鹿児島県立鶴丸高等学校様
鹿児島県立鶴丸高等学校では、DXハイスクール制度を活用して先進的な教育環境の整備と生徒主体の探究・STEAM教育の推進を通じて、新たな形の学びの実現に取り組んでいます。今回、空間再現ディスプレイを活用した探究活動についてお話をうかがいました。
※掲載内容は2026年3月時点のものです ※画面はハメコミです
鹿児島県立鶴丸高等学校は、1949年の開校以来、「好学愛知」「自律敬愛」「質実剛健」を建学の理念として掲げてきました。各学年8クラス、約960名が在籍する県内有数の規模を持つ公立高等学校であり、進学指導に加えて部活動や学校行事にも力を入れながら、生徒一人ひとりの主体性を育む教育を実践しています。将来、社会の各分野でリーダーとして活躍できる人材の育成を目標に、学力形成だけでなく、探究的・教科横断的な学びにも注力しています。

鹿児島県立鶴丸高等学校
金城教諭(左)と渡辺教頭(右)
同校ではSTEAM教育や教科横断的な学びの基盤整備を目的に、DXハイスクール事業を活用したICT環境整備を進めてきました。普通教室への短焦点プロジェクターの導入に加え、高性能PC、3Dプリンター、3Dスキャナーなどを段階的に整備しています。
普通科高校という特性上、CADを用いた3D制作に習熟した生徒ばかりではありません。3Dプリンターを活用する場面でも、「出力できるか否か」以前に、 立体的な構造や形状を事前に把握・共有することが難しい、という課題がありました。
このような背景から、「技能の有無にかかわらず、立体構造を直感的に理解できる表示手段」の必要性が明確になっていきました。
空間再現ディスプレイ(以下、SRD)との出会いは、展示会で実機を確認したことがきっかけでした。裸眼で立体視できるという特性に新しさを感じた一方で、導入しても「授業だけでは稼働が少ないのではないか」という懸念がありました。
そこで同校では、SRDの利用を授業に限定せず、部活動や生徒会活動などの課外活動も含めて活用することにしました。

登山ルート周辺の起伏を立体的に確認
山岳部では、国土地理院の地形データをSRDで3D表示し、実際に登る山のルート周辺の地形を事前に確認しています。等高線だけでは把握しづらい起伏や高低差を立体的に捉えられるため、特に等高線の読解に慣れていない1年生にとって理解の助けになっているといいます。

文化祭で活用した3D会場マップ
文化祭では、生徒会や放送部の有志が、校舎や会場マップをBlenderで3Dデータ化し、SRDで立体表示する企画を実施しました。立体で“その場にあるように見える”という体験は、生徒の興味を強く引きつけ、Blenderを勉強し始める生徒が出てくるなど、自発的な学習を促進する効果が確認できました。

生徒がBlenderで制作した3Dモデルの一例
Blenderなどの3D制作ソフトに取り組む生徒も現れています。2Dモニターでも制作は可能ですが、細部構造の確認や完成イメージの把握において、SRDでの立体表示が有効だと感じているといいます。
特に、3Dプリンターでは物理的に出力できないほど細かい構造についても、立体表示で確認できる点は、制作プロセスにおける重要な補完手段となっています。
現在の活用は、部活動や探究的な制作に積極的に取り組む生徒を中心とした、比較的少人数での活用が主となっています。これらの生徒は継続的かつ高い頻度でSRDを使用しており、試行錯誤を重ねながら活用方法を深めています。
同校では、このような先行的な活用事例を「核」として位置づけ、今後より多くの生徒が触れられる環境づくりへと展開していく考えです。
また、早期段階で3D表現や周辺機材に触れる機会を設けることで、探究テーマの発見や視野の拡張につなげたいと考えています。
空間再現ディスプレイ
空間再現ディスプレイ ELF-SR2は、ソニー独自の視線認識技術により、裸眼のままでもクリアで自然な立体視を再現するディスプレイです。実物がそこにあるかのような表現により、教育・STEAM分野での立体構造の直感的な理解や、3Dプリンターや3Dスキャナーと連携した探究学習を支援します。
空間再現ディスプレイ
ELF-SR2(27型)
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