Xperia × Audio / Visual

『Xperia 1 V』開発者インタビュー【オーディオ・ビジュアル編】

ソニーの技術力で実現した圧巻の臨場感
『Xperia 1 V』がもたらす感動のエンターテインメント体験

Xperia 1 V

スペシャルインタビュー

2023/7/27

目次

『Xperia 1 V』は、音楽、映像の分野で世界をリードしてきたソニーだからこそ実現した、ハイクオリティのエンターテインメント体験にも注目が集まっています。この開発者インタビュー【オーディオ・ビジュアル編】では、エンターテインメントを楽しむためのサウンド、ディスプレイの機能と、本体設計を担当した4名に、開発時にこだわった点や開発の裏話などについて、詳しく話を聞きました。

MEMBERS

熱設計担当
斎藤 史隆(さいとう ふみたか)さん
機構設計担当
西尾 政紀(にしお まさき)さん
音響設計担当
風間 俊(かざま しゅん)さん
ディスプレイ設計担当
菊地 奨(きくち しょう)さん

『ソニーだからできる音づくり
Xperiaが実現した臨場感のあるサウンド』

Xperiaシリーズには、ソニーのサウンド技術や機能が盛り込まれていますが、『Xperia 1 V』での音づくりのポイントについて教えてください。

風間:『Xperia 1 V』はオーディオにも並々ならぬこだわりが詰め込まれています。イヤホン接続がBluetoothを前提とするスマートフォンが増える中で、イヤホンジャックを搭載しているのも、音楽を純粋に楽しんでいただきたいという意思の表れです。『Xperia 1 V』の音づくりのポイントは臨場感のあるサウンドで、少し表現を変えると、再生するコンテンツそのものを忠実に再現すること。私たち音響設計チームは、ソニー・ミュージックエンタテインメントとソニー・ピクチャーズエンタテインメント等のサウンドエンジニアの監修も受けながら、音楽や映画の臨場感を楽しめるように心がけました。

ヘッドホン、イヤホンとの接続だけでなく、『Xperia 1 V』では本体のステレオスピーカーの音にも注力したそうですね。

風間:スマートフォンは私たちの生活の中心になっていて、音楽を聴いたり、動画を観たりと、スマートフォン1台でさまざまなことを完結させている人が多いですよね。なので、私たちはそういったユーザーのライフスタイルに合わせて、日常的に使っている本体スピーカーからでも良い音を聞いてもらいたいと考えました。そのために余計なノイズを抑え、音のダイナミックさを出せるよう調整しながらコンテンツの再現性を高め、映画館やライブ会場のような臨場感を『Xperia 1 V』を使って作り出すことを目指しました。

具体的にはどのような進化がなされましたか?

風間:一番はスピーカーのアンプを進化させたというところです。それにより得られるメリットは大きく2つあって、まず1つ目は駆動電圧を上げてスピーカーのドライブ能力を上げることができたこと。もう1つは、ステレオスピーカーを使って再生するときには微小ノイズが発生してしまうものなのですが、それを抑制できたことです。その結果として、音の広がりや奥行き感、低音の音圧なども一層向上し、よりダイナミックでクリアなサウンドを実現しました。

  • *Xperia 1 IV比。

全体的な音圧を上げるためにピークの音を抑え、小さい音も大きい音も同じように増幅するということも可能だが、小さな音は小さな音で繊細に、大きい音は大きい音で迫力を出す、というのが私たちのこだわりですので、原音に忠実に、メリハリをつけることで音の臨場感を出しています。

Xperia 1 Vに取り入れた、スマートフォンにおける音表現のトレンドなどはありますか?

