上げて撮影することです。おまけに太陽を写し込んで光条を見せると、よりパワーを感じる作品に仕上げることができます。この作品は「FE 14mm F1.8 GM」で撮影していますが、16mmでは得られない迫力とダイナミックさが14mmの特徴です。光条がとてもきれいですよね。このレンズ使う時、私はいつも太陽を入れたくなります。こだわりは、太陽の下にハートマークの空洞を入れているところです。きれいな光条とハートマークが見える立ち位置を探しながら撮った1枚になります。
沖縄の離島では、きれいな青い海を撮ってきました。橋のたもとの駐車場に車を置き、「FE 16-35mm F2.8 GM II」を付けたカメラを肩からぶら下げて橋の上を歩きながら撮影しましたが、この日は熱中症注意報が出るほど暑さ。2Lのペットボトルをがぶ飲みしながら熱中症にならないように、スピーディに撮影を進めました。橋の上から撮影する場合は動きが制限されるので、単焦点レンズよりもズームレンズが便利です。現場では橋の欄干が入らないように、こんなふうに手を伸ばして撮っています。
どんな方向にも向けられる4軸マルチアングル液晶モニターはとても便利で、しっかり構図を追い込みながら感動するほど美しい海を撮影することができました。
こちらは、海岸の地層に、潮風にも荒波にも負けずに木が這いつくばって伸びている、私が大好きな沖縄の秘密の場所です。そこに朝日がスッと差し込み、一瞬真っ赤に染まって背景の青空が出てきたと同時に右後ろに虹が出たんです。「これは撮らなきゃ」と思って興奮しながらカメラを構えました。一瞬の風景ですし、足場も悪かったので、手持ちで岩の上をぴょんぴょんと飛びながら撮影しました。シャッタースピードは1/15秒ですが、全然ブレていないんですよ。「α7R V」は8段の手ブレ補正機能を搭載しているので、安心して手持ち撮影を楽しめます。次の作品は、真っ暗な鍾乳洞の中を5分ほど歩かないと行けない場所で撮影しました。
途中でコウモリが飛んできたりして「ちゃんと帰って来られるかな」と思いながらヘッドライトの明かりを頼りに進んでいくと、この景色が広がっていました。なんだかタイムトリップしたような感じでしたね。日が差し込む左の奥行きを生かしつつ、右の岩壁に近づいてダイナミックに岩肌を捉えながら16mmのワイドで撮りました。それでも歪みのない描写に感動して、とても気に入っている作品です。
広いダイナミックレンジで激しい明暗差も写しきる。ISO感度12800でも満足の仕上がりに
暑かったので日陰に入ったところ、漁業用の浮き玉がありました。最近の浮き玉は色つきでおしゃれなんですよね。
赤やオレンジの半透明の浮き玉を意識しながら撮りましたが、撮った後にびっくり。これだけ輝度差があるのに、白飛びも黒潰れもしてないんですよ。沖縄の太陽は東京の2倍ぐらいの強さで本当にギラギラしているのに、影になっている葉脈から日なたの白い雲までしっかり描けている。「α7R V」はダイナミックレンジが15+ストップとかなり広いので、この写真のように真ん中だけ抜けていてハーフNDフィルターが使えないシーンでは非常に心強いです。
上の作品は、滝の裏側に回り込んで撮影したものです。水の勢いがすごくて1/1000秒でも水しぶきが止まらず、1/5000秒までシャッター速度を上げて撮りました。背景の緑色の葉にもピントを合わせたかったのでF8まで絞っています。その結果、ISO感度が12800になりましたが、それでもこの画に仕上げられるのが素晴らしい。RAW現像で多少ノイズリダクションをかけていますが、6100万画素の高解像になるとノイズを気にされる方もいらっしゃると思います。ですが日中に適正な露出で撮影すれば、ノイズはほとんど気になりません。これなら積極的に感度を上げてもいいのではないかと思いますね。
こちらは土砂降りの雨の中で撮った、撮影会での1コマです。傘をさしてカメラにレインカバーをかけていましたが、それでも濡れてしまうほどひどい雨でした。でも、「α7R V」は防塵防滴に配慮した設計になっているので、不具合を起こすことなく作品に仕上げることができました。激しい雨だったからこそ雨粒の細やかな描写も表現できた、という1枚です。雨の日は撮影が億劫になりがちですが、土砂降りの雨だからこそ撮れる画もあることを実感したシーンでした。
