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写真家 井上浩輝氏 圧倒的な機動力で描き出す
北海道の大自然
〜RX10 IIIの超高倍率ズームと美しい解像感
をその手に〜

α Universe editorial team

「ナショナルジオグラフィック」2016年フォトコンテストのネイチャー部門で日本人初の1位に輝いた写真家・井上浩輝氏。キタキツネなどの野生動物や北海道の自然を日々撮り続けている。そんな井上氏にRX10 IIIで撮影した作品とともに、24-600mmの超高倍率ズームや機動力について率直な印象を伺った。

井上浩輝/写真家 1979年、北海道札幌市生まれ。東川町在住。北海道を中心に「いま生きている風景」を追う注目の写真家。昨年、米国の自然科学雑誌「ナショナルジオグラフィック」の「トラベルフォトグラファーオブザイヤー2016ネイチャー部門1位」を日本人として初めて受賞。現在、プロの写真家として写真展を開催するほか、地元北海道の撮影ワークショップや講演会など、幅広く活躍中。

一眼カメラと思わせるほど
手にしっくりくる重さとバランス。

――まずは、RX10 IIIを使用した率直な感想をお聞かせください。
振り回しても重過ぎず、軽すぎず、ほどよい大きさで手への馴染みがよかったですね。僕は他社製の高倍率ズームレンズ一体型カメラも使っていますが、それらに比べると圧倒的に持ちやすい。グリップの深さがあるので指のひっかかりがよくて、一眼カメラを扱っていると思わせるほど快適でした。あと、レンズの重みがある分、カメラ全体のバランスが取れているような気がしますね。他社のモデルはレンズが軽いので、どうしてもブレてしまうんですよ。さらに解像感もいいですし、オートフォーカスの正確さもずば抜けているし、逆光性能もいい。このクラスのカメラでは、ナンバーワンですね。

個人的には、ムービーボタンの位置もよかった。肩の部分に配置されていると間違いやすいんですよ。知らないうちに動画になっていることもあって。RX10 IIIは背面にあるので、一度も間違えて押すようなことはありませんでした。

――井上さんは、ボタンのカスタムをされていますか?
Fn(ファンクション)の中に入れているのは、「クリエイティブスタイル」と「ホワイトバランス」。C3(カスタムボタン3)には必ず「手ブレ補正ON/OFF」を入れています。僕は風景と動物を両方撮りますが、三脚を使うような風景写真では手ブレ補正を切りたいので。風景を撮る設定で移動し始めて、野生動物を見つけた時にはすぐに手ブレ補正をONにしたいんです。だから、手ブレ補正はすぐアクセスできるようにカスタムしています。

24-600mmの超高倍率ズームレンズで幅広い撮影を軽快に楽しむ

――RX10 IIIはどのような位置づけのカメラで、どのようなユーザーにおすすめだとお考えですか?
できるだけカメラ機材を少なくして出掛けたい、という方にはうってつけですね。600mmのレンズは重くて長いし、取り扱いも慎重になりますから。画質も600mmまでの比較的手軽な望遠ズームレンズよりもいいですし。そう考えると、一眼カメラと600mmの望遠ズームレンズを持って歩くくらいなら、RX10 IIIを1台だけ持って歩いた方がずっと効率がいいと思うんですよね。

