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「G Master」の設計思想や魅力を
開発陣が解説 FE 600mm F4 GM OSS 編

α Universe editorial team

Concept ~開発コンセプト~

想像を超えるポテンシャルを持った、新時代のミラーレス超望遠レンズ

プロジェクトリーダー・メカ設計担当/中村 元

中村:ソニーはミラーレス一眼カメラαシリーズにおいて、最高20コマ/秒のブラックアウトフリー連写や、AIを活用したリアルタイム瞳AFなど、これまでの常識では考えられない、ミラーレスだからこそ実現できる新次元の撮影体験を提供してきました。特にα9を使われるようなスポーツフォトグラファーのかたたちにとっては、激しく動く遠くの被写体の一瞬を切り取るための大口径超望遠レンズは必須であるため、α9の企画と同時にミラーレスシステムに最適化されたミラーレス専用の400mm F2.8 と600mm F4も開発をスタートさせました。特に今回の600mm F4というスペックのレンズは、スポーツ撮影だけでなく、野生動物、野鳥、航空機など、幅広い分野で使われる定番レンズです。その意味でAF性能、連写性能を追求したα9やα9IIのようなハイスペックなカメラの潜在能力を最大限発揮させることができる大口径超望遠レンズとして開発する必要がありました。我々開発陣も600mm F4を1日も早くお客様にお届けしたいという思いがありましたが、600mmという焦点距離と、大口径F4というスペック上、先行発売されたFE 400mm F2.8 GM OSSよりも、求められる光学精度やAF制御など、すべての面で格段に開発難易度が上がります。新規に開発すべき要素技術も多く、「G Master」の名を冠してユーザーの皆様にお届けするまでには、相応の開発期間が必要でした。 また、一眼レフカメラ用の600mm F4はすでに世の中にありますが、ミラーレスに最適化されたフルサイズ対応のミラーレス専用設計の600mm F4としては、世界で初めての商品となります。ミラーレス専用の600mm F4を出すからには、従来の技術の延長でただスペック通りのレンズを作るのではなく、ミラーレスシステムのアドバンテージを最大化する大口径超望遠レンズとして、光学性能やAF性能、重量バランスまで、すべてにおいて最高のパフォーマンスを発揮する「唯一無二の600mm F4」をつくろうと考えました。さらに近年はプロサポート活動などを通して、世界中でαを使用されているプロのかたからも多くの貴重なご意見をいただいていますので、そのご要望にもできる限りお応えし、プロフェッショナルの仕事を支える相棒のような存在になればという思いで開発しました。

Optical Design 光学設計のこだわり

プロの道具として機能性を満たしつつ、理想的な光学性能を追求

光学設計担当/丸山 理樹

丸山:光学設計にあたっては、G Masterの共通コンセプトである「解像性能とぼけの高次元の両立」は大前提として、プロフォトグラファーの仕事道具に相応しい、将来のさらなる高画素化や高速化対応をも見据えた描写性能やレスポンスを、最高レベルでお客様に提供することを目指しました。光学設計者として描写性能を追求するのは当然のことですが、いくら光学性能に優れていても、実際にプロフェッショナルが納得する高いクオリティーの映像が撮れること、つまり「撮れ高」に直結する機能性を伴っていないと意味がありません。そのため、軽量化や振り回し性、AF性能などの機能性を満たしながら、光学性能を最大化することを強く意識しました。

α9,FE 600mm F4 GM OSS 600mm,F4,1/3200秒,ISO400

世界最軽量※と卓越した光学性能を両立し、ミラーレスの世界を切り開く

ミラーレス機のポテンシャルを最大限に引き出す新世代のレンズとして、絶対に世界最軽量※を達成したいという思いがありました。大口径超望遠レンズは、光学レンズが多くの重量を占めるため、それらを軽量化することがレンズ全体の軽量化につながります。そこで、FE 400mm F2.8 GM OSSと同じ設計思想のもと、第1レンズと第2レンズの間隔を空け第2レンズ以降のレンズ径を小さくすることで軽量化。さらにレンズ前群には、色収差補正に抜群の効果があり、光学ガラスに比べて比重が軽い「蛍石レンズ」3枚を効果的に配置しています。第1レンズと第2レンズの間隔を空けるというのは一見単純な工夫のように聞こえますが、このような光学設計では第1レンズと第2レンズ以降の光学系に高いアライメント精度が求められ、メカ部品の加工精度や製造技術に要求される精度が一段と上がります。まさに、光学設計、メカ設計、製造技術が三位一体となって実現したレンズ構成です。

