RGB Mini LEDバックライト、低反射フィルム、見えないスタンド“物語”の深奥へと誘う 最新ブラビアの“美” RGB Mini LEDバックライト、低反射フィルム、見えないスタンド“物語”の深奥へと誘う 最新ブラビアの“美” RGB Mini LEDバックライト、低反射フィルム、見えないスタンド“物語”の深奥へと誘う 最新ブラビアの“美”

BRAVIA 9 II

ソニーが大画面液晶テレビで「最高の映画体験」を追い求めてきた歳月は、すでに20年を超えています。『BRAVIA 9 II』は、その蓄積の結晶とも言える製品です。「RGB Mini LEDバックライト」による色彩、明るさ、グラデーション表現の刷新や、外光の映り込みを劇的に低減する低反射フィルムの開発、そして映像だけが宙に浮かぶような新発想「ミラージュスタンド」まで、徹底して映画観賞=物語体験のための美しさを追求してきました。この製品を「集大成」と呼ぶ、その意味を、開発チームへの徹底取材で読み解きます。

Index

  • 01 01
    映像に込められた意図をピュアなまま届ける。
  • 02 02
    画面に映り込んだ「現実」を、消す。
  • 03 03
    主張しない。それが美しさの条件。
point

映像に込められた意図をピュアなまま届ける。

「RGB Mini LEDバックライト」とは、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色LEDが色付けされた光を発することで、これまでの液晶テレビでは実現できないと考えられていた、より鮮やかな、より眩い発色を実現する夢の新技術です。近年、注目を集めているこの技術ですが、実はソニーは20年以上前から、3色LEDを用いたバックライト技術の実用化に挑み続けており、『QUALIA 005』など、いくつかの挑戦的な製品を世に送り出しています。『BRAVIA 9 II』では、そうして長年に渡って培ってきた技術とノウハウで、RGB Mini LEDバックライトのパフォーマンスを最大化。赤、緑、青、純粋な光の組み合わせが、嘘のない映像美を再現し、クリエイターたちが映像に込めた意図をピュアなまま視聴者に届けます。

開発者からのコメント
バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

「RGB Mini LEDバックライト」の開発において、特に大きかったのが、今から20年以上前、業界に先駆けて「RGB LEDバックライト」搭載を実現していた『QUALIA 005』(2004年11月発売)の設計メンバーが議論に参加してくれたこと。当時の失敗や創意工夫を取り入れられたことで、RGB Mini LEDバックライトの使いこなしをワンランク上のものにできました。

プロジェクトマネージャー 相馬

プロジェクト
マネージャー
相馬

「バックライトの色が3色に増えただけ」ではありません。アルゴリズムに加え、光学設計、シャーシ構造、パネルのキャリブレーションの方法まで、すべてをRGB Mini LEDバックライトのために1から組み立て直していることをお伝えさせてください。

夢の新技術、「RGB Mini LEDバックライト」とは!?

point

画面に映り込んだ「現実」を、消す。

日常生活をひととき忘れて映像の世界に「没入」したいと思っても、画面の中に照明や外光、自分自身の姿が映り込んでいることに気付いた瞬間、物語の世界から現実へと引き戻されてしまいます。『BRAVIA 9 II』でエンジニアたちが挑んだのは、そんな「現実」を消し去る低反射フィルムの開発でした。外から入り込む光を静かに受け止め、乱すこともぼかすこともなく、ただ見えなくする。画面の中だけに「世界」がある。『BRAVIA 9 II』はそんな奇跡のような体験をもたらしてくれます。

開発者からのコメント
低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

照明や外光、あるいは自分自身の姿が画面に映り込むという「ノイズ」が消え去ると、映像の世界への没入感が圧倒的に高まります。従来のご家庭では電気を消して部屋を暗くしたり、カーテンを閉じたりといった対応が必要でしたが、『BRAVIA 9 II』であればその必要はありません。晴れた日でも、照明をつけた状態でも、映り込みを気にせず映像に没入いただけます。

画面に映り込んだ現実を消す!?「低反射フィルム」の開発

point

主張しない。それが美しさの条件。

優れたデザインは、自分自身の存在を主張しません。背景に溶け込み、大切なものだけを残します。大切なものとはもちろん「映像」のこと。そんな体験を目指し、ソニーのデザイナーたちが生みだしたのが、光を騙す「ミラージュスタンド」。映像をしっかりと支えながら、背後のケーブルも含め、徹底的に存在感を感じさせない、魔法のようなアイデアです。画面の中の「物語」と、リビングの中の「現実」が溶け合うような新体験が、映画への没入をデザインの側から支えています。