24mmで撮影。F8、1/400秒、ISO100、24mm
同じ場所から600mmで撮影。/F8、1/250秒、ISO125、600mm

上の2点の写真は同じ場所から撮影したものです。雪山の風景は広角端で、人が歩いているところはズーム端で撮影しています。これだけズームアップできるのは本当に見事。しかも雪の質感までしっかり表現できている。このような雪深い場所での撮影や山岳写真などでは、このカメラの機動力を存分に実感できると思いますよ。
僕は、RX10 IIIを持って出かけている間、ずっと車のダッシュボードの上に滑り止めを敷いて置いていました。こうしておけば、突然、遠くの丘の稜線を歩いているキタキツネを見つけても、すぐに持って出られますから。24-600mmの超高倍率ズームなので、大抵の被写体は撮ることができます。レンズ交換も不要だし、遠過ぎるから諦めよう、ということもありません。
また、起動の速さやズーム端までの速さも魅力ですね。いくら超高倍率でもズーム端にするまでに時間がかかってしまうと動物は逃げ去ってしまいます。でも、RX10 IIIは車から降りる時に、親指もしくは人差し指で電源をオンして、1歩、2歩踏み出したときには起動が終わっている。あとはどこまでズームするかによりますが、これはレンズリングで自在に調整できますから。操作に慣れてくれば、ズームしながら車から降られます(笑)。ズームに指をかけたまま、「このぐらいだろう」と。それができるのも、この軽さのおかげなんですよね。

広角から望遠端まで ほどよく調整されているAF性能

F5.6、1/1600秒、ISO400、600mm

上の2点は600mmで撮影していますが、オートフォーカスでもサッとピントを合わせてくれます。センシティブ過ぎないところもいいんですよね。センシティブすぎると雪にピントが合ってしまうこともあるんです。縦位置の写真はチラチラ雪が舞っていますが、この雪にピントを合わせてしまうカメラもあって。でもRX10 IIIは、かなりの確率で正解を出してくれるんですよ。だから、下の風景のようなピントに迷いがちな写真もオートフォーカスで撮れてしまう。

RF11、1/200秒、ISO100、200mm

美瑛で撮った1枚ですが、この濃い青色は影なんですよ。左側にカラマツの防風林があって、そこから伸びる影が雪の地面に映っている。よく晴れた日には、影が青くなるんです。この青い影を撮りに、世界中からいろんな人が来るんですよ。晴れた日になると、世界中からいろんな人が来て、青い影を撮っています。

F4、1/50秒、ISO250、600mm

上の写真、稜線を歩くキタキツネもオートフォーカスで撮影。600mmで撮影したのを少しトリミングしていますが、こんな状況でもオートフォーカスでピントが合うんです

望遠端でも落ちることのない優れた解像感。

――撮影してみて、画質や解像感はいかがでしたか?
600mmになると解像感が悪くなることも多く、レンズによっては絶対に使えないものもあります。600mmまでズームした後に500mmまで戻す、という作業をすることがあるんですよ。でも、このカメラなら望遠端でもそのまま使えるほど解像感がいいんです。
下の写真はタンチョウ鶴の撮影の名所「音羽橋」から24mmの広角で撮影したものです。鹿やキツネなど動物の足跡が残る風景を撮影しました。絞ったときに光芒(こうぼう)がきれいに出るので、太陽を入れて撮っています。シーズンになると、この橋の上に50人ぐらいがズラッと並んで鶴を撮るんですよ。この川がタンチョウ鶴のねぐらなんです。以前は手前の左側の岸あたりで寝ていたんですが、最近は人が多いせいでタンチョウ鶴が肉眼では見えないほど奥の方に逃げて行ってしまった。

24mm(広角端)で撮影 F11、1/1600秒、ISO100

でも600mmなら、下の写真のように、同じ場所から鶴を捉えることができます。

同じ場所から600mmで撮影。F11、1/1600秒、ISO100

600mmの望遠端でも解像感がまったく悪くならないんです。霧氷が付いた木の枝の解像感も、たまらないものがあります。
下の写真も上の2点と同じ場所から、太陽が昇りきっていない時間に、左岸中央あたりの森に寄って撮ったものです。

さらに、RAWを現像していて感じたのは、暗いところにも色と階調が残っていること。そこにソニーのセンサーならではの懐の深さを感じました。明るいところにも実はデータがちゃんと残っていて、ハイライトを沈めると階調がまた出てきたりするんですよね。これは本当にすごい。風景であれば落ち着いて撮ることができますが、動物となると行き当たりばったりなところが多くて。そんな状況ですから、とにかくシャッターを切るのが先決。若干広めに撮っておいて後でトリミングをすることを考えても、この解像感があれば安心です。多少アンダーに撮っておけば光が飛ぶところもなく、アンダーでもシャドウ部分を持ち上げることができる。これはソニーのセンサーだから成せる技だと思いますね。

