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灰野 一平

音楽プロデューサー|灰野 一平

プロクオリティの録音機能で音楽制作の可能性を革新的に広げるXperia 1 IV

Xperia 1 IV

スペシャルインタビュー

2022/8/31

目次

ソニーミュージックのA&Rとして、数々のアーティスト・楽曲をプロデュースしてきた灰野一平氏。
そんな灰野氏に、Xperia 1 IVの音楽性能、そして灰野氏が開発に携りプロクオリティの録音機能を実現したMusic Proの魅力について語ってもらった。
音楽の楽しさを進化させるXperia 1 IV、その可能性に迫る。

音楽プロデューサー 灰野 一平

音楽プロデューサー

灰野 一平

音楽プロデューサー

灰野 一平

1996年ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。主に制作ディレクター・A&R(アーティスト&レパートリー)として、アーティストの発掘・育成、契約、アーティストに合った楽曲制作などを手掛ける。今まで、椎名純平・中島美嘉・RYTHEM・RSP・遊助・久保田利伸・Little Glee Monster・Jewel(J☆Dee‘Z)・欅坂46・土屋太鳳・森七菜など数多くのアーティストを担当。Xperia 1 IVに搭載される『Music Pro』の開発に携わる。

『変化してきた音楽制作の在り方』

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お仕事内容を教えてください。

灰野 : ソニーミュージックで、A&R(アーティスト&レパートリー)という仕事をしています。A&Rというのは、アーティストにどういう楽曲を組み合わせると世の中に広まっていくかを考える、これが根本的な意味合いです。実際にはアーティストとどういう形で楽曲をリリースするか、どういう形で宣伝していくかなどを総合的に相談しながら進めていく仕事になります。担当するアーティストによってやるべきことを変えていかなければいけないのは難しいところですが、一緒に作戦を練って音楽を世に広められたときは、すごく喜びを感じますね。

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前回(2020年7月)のインタビューから、音楽制作の現場に変化はありましたか?

灰野 : 前回は、音楽制作の現場はプロ仕様のレコーディングができるビッグスタジオから、自宅やホテルなどの部屋でレコーディングを行うホームスタジオへ、という流れになってきており、そしていずれスマホが1台あればどこでもレコーディングができるモバイルスタジオとも言うべきところに向かっていくはず、というお話しをさせていただきました。ホームスタジオの部分は、コロナ禍になって確実に進みましたね。家でつくる、自ら発信するというスタイルにおいて作りやすい音楽が世の中に溢れてきたし、その中でいい音楽が生まれてきたと感じます。現在は、先述したモバイルスタジオのような、より気軽で手軽なツールが実際に求められるところまできたと感じています。

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そういった変化は、いいことだと思われますか?

灰野 : ポップミュージックは、楽器や録音機材などの進化とともに新しい音を奏でていき、どんどん刷新されていくという側面があります。最初は安っぽい感じに聞こえる瞬間はあるかもしれないですが、その中で切磋琢磨が起こり、今まで作りえなかったサウンドを新しい才能を持つ皆さんがどんどん探し当てていくんですよね。そうやって音楽の可能性が広がっていくのは僕らから見ても素敵なことだし、好ましいことだと思っています。

環境に変化がある中でも、音楽制作の中で変わらずにこだわっていることを教えてください。

灰野 : 僕たちがアーティストとともにつくった音楽は、世の中に発信され、多くの方の耳に届きます。聞いてもらった方々に僕らの音楽を好きになってもらうため、クオリティにはしっかり責任を持ちたいと思っています。単純に良い楽曲であるとか、歌が上手いとか、そういうことだけではなく、音質まで含めて自分たちでできる最大限まで高めたものを世に送り出すことを日々心掛けていますね。そういった僕らのこだわりを実際に体感してもらえれば、より楽曲のよさ、音楽の楽しさに気づいてもらえると思うので、いい音で聴く、つまり優れた音楽の再生環境が身近にあるということが当たり前になっていってほしいなと思っています。

『自然な音の広がり、定位感、確かなプロクオリティの音』

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Xperia 1 IVで音楽を聴いた感想を教えてください。

灰野 : 一聴して、「あっ、ナチュラル」という感じがしました。僕が言うナチュラルというのは、白いキャンバスから絵を描いていく、というイメージです。たとえば低音がやたら強調されていたり、高音が盛り上がっている機材もあって、パッと聞きはいいのですが長く聞いていると疲れたり、ジャンルを選ぶことがあって、ナチュラルに聞こえるということは非常に難しいことだと思います。そこがとても進化したという印象を受けました。

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フルステージステレオスピーカーも進化しました。いかがでしたでしょうか?

