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Super Blood Moon 2021 〜α1、α7S III、α7R IV、α7R III、G Master で捉えた皆既月食〜

α Universe editorial team

2021年5月26日の夕方から宵にかけて起きた皆既月食。今年最大の満月「スーパームーン」と月食のタイミングが重なったため、大きな話題となりました。 沼澤氏による、皆既月食の美しい動画と写真作品をお楽しみください。

沼澤 茂美/天体写真家 天文宇宙関係のイラスト、天体写真の仕事を中心に、内外の写真雑誌、天文雑誌、書籍の執筆、NHK天文宇宙関連番組の制作・監修、プラネタリウム番組の制作などを手掛ける。パラマウント映画社「スタートレックDeep Space9」の特撮映像素材、ポスター制作を担当した。 取材活動は世界7大陸に及び、最近では2017年「アメリカ皆既日食取材」(NHK)、2016年「インドネシア皆既日食取材」(NHK)、2013年末 NHKスペシャル「アイソン彗星」 カリフォルニア取材では、20日間にわたって砂漠地帯を迷走した。代表的なNHK取材として1989年南米チリの「ラス・カンパナス天文台での長期ロケ」、2003年「南極での皆既日食撮影」などがある。 2010年以降ナショナルジオグラフィックツアーの依頼で「イースター島皆既日食」や「西オーストラリアバーヌルル国立公園」「スピッツベルゲン島皆既日食」などのツアーに同行。 また、世界最大規模の星の祭典「胎内星まつり」の企画運営を37年間継続。昨年は無観客ネット生中継開催を成功させる。村上市天体観測施設「ポーラースター神林」、胎内市胎内自然天文館の建設監修を行なう。2011年新潟市国際コンベンションセンター「朱鷺メッセ」で開催された「にいがた宇宙フェスタ」企画制作を担当する。ライフワークとして赤外写真、モノクロファインプリントの表現を追求している。2004年環境大臣賞受賞。著書多数。

2018年1月31日、6台のα7R IIIを駆使して多角的な撮影に挑戦した皆既月食から3年あまりが経過しました。その間のαの進化は目を見張るものがあります。優れた階調表現に8K 30pでの映像記録が可能になり、圧倒的な画質を誇るG Masterのラインアップも充実。今回の皆既月食は、以前とはまったく違う表現が可能になるのではないか?そのような期待は今回のイベントをいっそう特別なものにしてくれたと言っても良いでしょう。 今回の皆既月食は、日没と同時に東から昇る満月が月の出と同時に欠ける、あるいは場所によっては欠けながら昇ってくるという状況で、すっかり欠けて皆既月食の状態になるのが午後8時過ぎと、一般の人にも見やすい時間帯であり、また、今年最大の満月「スーパームーン」であることも話題となってさまざまなメディアでも紹介されたことから、非常に多くの人が注目する天文現象となりました。皆既月食の魅力は、なんと言っても皆既中に見られる赤銅色の月の色彩の美しさにあるでしょう。海外では血のような色ということから「ブラッドムーン」と呼ばれているこの色は、月が地球の影に入ったときに、地球の大気によって屈折された太陽の赤い成分の光によって照らされる独特の色です。この色や明るさは、地球大気の状態を反映しており、常に同じに見えるものではなく、皆既月食の都度変化していきます。 大規模な火山活動などがあった後は非常に暗い皆既月食になることが過去の目撃から分かっています。さらに近年話題になっている現象が「ターコイズフリンジ」と呼ばれる、地球上層のオゾン層を通った光が月を照らす「青みを帯びた部分」の存在です。この現象は近年注目され始めたもので、以前から太陽に照らされた部分と地球の影に入った赤銅色の部分との境界には非常に複雑な色彩があることが分かっていました。しかし、フィルム時代にはその微妙なトーンや色彩を再現することができず、客観的な記録が不可能でした。それがデジタルカメラの性能が向上し、2010年前後からその再現が可能になり、にわかに注目を集めることとなりました。 現在のαシステムはそのような繊細な色彩やトーン、人々が肉眼の優れた特性でのみ感じてきた感動の根源となる部分を再現可能ではないかという期待が持てました。また、皆既月食の明るさは、通常の満月の1/2000〜1/4000まで暗くなるため、優れた高感度特性も重要になります。 今回は、ダイナミックレンジと高感度特性、そして解像度のバランスに優れ、8K 30pの撮影が可能な3台のα1を中核に、皆既月食下の景観に威力を発揮する高感度の動画撮影に特化したα7S III、突出した解像度を示すα7R IV、前回の皆既月食で素晴らしい特性を示したα7R IIIといった合計8台のαと、FE 600mm F4 GM OSSをはじめとした大口径単焦点レンズ、天体望遠鏡を利用した特殊光学系によってさまざまな皆既月食の表情を捉えようとしました。