開発者からのコメント
デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

今回の『BRAVIA 9 II』は従来モデルと比べて、さらなる薄型化が実現されています。壁掛け時に特に違いを感じていただける進化なのですが、その「軽快さ」をスタンド置きした際にも感じていただきたいと考えたのが、「透けるスタンド」に挑戦したきっかけです。画面だけがそこにたたずんでいるような、コンテンツへの没入感を高めるデザインを目指しました。

『BRAVIA 9 II』の目指した、美しさの条件とは?

  • 4K液晶テレビ
    BRAVIA 9 II(XR90M2シリーズ)

    商品情報

Interview

『BRAVIA 9 II』開発チーム
  • プロジェクトマネージャー 相馬

    プロジェクト
    マネージャー
    相馬

  • 商品企画担当 鷲野

    商品企画担当
    鷲野

  • バックライト設計担当 下之園

    バックライト
    設計担当
    下之園

  • 低反射フィルム設計担当 内田

    低反射フィルム
    設計担当
    内田

  • デザイン担当 横田

    デザイン担当
    横田

  • デザイン担当 兼田

    デザイン担当
    兼田

20年以上にわたるノウハウの蓄積と継承が可能にした
RGB Mini LEDバックライトの使いこなし

まずは、新しい『BRAVIA 9 II』がどのような製品なのかを教えてください。

プロジェクトマネージャー 相馬

プロジェクト
マネージャー
相馬

『BRAVIA 9 II』は、先代モデル『BRAVIA 9』(2024年8月発売/併売)とあわせ、3年間の商品戦略の中で企画・開発された最新フラッグシップモデルです。「お客さまのご自宅に最高の映画体験をお届けしたい」という強い思いのもと、色彩や明るさのさらなる向上、画面への映り込み低減などといった課題を一つひとつ解決していくことで、映画撮影時に使われる「マスターモニター」を指標とする高画質を追求しました。私たち開発チームが本当にやりたかったこと、実現したかった理想をすべて詰め込んだ製品と言っても過言ではありません。

商品企画担当 鷲野

商品企画担当
鷲野

ちなみに、先行した『BRAVIA 9』は、AV専門誌など数々のメディアから高い評価を受けており、とあるアワードでは2年連続で大賞をいただくという快挙を成し遂げています。もちろん、お客さまの満足度も高く、「映像がとても美しい」など、たくさんのお褒めの言葉をいただきました。これらは開発チームの大きな励みになっています。

技術進歩の激しい液晶テレビの世界で2年連続大賞というのは驚かされましたね。当然、その後継機である『BRAVIA 9 II』にはさらなる高画質を期待してしまうのですが、具体的にどのような点が改善されているのでしょうか。

商品企画担当 鷲野

商品企画担当
鷲野

映画制作に携わるクリエイターが大切にしていることを深堀していくと、「色」「明るさ」そして「グラデーション」という3つの映像表現のポイントが見えてきました。そこで『BRAVIA 9 II』ではこの3つを中心に画質を徹底的に強化しています。

画質強化のためのキーテクノロジーのひとつが、現在テレビ市場で話題の最新技術「RGB Mini LEDバックライト」だと思うのですが、これがそもそもどういうものなのかから教えていただけますか?

バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

RGB Mini LEDバックライトについてご理解いただくために、まずは先代モデル『BRAVIA 9』に搭載されていた「Mini LEDバックライト」について説明させてください。

『BRAVIA 9』では、それまでの液晶テレビで使われていたLEDと比べて、非常に小さな「Mini LED」を高密度に配置したバックライト方式を採用しました。このMini LEDを細かく分割して制御し、「明るい部分はしっかり明るく」「暗い部分はきっちり消す」ことで、高いコントラストを実現していたのです。ただし、色については従来通りで、1つのドットを赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のサブピクセルに分け、それぞれに配置された液晶をシャッターのように閉じたり、開いたりすることで色を表現しています。紫を出したい時は赤と青の液晶を開き、緑を閉じるといった具合です。

