ソニーイメージングギャラリー 銀座

写真家・スパイスフーズ作家
理工学部建築学科を卒業後、設計会社に就職。25歳の春、「でもやっぱり写真が好き」とカメラを持って放浪の旅へ。そのまま写真家に転身する。撮影、執筆、講演、写真教室の講師など、写真を軸に幅広く活動。写真集『熊野古道を歩いています。』、著書『エアリーフォトの撮り方レシピ』など、写真・旅にまつわる著書を多数出版。
2011年に熊野古道と出会い、2014年から本格的に歩く旅をスタート。これまで約70回熊野を訪れ、約700kmを歩く。伊勢路・中辺路を踏破し、現在も小辺路・大辺路の旅を続けている。三重県・和歌山県をはじめ、自治体などが主催する熊野古道関連のトークショーやフォトツアー、講座などにも多数出演・担当。
また、写真とスパイス料理を学ぶ教室「Room5656」を主宰。写真だけでなく、スパイスや食を通しても、人と旅や土地の魅力を伝えている。
満開のクマノザクラが、星のように散り、土へ還る。
祭りの炎と男たちの声が、山を森を、龍のようにうねる。
雨に濡れた花びらが、足元で静かに光る。
苔むした古道は続いている。歩いても、歩いても。
熊野古道を、もう何百キロも歩いている。
それでも、撮りたいと思う。どうしようもなく。
神と人。
生と死。
この世とあの世。
歩くたび、炎が揺れるたび、桜が散るたび、
境界は、ほどけていく。
私の心の境界も。
曖昧なままで、歩いていく。