1961年東京都出身
1984年日本大学芸術学部写真学科卒業
主な個展
- 2022年
- 田園都市 ソニーイメージングギャラリー銀座
- 2019年
- 日々IV ソニーイメージングギャラリー銀座
- 2009年
- もうひとつの島の時間 ギャラリー冬青
- 2007年
- もうひとつの島の時間 コニカミノルタプラザ
写真集
- 2024年
- 南島記 リバーサイドブックス
- 2012年
- 島想い リバーサイドブックス
- 2008年
- もうひとつの島の時間 冬青社
- 2006年
- 島の時間 クレオ
コレクション
東京都写真美術館
日本大学芸術学部
1983年大学3年生が終わった春休みに初めて沖縄の石垣島に撮影旅行に行ったのがきっかけで、沖縄の島々を撮り始めました。それらの写真は2008年に「もうひとつの島の時間」という写真集として発表しましたので、今回の写真展は18年ぶりの続編ということになります。
沖縄のカレンダーにはあたり前のように旧暦が併記されています。これは生活に根付く仏壇やお墓に関する行事や地域の祭祀が旧暦に基づいて行われているからです。琉球王国時代から農民は旧暦と二十四節気によって穀物の種を蒔く時期や収穫の時期を決めて季節の節目ごとに収穫を祝い、翌年の五穀豊穣を願ってきました。種子取祭、豊年祭、結願祭などとして、地域ごとに大事な行事として現在まで引き継がれています。司という女性の神職が先祖に祈りを捧げたあとには唄と踊りが奉納されるのですが、演じるのはそれぞれの地域の皆さんです。三線の名手や見事な舞を披露する演者も普段は役場に勤めていたり小学校の先生や食堂の女将さんだったりします。
琉球王朝時代の重税に苦しむ農民にとってこの日が納税も終わったつかの間の娯楽の日だったことは想像に難くないのですが、時代が変わった現代の島人が祭の何日も前から奉納芸能の練習に真剣に励む様子を見ていると先祖から受け継いできたことを次の世代へ繋いでいくという強い使命感と誇りが伝わって来ます。
沖縄ではご先祖様も神様ですし、あらゆる自然界のものにも神様が宿っているとされ、海の彼方のニライカナイという楽園からやってくる神様もいらっしゃいます。仏壇にはトートーメー(位牌)というご先祖様の神様が、家庭の台所にはヒヌカン(火の神)という神様が祀られています。そして祭の日にはミルク(弥勒)という来訪神を迎えます。
沖縄で写真を撮っていると森の中で濃密な空気を感じたり、なにもない浜で敬虔な気持ちになったりすることがよくあります。カメラは目に見えるものしか写せませんが、写真に写っているのは目に見えるものだけかと言われたらそれも違うような気がします。