液晶テレビの画面を虫メガネなどで拡大すると1つのドットがRGBの3色に分かれているのを肉眼で確認できますね。

バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

対して『BRAVIA 9 II』では、液晶パネルの基本的な構造はそのままに、背後にあるMini LEDをそれぞれRGBの3色に分割し、個別に点灯制御できるようにした「RGB Mini LEDバックライト」を搭載しています。『BRAVIA 9』のMini LEDバックライトは「明るさ」だけを制御可能でしたが、RGB Mini LEDバックライトでは、3色LEDの光を組み合わせることでバックライトの「色」も細かく制御できます。これにより、バックライトの段階で不要な色味が混じらないピュアな色を作り出すことができ、液晶での色制御と合わせ、より幅広い色域を表現できるようになりました。また、バックライトのRGB化によって今まで難しかった微細な色のコントロールが可能になり、グラデーションをより滑らかに表現できるようにもなっています。

Mini LEDバックライト(左)では明るさしか制御できないが、RGB Mini LEDバックライト(右)では明るさに加え、色も細かく制御できる。

バックライト段階で色を作り出せることが、なぜ色域の拡大につながるのでしょうか?

バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

従来の液晶テレビでは、液晶パネルの開閉によって、バックライトで作った光の透過量を赤・緑・青のそれぞれで調整することで色を表現しています。つまり、赤・緑・青 全ての色の要素を含んだ光を3原色ごとに減衰させて色を作り上げています。その点、バックライトの段階で赤・緑・青それぞれの色を作ることができれば、液晶パネルで光を減衰させて色を作る必要性が減り、不要な色成分を含まない、狙った色の光をそのまま表示することができます。結果として、各色の純度が高まり、これまで表現が難しかった色まで再現できるというわけです。

また、従来の方式では明暗差の激しい輪郭部分の「フレア」と呼ばれる光漏れがバックライトの白色になってしまう不自然さがあったのですが、RGB Mini LEDバックライトでは、フレアの色がオブジェクトの色に合わせたものになるため、従来よりも違和感を抑えることができ、コントラスト感も大きく向上します。

プロジェクトマネージャー 相馬

プロジェクト
マネージャー
相馬

さらに、ソニーのRGB Mini LEDバックライトには、どの角度から見ても色がきれいに見えるという特長があります。バックライトで正しい色を作ることができるため、従来方式と比べて見る角度による色の変化が起こりにくく、安定した画質を実現できるのです。

なるほど。RGB Mini LEDバックライトは従来液晶テレビの抱えていた問題を解決してくれる技術なのですね。ただ、RGB Mini LEDバックライトを搭載したテレビは、すでに多くのメーカーから発売されています。そのなかで、「ソニーのRGB Mini LEDバックライト」にはどのような強みがあるのかを教えてください。

バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

ソニーのRGB Mini LEDバックライトの強みは「色の正確さ」です。LEDには、その明るさが、温度や電流などの影響を受ける特性があります。RGB Mini LEDでは、この特性が各色でそれぞれ異なるため、さまざまな駆動条件の変化が色のバランスの崩れに直結してしまう課題がありました。また、LEDそのものの特性に加え、各色LEDに最適かつ安定した電力をリアルタイムに提供するための電源設計や、部品の品質や実装のごくわずかなばらつきがもたらす色や明るさのムラへの対策も必要でした。

そこで、『BRAVIA 9 II』では、各色LEDの特性に合わせた独自の駆動アルゴリズムに加え、個々のLEDを駆動させるドライバーICの制御アルゴリズムを完全新規に開発。周辺環境がどのように変化しても色のバランスが崩れず、クリエイターの意図した色をそのまま届けられるようにしています。

プロジェクトマネージャー 相馬

プロジェクト
マネージャー
相馬

『BRAVIA 9 II』では温度だけでなく、LEDに流れる電流や電圧など、バックライト基板上のあらゆるデータを取得しています。そのすべてのデータをリアルタイムに画質やバックライトの光り方にフィードバックすることで、長期的にも色がずれない美しい映像をお客さまにお届けできる設計になっているのです。

そこにソニーならではの技術とノウハウが活かされているのですね。

バックライト設計担当 下之園

バックライト
設計担当
下之園

その通りです。なお、各種アルゴリズムの開発にあたっては現役の開発メンバーだけでなく、歴代のバックライト設計担当者にも参加してもらうかたちで問題点を洗い出し、対策を議論していきました。この際、特に大きかったのが、今から20年以上前、業界に先駆けて「RGB LEDバックライト」搭載を実現していた『QUALIA 005』(2004年11月発売)の設計メンバーが議論に参加してくれたこと。当時の失敗や創意工夫を取り入れられたことで、RGB Mini LEDバックライトの使いこなしをワンランク上のものにできました。