こちらは高山植物の女王と呼ばれているコマクサで、とても低い位置に咲いているお花です。この時も4軸マルチアングル液晶モニターを楽な体勢で撮れる位置に調整しました。縦位置でのローアングルも、とても快適に撮影ができます。
昔だったらファインダーを覗きながら寝転んで撮っていたシーンですよね。自然の中ならまだしも街中で寝転んでいたら変質者になってしまうので、非常にいい時代になったと思います。楽な体勢で撮影できると体力を使わずに集中力を維持できるので、その後の撮影にも引き続き高いパフォーマンスで挑むことができます。
こちらは何気ない足元の風景ですが、とにかく緑の美しさに感動して撮影しました。このように俯瞰で風景を撮るときは「FE 24-70mm F2.8 GM II」をよく使います。ご覧いただくとわかると思いますが、周辺の解像力が素晴らしい。こういうシーンは少しピントが外れるところが出がちなので、F16まで絞り込んでしっかりパンフォーカスで撮影しました。
「α1 II」では最高約30コマ/秒の連写も活用。動きを捉えられると風景写真もより良い作品に
ここから「α1 II」で撮影した作品をお見せしたいと思います。秋になりました。朝靄が薄くて光もあまり差していなかったので天候条件は60点くらいでしたが、紅葉の状態がよく、水面のリフレクションがとてもきれいだったのでそこを狙って撮影しました。
低い位置にカメラを構えて、層にして圧縮するような形で薄い印象だった朝靄を濃く描いています。撮っているうちに鯉がパッと波紋をつくってくれたので 「これはチャンスだ」と思って、単写から連写に切り替えて撮影しました。「α1 II」の魅力は動体に強いところです。動体というと動物や鳥だけと思いがちですが、風景写真でもこういう突如としたチャンスで機動力を発揮してくれます。「α1 II」はダイヤルを回すだけで連写に切り替えることができるのも便利です。
上の作品は渋峠という有名な朝日の撮影ポイントで撮ったものですが、この日は天候に恵まれました。このシチュエーションではハーフNDフィルターが使いづらいので、フィルターを使わずに撮りましたが、この輝度差でも白飛びや黒潰れがなく、美しいトーンで描くことができました。「α1 II」はダイナミックレンジが15ストップとなっています。
こちらは別の日に撮った作品ですが、ものすごく風が強くて突風が吹くと三脚が倒れるくらいでした。雲が刻々と流れているので、チャンスは一瞬です。スピード勝負の状況でしたが「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」を使い、クロップ撮影しています。クロップしても2100万画素もあり、作品として成立するのがいいところ。風によってさざ波が立った水面がキラキラと輝いていたのでそこを狙いつつ、連写して雲の形が整っているものを選んで持ってきました。
こちらは「FE 14mm F2.8 GM」で撮っているので、やはり光条がきれいですよね。本当に見上げて撮るのが楽しいレンズです。「α1 II」はフラッグシップ機なので重たい印象があると思いますが、グリップが握りやすく、個人的には軽量に感じるので手持ち撮影も快適です。EVFは944万ドットととても美しいので、ファインダー派の人も楽しめると思います。
こちらはリンゴ畑を俯瞰で撮影したシーンですが、偶然にも背景に煙がもくもくと湧いていました。そのため煙の位置と背景の道路の位置、そしてリンゴの位置のバランスを緻密に取りながら撮影しました。少し高い位置から撮影したので、この時もマルチアングル液晶モニターが役に立ちました。「α1 II」は手ブレ補正機能も中央部分で8.5段と進化しているので、足場が悪い場所や急いで撮影しなければいけない時などは手持ちで撮ることが増えています。
