
F2で切り撮る、決定的瞬間──
FE 50-150mm F2 GMが拓くスポーツ撮影の新境地
スポーツフォトグラファー 水谷たかひと 氏
水谷たかひと / スポーツフォトグラファー 1990年に東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。さまざまなスポーツイベントを撮影し、3年後に帰国。拠点を日本に移し、スポーツ競技やアスリートたちを追いかけている。日本スポーツ写真協会(ANSP)会長。国際スポーツプレス協会(AIPS)会員。株式会社マイスポーツ出版代表取締役。2023年シーズンよりソニーHC BRAVIALadies のオフィシャルフォトグラファーに就任。
コンパクトさと高性能の両立
初めて使用した瞬間は、やはり「おっ!軽いな!」でしたね。また、望遠側が150mmもあり、F2通しというこのレンズは、スポーツ撮影メインの私にとって魅力的なズームレンズだとまず感じました。コンパクトで軽量、それでいて最高峰G Masterであることがすごいと感じました。F2通しなので、ある程度の重量感とハンドリングに不安がありましたが、やはりソニーのレンズは軽い。そしてレンズの重量バランスが非常に秀逸と感じました。α1 IIで全て撮影したのですが、取り回しはかなり良かったです。練習時間と試合時間合わせて長時間撮影していましたが、全く苦になりませんでしたね。やはり軽さとバランスは大きな魅力です。インナーズームであることも魅力のひとつです。伸びるタイプのズームレンズは長さが変わってしまい、撮影時にバランス取りが上手にできません。そして焦点距離によって伸縮するズームレンズは、防塵防滴性能でも弱い部分があるので、屋外でのスポーツ撮影では困りますね。
F2の明るさとぼけがプレーを輝かせる
やはり開放値F2の魅力といえば、明るさ確保と背景のぼけでしょう。今回撮影した作例は、夕方からの試合開始で明るさの確保が厳しい状況でした。近年室内やナイターでの試合が多くなっているスポーツ撮影には明るさ確保として、F2通しのズームレンズの登場は、とても魅力的に感じますね。背景の処理にもF値は大きく関係してきます。私は背景処理をすごく気にするタイプです。この作例も可能な限り背景をぼかし、選手がボールを奪い合っている姿を浮き出させ、プレーを強調させました。今回は全てF2で撮影をし、背景は可能な限りぼかしました。いやぁ綺麗にぼけますね!!!
ジャンルを超える万能性──ポートレートからドキュメンタリーまで
全域開放値F2通しであり、それでいて望遠150mmと、スポーツ撮影でも通用するズームレンズは、いろいろな場面で重宝することは確かですね。1枚目のように高い解像感と描写力で、選手の緊張感あるリアルな表情や仕草をアップでポートレートのように背景をぼかして狙うことも可能ですし、2枚目のようなスピードや躍動感を求められる通常のスポーツシーンでも、レンズが持つ高いAF性能で難なく狙いたい一瞬を切り撮ることができる。ズームレンズですので、今もっと寄りたい!引きたい!というメリハリを、瞬時にスポーツの現場で運用できるのは嬉しいですね。
こちらはゴールキーパー(GK)である選手が、試合前の準備をしているシーンになります。ホッケーのGKは大変なポジションで、防具があるとはいえ、非常に高速でゴールに放たれるショットを受けるわけです。得点も抑えなければなりません。そんな不安と緊張、そして試合に勝ちたいという闘志を秘めた二面を、鏡に反射した姿を通して表現してみました。常に表現したいシーンを探しまわり、見つけ、狙っています。
勢いよくパスが放たれた瞬間を捉えました。選手のフォームが美しく、迫力もあり、よりホッケーらしい一瞬かと思います。私は「狙ったものは必ず手中に収める」を高確率で成し遂げることができるαとレンズに惚れ込み、選択しました。スポーツ写真においては起こることが一瞬であり、二度と同じ瞬間は起こりませんし、撮影もできません。自分の納得する一瞬を多く切り撮り、残すことは、機材選びからというのも重要なポイントになりますね。
ポートレート撮影で重宝されるであろうと誰もが感じるかと思います。実際、50-150mmという焦点距離を考えればポートレート現場での活躍が想像できます。私はスポーツの現場にて使用しましたが、このジャンルで重宝するよねと断定するのは勿体ない気がしました。ジャンル問わず対応可能な汎用性を持ち、高いAF性能と解像感、常時解放F2がもたらすぼけ味。もう全てのジャンルで重宝されるスペックを持ち合わせているのです。ぜひ多くのユーザーに、このオールマイティーな「凄さ」を味わっていただきたい。私がスポーツの現場で主に狙っているのは「人間」と「情景」です。老若男女問わずスポーツに勤しみ、情熱を傾ける人間のドラマと、四季と時間が織りなす様々な情景の中にスポーツシーンを入れ込む。150mmアップ目で人間のドラマを切り撮り、50mm引き気味で会場の臨場感や時の流れといった情景を切り撮るという運用方法を想像しています。私にとってFE 50-150mm F2 GMは、狙いたい瞬間を全てこの一本で狙って切り撮ることができる最高なレンズになるでしょう。
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