『QUALIA 005』のRGB LEDバックライトは発売当時、AVファンの間で大変な話題になりました。そのノウハウが活かされているという開発エピソードは、コアなソニーファンならずともグッと来るものがありますね。

プロジェクトマネージャー 相馬

プロジェクト
マネージャー
相馬

これら『BRAVIA 9 II』のために作りあげたバックライト制御技術を、我々は「RGB バックライトマスタードライブ プロ」と名付けました。「バックライトマスタードライブ」はバックライトや映像信号の処理だけでなく、光学的な設計、LEDがどのように光り、液晶のセルにどう当たり、最終的にお客さまの目にどう見えるかまでを含めたソニーのノウハウの総称です。

今回これをRGB3色のバックライトに対応させたのですが、「バックライトの色が3色に増えただけ」ではありません。アルゴリズムに加え、光学設計、シャーシ構造、パネルのキャリブレーションの方法まで、すべてをRGB Mini LEDバックライトのために1から組み立て直していることをお伝えさせてください。

一目で分かる圧倒的な違い
新開発の低反射フィルムが生み出す驚きの映画没入体験

『BRAVIA 9 II』では、RGB Mini LEDバックライトに並ぶ大きな改善点として、外光の映り込みを劇的に低減しています。並べて比べなくても分かるほど映り込みがなくなっているのですが、これにはどのような狙いがあったのでしょうか?

低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

ご自宅でテレビを見る際に、映画館のように真っ暗な環境をセットアップするのは難しいですよね。照明がついていたり、窓から光が入ったりする環境では、その光がパネルに反射して視聴者の目に入ってしまい、没入感を削ぐ原因になります。これをなくして、どんな環境でも美しい映像に集中できるテレビを作りたいという思いがありました。

具体的にはどのように実現しているのですか?

低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

液晶パネル表面に貼り付ける低反射フィルム「イマーシブ ブラック スクリーン プロ」を新開発しました。この技術では、大きく2つのアプローチで映り込みを低減しています。1つは外から入った光の反射をできるだけ抑えること。もう1つは入った光を拡散してぼかすことです。

これは、PC用モニターや一部のテレビなどで使われている、いわゆる「アンチグレア」「ハーフグレア」などのフィルムとは異なるものなのでしょうか?

低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

一般的なアンチグレアフィルムでは、映り込みを目立たなくしたいあまり、過剰に光を拡散させてしまい、ギラつきや白浮きが発生して画質を低下させてしまうことがあります。そこで、イマーシブ ブラック スクリーン プロでは、映り込み低減と高画質を両立させるため、独自コンセプトの新しい低反射フィルムを開発しました。フィルムだけでなくパネル自体の構造も含めて最適な処理を施すことで、画質を損なうことなく映り込みだけを低減しています。

画面右半分だけに「イマーシブ ブラック スクリーン プロ」のフィルムを貼り付けたテスト機。

映り込みがなくなることで、映像体験がどのようにアップデートされるのかを教えてください。

低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

照明や外光、あるいは自分自身の姿が画面に映り込むという「ノイズ」が消え去ると、映像の世界への没入感が圧倒的に高まります。従来のご家庭では電気を消して部屋を暗くしたり、カーテンを閉じたりといった対応が必要でしたが、『BRAVIA 9 II』であればその必要はありません。晴れた日でも、照明をつけた状態でも、映り込みを気にせず映像を楽しんでいただけます。映画観賞以外の普段使いもしやすくなると思いますよ。

さらに「自分が映り込むのが嫌だからテレビの角度を変えよう」とか、「窓が映り込む位置にテレビを置けない」といった、家具の配置に関する制約やストレスからも解放されます。

正直、映り込みがなくなるだけでそこまで体験が変わるのか疑問に感じるところもあったのですが、実際に試してみると驚くほど没入感が高まって感動しました。

低反射フィルム設計担当 内田

低反射フィルム
設計担当
内田

ありがとうございます。特に映り込みが目立つ、映像が暗めの作品で大きなメリットを感じていただけるはずです。

ここまででお話しいただいたこと以外に、『BRAVIA 9 II』の映像体験を高める機能がありましたら教えてください。

商品企画担当 鷲野

商品企画担当
鷲野

日常的な使い勝手の向上として、新たに「My Cinema」という機能を追加しました。あらかじめ用意されたプリセットを選択するだけの簡単な操作で、画質と音質をその時の周囲・視聴環境に合わせた最適な設定に切り換えられるようにするものです。