灰野 : まず音の広がりがちゃんとありますね。同時に単に音が広がっていくだけでなく、僕らが定位感と呼んでいる、どこの場所で楽器が鳴っているか、たとえばボーカルがセンターにいて、右にギターがいてということがしっかり分かる。小さいスピーカーでそれを認知することは難しいはずなんですが、定位感がわかると音が立体的に楽しめるので本当に素晴らしいと思います。スマホを縦にして音楽を聴くことが多いかもしれないですが、そうすると音の広がりが感じづらいので、ぜひ横にして聞いてみてほしいですね。

  • 新しいスピーカーユニットと音響構造により低音域の再現性を向上

    スピーカーユニットのマグネット増強による駆動力の強化と、エッジやボイスコイル部の拡張など、大振幅に対応する各部の構造改良を行ったスピーカーユニットを新開発。低域増強構造を持った新エンクロージャーに搭載することで、パワフルでクリアなサウンドを実現しました。ベースやバスドラムなどの低域音の再現性が20-50%向上。最大音圧レベルも10%向上し、より迫力が増した音楽がスピーカーで楽しめます。

  • アンプからジャックまでの回路レイアウトを見直し低音の再現性とクリアさを向上した3.5mmオーディオジャック

    Xperia 1 IVは有線ヘッドホン接続時の音質がさらに進化。音質を改善するために回路基板の配置を見直し、ヘッドホンアンプをオーディオジャックの近傍に配置、アンプからオーディオジャックまでの信号/グラウンドの経路を大幅に短縮・強化しました。これにより、さらに重厚感、解像感のある低音と、よりクリアなサウンドを実現しました。

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ヘッドホンで聞いてみていかがでしたか?

灰野 : 仕事柄イヤホンやヘッドホンをよく使っていて、それをスタジオにある機材に挿して聴くのですが、プロの機材というのは聞いた瞬間にシャキッとした音が鳴るという感覚があります。Xperia 1 IVにヘッドホンを挿して聞いたときは、プロ機にとても近い印象を受けました。低音も引き締まっていて音がきっちり止まる感覚がちゃんとあるんですよね。単に低音を多くして印象を強くしている機材もありますが、ここまでしっかりつくられているとプロクオリティの音だと思いますね。

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いい音を奏でる再生機器とは、具体的にどういうものなのでしょうか?

灰野 : いい音とは定義や感じ方が人によって違うので一概に言うのは難しいのですが、僕はポップミュージックはリズムが大事な音楽だと思っています。そのリズムというのは、音が鳴り始める瞬間だけではなく、音が止まる瞬間がコントロールされていて、それによりグルーブがでたりノリがでたりするのだと思っています。そういうところがきっちりコントロールされていると、つくり手の意図通りに音を再現してくれます。僕はそれがいい音を奏でる条件だと思っていますし、Xperia 1 IVはまさにそれを体現していると思いました。

『Music Pro 、Xperia 1 IIのときから構想してきた録音機能を実装』

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今回、灰野さんも開発に携わられたMusic Proが搭載されました。どんな機能でしょうか?

灰野 : Music Proは単純明快で、スマホ1台あれば今までスタジオでしか録れなかったハイクオリティな音が録れるということを実現しています。実は前回Xperia 1 IIの取材時に、再生機器としてとても優れたものだなと思いました。僕らも日常的にやっている音源チェックなどは、これ1台で完結できるという期待を持ったのですが、同時に録音するという面においてはクオリティが足りないと感じました。再生だけでなく、録音もプロのクオリティでできると、Xperiaだけで音楽制作ができる可能性が生まれ、将来的にとてもいいなと思っていました。その後、そのアイデアをXperiaの開発チームと話し、プロジェクトとしてスタートさせ、Xperia 1 IVにMusic Proを搭載できたんです。