こちらも手持ち撮影です。12月になって霜が降りた時に撮影しました。みなさんのご近所でも霜が降りることがあると思いますが、ぜひ水溜りも探してみてください。水溜りには写り込んだ色が見えるので、大地に光が当たる前は順光方向で待つと、正面にある山が朝日に当たってオレンジ色に輝きます。それが写り込んでオレンジとブルーのトーンが見えてくる。そして、光が射してきたら逆光方向にまわり、霜がキラキラと7色に輝くところを望遠レンズで狙います。霜が降りたシーンは水溜りを見つけて、周辺をグルグルまわりながら撮影すると、魅力的な霜の画が撮れると思います。
画づくりの機能クリエイティブルックを使い雰囲気に合わせて画面比率を積極的に変える
秋の渓谷はPLフィルターとNDフィルターの両方を使って撮影しました。PLフィルターを使うことで水面の反射を抑え、さらにNDフィルターをかけてシャッター速度を10秒にしています。
私は可変式NDフィルターが好きで、このようにシャッター速度をコントロールする時も絞り優先で撮影することが多いです。現場は足元が滑りやすかったのですが、カメラがとても軽くてコンパクトなので丁寧に撮影することができました。
次はしみじみとした哀愁の漂う葉を写した、少し渋めの作品ですね。クロップ撮影しているので2100万画素の画になります。ソニーのカメラにはクリエイティブルックという画づくりのモードがあり、こちらは「FL」を選択しました。「FL」は緑色が少しブルーがかっていて、さらに少し彩度を落としたフィルムライクな印象に仕上げられる設定です。このクリエイティブルックの設定を変えるといろいろな表現を楽しむことができます。
私は画の雰囲気に合わせて、1:1や16:9など画面の比率を積極的に変えて撮影しています。例えば、上の作品のような和を感じる渋いシーンは1:1で撮るのが好きです。この作品は、セミナーで使う巨大モニターでディテールまで見てみたいと思って持ってきましたが、背景のススキの描写もしっかりと表現されていて素晴らしいですよね。クリエイティブルックは、コントラストを抑えてシャドウ部の階調を滑らかに描いてくれる「NT」を選択しています。
こちらは長野県のなべくら高原で撮影した1枚です。秋、紅葉の時期に突然雪が降ったので、車を走らせて峠を上りました。標高を変えながら探していくと、紅葉がきれいな場所と雪がきれいな場所があるんですよね。登りすぎると雪でまったく見えなくなり、下がりすぎると雪がなくなってしまうのでいい塩梅のところを探して見つけた場所になります。閉山のゲートがあと15分で閉まってしまうというタイミングだったので、慌てて手持ちで撮影。フラッグシップ機でも機動力が高く、軽快に撮影できました。
こちらは新しく発売された「FE 28-70mm F2 GM」で撮影した作品です。開放F2で撮りましたが、玉ぼけがとてもきれいですよね。大きな玉ぼけとシャープな描写力が本当に素晴らしい。雪が降っているシーンはフラッシュを使って玉ぼけをつくります。F2.8など、少しずつ絞り込んでも非常に良い玉ぼけの画が得られるので安心感があります。雪が降っている日は撮影を諦めがちですが、太陽が昇る瞬間や沈む瞬間を待っていると一面がパッとピンク色に染まったり、青空が見えたり、変化に富んだ風景を見ることができるので諦めず撮影していただけたらと思います。
上の作品は遊び心で撮ったものです。フラッシュを使って背景の雪原に影を落とし、まるでステージで2人が踊っているかのような画づくりをしてみました。スノーシューを履いて雪原の上を歩きながらだったので、手持ちで撮っています。いいカメラは三脚を使ってどっしり構えて撮らなければ、という気持ちになると思いますが、こんなふうに遊び心あふれる画を楽めるのも魅力かな、と思います。
こちらもスノーシューを履いて、標高2300mの樹氷原に行って撮ったものです。マイナス20度の世界ですね。今年は大雪で腰くらいまで雪がある中、一生懸命歩きながら撮影しました。樹氷原は超広角レンズで撮るのがおすすめです。
風景の中の動きには「プリ撮影」を活用。選択の幅が広がりより美しい瞬間を選べる
