



春は始まりの季節。「TOEICの点数を上げたい」「仕事で海外プロジェクトに挑戦したい」などといった理由で、本格的に語学学習を始めようと思っている人も多いことだろう。そんな人に注目してほしいのが、ソニーのポータブルラジオレコーダー「ICZ-R250TV」だ。ラジオやテレビでの語学番組の音声を予約録音して、バリエーションに富んだコンテンツで学習できるほか、話題の語学学習法「ディクテーション」専用の機能も搭載している。今回はそんな「ICZ-R250TV」を使い、価格.comスタッフが1週間の英語学習にチャレンジした。「ICZ-R250TV」の多彩な機能を活用し、英語力を向上させていく様子を詳しくレポートしていこう。
春になると、「今年こそは語学力をアップするぞ」と、さまざまな教材を購入し、語学学習に取り組み始める人は多い。しかし、それを継続していくのはなかなか難しく、夏を迎える前には、本棚にしまい込まれた教材を見て肩を落とす、というのもよくある話だ。その点、ラジオやテレビの語学番組を使った学習は、無料で手軽に始められるし、教材はいつもフレッシュで飽きずに続けられる。また、番組を録音しておけば、好きな時に自分のペースで学習できるのも魅力だ。...
そんな語学学習者に注目してほしいのが、ソニーの「ICZ-R250TV」。本モデルは、ラジオチューナーに加え、ワンセグチューナーも内蔵し、テレビ音声も再生・録音できるポータブルラジオレコーダーなのだ。ラジオやテレビ音声を聴きながら録音できるのはもちろん、あらかじめ設定しておいた日時で最大20件の番組をタイマー録音することもできる。ラジオやテレビの番組を使った語学学習は、放送時間と、実際に勉強できるタイミングが合わないことがネックになりがちだが、「ICZ-R250TV」なら放送時間に机の前に座っている必要はない。仕事に行く前や、帰宅後など、自分の好きな時に、わからないところを何度も繰り返し聴きながら学習することができる。
また「ICZ-R250TV」は、ディクテーション学習に効果的な機能を豊富に搭載しているのも大きなポイントだ。ディクテーションとは、英語を“聴いて、書き取り、声に出す”トレーニングのこと。シンプルだが、リスニングとライティングの練習になるほか、文法力の強化やスペルの確認にも有効。また、音読を行うことでスピーキング力も強化できる、今注目の学習法である。
そんな「ICZ-R250TV」が“いかに語学学習に使えるか”を確かめるべく、価格.comスタッフが1週間にわたり英語学習に挑戦。複数のラジオとテレビの語学番組を録音し、多彩な機能を使いながら、ディクテーションを中心に学習を行った。

ソニーのポータブルラジオレコーダー「ICZ-R250TV」。ラジオだけでなく、テレビ音声の再生・録音にも対応しているほか、語学学習に役立つ多彩な機能を搭載している。パールホワイトのボディは天面パネルのメタリック素材がアクセントになっており、スタイリッシュな印象だ

「ディクテーション」学習法とは、“聴いて、書き取り、声に出す”トレーニングのこと。ヒアリング力をはじめ、文章の構造を考えながら書き取るため、英文法の勉強にもなる。正しく音読できるようになるまで、何度も繰り返すことが大切だ

「ICZ-R250TV」を使った1週間の英語学習に挑むのは、英語レベル初級〜中級程度の価格.com女性スタッフ。趣味で海外旅行に行くたびにカタコトの英語でコミュニケーションを図り、「もっと英語ができたら……」と...痛感すること数知れず。しかし、何冊もの教材を買い込んで勉強を始めるも、3日と持たず挫折することが多かった。果たして今回の1週間チャレンジでどこまで英語力がアップするのか、その模様を伝えていく。
まずは、ラジオの語学番組を録音するところからスタート。番組の放送は早朝、昼間、深夜など1日に数回あるが、放送時間を忘れたり、仕事で聞き逃してしまうことを避けるため、予約録音をすることに。「ICZ-R250TV」はAM/FMラジオに加え、テレビ番組の音声も最大20件まで予約録音可能で、番組の曜日や時間に合わせて毎回録音を設定しておくこともできる。毎日録音、曜日指定録音の場合は、1設定あたり1件というカウントになるので、最大20番組まで予約できるということになる。