※ 35mmフルサイズセンサー搭載デジタルカメラ用の焦点距離600mm F4交換レンズとして。2019年6月広報発表時点。ソニー調べ

超望遠レンズでは前例のない、大口径非球面レンズの採用

今回のレンズでは、大口径の超高度非球面レンズ「XAレンズ」を新たに導入しました。非球面レンズは収差補正には効果的ですが、面精度が乱れると解像性能の低下や輪線ぼけの発生につながるという側面もあります。一般的に焦点距離が長いレンズほどこの副作用が顕在化するため、大口径超望遠レンズで収差補正上有効な箇所に非球面レンズを採用するのは非常にハードルが高く、超高精度の非球面レンズ加工技術が不可欠になります。これまで大口径超望遠単焦点レンズで非球面レンズの採用が回避されてきたのはこのような背景からです。しかし、このレンズは先立って発売されたFE 400mm F2.8 GM OSSと並び立つ大口径超望遠レンズとして、かつテレコンバーター装着時も実用性が高く、ミラーレスシステムのアドバンテージを最大化するレンズとして、この壁を超えたいと考えていました。そこで、FE 600mm F4 GM OSSに次世代の光学性能を宿らせるために、これまで前例のない非球面レンズを使ったレンズ設計に挑戦。このレンズの開発に合わせ、過去最大径でありながら過去最高精度という、これまでのXAレンズの中でも群を抜く高難易度の非球面レンズ開発を社内で進めました。これはかなり野心的な目標設定であったと思いますが、光学レンズ設計チームに加工プロセスを一から見直してもらい、何度も試作と評価を繰り返すことで大口径超望遠レンズでの使用に適した超大口径・超高精度を両立したXAレンズを開発、導入することができました。

さらに色収差を徹底的に補正するため、蛍石レンズに加えて、光学系の中間から後方にかけてEDレンズを2枚配置。軸上色収差や倍率色収差が極めて小さくなるよう抑制しています。また、XAレンズ以外の球面レンズも最高レベルの精度で研磨されたものを、製造工程において丁寧に組み立て、その上で一本一本の光学性能を微調整し、G Masterの命題である「ぼけと解像」の両立を実現させています。これらの高精度の光学レンズ群や製造技術の結晶として、このFE 600mm F4 GM OSSは、業界において高性能レンズがそろう超望遠レンズの中でも頭一つ抜けた光学性能に仕上げることができたと自負していますし、上限に張り付いたMTFグラフにもそれがあらわれています。上限に張り付いたMTFグラフは、α7R IVのような高画素機との組み合わせでもボディのポテンシャルを余すことなく引き出せることを意味していますし、カメラボディのクロップ機能を使ってさらなる望遠レンズとしてお使い頂くことも可能です。

低周波特性まで徹底してこだわり、クリアで抜けの良い画質を実現

丸山:最高級の描写を実現するためには、高周波の解像だけでなく抜けの良さも重視すべきポイントです。高周波性能はもちろん、低周波性能も意識した光学設計や、ナノARコーティングの採用、さらに鏡筒の内壁の形状や角度を最適化し、必要な箇所には植毛加工も施すことにより、鏡筒内の反射を徹底的にケアしました。これによって、黒が引き締まったコントラストの高い表現力豊かな描写を実現しています。
中村:レンズ内壁の形状は、一見FE 400mm F2.8 GM OSSと同じように見えるかもしれませんが、光線の入り方はレンズごとに異なるため、FE 600mm F4 GM OSSに最適な角度や段差の幅に調整し、イメージセンサーに反射光が届かないようにしています。非常にコストがかかる加工となりますが、ここまで複雑な形状加工を施しているレンズは、世の中にもあまり無いのではないでしょうか。

