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α7S IIIで捉える野生動物の世界 写真家 上田大作 氏

α Universe editorial team

上田大作 / 写真家 1977年、山口県下関市生まれ。2005年に写真家を志して川崎重工業を退職。2006年から、北海道の原生的な自然の中で繰り広げられる野生動物の命をテーマに撮影を続けている。近年、動画撮影にも精力的に取り組み、海外の自然ドキュメンタリー番組の撮影等、活動の場を広げている。また、自然や動物、そこに生きる人間との関係もライフワークの一環として撮影し、2013年に「風連湖 冬の物語」で、田淵行男賞を受賞。National Geographic等で作品を発表している。 現在、知床や大雪山、阿寒や屈斜路湖エリアを中心に「森に生きる生命」をテーマに撮影を続けている。 http://daisaku-ueda.com

α7S IIIは可能性を広げてくれる

ボディはα7S III、レンズはFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS、FE 24-70mm F2.8 GM、FE 70-200mm F2.8 GM OSSを主に愛用しております。レンズに関しては、全長の変化がなく、重心移動量が少ないインターナルズームレンズを好んで使用しています。 α7S IIIの、4K120p、4:2:2 10bit記録と併せて15+ストップの広いダイナミックレンジで動画を記録できることに魅力を感じ、肉眼では認識できない動物や鳥たちの一瞬の素早い動きを、高精細なスローモーション映像で捉えることができると思い使い始めました。また、このカメラの最も優れた特長である高感度耐性に、新たな映像の可能性を感じました。 昨年の12月にα7S IIIを初めて手に取り、撮影を始めました。当初、極寒の地での撮影において、カメラの動作やバッテリーの持続性に不安を感じていましたが、厳しい環境の中でも常に安定した状態を保ち、強い信頼を得ました。それと併せて、吹雪やみぞれ混じりの雨等の悪条件の中でも滞りなく撮影でき、防塵・防滴性能に優れていると感じました。また、以前使用していた他社製のミラーレス機の電子ビューファインダーの映像には違和感を覚えていましたが、α7S IIIの約944万ドットのEVFからは、それをほとんど感じませんでした。

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この作品はα7S IIIとFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSを使用し、映像の多くを4K120pで記録、5倍のスローモーションで構成しています。冒頭の小雪が舞う森の中のエゾシカのシーンや、草原に生きるキタキツネの冬毛や植物が強風でなびくシーン、逆光のなかでエゾシカが水しぶきをあげて駆け抜けるシーン等、4K120pのスローモーションでなければ描けなかった映像だと感じています。動物たちのダイナミックな動きから繊細な動きまで、表現の幅は格段に広がったと思います。 また、黄金色に輝く雨氷を纏った草原を移動するエゾシカのシーンでは、強い逆光のなか、エゾシカの表情が黒くつぶれやすい状況ではありましたが、広いダイナミックレンジのお陰でエゾシカの表情がはっきり確認できます。S-Log3で撮影をしていたので暗部の階調も広く、編集作業も余裕を持って行えました。

暗所でも満足のいく作品が撮れる

α7S III,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 600mm,F6.3,1/15秒,ISO51200

こちらは日没後、暗くなった森で、顔を出したエゾモモンガを撮影したものです。α7S IIIを使用しなければ、本来撮影を諦める暗い状況でした。 ISO51200、シャッター速度は1/15秒と、動物の撮影には非常に厳しい条件下でしたが、ノイズの目立たない作品に仕上がっています。またRMT-P1BTを使用しリモート撮影を行うことで、より手ぶれを抑えた撮影ができました。ミラーレスカメラであるため、ミラーショックが起こらないことも嬉しい点でした。 同じ場所で今回動画も撮影しました(0:23〜)。これまで使用してきたカメラではノイズが乗ってしまう困難な状況下にも関わらず、巣穴から顔を出したエゾモモンガの映像はノイズによるざらつきはほとんど感じられませんでした。動画に登場するエゾモモンガの映像以外にも、エゾモモンガの滑空シーンなど多くの場面でα7S IIIはこれまで困難だった撮影を容易にしてくれています。

静止画・動画撮影問わず信頼できる

α7S III,FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS 600mm,F11,1/250秒,ISO1250

こちらはコハクチョウが羽を休めるため、夕暮れの湖沼に着水した瞬間です。フレームに被写体を入れることさえできれば、動きの早い場面でも高性能なAFが素早く反応してくれるので安心して撮影に臨めます。被写体やシチュエーション等によって、フォーカスモードやエリアを変えることも重要だと感じます。各々に特性があるので、それによってAFの性能を極限まで引き出すことができると思います。 また、動画内に登場する、水しぶきをあげて駆け抜けるオスジカのシーン(4:30〜)。逆光という一般的にはAFが合いづらいシーンにも関わらず、粘り強く被写体を捉え続けてくれています。

また突然、エゾシカが走行中に切り返す予測が難しい場面(4:45辺り)でも、フォーカスが外れることなく追従してくれました。動画の場合、一度でもフォーカスが外れるとその時点で作品としては使用できないので、フォーカスを外すことは許されません。このシーンはα7S IIIを手にして間もない頃に撮影した映像で、この撮影以来、α7S IIIのAF性能に強い信頼を抱きました。

あらゆる撮影に挑戦できるカメラ

これまで山での長期取材の際には、撮影機材に食料やテントを含めて40kgほどの荷物を背負って登らなくてはなりませんでした。撮影機材は単焦点の望遠レンズから中望遠、広角、超広角ズームレンズの4本に三脚と雲台を含めるとかなりの重量です。昨年の12月から主に動物の撮影に使用しているα7S IIIとFE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSの組み合わせで大幅な軽量化ができ、機動性は格段に向上しています。動画にも登場するエゾユキウサギの撮影には(0:50〜)、まだ雪深い春山に残る足跡を追って数時間歩き続けたのですが、休むことなく進めることができました。 また、望遠ズームレンズは描写力やぼけの関係から使用するのを拒んできましたが、FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSの高い描写力は気に入っています。重心位置がほとんど変わらないインナーズームレンズも動画撮影には適していると感じました。 すでに、この春からα7S IIIを使用し撮影をしているのですが、暗い森に生息する動物たちを4K120pのスローモーションや高感度で捉えたいと思っています。夏の太陽が燦々と輝く日中でも森の中は思っている以上に暗く、動物たちの素早い動きを撮影するのに苦労してきましたが、α7S IIIがその壁を容易に越えてくれると思っています。この先、ファインダー越しに新たな動物たちの世界を映し出してくれると信じています。

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