録音予約するには、フロントパネルの予約ボタンを押し、録音予約画面へ(左)。曜日設定画面(中央)では、必要な曜日を選択でき、日時設定画面(右)では、開始時間と終了時間を1分単位で設定できる
この日はラジオ番組の中級者向け英会話講座を予約。「録音予約」から番組が放送される曜日と時間帯をセットしたので、毎週同じ曜日の同じ時間帯に自動録音されることに。これならうっかり予約をし忘れすることもない。仕事から帰宅した後、早速「ICZ-R250TV」で録音した番組を再生してみたが、英語の音声が速すぎてなかなか聴き取れず、意味もよく理解できなかった。実力のなさを改めて認識し、「このままではいけない!」と奮起。話題のディクテーション学習を開始することにした。


すっきりとレイアウトされたフロントパネル。向かって左サイドには、「AM/FM/TV」の切り替えボタンや、「マイク/オーディオ入力」ボタンなど、ラジオレコーダーとしての基本的な操作ボタンが並ぶ。また右サイドには、「録音済ファイル」ボタンや「メニュー」ボタンなど、データを検索したり、詳細な設定を行ったりするためのボタンがまとめられている

天面パネルには、「お気に入り放送局」ボタンを5つ配置。よく聴く放送局を5局まで登録できる。よく使うボタンをフロントではなく天面に置くことで、ボタンを押したときに本体が動いてしまう可能性を低減している

音量調整は「アナログボリューム」を採用。ボタンによるアップ/ダウンに比べ、より細かい調整が可能になるほか、ボタンをカチカチ連打する必要がないので操作もラクに行える
ディクテーション学習の手順はこうだ。①音源を再生して聴き取り、②書き取りを行い、③声に出して読み上げる。「ICZ-R250TV」のディクテーション再生機能は、音声を3〜30秒までの任意の時間で区切り、繰り返し再生することができる。まずは音声の再生時間を最短の3秒に設定し、ディクテーションを行ってみたが、わずか3秒の音声にも関わらず、半分以上聴き取ることができなかった。
部分的に単語を聴き取ることはできたが、やはりネイティブの音声に耳と理解が追いつかない。ディクテーション学習をするうえでは、英単語で書き取れない場合はカタカナでもいいので書き取ったほうがよいと知って書いてみたものの、ノートの書き取りには半分近くカタカナが混じっている。英会話講座の教材で答えを確認すると、音声に出てきた単語と表現はすべて知っているものばかりだったことに気づき、がくぜんとした。
こうして、1日目は散々な結果に終わってしまったが、「ICZ-R250TV」のディクテーション再生機能には、注目すべきポイントがいくつもあった。まず、指定した秒数再生すると自動的に停止してくれるため、従来のように自分で停止ボタンを押す必要がなく、その分、聴いて、書き取る作業に集中できる。さらに、聴き取れなかった部分をもう一度再生する場合は、「巻き戻し」ボタンをワンプッシュするだけで、自動的に前回再生した区間の3秒前からスタートする。ちょうどいい巻き戻しのポイントを探す手間がなく、聴き直したい個所に素早く戻ることができるほか、ボタンを押す作業に気を取られて冒頭の部分を聞き逃すといった心配もない。先に進む場合も次の区間の3秒前から自動で再生されるなど、「ICZ-R250TV」にはディクテーション学習のための緻密な作り込みが施されていた。

ディクテーション再生機能を使えば、音声を指定した秒数で繰り返し再生できるので、うまく聴き取れなかったフレーズや文章を聴き返すのが驚くほど簡単。戻しすぎたり、進みすぎたりといった操作ミスで貴重な学習時間をロスしなくて済むのだ


ディクテーションの再生時間は、5秒、10秒、15秒から選べるほか、3秒から30秒まで1秒単位でカスタマイズすることも可能。フレーズや文の切れ目などに合わせて設定できるのがありがたい

「たった3秒だからできるだろう」と高をくくっていたが、書き取りもカタカタ混じりで結果は散々だった。3秒で読み上げられた単語の数は約10個。それらをすべて聴き取り、書き取って、声に出すには、ヒアリング力、ライティング力、スピーキング力ともにまだまだ足りないことを実感した
※学習効果には個人差があります。
学習3日目。少しずつだが英語に耳が慣れてきた。引き続き、ラジオ番組の中級者向け英会話講座を録音し、学習を続けているが、3秒程度のフレーズなら間違いながらも何とか聴き取れるようになってきた。書き取りの文面でもカタカナが減ってきたし、何度も繰り返し聴いて声に出すうちに、ネイティブの発音やイントネーションにも前ほど違和感を感じなくなってきた。
そこで、テレビ番組のビジネス英会話講座も録音し、あわせて教材として使い始めた。ラジオに加えてテレビの音声も録音が可能になると、教材のバリエーションがグッと増えるし、コンテンツにも変化がつくので、飽きずに続けられそうだ。
このころになると録音済みのファイル数が増えてきていたが、「ICZ-R250TV」には便利な検索機能が豊富に搭載されているので、再生したいファイルをスムーズに見つけ出せる。AM/FM/テレビの放送局名から検索したり、録音した日時でカレンダーから検索したりできるほか、未再生ファイルや最後に録音したファイルといった条件からも検索することが可能。いくつもの角度からアプローチできるので、ファイルを大量にストックしていてもお目当てのファイルを見つけるのに苦労することはない。