テレコンバーター装着時も優れた描写性能

α9,FE 600mm F4 GM OSS + 2X Teleconverter 1200mm相当,F16,1/16000秒,ISO200

丸山:F値が暗い場合も像面位相差AFが機能するミラーレスシステムでは、テレコンバーターの実用性が格段に上がります。FE 400mm F2.8 GM OSSやFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSなどをお使いのお客様からは、そのAF性能や描写性能に驚きの声をいただいていますが、このレンズも例外ではありません。テレコンバーター装着時もAF速度が損なわれず、かつ球面収差をはじめ主レンズの性能が徹底的に追い込まれているため描写性能が高く、例えば1.4倍のテレコンバーターを装着した際の光学性能は一般的な800mm F5.6の単焦点レンズに匹敵するレベルです。撮影で複数の超望遠レンズを持ち歩くのは非常に大変ですが、このレンズ1本とテレコンバーターを携帯するだけで、複数の大口径超望遠単焦点レンズを持ち歩いている感覚で撮影できると思います。システム全体としてもコンパクトで、フィールドでの機動力を格段に向上させてくれると思います。

Auto Focus  AFへのこだわり

2本のレンズを見据えて、最高のAFパフォーマンスを引き出す

アクチュエーター制御担当/グェン トゥン ゴク(Nguyen Tuan Ngoc)

ゴク:社内ではα9の企画段階から400mm F2.8と600mm F4も同時に開発すると計画されていました。そこで、α9のAF性能を最大限に引き出すため、大口径超望遠レンズの巨大なフォーカスレンズ群を高速・高精度で駆動させるアクチュエーターとして、今までにない新規デバイスである「XD(extreme dynamic)リニアモーター」の開発に踏み切りました。特に、α9の最高20コマ/秒連写や瞳AF、リアルタイムトラッキングに余裕を持って対応できるだけでなく、将来のイメージセンサーとボディの進化に対応できるようにアクチュエーター制御技術の開発にも注力しました。当然ながらより望遠のFE 600mm F4 GM OSSは、FE 400mm F2.8 GM OSSと同等以上の精度・速度を備えたAF性能が求められるため、ハードウェアとソフトウェアの両面から最適化設計を行いました。例えば、より重いフォーカス群を動かすために、アクチュエーターの推力効率を高めると同時に、FE 600mm F4 GM OSSに必要な速度と追随性を実現するために、駆動開始から停止に至るまでのすべてのパラメータのチューニングを徹底的に行いました。これはまさにイメージセンサーからレンズ、アクチュエーターなどの要素技術をすべて自社開発している当社だからこそ成せる技だと思います。

フォトグラファーを撮影に集中させる、AF精度と静粛性

物理的な世界では重いものを速く動かせば、振動や駆動ノイズが発生しやすく、動き出しの遅延も目立ってきます。また、高速化や応答性を向上するほど、振動が増してしまうことも制御の常識です。同じようにFE 600mm F4 GM OSSに搭載された大型のフォーカスレンズ群を、高速かつ高精度に動かす制御はとても難しく、設計段階でもそういった現象に直面しました。今回採用したXDリニアモーターは非常に推力が高く、応答性にも優れているのですが、従来の制御ではやはり駆動ノイズや振動を抑えるのは大変でした。そこで、制御方法を一から見直し、レンズに搭載されている専用ICによって、駆動ごとに最適な移動軌跡と制御パラメータをマイクロ秒単位で自律的に高速演算しています。その結果、AF精度・速度と静粛性は本来トレードオフの関係なのですが、FE 600mm F4 GM OSSではそれらの性能を高次元でバランスよく両立させることができました。これにより、α9のボディのサイレントシャッターと組み合わせることで、振動や駆動ノイズから解放されるシステムを構築でき、フォトグラファーが撮影だけに集中できる環境をつくれます。