例えば「ディレクターズカット」というプリセットを選べば、クリエイターの意図を忠実に再現した画質と音質に一発で切り替わります。プリセットにはこのほか、日中の明るい部屋で見るための「デイタイム」や、映画のセリフを強調して聞き取りやすくする「ダイアログ」などを用意。もちろん、これらをベースにお客さま自身がカスタマイズし、自分だけのお気に入り設定として保存しておくことも可能です。

『BRAVIA 9 II』の高性能を手軽な操作で引き出せるのはうれしいですね。

商品企画担当 鷲野

商品企画担当
鷲野

『BRAVIA 9 II』には、「クリエイターが見ている世界観をそのままご自宅に届けたい」という思いが根底にありますが、お客さまの視聴環境はさまざまですし、好みも異なります。また、「設定メニューが複雑すぎて、どう設定すれば一番綺麗に見えるのか分からない」という声も多くいただいていました。そこで、誰もがもっと簡単に、自分の環境や好みに合わせて映画の世界に没入できる状態を作れるよう、このMy Cinema機能を開発しました。映像と音声の設定をワンタッチで簡単に変更できるので、映画の世界へよりスムーズに入り込んでいただけるようになっています。

まるで魔法? 映像だけが浮かび上がって見える
新発想「ミラージュスタンド」の秘密

圧倒的な映像美を実現した『BRAVIA 9 II』ですが、製品デザインの美しさにもかなりこだわっていますよね。とりわけ目を惹くのが、スタンドの向こう側が透けて見える「ミラージュスタンド」の存在です。その発想の原点と、そもそもどうしてこんなことができるのかを教えていただけますか?

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

今回の『BRAVIA 9 II』は従来モデルと比べて、さらなる薄型化が実現されています。これは壁掛け時に特に違いを感じていただける進化なのですが、その「軽快さ」をスタンド置きした際にも感じていただきたいと考えたのが、「透けるスタンド」に挑戦したきっかけです。画面だけがそこにたたずんでいるような、コンテンツへの没入感を高めるデザインを目指しました。

不思議でならないのが、単に向こう側が透けて見えるだけではなく、後ろにあるはずのケーブルが見えなくなってしまうこと。まるで魔法のようです。これはどのようにして実現しているのでしょうか?

デザイン担当 兼田

デザイン担当
兼田

ミラージュスタンド中央の透明部分には「レンチキュラー」と呼ばれる、光を特定方向に拡散させる光学処理を施した特殊なシートを使っています。このシートの後ろ側にケーブルを通すと、縦方向に刻まれたスリットがケーブルの黒いラインを拡散させて、視覚的に消し去ってくれるため、ケーブルを束ねたり隠したりする必要がなくなるのです。

このアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

実はレンチキュラー自体は、昔の3Dテレビのディスプレイ部品などでも使われていた技術で、珍しいものではありません。どういう性質があるのかも知っていました。ただ、それをテレビのスタンドのデザインに使うという発想にはなかなか至れませんでしたね。

画面だけがそこにたたずんでいるようなデザインについては、20年以上前のソニー製テレビ、液晶<ベガ>やプラズマ<ベガ>の時代に「フローティングデザイン」というかたちで挑戦していたんです。しかしこれは画面の周囲を透明なフレームで囲んで浮遊感を演出するというもので、スタンドは不透明でした。

スタンドが目立つとどうしても完璧な浮遊感は得られませんよね。

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

そうなんです。でも、今、改めてフローティングデザインに挑戦するなら、スタンドも透明にしたいし、ケーブルも見えないようにしたい。どうしようか悩んでいたとき、ふとレンチキュラーを使ったらどうだろうと閃いたんです。さっそくレンチキュラーパネルを取り寄せて、ケーブルの前に置いてみたところ、期待以上に綺麗にケーブルが見えなくなって驚きました。窓を背にした逆光の環境でも十分な効果が得られたため、そのまま採用に向けて動き出しました。