テレビ番組の音声も簡単に録音できるので、常に新鮮な教材で語学学習にはげめるのがうれしい。また、主/副音声の切り替えが可能なので、ニュースや映画を副音声の英語で録音し、教材にすることもできる


内蔵メモリー画面にアクセスすると、多彩な検索項目が並ぶ。「録音した音声」だけでなく、パソコンから転送した音楽ファイルを収めた「ミュージック」や「ポッドキャスト」などの検索項目もあり、目的のファイルに素早くたどり着ける


「カレンダー検索」(左)は、録音した日付を覚えている場合に便利。録音済みファイルが存在する日付には下線が表示される。また、「未再生ファイル」(右)を定期的にチェックすれば、ファイルの聴き忘れを防止することもできる

3日目。英語の音声に少しずつ慣れてきて、間違いはあるものの3秒程度の音声なら何とかディクテーションができるようになってきた。ネイティブの発音とイントネーションの特徴を意識する余裕も出てきて、ちょっと学習に楽しさを感じ始めた
※学習効果には個人差があります。
3日目以降、ラジオの英会話講座とテレビのビジネス英語講座を録音し、トレーニングを行ってきたが、チャレンジは早くも後半戦に突入。さらなるレベルアップを狙い、音声の長さを当初の2倍の6秒に設定してディクテーションを行った。すると、やはり再生時間が長くなった分、一度に理解しなければならない英語の量が増え、より難しくなった。特に音声の後半部分で集中力が切れてしまい、うまく聴き取れないことが多かった。
そうした部分は、「ICZ-R250TV」の豊富な再生機能を使うことでカバーできた。再生中に一定秒数の早送り、早戻しができる「イージーサーチ」で音声をさかのぼって確認したり、再生速度を遅くしたり早くしたりできる「デジタルピッチコントロール」機能で聞き取りづらい個所をゆっくり再生することもできる。通常の再生スピードでは、筆者には速すぎて6秒間の音声を聴き通せなかったが、再生速度を落としたところ、ずいぶんと聴き取りやすくなった。また、指定した区間を繰り返し再生できる「A-Bリピート」でわからない部分を何度も聴き直したりすることができるのも便利だった。この「A-Bリピート」はディクテーション再生機能をオフにした状態で使用できる。
自分のペースで何度も聴いて、書いて、発音する。すると、だんだんネイティブの発音やイントネーションの傾向がつかめてきて、聴こえてきた英語を頭の中で理解するスピードも速くなってきた。また、単語と単語がくっついて聴こえたり、単語が欠落してしまったりしていた個所も少しずつわかるようになり、発音の練習、英作文の練習にもなる。この日は通常の80%程度のスピードでなら、6秒のディクテーションを何とかこなせるようになった。5日目にして、徐々に力が伸びていることと、ヒアリングに対する苦手意識が少なくなっていることを感じた。

「イージーサーチ」は10秒の早送りと、3秒・10秒の巻き戻しが可能。「速度調整」は0.5〜2倍速まで対応しており、自分の学習レベルに合った速度を選択できる。また、速度を変えても音程が高くなったり低くなったりしないのもうれしいポイントだ


「A-Bリピート」ボタンも天面に配置。始点(A)と終点(B)を指定すると、その区間をループ再生できるので、再生・停止・巻き戻しなどのボタン動作を省略できる。特定の単語やフレーズを繰り返し聴きたい時にピッタリの機能だ

チャレンジ後半、音声の再生時間を当初の倍の6秒に伸ばしてディクテーションを実施。当然ではあるが聴こえてくる英語の量も倍になり、後半部分で苦戦することに。しかし、再生速度を落とすことで何とか対応できるようになった
※学習効果には個人差があります。
最終日。ラジオとテレビの英語講座を使った学習が、毎日の習慣になってきた。やはり内容が常にフレッシュなのと、時間を気にせずマイペースで続けられるのがいい。ディクテーションについては、ときどき冠詞の「the」や「a」を聴き逃したり、動詞の現在進行形を現在形に聴き間違えたりといった細かいミスはあるものの、6秒の音声を通常速度でだいたい聴き、書き、音読できるようになった。たった3秒の音声でも四苦八苦していた初日に比べ、確実に進歩したと言える。
ネイティブの音声を繰り返し聴き続けたことでヒアリング力が身についたほか、正しく英文を書き取るために単語や文法を再確認したことで、以前よりいくぶんスムーズに英文が書けるようになった。これからは、失敗してもいいからSNSなどでどんどん海外の友人とやり取りしていくつもりだ。また、ネイティブの音声を聴き、声に出していたため、発音やイントネーションにも意識が向くようになった。2日ほど前、アメリカ人の知り合いに会って少し話をしたところ、以前よりその人の発する言葉がスッと頭に入ってきた。単語ではなくセンテンスで話しかけることができたのも、決して偶然ではないだろう。