主役を際立たせるメリハリのあるぼけ味

――レンズのF値は2.4〜4ですが、ボケ味の表現は楽しめましたか?
下のエゾジカの写真は、目にピントを合わせているので、耳から後ろがきれいにぼけていますね。実際のところ、もうちょっとぼけてくれると良かったかな、という思いはありますが、うるさい感じにはならないし、メリハリのあるぼけは好印象です。

F4、1/320秒、ISO1600、600mm

エゾジカの顔や頭にこれだけ雪を付けているのは、雪の下に埋まっている笹の葉を食べていたから。冬場は食べられる葉っぱがないので、雪を掘って食べ物を探すんですよ。その直後に撮った、冬の北海道ならではの1枚ですね。
実は、この写真を撮った後、雪に埋まってしまって動けなくなってしまったんです。自力で足が抜けなくなっちゃって。撮りたい、という思いが強くて慌てるとロクなことがない。この時は同行している人がいたので、助けてもらえてよかったです。

強力な内蔵フラッシュで
舞い散る雪を印象的に見せる。

F2.8、1/10秒、ISO100、29mm

――上の作品は雪の粒が印象的に写っていますが、どのように撮影したんですか?
内蔵フラッシュを使って撮りました。僕の印象では、内蔵フラッシュの光量は、こういう被写体では強めに出る、という感じ。だから、降っている雪もしっかり止めることができるし、遠くまで光が飛ぶので雪のぼけで奥行き感も出る。さらに、きれいに玉ぼけするのが、このカメラの特徴の一つかな、と思います。つまり、望遠域でも開放の数値が小さいと、こういうぼけに繋がるということ。本当によくできたカメラだな、と感心します。
撮影したのは夕方の5時過ぎ。若干青さが残っている時間に雪が降っていると、日没後の数分間、雪が写し止められる時間があるんです。その短い時間を狙って撮影しました。

今後は切り出しもできる4Kが必須になる。

――RX10 IIIは4K動画も撮影できますが、井上さんは動画撮影もされますか?
今のところ、依頼があれば、というところですが必要性は常に感じています。昨年、たまたま月見草が開花する瞬間を動画で撮って、いつか売れたら面白いなと思ってYouTubeに載せておいたんですよ。そしたら、CMの制作会社から「月見草の映像を買いたい」という申し出があって。その映像はフルHDだったんですけど、先方に「やっぱり4Kで撮っておいてください」と言われたんです。やっぱり4Kで撮っていれば切り出しもできるので、4Kというのは必須になってきますよね。
そこでRX10 IIIでも動画を撮影してみました。以下の動画は朝日に照らされてキラキラ光るダイヤモンドダストを撮影したものです。ストロボは使わず、自然光だけで撮影しています。

瞬間を逃さず記録して
作品づくりはその後で。

――井上さんは画像のトリミングもされるそうですが、その理由を聞かせてください。

僕は解像度が大きいなら、動物の写真はどんどんトリミングします。動物の写真を完璧な構図で撮るのは、かなり難易度が高いんです。後からトリミングしてよかった、と思うことが100枚撮ったら99枚はあるんですよ。だから、チャンスを逃さないためにも、まずは撮ることを優先すべきだと考えています。
作品づくりのタイミングは、後にずらしてもいいと思うんですよね。まずは、面白い瞬間を、美しい瞬間を記録する。そして、家に戻ってきて、それをもう一度制作の時間に充てる。これは素晴らしい余裕を持った活動だと思います。
僕が思うに、トリミングを否定する方は、プロセスを大事にされている方だと思うんです。でも、僕は結果がすべて。トリミングすることで、よりいい作品になるのであれば、それを使わない手はない。それを封印することは、後ろ手を縛るということ。RX10 IIIは解像感も素晴らしいカメラですから、必要があればどんどんトリミングして、見る人に感動を与えるような作品に仕上げたいと思っています。

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