少し春らしい景色になってきました。「α1 II」で私が一番魅力を感じているのは、風景の中にたたずむ鳥など、動くものを風景とともに撮れることです。
こちらは伊勢半島で撮ったアロエの花ですが、シャッターを押した1秒前から記録できる「プリ撮影」という機能を使って撮影しています。秒間30コマの連写ができるので、鳥が羽を広げた美しい瞬間を選ぶことができました。
埼玉県・長瀞にある宝登山にはロウバイを撮りに出かけました。この時はつむじ風で落ち葉が舞い上がっていたので、「α1 II」なら撮れると思い、地面にカメラを置いてプリ撮影をオンにして高速連写で撮影しました。いいカットがたくさん撮れたので、どれにしようかとうれしい悩みで悲鳴が上がったぐらいです。
こちらも同じく宝登山のロウバイです。ロウバイは花びらがロウ細工の質感に似ていることから名づけられたようですが、黄色い色と質感、そして夕暮れ時の空を美しく撮ることができました。
こちらが最後となります。西を向いて夕日を撮影している時にふと東側を向くと、お月様が昇っていたんですね。空のグラデーションがとてもきれいで、暗い時間でしたが月は白飛びせずにギリギリまで粘って撮れました。やはりダイナミックレンジが広く、安心感のあるカメラだと思います。
カメラからLightroomへ画像を自動転送。事前の設定方法をわかりやすくレクチャー
最後に少し編集のワークフローについてお話をしたいと思います。私が使っているのは、スマートフォンやタブレット用のアプリ「Creator’s App」と、ソニーユーザーであれば25GBまで無料で使うことができる「CREATOR’S CLOUD」です。
今まではカメラからスマホに画像を転送して、スマホからクラウドに転送していましたが、昨年末にアップデートされて、カメラから直接クラウドに転送できるようになりました。
さらに、クラウドに転送された画像がLightroomやGoogleドライブにも自動的に転送できる仕組みになったんです。こちらに関しては「α1 II」や「α7R V」のほか、上の画面の右下に記載している機種に対応していて、Wi-Fiが使える環境で行うことが条件となっています。クラウドへの転送に関しては「Creator’s App」で事前に設定が必要なので、その画面の一部をお持ちしました。
クラウド機能という項目ではアップロードするファイル形式を、例えば静止画はJPEG、動画はHD動画といった感じで選ぶことができます。私の場合、撮影した画像はすべて外付けのハードディスクに一度移して、そこから編集に入るのが基本ですが、撮影した直後にSNSにアップしたい、撮ってすぐの感動を家族と共有したい、といった時はプロテクトした画像だけを転送することもできます。このほかスロット1のみ、スロット2のみなど、アップロードするメディアを選ぶこともできます。
もう一つは、アップロードの条件です。これもプロテクトをした画像、レーティングした画像と選ぶことができるので、レーティング5だけを転送するなど細かな設定も可能です。また、LightroomとGoogleドライブに関しても事前に設定しておかなければ転送できない仕組みになっていますのでご注意ください。このように設定さえ済ませておけば、撮影後に帰宅してカメラのスイッチを入れるだけで、カメラ内の画像が自動でクラウドに転送されます。ちょっと恥ずかしいですが、イメージはこんな感じです。
カメラのWi-Fi設定に自宅のWi-Fiを登録して、そのWi-Fiの環境下でスイッチをオンにすれば自動的にクラウドに転送され、そしてLightroomに転送することができます。リビングでコーヒーを飲みながらでも、スキマ時間でも撮影画像を転送でき、非常に効率よく編集を楽しむことができるようになりました。たくさんの作品と資料をお持ちしたのでだいぶ駆け足になりましたが、少しは旅の気分を味わっていただけたのではないかと思います。最後までご視聴いただきありがとうございました。
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