α9,FE 600mm F4 GM OSS 600mm,F4,1/800秒,ISO100

また、テレコンバーターを装着すると長焦点距離化するため、フォーカスレンズの停止精度はさらに一段上の性能を求められます。そのような高い精度を実現するために、実際に駆動するフォーカスレンズ玉に近いところに複数のセンサーを置き、その信号を常に高速演算してフォーカス位置情報を常に把握しながら駆動制御を行っています。センサーをレンズから遠いところに置いてしまうと、位置情報の誤差が発生しやすいため、センサーの位置も最適化しリアルタイムにレンズ玉を直接センシングすることで、テレコンバーター使用時にも高精度なAFを実現しています。実際にテレコンバーターを使っているプロのかたからは、「テレコンバーターを装着したときにもAF速度や精度が変わらない」という驚きの声も多数いただいています。

自律演算により、シーンに最適化されたAF制御を実現

α9の20コマ/秒連写では、コマ間のフォーカスレンズ群の駆動に与えられる時間は1/1000秒単位の世界です。また、10コマ/秒連写と20コマ/秒連写ではレンズの駆動時間が単純に比例していると思われがちですが、実際は20コマ/秒連写時にレンズに与えられる駆動時間は比例倍数よりかなり短くなります。一方、600mm F4レンズを使って撮影される被写体は動きが激しいものが多く、精度良く被写体を追随させることはとても難度が高くなります。レンズに許される非常に短い駆動時間の中で、不規則な動きにフォーカスレンズ群を高精度で追随させるには、高速・高精度なアクチュエーター制御技術が必要不可欠です。また、いくら制御技術が優れていても、ハードウェアのアクチュエーターの推力や応答性が良くないと意味がありません。その点、XDリニアモーターは応答性も非常に高く、通常では実現できないような過酷な制御も、余裕を持って受け止めることができるため、安定した制御が可能です。このソフトとハードの両輪により、20コマ/秒連写はもちろん、さらなる高速化やリアルタイムトラッキングにも十分に対応できるポテンシャルを実現しています。

また、ソニーのミラーレスカメラは動画撮影性能も高く評価をいただいていますが、高い動画性能を実現するにはイメージセンサーやボディの性能だけでなく、レンズの設計段階からも気を使いました。動画は静止画と違いすべてのレンズ駆動の瞬間が記録されてしまうので、フォーカス群の駆動の特性も異なるものを求められます。そのため、静止画の場合は高速で、動画の場合は少しなめらかな動かし方にするなど、自律的に制御パラメータを高速演算することにより、静止画だけでなく、動画にも最適な駆動を制御しています。またα9のブラックアウトフリー連写では静止画撮影においてもレンズのAF駆動の動きがすべて見えてしまいますので、撮影者に違和感を与えないようなAF駆動も考慮に入れながらシーンに合わせたAF制御を実現しています。

Mechanical Design メカ設計のこだわり

あらゆる撮影条件を想定し、道具としての使いやすさを追求

中村:世界最軽量という目標を達成するためには、光学設計だけでなく、メカ設計においても多くのハードルがありました。レンズ鏡筒から外装まで骨格となる主要部品に、軽量かつ堅牢なマグネシウム合金を使用するとともに、設計手法そのものから見直しを図りました。プロのかたが使われるさまざまな実使用環境を想定し、落下や外力によって「どの部品にどのぐらいの応力がかかるか」を鏡筒解析シミュレーションにより徹底的に検証。その検証をもとに試作を繰り返しながら、部品ごとに強度や形状を最適化。ネジ1本の材質に至るまで吟味することで、約3,040gの世界最軽量※を達成しました。また、マグネシウム合金の加工では、設計段階から幸田サイトの精密加工専門チームを交え、加工プロセスを綿密に検討しながら設計をブラッシュアップしていきました。加えて、先ほど申しましたように光学性能を発揮させるためには、光軸を極めて高精度に合わせる必要があり、そのレンズの位置決めと固定には加工限界以上のシビアさが求められました。そのような高精度な位置合わせが求められる箇所では、部品一つ一つの寸法を測定し、その部品に合った最適な工具を選択使用するなど、すべての部品が限界を超える緻密なモノづくりの積み重ねでこのレンズは実現できました。