今回は合計8台のαとFE 600mm F4 GMをはじめとする5本の大口径単焦点G Master、そして口径28センチ〜20センチの望遠鏡などを使用しました。そのうち5台のシステムは月を追尾撮影するために大型の赤道儀に同架しています。

全国の人が皆既月食を期待する中、当日の天気はかなり微妙な様相を呈していました。西日本は曇りや雨でほぼ絶望的、関東も雲が広がり、晴れが期待できるのは新潟の北部と東北北海道。しかもコロナ禍で県境をまたいでの移動の自粛が要請されている状態での行動はかなり限られていたのも事実です。私は地元である新潟の北部で撮影できたため、雲の影響はあったものの、皆既月食のほぼ全行程を撮影できたのは幸いでした。ただ、めまぐるしく雲の通過で変化する月の明るさ、また今回の皆既月食の高度が15度程度なので、地球の大気による露出補正が2倍以上になるなど、臨機応変な露出調整などが必要となりました。いくつかのカメラは5分間隔か1分間隔でインターバル撮影を行いますが、3コマか5コマの連続ブラケット撮影を併用することで、適正露出を逃さない方法をとりました。静止画の撮影はすべてRAW(非圧縮、もしくはロスレス)、動画撮影は8K, 4KともにS-Log3で記録を行い、編集時のトーン、色彩調整の自由度を上げています。 今回の皆既月食の表現で心がけたのは肉眼での感動の完全な再現、あるいはαで生み出される肉眼を越えた再現なのですが、最も気をつけたのはその色彩やトーンの繊細さの再現です。 太陽に照らされた明るい部分と本影の赤銅色の部分の境界に存在するターコイズフリンジという青みを帯びた部分は、過度な強調表現によってビビッドな色彩にする傾向が強いのですが、皆既月食のデリケートな部分は、自然の神秘さを感じ取る肝の部分でもあります。

「皆既月食の月に隠される星」
赤銅色の月の左に輝く星は、さそり座の6.6等星です。ちょうど皆既月食の中間の時刻に月に隠されました。

過去の十数回の皆既月食の経験を元に蓄積した「皆既月食の真の魅力は何か」を表現するために、αの優れたRAWデータの特性を丁重に加工し、仕上げました。しかし、撮影した私が驚いたのは多彩なムービーデータによる臨場感に他なりません。8K, 4Kがもたらす情報量の多さには目を見張るものがあります。大気のゆらぎによって生きているかのように躍動する月の出の輪郭、行き交う雲も空を移動する飛行機の光跡、川面のゆらぎ、月と重なる鳥のシルエット、月に隠されゆく星等々、ディティールが伝える感動は見るほどに倍加されるようです。映像に記録されたそれぞれのシーンは、まさに皆既月食が地球や宇宙のさまざまな要素と関連して作り出した、二度と再現されない「事象の記録」なのです。 撮影した動画作品はこちら(掲載動画は4K Ver.です)

「皆既月食直後の月」

皆既月食の直後の月は左側のほんの一部が太陽の光を受けて輝き、右側が皆既月食の赤銅色、そしてその境目にターコイズフリンジと呼ばれる青みを帯びた領域を見せています。ほぼ肉眼で見たイメージを再現できました。

「雲を通して見る部分月食」

部分月食の開始から30分ほどが経過した様子です。月の明るい部分と共に、暗い部分もうっすらと見えていますが、通常は両方のディティールを同時に再現するのはとても難しく、α1の優れた階調特性と、雲の動きが生み出した貴重なショットです。

「皆既月食直後の月と星空」

α7R III,FE 50mm F1.2 GM 50mm,F1.2,2秒,ISO1250

皆既月食が終わった直後、月がほのかに地上を照らし、周囲の空にはたくさんの星が輝く絶妙なタイミングをFE 50mm F1.2 GMの大口径レンズを使い、露出2秒という短時間で撮影した1枚です。

「皆既月食の経過」

α7R IV,FE 16-35mm F4 ZA OSS 35mm,F5,1/60秒,ISO640

35mmの画角で5分間隔にて撮影した画像を合成したものです。撮影の間は幾筋もの雲が通過したため、各5コマのブラケット撮影とインターバル撮影を併用しています。

「昇る部分月食の月」

α7R III,FE 85mm F1.4 GM 85mm,F1.6,1/100秒,ISO320

山の端から欠けた月が昇り約15分が経過した様子です。左にはこの土地のランドマーク的な存在の「ツインピークス」が見えます。これから約1時間後に月は皆既月食となりました。

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