

鉄道絶景+α
第16回紀勢本線(三重県〜和歌山県)
鉄道写真家 中井精也 氏
撮影日:12月9日 7時39分紀勢本線(相賀〜尾鷲)
高丸山の中腹から銚子川の鉄橋を狙った。朝日に照らされて海も山もすべてが輝き、シャッターボタンを押す指が震えた。α1 IIの描写力が生きた、奇跡の1枚だ
食わず嫌いは損。紀勢本線は鉄道絶景の宝庫
日本には数多くの鉄道路線があり、ほとんどの路線を訪れたことがある。その中には、なぜかあまり撮影に行かない路線がある。今回訪ねた紀勢本線の非電化区間もその1つだ。しかし、最近は、そんないわゆる「食わず嫌い」路線を、訪ねるのが楽しくなってきた。数十年ぶりに撮影した紀勢本線は、すてきな鉄道絶景の宝庫だった。
早朝、暗いうちから相賀浅間山を登り、海と街を一望できるポイントへ向かった。やがて日が昇ると、相賀駅に近い銚子川に架かる鉄橋の背後の海が、キラキラと輝きだした。ここは朝日と鉄橋を渡る列車をアップで狙うのが定番だが、深い山と雄大な海が織りなす熊野の自然を表現したくて、あえて周囲の山も入れた構図にした。そのぶん列車はかなり小さくなるが、α1 IIの高精細な描写力なら問題はない。感動的な1枚を生み出した。今回の旅では、何度も通いたくなるほど、魅力的な駅にも出合った。そこは、小さな湾に面して建つ、二木島駅だ。二木島湾の奥にある漁港を見下ろすように駅があり、その周囲には、今となっては貴重な、素朴な漁村の風景が広がっていた。夕暮れ時、小高い丘から見下ろすと、カーブしたホームに列車が静かに止まった。その光景に、感動しながらα1 IIのシャッターボタンを静かに押す。広いダイナミックレンジが、暮れゆく駅の光景と夕焼け空を、優しく描写してくれた。初めて訪ねた、自分にはゆかりのない土地であるが、不思議な懐かしさを感じた。今回紀勢本線を旅した感想は、「もっと早く来るべきだった……」であった。思い込みは人生の楽しみを半減させる。今後は心機一転、「食わず嫌い路線」を、αとともにガンガン攻めてみたいと思う。
撮影日:12月9日 11時04分紀勢本線(新鹿〜波田須)
海沿いを走る紀勢本線だが、非電化区間では海と列車を撮れるポイントは少ない。この場所は奇岩が連なる海岸線と列車、エメラルドグリーンの海が織りなす熊野の絶景ポイントだ
撮影日:12月8日 17時08分紀勢本線(二木島駅)
素朴な漁村を見下ろすように建つ二木島駅。息を飲むような絶景ではないが、何度も通いたくなるような、素晴らしい光景との出合いに、心が躍った
撮影日:12月8日 12時15分紀勢本線(梅ケ谷〜紀伊長島)
意外にも紀勢本線は山岳路線。特急「南紀」号が、険しい山をさっそうと駆け抜ける光景をα7R IVで撮影した。列車から木の1本1本まで繊細に写す描写力に注目したい
撮影日:12月9日 15時34分紀勢本線(鵜殿〜新宮)
冬の太陽を受けて、列車の側面がギラリと輝く瞬間を、16mmのワイドな画角でダイナミックに撮影した。太陽の光条を強調するため、F20まで絞っている
<Pickup LENS>FE 12-24mm F2.8 GM
12mmという超広角域をカバーするズームレンズながら、高画質と小型・軽量を実現している。圧倒的な遠近感が生み出すダイナミックな画角でしか得られない名作を生む。右の作例を見て分かるとおり、太陽を画面に入れても、破綻しない逆光耐性で、どんなシーンでもクリアな表現を可能にする。
<Photo Technique>ファインダーの美しさはフラッグシップの証し
ファインダーの美しさはフラッグシップの証し
α1 IIは、約944万ドット、倍率0.90倍※、視野角約41°、25mmのハイアイポイントを誇る、高性能電子ファインダーを搭載している。ピント拡大時の先鋭さも、繊細な撮影には欠かせない性能だ。この高精細かつストレスのないファインダーこそが、プロに選ばれるフラッグシップの証の1つなのだ。
※ 50mmレンズ、無限遠、-1m-1時
<絶景EPISODE>何度でも訪れたい漁村の鉄道風景
撮影日:12月9日 9時43分紀勢本線(二木島駅)
湾の形に逆らわずに、湾曲する素朴な漁村と停泊する漁船が旅情を誘う。その横を、特急「南紀」号が、そっと通過してゆく。どこにでもありそうな風景だが、鉄道とからめて撮れるこんな漁村は、全国探してもなかなか出合えない。季節を変えて、時間を変えて、再び撮影したい、心動かす名景だ
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