※ 35mmフルサイズセンサー搭載デジタルカメラ用の焦点距離600mm F4交換レンズとして。2019年6月広報発表時点。ソニー調べ

フォトグラファーの動作に直結する慣性モーメント

軽量イコール使い勝手がいい、とは限りません。大事なのは、実際にユーザーのかたが撮影される姿勢や条件において、バランス良く取り回しができること。私たちはそれを慣性モーメントという指標を使って、最適な重量バランスを導き出しました。慣性モーメントは物の動きやすさ、止まりやすさを示す値ですが、その値が小さいほど瞬時に動かせ、瞬時に止められることを意味しています。まさにプロフォトグラファーが撮影するときに求められる動作に直結しています。特にこのレンズは、飛行機や野鳥など、不規則で三次元的に高速で動く被写体を捉えたいときに使われますので、手持ちでも一脚使用時でも振り回しやすい重心バランスを模索し、三脚座の位置やレンズの重心を決定していきました。先ほど光学設計の丸山が説明した第2レンズを後群側に寄せる光学レイアウトも、この理想的な重心バランスの実現に大きく寄与しています。これにより、三脚座を持ったときにそこで重心を支えることができ、長時間持っていても疲れにくく、一脚使用時ならほぼFE 400mm F2.8 GM OSSと体感的に変わらないように設計されています。お客様がこのレンズを持ち上げたときに驚かれるのですが、これは軽さだけでなく、軽量なミラーレスボディに装着した状態での慣性モーメントに配慮してレンズの重量バランスを設計しているからだと思います。

また、一脚撮影時にフード先端をつかんで流し撮りをされるかたも多く、フードが長いと手が届きにくいため、疲れを増幅させてしまいます。そこで人間工学に基づき、フード装着時の全長を人が手を伸ばしたときに自然に手が届くように、フードの長さを調整しました。そうすると、ゴーストやフレアなどが発生しやすくなると思われるかもしれませんが、実はレンズの軽量化のため第1レンズと第2レンズの間を空けたことで画角外からの光が到達できるレンズ面数が格段に減っていて、それが画角外のゴーストを圧倒的に少なくしているため、このような機能性の観点からもフード長の最適化が可能になっています。また、最適化された長さのフードは、収納した際も三脚座をつかみやすく、持ち運びやすさにも貢献するなど、撮影現場での使い勝手も考慮しています。

レンズ交換した際も、違和感なく使える統一された操作感

操作部材については、FE 400mm F2.8 GM OSSを併用したときでも違和感なくお使いいただけるように、操作感を統一することを主眼に置きレイアウトの検討を行いました。しかし、そのままFE 400mm F2.8 GM OSSと同じレイアウトを踏襲すると、内部構造との兼ね合いで、操作部材の配置位置が制約され、統一感を出すことが難しくなりました。そこで、あえて部材のレイアウトを変更しています。具体的に言うと、三脚座の高さを5mmほど低く設計し、三脚座を持った時の手の位置をレンズに近づけることで、フォーカスリングへの指の掛かり方やフォーカスホールドボタンまでの距離などを、FE 400mm F2.8 GM OSSと同様になるようにしています。さらに、プロユーザーの使い勝手を考慮し、三脚座リングのスムーズな回転にも配慮。縦位置と横位置を瞬時に切り換えられる軽さとすばやさを生みだしました。

フォトグラファーの相棒になる高い操作性と信頼性

サッカーやラクビーなどスポーツの動体撮影では、基本的にはAFがメインで使われますが、例えばスタジアムの撮影で手前にあるゴールネットやフェンスなど不要な被写体にAFが引っ張られることもあります。こういう場面でも「フルタイムDMF」を使えば、一瞬にしてフォーカス位置を変えて、自分の意図したところにピントを合わせられます。この機能は、プロからの評価も高く、今回もより軽くなめらかな操作感で、ユーザーの感覚的な動きに応えるよう調整しています。さらに、マニュアルフォーカス時の繊細なリング操作に応える「リニア・レスポンスMF」も、国内外のトッププロに実際にフィールドで試してもらい、ヒアリングを重ねて最適な操作感を突き詰めました。