その後の試行錯誤についても聞かせてください。

デザイン担当 兼田

デザイン担当
兼田

レンチキュラーパネルの選定だけでも相当な時間がかかりました。表面の凹凸が細かすぎると白ぼけしてガラスのような効果が出せませんし、荒すぎるとケーブルが消えてくれません。手に入るものを何十種類も取り寄せて、一つひとつ試さなければなりませんでした。またスタンドの断面形状も重要で、スタンド自体の存在感を消しつつ、周囲の環境がレンチキュラーパネルに映り込まないよう形状を工夫しています。床に接する台座部分を黒くしたのも、レンチキュラーの反射を最小限に抑えるためです。

ミラージュスタンド。レンチキュラーパネルが光を拡散することで背面のケーブルが見えなくなっている。

そのほか、この浮遊感を実現するために行った工夫がありましたら教えてください。

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

本体下辺ベゼル部をかなり薄くしています。従来製品では、リモコンの赤外線(IR)受光部や環境光センサー、マイクといった各種センサー類を、液晶パネルの下部にぶら下げるような形で配置していたため、どうしても画面下側のベゼルだけが太くなってしまう問題がありました。

『BRAVIA 9 II』ではこの点が大きく改善されています。センサー類をベゼルの裏側に直接重ねて配置することで下辺ベゼルの劇的な薄型化に成功し、上下左右のベゼル幅を均等に近づけることができました。その結果、ミラージュスタンドによる「画面が浮いている効果」がさらに高まり、より一層の浮遊感を生み出しています。

スタンド以外のデザイン要素で、今回新しくなったところはありますか?

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

背面デザインを一新しました。従来モデルでは格子状のパターンにしていましたが、これを縦方向のストライプにしたほか、背面に配置されているスピーカーが象徴的に感じられるようなデザインを施しています。

その狙いを聞かせてください。

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

『BRAVIA 9 II』では音質も劇的にパワーアップしていることを視覚的に伝えたかったのです。分かりやすいところでは、多くのテレビで下に向けて開口しているスピーカーが背面(壁面)に向くようになり、高さも視聴している人間の耳の位置くらいになっています。これを横並びの3つの円で表現しました。一番外側が中高域を担当するトゥイーター、真ん中がウーファー、一番内側がウーファーの低音をブーストするダクトとなります。縦方向のストライプはここから側面を回って、音が広がっていく音の波を表現しています。

『BRAVIA 9 II』背面パネル。ウーファーのダクト上部には音を立体的に響かせるイマーシブスピーカーを配置。3つの円、一番外側のトゥイーターは背面のほか、側面にも開口している。

縦方向のストライプはレンチキュラーの模様のようでもありますね。

デザイン担当 横田

デザイン担当
横田

もちろんそれも意識しています。光も波の一種ですからね。映像と音、2つの波をデザインとして取り入れたことで、ソニーの目指す「画音一体」の境地を表現できたのではないでしょうか。デザインだけでなく全ての点で、作っている我々すらびっくりするような製品に仕上がったのではないかと感じています。

Message

『BRAVIA 9 II』はソニーテレビ開発史における「集大成」

  • ソニーが大画面液晶テレビに本格的に取り組むようになってから、すでに20年以上が経過しました。この間、ソニーのエンジニアたちが抱いていた「最高の感動をお客さまにお届けしたい」という熱い思いは、決して途切れることなく、代々のエンジニアたちにしっかりと受け継がれています。そして今日、20年を超える技術の蓄積と情熱が結実した『BRAVIA 9 II』を世に送り出せることを本当に誇らしく思います。

    クリエイターの皆さまが映像に込めた熱い思いや繊細な表現を、一切妥協することなく正確にお客さまのもとにお届けするにはどうすればよいか? その問いへの究極の回答がこの製品です。画質を支えるバックライト技術、低反射フィルムはもちろんのこと、緻密な機構設計、熱対策、画質のチューニング、そして、映画館のように画面から直接声が聞こえてくるような独自の音響設計など、全方位に一切の妥協を許さず、徹底的に作り込んでいます。

    また、ミラージュスタンドをはじめとするデザイン面でも、ソニーらしさを存分に感じていただける仕上がりになっています。先輩エンジニアたちと共に作り上げてきた、ソニーのテレビ開発史における「集大成」と言える製品に仕上がったのではないでしょうか。

    これまでのソニー製品を愛してくださったファンの皆さまにも、初めてソニーのテレビに触れる方にも、必ずや新たな感動をお届けできると自信を持っております。ぜひ一度、店頭でその圧倒的な映像と音をご体感いただき、ご自宅のリビングに迎えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

    『BRAVIA 9 II』プロジェクトマネージャー
    相馬

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