風間:『Xperia 1 V』は「360 Reality Audio」に対応することで、本体スピーカーからでも360度の音源を楽しむことができます。音が出ている位置がはっきりと表現されていて、目の前のXperiaから音が出ているのに後ろから聞こえる。というような、新しい体験も味わえるんです。

360 Reality Audio

ソニーの360立体音響技術を使った、オブジェクトベースの新しい音楽体験です。ボーカルやコーラス、楽器などの音源一つひとつに位置情報をつけ、球状の空間に配置。アーティストの生演奏に囲まれているかのような、没入感のある立体的な音場を体感できます。

そのほか、スピーカーの開発においてこだわった点はありますか?

風間:スピーカーの性能を最大限発揮するためには、スピーカー容積を可能な限り大きくする必要があります。今回は、機構設計と協力して100分の1cc単位で限界まで追求しましたが、それが本当に良い音に繋がりました。また、『Xperia 1 V』は通話時に使うスピーカーの通話音声についてもとてもこだわっています。スピーカーフォン通話でさまざまな音域を聞きやすく、ノイズを抑え、通話音声をクリアに聞こえるようにするなど、専用のチューニングチームによってしっかりと調整されているんです。

『コンテンツを楽しむだけでなく創作をサポートする高精細ディスプレイ』

『Xperia 1 V』のディスプレイにはブラビア®の技術が活用されているそうですね。

菊地:『Xperia 1 V』のディスプレイ画質設定には、スタンダードモードとクリエイターモードという2種類の画質モードが搭載されているのですが、スタンダードモードにブラビアの技術が活用されています。具体的には「X1TM for mobile」という、高画質化エンジンが搭載されており、解像感の高い映像や、色鮮やかな映像表現を可能にしています。『Xperia 1 V』で視聴するストリーミング配信の映画やドラマ、YouTubeの動画なども美しい映像で楽しめます。

一方でクリエイターモードは、クリエイターの意図した画質を忠実に再現する画質モードです。作り手の画質で動画や静止画を見たいという方や、撮影しているコンテンツの見栄えを正確に把握したい方におすすめです。

ディスプレイの画質設定

スタンダードモードは、ブラビアで培った技術によってオリジナルの色域を拡張した色で表示する設定。色鮮やかに見たい人におすすめです。クリエイターモードは、映像制作の基準器として使われるソニーのプロフェッショナルモニターで培った技術によって、クリエイターの意図した画質を忠実に再現。さまざまな映像をプロフェッショナル並みの画作りで楽しめます。

HDR対応の4K有機ELディスプレイによって、どのような視聴体験を得られるのでしょうか?

  • *水平3840画素×垂直1644画素 (SID規格に基づく)

菊地:HDR(ハイダイナミックレンジ)対応ということは、SDR(スタンダードダイナミックレンジ)と比べて、より広い明るさの幅を表現できるということ。色彩だけでなく、明度の階調も豊かで美しい画質で映し出します。一方で、HDR規格の動画は表現豊かに描写しますが、明暗の表現が豊かな分、暗部の視認性が悪いといった特徴を持っています。その見た目を補う機能が「リアルタイムHDRドライブ」です。リアルタイムHDRドライブはコンテンツの明るさ感を周囲の照度に連動させて最適化しており、これによりHDRコンテンツを快適に視聴できます。加えて、HDRコンテンツの各フレームを解析して、夕日などの白とびしやすいシーンに対しては、映像が本来持っている情報を復元する処理を行っています。

また、『Xperia 1 V』からはHDR10コンテンツだけでなく、HLGコンテンツにも対応となり、ほぼすべてのHDRコンテンツを高画質化することに成功しました。これによりYouTube上のすべてのHDRコンテンツに加え、HDRの撮影コンテンツにも適用されるので、旅先で撮影した動画を確認する際にも明るく見やすい状態で視聴いただけます。このように、Xperiaはただ単に映像を楽しむだけでなく、クリエイターをサポートするような機能も充実させています。

