「あらき LIVE ARK CLASSICS」:マルチカメラモニタリングでライブ撮影の業務効率化を実現。映像クリエイター向けアプリ『Monitor & Control』

Cinematographer 太田圭祐 氏

α Universe editorial team

Cinematographer/ Technical Director 太田圭祐(けっけ) 2001年生まれ。千葉県出身。川口雄介氏らの助手経験を経て独立。ライブ撮影からキャリアをスタートし、現在は広告分野にも活動の場を広げている。主な撮影実績に舞台ハリーポッターTVCM(一部)/ 防衛省採用広告/ SONY Beyond the SCENE TALK/ 三井住友銀行CM/ 静岡銀行TVCM など

ケーブルレスで遠隔からマルチカメラのモニタリング、設定変更。予算や人数の限られた現場などで真価を発揮するツールMonitor & Control

フリーランスとして国内外問わず広告の撮影監督やライブの技術監督、カメラマンをされているCinematographerの太田さんに、「あらき LIVE ARK CLASSICS」で「Monitor & Control」を活用されたインプレッションについて語っていただいた。あらき「ヒビカセ - Rearrange Cover」-LIVE FILM-参考: 太田さんが関わられた あらき「ヒビカセ・Rearrange Cover LIVE」

――ソニーの映像クリエイター向けアプリ「Monitor & Control」をお使いいただいているとのことですが、活用方法について教えてください。最初はスマホからカメラで撮れている画を確認できる便利アプリとしてMonitor & Controlを使っていましたが、使っているうちに様々な機能が搭載されていることを知り、これは広告やライブの撮影現場でも使える場面があるのではないかと気付き、今では撮影現場で欠かせないツールとなっています。FX6をメインカメラに、FX3をサブカメラとしてジンバルに載せて運用する現場などでも、アシスタントがMonitor & Controlを活用しフォーカスを送ることができるため、アングルの制限なく撮影をすることができています。ライブでは、天吊りカメラや触りにくい位置にある定点カメラの管理にMonitor & Controlを使うこともあります。リアルタイムで設定確認や変更、Recの確認、バッテリー・メディア残量を一元的に把握でき、助かっています。

――今回のライブでは、BURANO、FX6、Z200複数の異なるソニーカメラとMonitor & Controlを組み合わせて運用されたとのことですが、その運用方法を選ばれた理由は何ですか?

今回のライブにはテクニカルディレクター(TD)として参加しました。TDは、公演内容に基づいて機材の選定や配置、カメラワークなどを決めるのが主な仕事です。ディレクターと創りたい映像のイメージを共有しながら、現場の技術的な制約や予算面などとのバランスをとり、撮影方法を決定します。このライブでは、高感度耐性などの画質面、現場での機動性などの観点から、Cinema LineのVenice2/BURANO/FX9/FX6/FX3だけでなくハンディカムコーダーのZ200など、多くの機種が異なるカメラを導入しながらも、比較的少人数で効率的に運用するというところが課題でした。ソニーのカメラは今回のように様々な機材を組み合わせた運用でもS-CinetoneやS-Log3などLookを統一した設定での収録を行うことができるため異なる機種での混在運用がしやすく、ライブ撮影でも導入しやすく感じています。ドラムやバックショットなどのステージ上に設置した4台のFX6をMonitor & Controlで1台のiPadに接続し、マルチモニタリングの機能を使い効率的に遠隔かつ一元的に設定変更を可能にするようセッティングしました。また、それぞれのカメラを接続するためのWi-Fi環境も構築しました。これにより、リハーサル中でもリアルタイムで離れた場所から露出の確認や画角チェックができるため、導入機材を増やすことなく簡易的にシステムカメラの様な運用が可能になりました。

――今回Monitor & Controlを使用した際に感じた課題点等があれば、教えていただけますでしょうか?今回のライブでは「電子切り出しフレーミング」という機能も試験的に導入してみました。Z200の電子切り出しフレーミングをMonitor & Controlから操作し、任意のタイミングで自動的にズームをiPad上でコントロールできた点は便利でしたが、画質を更に向上していただけると、今後更に本線での運用の機会が増え、離れた場所からフレーミングをコントロールするという業務効率化の可能性を感じました。これから対応機種も、他のモデルに拡大して欲しいと思います。また、アプリ上の課題という訳でないのですが、実際に会場でMonitor & Controlを動かしてみて感じた課題は、Wi-Fiを使うが故のカメラとアプリ間のネットワークの安定接続性です。過去に同じ様なシチュエーションで運用したこともあり、前日の機材チェックでも確認はしていたのですが、収録日当日の環境では、アプリとカメラとの通信強度に問題があり、スムーズにはいきませんでした。そのため、カメラを接続していたWi-Fiルーター自体を電波の強い機種に変更したり、ルーターの置く位置の高さを変えてみたりして、安定して接続できるように工夫しました。Wi-Fiの電波を使っている以上、他の電波と干渉しやすく、接続性の確保という面では、今後運用面でも工夫していく必要性を感じています。

――Monitor & Controlは最大20台のカメラを1台のiPadやMacbookでマルチモニタリングが可能となりましたが、今後活用のご予定はありますか?一台の端末で20台までのカメラを遠隔マルチモニタリング・設定変更ができる点は魅力的です。1特に、リハーサル時の複数台カメラのアングル確認や、少人数でのオペレーションの効率化につながると感じており、モニタリングできる環境を簡易的に作ることで予算にあった現場の体制作りという面でも活躍を期待しています。今後のワークフローにどのように組み込めるか、ぜひ検討していきたいと思います。また、Wi-Fiのみならず有線での接続もできることから、色々な接続の組み合わせを試してより多くのカメラを安定したクオリティでモニタリングできるような運用体制を作っていけたらと思います。

――最後にMonitor & Controlへ総評をお願いします。私は、古くから伝わる技術を学びつつ、そこに新しい技術を積極的に取り入れることを大切にしています。Monitor & Controlを撮影現場で活用することで、クリエイティブの幅は確実に広がると考えています。特に、Monitor & Controlはケーブルレスで遠隔からマルチカメラのモニタリングが可能なため、予算や人数の限られた現場などで真価を発揮するツールですので、収録や広告現場においても、さらに多くのユーザーに体験してみてほしいと思います。接続性や使いやすさの面でまだ課題は残りますが、Monitor & Controlがさらに進化し、クリエイティブな挑戦を後押ししてくれることを期待しています。

1 こちらの機能は「Premium」プランご契約でご利用いただけます。

ワンクリックアンケートにご協力ください

記事一覧
最新情報をお届け

αUniverseの公式Facebookページに「いいね!」をすると最新記事の情報を随時お知らせします。

閉じる