商品情報・ストア Feature 「音にこだわる」楽しさを思い出させてくれた 音楽プロデューサー 今井了介とウォークマンNW-A105

「音にこだわる」楽しさを
思い出させてくれた

音楽プロデューサー 今井了介と
ウォークマンNW-A105

リオデジャネイロオリンピックNHK公式ソング「Hero」(安室奈美恵) 、ラグビーワールドカップNHKテーマソング「ECHO」(Little Glee Monster)をはじめ、90年代からDOUBLE、浜崎あゆみ、EXILE、三浦大知や嵐といったアーティストの楽曲を手がけてきた音楽プロデューサーの今井了介さん。音楽専用機であるウォークマン「NW-A105」を体験した音質への印象、そして音楽の作り手として期待したいことを語っていただきました。

お店で音楽をディグした
世代にとっての
サブスクの魅力

「音楽プロデューサーという仕事柄、耳を酷使するので、プライベートでは耳を休ませるように意識しています。ですから車や家でBGM的に音楽を流したりということもなくて。聴かない時は聴かない、逆に聴く時はイヤホンやヘッドホンを使い、しっかり集中して音楽を楽しむようにしていますね。仕事では『MDR-CD900ST』を使っていますが、オフのときはハイエンドなヘッドホンだけでなく、スマホに付属しているリーズナブルなイヤホンも利用しています。イヤホンやヘッドホンをいろいろと試してみるのは好きですね。サブスクリプションの音楽配信サービスもよく利用しています。僕はレコード屋やCD屋でPOPを見ながら好きな音楽をディグ(探す)しまくるという聴き方を十分にしてきた世代なので、サブスクのレコメンド機能の便利さが面白いんですよ。ただ選曲をAIに任せているとどうしても趣味のHipHopやR&Bに偏ってしまうので、仕事の参考にするために、時々J-POPやK-POP、アメリカのポップスの中でも比較的ポピュラーなものも意識的に聴いています」

「モノ」として
愛でたくなるガジェットで

「ウォークマンとの馴れ初めは、高校1年くらいのときに入手したカセットテープ時代の『WM-509』(1988)です。一番音楽を聴いていた時代かもしれないですね。ガム電池がどんどん消耗していくので、高校3年のときに単三電池で駆動するウォークマンプロフェッショナルの『WM-D3』(1985〜)を手に入れて愛用しました。ゴツいデザインがカッコよかったですね。今回の『NW-A105』をはじめて手にしたときも、まず『モノ』として愛でる喜びを感じました。この機種は非常にコンパクトなんですけど、ガジェットが小さいことって、もうそれだけで正義で、すごく好きなんです(笑)。持っていてめちゃくちゃ気持ち良いんですね。今はスマートフォンなどのガジェットもどんどん大型化していくので、『NW-A105』に最初に触れたときに、”そうそう、持ちやすいのってこういうサイズだよね!”と感動したんですよ。今だったらスマホでオールインワンの時代だけど、カメラや音楽プレーヤーだけに特化しているガジェットって夢がありますし、むしろとことん音楽に特化して、マイクを付けたり、ボイスレコーダーやBPMカウンター、チューナーなど、音楽アプリが入ったら面白いなと感じたくらいです」

楽曲制作者の意図を
残したまま、
音を高品質に

「今回ウォークマンの『NW-A105』を体験してみて、今までYouTubeやSpotify、Apple Musicがどんな音をしているんだろうということは気にはしていたんですが、圧縮したMP3やハイレゾファイルなど、聴く音源によってこんなにも違うんだという驚きがありました。それに、ウォークマンに最初からインストールされている『W.ミュージック』という再生アプリの音質が良い。素晴らしいです。MP3って音質最優先のフォーマットではないけど、そこにまろやかさと太さをつけてくれることで、聴きやすさが取り戻される感じがしますね。

また、DSEE Ultimate※の機能をONにして、僕自身の楽曲でマスタリング後の32Bit/48kHzのWAVファイルと、256kbpsのMP3ファイルを聴き比べてみました。WAVファイルはもちろん聞こえ方は変わりませんが、MP3では違いが如実に表れて、ちゃんと補整しているのがわかるんです。それもマスタリングしたものに近くなっていますし、カメラでいうとセンサーの画素数が増えた感じというか、解像度も上がっている感じです。情報量が増えたことで、答え合わせをしているかのような感覚が味わえたんですね。たぶんMP3を標準再生アプリで再生したときのまろやかさは、ここで生まれているんでしょうね。さらにダイナミックノーマライザーとかも合わせて使うと、限りなく人間がマスタリングしている感覚に近くなっていきました。でも、やりすぎてもいないんです。DSEE Ultimateで補整をかけても、楽曲の制作者の意図が残っている。淡い雰囲気の音まで伝わってくるというのが素晴らしいと思いました」

※ソニー独自のAI技術で、圧縮音源をハイレゾ相当(最大192kHz/32bit)にアップスケーリングする機能。有線接続時かつW.ミュージック再生時にはたらく。
※2020年10月のアップデートにより、無線接続時でのイコライザーやClearAudio+等の音響効果も可能に。