最後に、600mmという超望遠レンズは、プロの道具として最も信頼性が求められるレンズです。機材のトラブルで撮影チャンスを逃してしまうことは絶対に許されません。そのため雪山を想定した極低温環境から炎天下の超高温環境まで、過酷な環境下での品質試験をクリアしています。プロのかたに長く使っていただけるように、将来のボディの進化にも余裕を持って対応できる光学性能とAF性能、あらゆるフィールドで撮影できる信頼性を担保することで、10年先まで第一線で活躍できるようなレンズに仕上げましたので、このレンズを存分にお使いいただければと思います。

最後に

丸山: FE 600mm F4 GM OSSは、ミラーレス専用の超望遠単焦点レンズとして、底知れぬポテンシャルを持ったレンズです。例えば、リアルタイムトラッキングと組み合わせれば、一度被写体を捕捉した後はフォーカスエリアの制約を受けずフレーミングに集中でき、構図の自由度が格段に上がります。また、サイレント撮影と組み合わせれば、これまでシャッター音がはばかられたゴルフ、テニスなどの静粛性が求められるスポーツ、ワイルドライフの撮影でも気兼ねなくご使用いただけます。さらには、飛行機や野鳥などをローアングルで撮影するシーンでも、レンズの軽量さゆえにこれまでとはまったく撮影時の負担が異なるはずです。実際にお使いいただいたプロフォトグラファーの方々からも「これはゲームチェンジャーだ」との声を多くいただいています。

ソニーはイメージセンサーから画像処理エンジン、レンズに至るまで、イメージングのコア技術をすべて自社開発しており、単に個々の技術だけでなく、それらを融合させてお客様にどのようなフォトグラフィーの可能性を提供できるか、という視点で開発に取り組んでいます。既に発売済みのFE 400mm F2.8 GM OSSと併せて、描写面でも機能面でも新世代のレンズをつくりだすことができたと自負しておりますので、ぜひ、お客様にこのレンズをさまざまな撮影に持ち出していただけたらと思います。

ゴク:このレンズは、我々の自信作とも呼べるレンズだと自負しています。特にAF性能に関しては、α9シリーズの最高20コマ/秒のリアルタイムトラッキングにも余裕を持って対応できるだけでなく、優れた静粛性で動画撮影にも対応し、将来のボディの進化にも対応できる高いポテンシャルを実現した、他社に決して真似できないと思えるレンズができました。このAF速度と精度を、ぜひ体感してもらい、我々が想像できないような作品を撮っていただきたいと思います。

中村:まずレンズを手に取っていただくと、その軽さに驚かれると思います。次にレンズを構えていただくと、いままでの一般的な600mm F4レンズとはまったく違う重量バランスにもう一度驚かれるはずです。最後にα9シリーズのボディと組み合わせてシャッターを切っていただくと、動体に吸い付くようなAFと圧倒的な解像感とぼけ味の写真が撮れることに、3度驚かれると思います。さらに、α7R IVでご使用いただくと、有効約6100万画素のボディの持つ実力を極限まで引き出すことができますし、クロップしても十分な解像度を維持することができるため、1.5倍の焦点距離のレンズとして航空撮影や野鳥撮影の自由度をさらに広げてくれることと思います。レンズ設計者のこだわりが各機能や要素ひとつひとつに詰まっていますので、ぜひお客様のさまざまなフィールドに持ち出してもらい、相棒のようにお使いいただければ開発者としてこれ以上の幸せはありません。

「G Master」は、我々の持つ最新技術を出し惜しみなく詰め込み、お客様に新しい価値を提供するという大きな使命を担っているレンズです。ユーザーからのご期待やご要望も年々高くなってきており、開発の難易度は非常に高いのですが、「これは不可能ではないのか」と思えた課題も、強い思いやアイデアで乗り切って実現していくことに開発者としてのやりがいを感じています。ユーザーの皆様に撮影を楽しんでもらうことを目標に、これからも開発を続けていきたいと思います。

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