最終日。細かなミスはあるものの、6秒間の英語音声を通常のスピードで聴き、書き、声に出せるように。初日と比べると、書き取りの精度や、発音、イントネーションを大幅に改善することができた
※学習効果には個人差があります。

チャレンジ1日目から7日目までの書き取りノートを並べてみた。最初はカタカナ交じりで短かった文章が徐々に長くなり、やがてすべて英語で記されるようになっている。英語力がアップした証だ
※学習効果には個人差があります。
最後に、「ICZ-R250TV」が語学学習ツールとしてだけでなく、ラジオレコーダーとしても高い基本性能を備えていることに触れておきたい。まずは音質。「ICZ-R250TV」は専用のスピーカーBOXを内蔵しているほか、バスレフ方式のスピーカーを採用しているため、コンパクトなボディながら低音の効いた豊かなサウンドを奏でることができる。実際にFMの音楽番組を聴いてみたが、音に厚みがあり、「ラジオレコーダーでここまで鳴らせるんだ」と驚きを隠せなかった。...また、ソニー独自の音質最適化技術「ClearAudio+」を搭載するなど、オーディオ機器メーカーでもあるソニーならではのこだわりが感じられた。
気になる電波の受信感度も「ICZ-R250TV」なら心配無用。AMラジオ用ループアンテナやFMラジオ/ワンセグTV音声放送用外部アンテナにも対応しているので、電波の弱い地域でも高感度で受信が行える。また、乾電池対応に加えて内蔵充電池も搭載しており、内蔵充電池と乾電池の併用で、ACアダプターなしでも最大20時間のスピーカー再生が可能。コンセントの場所に制限されず、家中どこでも使用できるというわけだ。ちなみに、万が一充電が切れても乾電池のみでも駆動できるので安心だ。
語学学習ツールとしての充実機能もさることながら、ラジオ、テレビの番組の音声を高感度・高音質で楽しめるというラジオレコーダーとしての基本を押さえている点も、「ICZ-R250TV」の大きな魅力と言えるだろう。

バスレフ方式のフルレンジステレオスピーカーを搭載。最大出力は500mW×2で、低音が引き締まった、厚みのある音を届けてくれる


インターフェイスは、上から、microUSB端子、SDメモリーカードスロット、ステレオヘッドホン端子、オーディオ/マイク入力端子を装備。また、パソコン用ソフトウェア「Sound Organizer」を使えば、microUSBやSDメモリーカードを介してMP3などの音声ファイルをパソコンとやり取りできる



FMラジオ用の大型ロッドアンテナ(左写真)に加え、ワンセグテレビ音声専用のホイップアンテナ(右写真)を装備。AMラジオ用ループアンテナやFMラジオ/ワンセグTV音声放送用外部アンテナにも対応しているので、電波の弱い環境でも高感度な受信が可能だ


室内では、場所によってラジオやテレビの電波にムラが見られる場合がある。その点、コンセントがない場所でもACアダプターなしでも駆動できる「ICZ-R250TV」なら、あらかじめ電波状況がいい窓際などで番組を録音し、後でリビングや書斎など、自宅の好きな場所で好きな時に聴くという使い方が可能だ
1週間にわたる語学学習チャレンジを行いながら、ソニーのポータブルラジオレコーダー「ICZ-R250TV」の実力を探ってきたが、そこで感じたのは、全方位的な性能の高さだった。語学学習ツールとしては、「ディクテーション再生機能」をはじめとする豊富な再生機能など、学習者視点での開発・設計が貫かれており、「こんな機能があったら」というユーザーの希望が見事なまでにかなえられていた。ラジオレコーダーとしても、ラジオやテレビ音声の高感度受信や、内蔵充電池による取り回しのしやすさなど、基本的な要素がしっかりと押さえられている。また、高音質スピーカーやソニー独自の「ClearAudio+」搭載など、オーディオメーカーであるソニーの本領も存分に発揮されていた。春からの新生活に備えて、「ICZ-R250TV」は語学学習者ならぜひともチェックしておきたい1台と言えるだろう。