鉄道絶景+α

鉄道絶景+α
第13回湘南モノレール

鉄道写真家 中井精也 氏

α Universe editorial team
α1 II,FE 16-35mm F2.8 GM II 28mm,F4.5,1/2000秒,ISO250

撮影日:8月22日 12時04分湘南モノレール(湘南江の島駅付近)

夏らしい入道雲を背景に、トンネルから飛び出してくる列車をFE 16-35mm F2.8 GM IIで捉えた。軌道からぶら下がる懸垂式モノレールは、世界的にも希少な存在だ

小型・軽量が生む自由。身軽に楽しむフォト散歩

最近のG Masterは、光学性能を進化させつつ、小型・軽量化が図られているのは喜ばしいかぎりだ。僕のメインレンズである大三元ズームと呼ばれるFE 16-35mm F2.8 GM II、FE 24-70mm F2.8 GM II、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの3本もII型になり、劇的に小さく、軽くなった。手持ち撮影が多い僕にとって、この進化は非常に役立っている。今回はその3本のレンズを軸に、「ここぞというときの1本」としてFE 24mm F1.4 GMを加え、気ままに沿線をスナップする「G Masterフォト散歩」を行った。

今回訪れたのは、世界的にも数例しかない「懸垂式」のモノレールである湘南モノレール。50年以上の歴史ある路線だけに、後進の懸垂式モノレールよりも高度が低く、まるで街や森をかすめて飛ぶように走るその姿は鉄道絶景と言えよう。カメラはα1 IIの1台でモノレールを乗り降りしながらスナップを楽しんだ。レンズ1本のみ装着したα1 IIを首から下げ、小さなカメラバッグ1つで旅するフォト散歩は自由度が高く、フットワーク軽く撮影に没頭できた。スナップする上でこだわったのは、列車が地上を走るのではなく、空を飛ぶという違和感を伝えること。いつもと違い、レンズを空に向けて列車を撮るという姿勢に戸惑いつつも、季節を感じさせる入道雲や、サルスベリなどの花々を添えて、テンポ良く撮影を進めた。このような撮影ができるのも、最高の性能を持ちながら小型・軽量化を実現したαのボディと、G Masterならではと言えよう。フラッグシップのカメラやレンズは、どうしても力んで構えてしまいがちだが、三脚も使わず気軽に楽しむスナップ撮影はいつもと違う喜びがある。たまには、ミニマムな装備でフォト散歩に出かけてみてはいかがだろうか?

α1 II,FE 24mm F1.4 GM 24mm,F1.4,1/3200秒,ISO200

撮影日:8月22日 12時54分湘南モノレール(西鎌倉〜片瀬山)

FE 24mm F1.4 GMの美しいぼけを生かし、サルスベリにレンズを突っ込むような姿勢で撮影した。画面全体をぼけで満たすことで、まるで絵画のような印象になった

α1 II,FE 16-35mm F2.8 GM II 36mm,F13,1/8秒,ISO250

撮影日:8月22日 12時11分湘南モノレール(車内)

ガラスにFE 16-35mm F2.8 GM IIを密着させて、1/8秒という低速シャッターで撮影。森からトンネルに吸い込まれるような、ダイナミックな1枚に仕上がった

α1 II,FE 24mm F1.4 GM 24mm,F1.6,1/1600秒,ISO100

撮影日:8月22日 14時51分湘南モノレール(片瀬山〜目白山下)

浅いピントはぼけの美しさだけでなく、撮り手が何を見せたいかを雄弁に語る。はかなげな花をしっかりとピント面で見せつつ、優しいぼけで柔らかさを演出した

α1 II,FE 70-200mm F2.8 GM OSS II 180mm,F2.8,1/800秒,ISO200

撮影日:8月22日 7時33分湘南モノレール(大船〜富士見町)

何も知らない人なら、建物の間から突然飛び出してくるモノレールに仰天することであろう。FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIで風景を圧縮して、迫力を加えた

<Pickup LENS>FE 24mm F1.4 GM

大三元ズームレンズに加えて「ここぞという時の1本」として持ち歩くことが多いレンズ。G Masterならではの圧倒的に高精細な描写力をF1.4から実現、開放F1.4でありながら驚きの小型ボディで、質量はクラス最軽量の約445gしかない。美しいぼけと、ピント面のシャープさを両立できる神レンズだ。

<Photo Technique>

4本持っても苦にならない小型・軽量レンズ

FE 16-35mm F2.8 GM II、FE 24-70mm F2.8 GM II、FE 70-200mm F2.8 GM OSS II、FE 24mm F1.4 GMは開放F値が明るく、高性能なレンズでありながら、4本で3kgに満たない軽量さ。さらに小型ボディなのでカメラバッグに収めやすく、フォト散歩に最適なのだ。

<絶景EPISODE>

α1 II,FE 24mm F1.4 GM 24mm,F16,1/320秒,ISO1600

列車が空を飛んどる?撮影日:8月22日 12時38分湘南モノレール(西鎌倉〜片瀬山)

「なんで電車が空を飛んでいるんじゃぁ〜!?」なんて驚いていそうな、タヌキの表情が面白い。機材が軽くなると、フットワークも軽くなり、作品の自由度も広がる。「いい写真を撮るぞ!」という気負いを抑え、自由な発想でカメラを構えることで、新たな視点が広がるのかもしれない

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