リマスターしたかのような
音にしてくれる
ClearAudio+

「ClearAudio+※を使ってみたところ、キックドラムの味付けが良いんですよ。クセはあるけど本当に良い。気持ち良く聴こえるようにマスタリング時にキックドラムのアタック・初速の強さを調整するのって、本来はマスタリングエンジニアさんの熟練の技が必要なのですが、ClearAudio+はその気持ち良さを自動でやっている。良い意味で、聴いていて楽しい調整がされているんですよ。

また、90年代のR&Bを聴いてみたときも面白かったですね。この時代のR&Bは今となっては音圧が低めなのですが、ClearAudio+で聴いてみると、ヌケ感とかアンビエンスの聴こえ方が明瞭で、現代的にリマスタリングされた音源かと思えるくらい素晴らしくて。一方で近年に作られた曲を聴いてみると、キックドラムが楽しく聴こえるとか、ボーカルがキラキラしているとか、調整はされているようなのですが、でもやりすぎないようにも設定されているみたいで、そのバランス感が絶妙でした。R&Bの古い音源と現代の音源を並べても遜色なく聴こえるんですから、すごい精度ですよね」

※1回の操作で楽曲ごとに自動でソニーおすすめの音質設定にしてくれる機能。

音質にこだわる
楽しさを
思い出させてくれる

「実は、今までスマートフォンで音楽を聴いていたときは、わざわざ良いイヤホン・ヘッドホンを使おうという気はあまり起きませんでした。ハイレゾ音源からも遠ざかっていたのですが、音楽専用機である『NW-A105』を使ってみると、曲を録音した空間の様子も脳裏に浮かび上がってくるし、次の音が重なっても余韻をたっぷりと残してくれるハイレゾの良さが十分に堪能できました。開発者の方々の音質に対する想いが伝わってきて、丁寧に作られたプロダクトなんだなというのがわかります。良いイヤホン・ヘッドホンと合わせて音楽を楽しみたくなりましたね。それに『NW-A105』は、microSDに入れた曲だけでなく、スマホのようにストリーミングアプリを利用できる。この先に無限に知らない曲が広がっているという感覚は、過去のウォークマンにはなかったものだと思いますし、日頃からSpotifyなどを利用している僕には本当に嬉しい機能ですね」

誰もが
作り手になれる時代における
「プロ」の価値

「音楽リスナーとしては、ウォークマンでストリーミングが利用できることは大きなメリットですね。今の時代、利便性の面でストリーミングサービスは欠かせません。『NW-A105』なら、ストリーミングの楽曲をDSEE Ultimateでアップスケーリングできますしね。話は変わりますが、ストリーミングサービスによって、僕たちは世界中の音楽にアクセスできるようになりました。一方でクリエイターにとっても、現代は誰でも手軽に音楽を作って世の中に発信することができる時代です。そうやって生まれた楽曲が、従来のように企業の大人たちが大きなプロモーションをしかけていないのに、ネットで口コミ的に話題化して大ヒットに繋がるというパターンも今ならではですね。若い子たちにチャンスが増えて、誰もが『本当に自分が良いと思う音楽』で勝負ができる時代になったと思うんです。しかし、世の中に音楽作品が増えたからこそ、相対的に僕たちのようなプロフェッショナルたちの仕事というのも良い意味で浮き彫りになってきたんじゃないかと思いますね。どちらが良い悪いという話ではなくて、『人の記憶に一生残る』作品を生むために、彫刻刀で削るように音楽を作っていく領域というのも確かにあるな、とは感じています」

“良い音楽を、
良い音で楽しむ”
という価値観

「今、音楽産業は斜陽産業と言われることもありますが、それは半分本当で半分嘘だと思います。音楽の作り手と聴き手は依然として変わらず存在しているのですが、その中間にあるCDなどの制作や流通、小売などの領域が縮小されて、確かに音楽の周辺の経済圏が小さくなっているように見えるんです。でも、音楽の使用料はむしろ増えていますし、本来であればその大きなパイを以前よりも少ない人数で分け合っていくという夢のある世界なはずなんですね。だからこそ僕は、これから新たに音楽業界でチャレンジしていく若い人たちを応援していきたいんです。『NW-A105』のような音楽専用機が、"良い音楽を、良い音で楽しむ"という価値観を世の中に醸成してくれることは、そんな若いクリエイターたちの背中を押して、 “良い音楽を作ろう”というチャレンジがもっと増えていくことに繋がるのでは、と期待しています」

PROFILE

音楽プロデューサー
今井了介

安室奈美恵「Hero」、TEE / Che'Nelle「Baby I Love You」などを手がけた音楽プロデューサー。 1999年に手がけたDOUBLEの「Shake」のヒット以降、多くのアーティストの楽曲・プロデュースを手 がける。 2019年には楽曲「Hero」でJASRAC賞金賞を受賞。著書に『さよなら、ヒット曲』(ぴあ)がある。

撮影協力:ARK HILLS CAFE 編集:都恋堂 取材・文:武者良太 撮影:西田香織


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