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開発にあたっての想いを聞かせてください。

灰野 : 音楽制作においてメロディを思いつくことは日常的に起こることです。しかし、いい音で録るというのは、スタジオか機材を整えたホームスタジオでとなり、コスト的にも場所的にもあらゆる制約のなかで行わなければいけません。そのいい音で録音するというのを、インスピレーションが起きた最初の段階で実現できたら革命的に音楽づくりが変わるんじゃないかと思っていました。パッと思いついたメロディを歌ってそれがプロクオリティの素材として使えたら、気持ち的にも新鮮だし、感情的にも生き生きしたものを残すことができるんじゃないかなと思っていたんです。

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Music Proをどんな風に使ってもらいたいですか?

灰野 : 特に屋外でボーカルを録るというところに一番魅力を感じています。これはすごく難しいことで、屋外だとどうしても風切音などの雑音が入ってしまいます。Music Proはノイズの低減に関してとても力を入れたので、必要ない要素をちゃんと削除でき、欲しい素材だけを取り出すことができます。そのためスタジオの中で風景を想像して歌うのではなく、たとえば山の頂上や海辺の波打ち際みたいなところで、まさにインスピレーションを受けた瞬間、その風景の前で歌った歌をプロクオリティで録音できるんです。その歌にはとてもリアリティがありますよね。その素材で音楽をつくり配信楽曲にする、そういうことがどんどん実現されていってほしいですね。

  • プロを目指すミュージッククリエイターをサポートする「Music Pro」

    Studio tuning機能を使用することで、Xperia 1 IV内蔵マイクで収録したボーカルやアコースティックギターなどの音をクラウド処理し、プロのスタジオとマイクで録音したかのように、ノイズや部屋の残響音を低減。ソニーの高性能な真空管マイクの周波数特性およびスタジオ録音機材がもつ繊細で良質な響きまでを再現します。また、外部から楽器などの音源データを取り込んで、アプリ内で簡易ミキシングまでおこなうことができます。※初回100MB以上のStudio tuning機能の利用には月々580円(税込)のサービス加入が必要です。

『Xperia 1 IVで、手軽に音楽制作の楽しさを体感してほしい』

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Xperia 1 IVは、どんな方におすすめできますか?

灰野 : 音楽をよりいい音で聞きたいと思っているすべての方におすすめしたいですね。自宅で音楽を楽しむべく再生環境に情熱を傾けている皆さんにも、屋外でクオリティのある音をこんなに手軽に楽しんでもらえることを体感してもらいたいです。また、僕らのような音楽制作に携わっている方の制作作業も、よりフレキシブルになるかと思っています。僕はよく街録をやっていて、今までは多くの機材やスタッフの方にご協力いただかなければ実現できなかったのですが、Xperia 1 IVのMusic Proを使えば、1人でも街録ができるようになるかと思っています。

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Music Proは、どんな方におすすめしたいですか?

灰野 : 現在自宅などで音楽制作をしている方はもちろん、これから音楽を始めたいと思っている方にも使っていただきたいです。音楽をやってみたいと思う瞬間は、憧れのアーティストや、こんなふうに歌いたいなっていう動機が多いかと思いますが、まずMusic Proで試してもらいたいですね。プロが使っている機材に近い音で録れることで「あ、いいじゃん自分の声」のような、そんな実感を得る方が多いのではないかと思います。スマホ1台で高クオリティの音楽をつくれるのはすごいことです。必ずしも発信しなくていいですし趣味として楽しんでもらえたら。Music Proが皆さんに音楽をつくることの楽しさを届けるツールになってくれたらとても嬉しいです。

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今後取り組んでいきたいこと、抱負などを教えてください。

灰野 : 冒頭でもお話ししましたが、ポップミュージックは、テクノロジーや機材、楽器の進化とともに新しい音が生まれ、それを活用して誰も聞いたことがない新しい音楽ができていく可能性に満ちたものです。レコードをスクラッチするなど、まさにいい例ですよね。僕はこのXperia 1 IVのようなスマホというツールがさらに進化して、楽器的な役割も果たし、まだ誰も聞いたことのない音楽が生まれていってほしいと思っています。それを広めるお手伝いができれば、僕としてはすごく嬉しく、楽しみだと思っています。

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