『ユーザーニーズと性能を追求しながらスマートなデザインにこだわった機構設計』

スタイリッシュな筐体にさまざまな機能を詰め込んだ『Xperia 1 V』ですが、多機能なだけに設計には苦労があったかと思います。

西尾:前モデルと比べて1.7倍も大きなカメラセンサーを、スマートフォンの限られた筐体サイズに、デザインを大きく変えることなく搭載するために、取り組むべき課題が多々ありました。また、カメラらしい操作感と先進的なデザインを目指し、凹凸のある背面ガラスパネルや指に馴染む側面のエッジなどを取り入れました。

  • *Xperia 1 IVの広角レンズに搭載されているイメージセンサーとの対比。

特に苦労したのはフラッシュと背面マイクの構造です。カメラのレンズとレンズの小さいスペースの間に機能部品を2つ入れ込むのが難しく、何度も試作と改良を重ねました。部品が非常に小さいので設計が難しいだけでなく、組み上げる技術も必要となるため、工場のエンジニアとも議論して開発を進めました。部品が大きくなっているけど、従来の筐体サイズに収めたい。そうなれば当然何かを削らなければいけません。そこで構造を工夫し、実装効率をあげることで基板の面積を10%以上削減したり、強度を保ちながらも筐体部分の一部を削ったり、もちろんデッドスペースの最小化なども取り組み、量産にこぎつけることができました。

熱対策についても教えてください。

斎藤:前モデルは発熱に対するユーザーからのフィードバックも多く、熱設計としては『Xperia 1 V』で熱問題を克服することが大きな課題でした。今回は熱設計全体を大幅に見直したのですが、放熱構造の改善や電力削減はもちろんのこと、それ以前に「私たちがXperiaで届けたい体験は何か?」「ユーザーが何を望んでいて、何を望んでいないのか」という点から見直しました。

目的を設定することで着目する数値が明確になり、いまの構造設計へと繋がったと感じています。また、初期段階から機構設計と熱設計チームで連携し、構造面の検討や筐体パーツの薄型化によるグラファイトシートの追加で熱拡散の向上など、あらゆることに取り組んだことで、高いパフォーマンス性能と持続性を両立させることができました。

最後に、開発担当者のみなさんから読者の方にメッセージをお願いします。

斎藤:『Xperia 1 V』の開発では、ユーザー目線で考え抜いて、Xperiaに期待されるところをしっかりと進化できているかなと思っています。『Xperia 1 V』は薄くて軽いサイズ感でありながら、性能も向上されていますし、何よりしっかり発熱を抑えられていたので私たちも自信を持ってお届けします。『Xperia 1 V』は自信を持っておすすめできる商品になっているので、ぜひ店頭で触っていただきたいと思います。

西尾:『Xperia 1 II』から継承してきたデザインを、新しいカメラモジュールの搭載に合わせて発展させたのが設計面での大きなチャレンジでした。部品レベルでも新しいプロセスを導入して、より多く試作を重ねて量産にこぎつけた自信作です。特に新しくなったカメラ周りのデザインには進化を感じていただけると思いますし、私自身も、完成した現物を初めて見たときはカッコいいという感覚をもったことを覚えています。実際にお手に取っていただき、その進化を少しでも感じていただければ嬉しいです。

風間:音響面では、スピーカーの再生能力と音質の向上が一番特徴的な進化です。過去のモデルも設計を担当したのですが、出来上がってきた『Xperia 1 V』のスピーカーで音を聞いた時、音の立体感や臨場感の進化を実感できて本当に嬉しかったです。特に動画と音楽の視聴が一番性能を感じられるので、まずは実際に体験していただきたいと思っています。

菊地:4K HDR対応の有機ELディスプレイによる解像感と、リアルタイムHDRドライブの映像美。それらはXperiaだから実現できる画質だと自信があります。また縦型動画コンテンツやYouTubeなどのさまざまなコンテンツにあわせて、スタンダードモードの画質を最適化しています。そういう細かい部分にもこだわりを持ってチューニングした端末なので、ぜひエンタメ再生機器としても存分に活用してください。

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