ベーシックを超えた完成度―α7 Vで捉えた、心揺さぶる富山の風景

写真家 イナガキヤスト 氏

α Universe editorial team

イナガキヤスト /写真家 1981年生まれ。富山県在住のフォトグラファー。富山県内を中心としたさまざまな風景や人物の写真をSNSで発表し話題となっている。NHK『イナガキヤストの本気旅』、KNB『眺めのいい時間』、富山県警察フォトアンバサダー、射水市公式フォトアンバサダー、東京カメラ部10選2021。2022年12月、写真集『ぼくたちの大切な時間』出版。2023年春にはジャポニカ学習帳の表紙に写真が採用される。Facebook : https://www.facebook.com/inagakiyasuto/Instagram : https://www.instagram.com/inagakiyasuto/X : https://twitter.com/inagakiyasuto

僕が初めて手にしたαはα7 lllです。これをきっかけに、高解像のRシリーズやフラッグシップのα1も使ってきましたが、さまざまなモデルを経験する中で、ベーシックの魅力を改めて感じるようになりました。安心して使える万能機の最新版が登場するということで、どうなるのかとワクワクしていました。これまでのαシリーズの進化を踏襲した持ちやすいグリップに、α9譲りのブラックアウトフリー、シリーズ最大のダイナミックレンジ、そしてα7R V譲りの4軸マルチアングル液晶モニターなど、実際使ってみると想像以上に全ての要素が高品質で「ベーシックなのにここまで性能を上げていいのか」と感じさせられました。

刻々と変わる朝焼けをα7 Vで捉える

α7 V,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F16,1/60秒,ISO100

こちらは、富山県高岡市にある名所、雨晴海岸の女岩をα7 Vで捉えた一枚です。背景側の中心にあるのは立山連峰の剱岳で、そのてっぺんに太陽がのぼるタイミングを狙って撮影を試みました。

α7 V,FE 300mm F2.8 GM OSS 300mm,F16,1/250秒,ISO100

朝焼けの時間帯は、光の色や濃さなどが刻々と変化するため、狙ったイメージを表現するのが難しいシーンです。そのような状況でもα7 Vの広いダイナミックレンジが力を発揮し、現地で感じた色味を非常によく表現してくれました。撮影時にはAIディープラーニング技術が採用されたオートホワイトバランス(AWB)を使用しましたが、状況の変化に極めて柔軟に対応してくれて、ほとんど後処理が要らない仕上がりになっています。

α7 V,FE 12-24mm F2.8 GM 17mm,F8,1/160秒,ISO100

こちらは、富山県立山町にある、約350mという日本一の落差を誇る称名滝の一枚です。美しく紅葉しているタイミングを狙って訪れましたが、すでに雪が降っており、上の方には雪が残っています。その結果、紅葉と雪がコラボした印象的な光景となっています。この撮影場所は、谷になっているため、かなり光が入りにくい明暗差の激しい場所なのですが、広いダイナミックレンジを生かしてか、白飛びも黒つぶれを起こすことなく、とても精細に色再現がなされていて驚かされました。普段はRAW現像を行っていますが、もしかしたら今後はそれが要らなくなってしまうかもしれないなあと思わされたほどです。

構図の工夫を支えた4軸マルチアングル液晶モニター

α7 V,FE 24-70mm F2.8 GM II 37mm,F16,1/320秒,ISO100

こちらは元々、太陽に照らされる波を撮ろうとしていた写真です。この撮影を通して、α7 Vに搭載された4軸マルチアングル液晶モニターのメリットを強く感じました。構図を色々と練っていたところで、足元に水たまりがあることに気づき、その水たまりを手前に置いてフレーミングしてみると、空のグラデーションや雲、そして太陽の光芒がきれいに映り込みました。水たまりは、僕の足場の岩よりも15cmくらいは低いところにあったため、かなりカメラをローアングルに構える必要がありました。この写真自体は横構図なので従来のボディでも撮影できますが、実は縦構図でも撮影しています。縦構図で同じようにフレーミングしようと思ったら、4軸マルチアングル液晶モニターがなければぜったいに収めることは出来なかったと思います。

心揺さぶる光景を切り取るα7 V

α7 V,FE 12-24mm F2.8 GM 16mm,F11,1/500秒,ISO100

標高約2,400mに位置する、みくりが池で撮影した一枚です。もうだいぶ雪が降っていますが、降雪の翌日がこのように快晴だったので、冬の厳しい寒さと太陽の暖かさが両立したかのような写真になりました。使用したレンズはFE 12-24mm F2.8 GMです。明るい状況なのに真っ白な雪が広がる、いかにも白飛びしそうなシチュエーションでしたが、α7 Vの広いダイナミックレンジと精度の高いAWB、そしてG Masterの描写力を合わせると、ここまでしっかり撮影できるのかと改めて驚きます。遠くには池の周囲を歩いている人の姿も捉えつつ、その場の神秘的なその場の雰囲気をそのまま写し取ったかのように感じます。

α7 V,FE 24-70mm F2.8 GM II 70mm,F10,1/60秒,ISO100

こちらもみくりが池周辺の情景です。沈みかけた夕日が雪山を赤く染めた、いわゆるアーベントロートが起きている状態を捉えました。

α7 V,FE 12-24mm F2.8 GM 12mm,F2.8,30秒,ISO1600

同じような場所で、同日の夜に星空も撮影しました。秋口の撮影だったので、だいぶ薄まってはいるのですが、中央の左側あたりに天の川が捉えられています。いずれの写真も、その美しさに心が揺さぶられ、誰かに伝えたいと思ったからこそ撮影したものです。さまざまなレンズを用いて切り取られた写真が、その場にいた自分の目に見えていた以上のものを写してくれたとき、自然と気持ちも高まります。たとえば、夕景の雪山では、山並みに残るスキーのシュプール跡の立体的な質感をとても美しいと思いました。実はそれは写真として眺めたときに初めて気付いたものだったんです。

もっと使ってみたいと思わされた1台

α7 Vは、被写体によってカメラを使い分けを考える必要がなく、何でも撮影できるという、安心感のあるカメラだと感じました。実際、ベーシックというには、全ての機能の品質が高いと感じます。本当に、このボディとレンズさえあれば、すぐに撮影に行くことができてしまいます。中でも、もっと撮ってみたいと思ったのは星空です。星空の写真を見て、ここまで写るんだと素直に驚かされました。特にダイナミックレンジの広さはαシリーズ随一のものなので、それを生かせる暗いシーン、明暗差の激しい、難しいシチュエーションでもっとこのカメラを使ってみたいと思わされました。

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